千葉市内の分譲マンションに住んでいたMさん家族。築30年以上のマンションは収納面に不満があり、敷地内の駐車場にも空きが出ない。さらには3匹の猫と暮らしている状況で、管理規約のペットの飼育制限が「2匹以内」に変更に。リフォームも考えていたが、これが決定打となり戸建てへの住み替えを考え始めた。「転校したくない」という娘の要望も受けて、同じ学区内での物件探しが始まる。
日当たりがよくて猫たちと心地よく暮らせる家を希望
夫の趣味はサーフィンで、サーフボードを5本ほど所有している。以前のマンションでは室内に置き場所がないため、やむを得ずベランダの軒下に置いていたが、ボードケースに入れても虫が入り込んだりと不満を感じていたという。
妻が言う。
「最初は近所の建売住宅を見に行ったのですが、やっぱりサーフボードを置ける収納スペースはなくて。あと、前のマンションでは私が部屋の隅を木材で囲って猫たちのトイレカバーを作っていたんですが、それでも匂うのと後ろ脚でバシバシと砂を蹴るから部屋に砂が飛び散るんです。建売だと同じように室内にトイレを作ることになるので、状況は変わらないなと感じました」
そんな折に目に入ったのがスーモカウンターのネット広告。話だけでも聞いてみようかと軽い気持ちで訪れた。担当者に相談するうちに、「注文住宅は思っていたより金額的にハードルが低い」という感触を持ったそうだ。
「私たちが出した希望は、日当たりがよくて猫たちと心地よく暮らせる家。そして、室内にサーフボードを収納できること。デザインに関しては、置いてあったカタログを見ながら『こういう家が好きです』と伝えました」(妻、以下同)
「この建築会社ならご希望に合いそうです」と紹介されたのは2社。さらに、スーモの建築実例サイトから自分たちで目星を付けたのが1社。それらの会社と打ち合わせをしながら、同時に土地探しも行った。
土地探しが難航、空き家を見つけたら飛び込みで交渉も
「娘の学区内ということでエリアが限られているため、土地は地場の不動産会社に声をかけまくって自分たちで探したんです。でも、簡単には見つからなくて、空き家を見つけたら土地探しをしてもらっている不動産屋さんに交渉しに行ってもらったりしました」
結果的に、3年ほど空き地だった現在の場所にピンと来た。
「この土地をもとに各社から間取りを出していただいたんですが、最終的に選んだのは『広いリビング』、『サーフボードの収納場所』、『猫が入らないようにキッチンは別部屋』などの細かい意向をすべてくんだ間取りを考えてくれた建築会社でした」
建築予算は当時住んでいたマンションの管理費、毎月4万円ほどの修繕積立金、近くに借りている駐車場代に、この先住む場合の年数を掛け合わせたおおよその金額を算出。これに物件の売却費用を足す程度で考えていた。
「いざ話を進めていくと、さまざまなオプションや太陽光パネルを付けるなどした結果、全然もっとかかりましたが」と妻は笑う。しかし、旧居の分譲マンションが購入価格と同じ価格で売却できたのはラッキーだった。
「注文住宅は自分たちで決めることが多く、すべてお任せしたいと思った時期もありました。でも、建築会社はこちらの要望に沿って間取りを何度もすぐに書き換えてくれたりと、仕事が早かったです。各所のプランを練った分、時間がかかりましたが、完成した家に感じる愛情もひとしおです」
5本のサーフボードは玄関にすっきり収納
特徴的なのはツートーンの外観とアプローチに敷かれたレンガ。レンガは廃材のアンティークで、実際に窯元で焼かれたものだ。
広い玄関の奥には夫の悲願だったサーフボード置き場を設けている。
玄関とリビングの境には特徴的な両開きの扉がある。当初は片開きの予定だったが、「玄関から広いリビングが見えるようにしたい」という妻の希望で採用したという。
「リビングドアを閉めてもガラス扉からリビングと庭が見えて光が入るので、北側の玄関も明るく開放感があり、とても気に入っています」
猫のトイレはアーチをくぐった奥の小部屋に設置
猫たちは楽しそうに1階と2階を上り下りしているそうだ。しかし、肝心のトイレはどうなったのだろうか。
「トイレは階段下のスペースに作りました。以前と違って匂いや砂の飛び散りも気になりません。リビングの床は建築会社のプランに入っていたモミ材を使っています。凹凸感があるので猫の爪痕が目立ちにくくてよかったです。人間も裸足で歩くと気持ちいいんですよ」
リビングに併設されたキッチンはクローズドキッチンを採用。ドアで開閉できる設計で、調理中に猫が入ってこられないようにした。アメリカンレトロな壁紙に白いタイルと框扉(かまちとびら)、アクセントに黒い取手を組み合わせたのも妻の希望通りだ。
浴室は広めに取り、肌触りがつるつるで保温効果もあるというホーロー製の浴槽を奮発した。洗面台自体は標準プランだが、鏡は大きいものが欲しかった。
また、備え付けに見える棚と引き出しは妻のDIYだ。
「自分でできるところはやりたかったので、大型量販店で買ってきて自分で組み立てました。お店でぴったり収まるサイズのものを選んだんですが、下の引き出しだけで4万円ぐらいで揃えられました」
クローゼットには国立科学博物館の植物標本シリーズがデザインされた壁紙。
家を囲むように緑が映える芝生の管理は夫の担当
室内をぐるぐると見せてもらって目に付いたのが特徴的な電気スイッチだった。
「スイッチはレトロっぽくておしゃれなものにしたくて、全室これに統一しました。インターホンが出っ張るのも嫌だなと思って、窪みの中に収まるようにしています」
リビングにはお祭りの露店ですくってきたものの、想像以上に大きくなった金魚が泳ぐ水槽。その横には、夫が好きなフランスワインのコレクションが並べられている。
家をL字型に囲む芝生の手入れは夫の担当だ。
バルコニーではプールで遊んだり、夫が日光浴をしたり
2階には寝室、書斎、バルコニーなどがある。
「吹抜けにしたので開放感あふれる空間になりました。階段の手すりと奥に見えるバルコニーの手すりを揃えたのもこだわりです。ネットで探したんですが、室内にも設置できるのがあまりなくて。これはアルミ製で軽くて防錆加工もされています」
バルコニーでは家族で朝食を食べたり、プールを出して遊んだり。日当たりもよいので、夫にとっては貴重な日光浴スペースとなっている。
リモートワークにも対応できる夫の書斎も作ってもらった。
質問に答えるうちに自分たちがやりたいことが見えてきた
「具体的なことが何も決まっていなくても、スーモカウンターで簡単な質問に答えていくうちに、自分たちがやりたいことや建てたい家が見えてきたのがよかったです。また、ファイナンシャルプランナーとの面談では、家づくりの資金面の話はもちろん、家計や貯蓄の見直しもできました」
収納、日当たり、デザインのこだわり、そして猫たちとの心地よい暮らし。当初の希望がすべて実現した形だ。
ちなみに、猫たちは警戒心が強く取材陣には一向に懐かなかった。しかし、取材が終わって家の外からバルコニーを見上げると――。
取材・文/石原たきび 写真/片山貴博
- DATA
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土地面積 約275㎡ 延床面積 約142㎡ 建築費 約4000万円 間取り 5LDK 世帯構成 夫(48歳)、妻(46歳)、長女(9歳)、猫3匹
- スーモカウンターで受けたサービス
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