
一戸建ての暮らしは魅力的ですが、マンションと比べると地面に近いため、どうしても窓や玄関から虫が入りやすくなります。「虫が苦手だから一戸建ては不安」「せっかくの新築なのに虫が出たらどうしよう」と悩んでいる方もいるかもしれません。しかし、虫の侵入は、きちんと対策すれば大幅に減らせます。
この記事では、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんに伺い、家を建てる前の土地選びや設計の段階からできる虫対策から、入居してすぐに自分でできる手軽な工夫まで、わかりやすく解説します。
実際に虫対策を工夫して快適な住まいを実現した先輩たちの実例も併せて紹介するので、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。
一戸建ての敵「害虫」とは?
人間の生活に直接または間接的に害を与える虫のことを一般的に「害虫」と呼んでいます。害虫にはさまざまな種類があり、その影響も多様ですが、住まいとの関わりが深い害虫も数多くいます。まずは、主に住宅や暮らしへ影響を与える害虫と、その特徴について紹介します。
シロアリ
シロアリは、主に枯れた植物のセルロースを食物にする虫です。
「建築物、中でも特に木材を好むため、木造住宅の床下や柱など、住宅の構造を支える部材を食われたときの被害は甚大です。
また、実は木造以外の住宅にとっても、とても怖い害虫であることはあまり知られていません。エサとなる木材に至る途中のコンクリートや金属、プラスチック等も食いちぎられたり、壊されたりするためです」(藤原さん、以下同)

ゴキブリ
ゴキブリは、見た目が気持ち悪いだけでなく、菌やウイルスを運んで人の健康を害する「衛生害虫」です。
「ゴキブリは最もポピュラーな害虫の一種。暗く、暖かく、狭く、湿った環境を好みます。また、卵が孵化し始めるのは6月頃からですが、冬を越した成虫は3月頃から活動し始めます」

コバエ
コバエというのは俗称で、キッチンやゴミ捨て場に群れて発生するのが主にショウジョウバエの仲間、浴室など水回りに発生するのが、主にチョウバエの仲間です。
「どちらのコバエも菌を運んでくるわけではありませんが、見た目がうっとうしい、気持ち悪いというのが主な害です」

ダニ
室温20~30度、湿度60~80%の環境を好み、寝具やクッション、ぬいぐるみ、絨毯などに潜んでいます。
「ダニもポピュラーな衛生害虫の一種です。主にアレルギーの原因として、またまれに人の血を吸ったり、皮膚をかんだりするなど、炎症を起こすこともあります」

スズメバチ・アシナガバチ
一戸建ての庭や軒下は、スズメバチやアシナガバチにとって巣をつくりやすい場所です。ハチは攻撃性が高く、巣に気付かずに近づいてしまうと、刺されてしまう危険があります。
特にスズメバチに刺されると強い痛みを伴い、人によっては「アナフィラキシーショック」という命に関わる危険な状態になることもあるため注意が必要です。
もし家の周りで巣を見つけても、自分で駆除しようとするのは絶対にやめてください。非常に危険なので、まずは落ち着いてその場を離れ、駆除の専門家に相談するのが安全で確実な対策です。
ハチの被害を防ぐためには、巣をつくらせない予防が大切です。女王バチが単独で巣づくりを始める春先、4月から5月頃に、軒下や庭木などの雨風をしのげる場所にハチが嫌がるスプレーをあらかじめ吹き付けておくと、巣づくりを防ぐ効果が期待できるでしょう。
カメムシ
秋が深まると、どこからともなく現れるのがカメムシです。カメムシの厄介な点は、危険を感じると強烈な嫌な臭いを出すことです。カメムシは冬を越すために、暖かくて安全な場所を求めて家の中に入ってこようとします。
特に、天気の良い日に外に干した洗濯物は、温かいためカメムシがくっ付きやすく、気付かないまま一緒に家の中に取り込んでしまうことも少なくありません。
カメムシはたった数ミリのとても小さな隙間からでも侵入できてしまうため、油断は禁物です。もし家の中で見つけたら、慌ててティッシュでつぶしたりせず、刺激して臭いを出す前にカメムシ専用の殺虫スプレーで素早く退治することをおすすめします。
一番の対策は、家に入れないことです。虫が活発になる秋口には、窓のサッシや網戸、玄関周りなど、虫が侵入しそうな場所に、あらかじめ侵入を防ぐ効果のあるスプレーを吹き付けておくと安心でしょう。
シバンムシ
家の中で、2~3ミリほどの小さな赤茶色の虫を見かけたら、それはシバンムシかもしれません。シバンムシが厄介なのは、幼虫がとても食いしん坊な点です。パスタなどの乾麺や小麦粉、お菓子、ペットフードといった乾燥食品はもちろん、畳のい草まで食べてしまいます。食品の袋を食い破って中に侵入することもあるため、気付かないうちに食品に虫が混入してしまう原因にもなりかねません。
さらに大きな問題は、シバンムシが発生すると、その幼虫をエサにする「シバンムシアリガタバチ」という別の虫まで呼び寄せてしまうことです。シバンムシアリガタバチはとても小さく、人の肌を刺してかゆみや痛みを引き起こすことがあるため、非常に厄介です。
衣類を食べる虫(イガ、コイガ、カツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ)
衣類を食べる虫で代表的なのは、イガ、コイガ、カツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシの4種類。どの種も幼虫が衣類を食べます。
「衣類を食べる虫は、たんぱく質を好む傾向があり、ウールやシルクなどの動物性たんぱく質系の繊維や、服に残された汗や食べこぼしなどのたんぱく汚れが狙われます」

また、これまで紹介した以外の害虫として、住環境によっては、ムカデ、ノミなども人の暮らしに害を与えます。
一戸建てで虫が侵入してきやすい場所とは
一戸建ての中でも特に虫が侵入してきやすい場所は、以下の4箇所です。
- ベランダ・バルコニー・テラスなど
- 窓や網戸の隙間
- 換気扇・給排気口
- 室外機のホース
ベランダ・バルコニー・テラスなど
テラスやデッキが1階にある場合、地面とつながっているため害虫が侵入しやすい場所です。また、2階以上であっても洗濯物を干すために頻繁にベランダに出入りしていると、窓を開けている間に虫が入り込むことがあります。また、洗濯物を外干ししていると、干している間に服の中に虫が入り込むこともあるでしょう。
特にベランダで植物を育てていたり、排水溝が汚れていたりする場合は、さらに注意が必要です。植物を育てていると、花粉を求めてハチが入ってくることがありますし、汚れた排水溝は蚊やハエ、チョウバエなどが発生する原因となります。
窓や網戸の隙間
窓や網戸の立て付けが悪いと、閉めても隙間ができてしまうことがあります。新築の住宅ではそのようなケースは少ないかもしれませんが、施工の不備が原因で立て付けが悪くなることもあるでしょう。
換気のために窓を開ける際、網戸にしておけば虫の侵入を防げると思うかもしれません。しかし、引き違い窓の場合、網戸と窓のサッシがきちんと重なるように開けないと、網戸と窓の間に隙間ができてしまい、そこから虫が入り込んでしまいます。
また、トビムシのような非常に小さな虫も存在し、網目をすり抜けてしまうこともあります。虫の侵入を確実に防ぐためには、より細かい網目の網戸を選ぶと良いでしょう。
換気扇・給排気口
換気扇や給気口などの通気口からも虫が侵入する可能性があります。特に換気扇の通気口は大きいため、虫が入り込みやすいです。そのため、虫が入らないように事前に対策を講じる必要があります。
「換気扇は室内の空気を外に出すため、虫は入ってこられない」と考える方もいるかもしれません。しかし、換気扇がきちんと機能していないと無風に近い状態になってしまうため、小さな虫なら侵入できてしまいます。換気扇からムカデが侵入する可能性もあるため、事前に換気扇用のフィルターを購入して、家の中に侵入できないよう隙間をなくしておきましょう。
室外機のホース
エアコンの室外機から出ているホースは、冷房や除湿モードで使用する際に発生する水を外に排出するためのものです。エアコンが部屋の暖かい空気を吸い込み、熱交換器で冷やすと温度差によって結露が生じます。この結露水がドレンホースを通じて外に流れ出る仕組みです。
夏場はエアコンの使用頻度が高いため、水が流れ続けていることで虫の侵入は少ないですが、エアコンを使わない季節になると虫がホースから家の中に入り込む可能性が高まります。虫の侵入を防ぐためにも、ホースの先端に防虫キャップを取り付けましょう。
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一戸建てで虫対策をしないと起こるリスク
一戸建てで虫対策を怠ると、暮らしの中でさまざまな困りごとが起こる可能性があります。ただ「虫がいて気持ち悪い」というだけではなく、家族の健康や大切な住まいそのものにまで、悪い影響が及ぶかもしれません。
具体的にどのようなリスクがあるのか、1つずつ見ていきましょう。
衛生面の問題
虫がもたらす問題の中でも特に気をつけたいのが、家族の健康に関わる衛生面への影響です。虫の中には「衛生害虫」と呼ばれるものがいて、ゴキブリやハエがその代表例です。
衛生害虫は、ごみ捨て場など不潔な場所を歩き回ることが多いため、体や足には、私たちの目には見えないたくさんの菌が付いています。虫が運んできたサルモネラ菌などの病気の原因となる菌が食べ物や食器に移り、知らず知らずのうちに食中毒などを引き起こしてしまう可能性があります。
特に、体の抵抗力が弱い小さな子どもや高齢の方がいる家庭では注意が必要です。家族全員が安心して暮らすためにも、虫を寄せ付けない清潔な環境を保つようにしましょう。
健康面の問題
虫の中には、人の健康に直接的な害を及ぼす種類もいます。1つは、ムカデやハチ、ノミのように、人を「刺したりかんだりする」タイプの虫です。
これらの虫に攻撃されると、強い痛みやひどい腫れ、かゆみといった症状が出ることがあるので注意しましょう。もう1つ、忘れてはならないのがアレルギーの原因となる虫の存在です。
特に部屋の中にいるダニは、フンや死骸がアレルギーの原因物質になり、吸い込んでしまうとくしゃみや鼻水が止まらなくなったり、ぜんそくの症状が悪化したりすることがあります。
たとえ目に見えなくても、健康を静かに脅かす存在が家に潜んでいるかもしれません。虫に刺される被害を防ぐことはもちろん、アレルギー症状から家族を守るためにも、虫を家の中に入れない、そして増やさないための対策がとても重要です。
衣類の被害
久しぶりにクローゼットからお気に入りのセーターを取り出したら、小さな穴が開いていてがっかりした、という経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。その穴は、もしかしたら衣類を食べる虫の仕業かもしれません。
代表的なのは「イガ」や「カツオブシムシ」といった虫の幼虫です。ウールやカシミヤ、シルクのような、動物の毛からつくられた上質な素材が大好物です。また、繊維そのものだけではなく、衣類に残った汗のシミや食べこぼしなどの汚れも好んで食べるため、化学繊維の服であっても被害に遭う可能性があります。
大切にしている衣類を虫食いから守るためには、しまう前のひと手間が肝心です。衣替えなどで長期間保管する前には、必ず洗濯やクリーニングで汚れをきれいに落としましょう。その上で、収納スペースに合った適切な数の防虫剤を正しく使うことで、虫の被害をぐっと減らせます。
建物の被害
虫が引き起こす被害の中で怖いのが、大切な住まいそのものが傷つけられてしまう被害です。その原因となる代表格が「シロアリ」です。シロアリは、家の土台や柱など、建物をどっしりと支えている重要な木材を主食にしています。
被害は床下や壁の中など、目につかない場所で静かに進んでいくため、異変に気付いたときには、すでに家の強度が大きく落ちてしまっているというケースも少なくありません。そうなると、大きな地震や台風が来た際に、家が深刻なダメージを受けてしまうことにもつながってしまいます。
「うちは木造ではないから大丈夫」と思うかもしれません。しかし、鉄骨やコンクリート造の家でも、床板や壁の内側にある木材、家具などが被害に遭うことがあるため、決して油断しないでください。大切なマイホームに長く安心して住み続けるためにも、家を建てる段階からシロアリ対策をしっかりと施し、定期的に点検することが大切です。
土地選びから設計時までにできる一戸建ての虫対策は?
一戸建てを新築することになったとき、設計時までにできる虫対策はあるのでしょうか?
虫の少ない立地を選定
藤原さんによると、虫の発生しやすい立地と発生しにくい立地があるといいます。
「虫は湿気を好みます。そのため、虫が気になる人は、川沿いなどの立地は避けた方がいいでしょう。一見して川とはわからない暗渠(あんきょ。地中に埋設された川や水路)なども同様です。
また、湿気は土の量に比例するため、都会よりは土の多い郊外の方が虫が出やすい傾向があります。虫を避けるなら、地方でも郊外ではなく街の中心部の方がおすすめです」
虫の付かない植栽を選定
「植栽を計画する際に、虫除け効果が期待できるハーブなどを植えるのは効果的です。例えば、ローズマリーは虫除け効果がある上に世話が簡単なので、取り入れやすいでしょう」

虫を寄せ付けない設備を計画
設備を計画するときにできる虫対策もあります。
「新築の住宅には必ず付けることになっていますが、24時間換気システムによって室内に虫が発生しにくい湿度を保ってください。スイッチを切らず、常に換気しましょう。
虫対策には網戸の設置も重要です。窓を開けるときには、必ず網戸を閉めるクセをつけてほしいですね。照明に集まる虫もいるので、虫が入りづらい照明の位置を建築会社に相談したり、虫を寄せ付けないLEDライトを使ったりするという方法もあります」

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建築・施工時にできる虫対策は?
設計が終わり、実際に建築・施工の段階に入ってからできる虫対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
構造に適したシロアリ対策を実施
「鉄骨造やRC造でもシロアリ被害があり得るとはいえ、やはり被害が大きいのは木造住宅です。木造住宅においては、土台近くの木材をシロアリの嫌うヒノキやヒバ、防蟻処理を行ったものにするという対策があります。
また、シロアリは暗くて空気がよどんだ、じめじめした環境を好みます。そのため、建物下部の土自体を薬剤やシートなどで処理しておく、建物床下の通風が滞らないよう基礎工事の際に工夫するなどの対策もあります。
ただし、新築の注文住宅ならば基本的にシロアリ対策を施すことが標準になっているはずです。気になる方は建築会社に確認しましょう」

給気口や換気口にフィルターを付ける
部屋の空気をきれいに入れ替えるための換気扇や給気口は、虫の通り道になってしまうことがあります。特に、最近の住宅に設置が義務付けられている24時間換気システムは、常に外とつながっているため、小さな虫にとっては侵入口になりがちです。
また、キッチンの換気扇も、料理中以外は動いていないため、その隙間から虫が入ってくる可能性があるでしょう。時には、ゴキブリやムカデのような大きな虫が侵入するケースもあるため、対策は欠かせません。
そこで有効なのが、専用のフィルターや防虫カバーを取り付けることです。ホームセンターなどで手軽に購入でき、空気をしっかり通しながら、虫の侵入を防いでくれます。ただし、フィルターはホコリで汚れると換気の効率が落ちてしまうため、定期的に掃除したり、新しいものに交換したりすることが大切です。
網戸を付ける
窓を開けて気持ちの良い自然の風を取り入れたいけど、虫が入ってくるのは絶対に避けたい。そんな悩みを解決してくれる最も基本的で効果的な対策が、「網戸」の設置です。
窓以外にも、開ける機会の多い玄関ドアや勝手口にも網戸を付けましょう。ただし、網戸があるからといって安心しすぎるのも禁物です。
例えば、左右に開け閉めする「引き違い窓」の場合、網戸の開け方によっては窓ガラスとの間に隙間ができ、虫の侵入ルートになります。隙間をつくらないためには、網戸を窓枠にぴったりと重ねるようにして使うのがポイントです。
木屑などのゴミ捨てを徹底する
「建築中に発生した木屑などのゴミを床下に放置すると、そこから虫が発生することがあります。気になる人は、建築会社の現場監督に相談したり、建築現場を見に行ってゴミの管理状況をチェックしたりしておくといいでしょう」
雨がたまる窪地を排除する
「敷地内に窪地ができないようにすることも大事です。窪地に雨水がたまり、そこから虫が発生します。ただし、どのような家の周りにも排水溝はあり、そこに水があれば対策はなかなか難しいというのが現実です」
一戸建てで入居前後にできる虫対策は?
藤原さんによると、入居前後の虫対策も非常に重要だといいます。どのような対策があるのでしょうか?
引っ越し時の段ボールは要注意
「新築なのにゴキブリが出たという場合、実は引っ越しの際に前の住居から自分で連れて来た可能性があります。またスーパーなどでもらった荷造り用の段ボールに卵を産み付けられていることがあるので、荷造り用の段ボールはできるだけ新品のものを使いましょう。また、新品でも使用した段ボールは速やかに処分した方がいいですね」

できれば寝具は新調する
「実は、人は日常的に億単位のダニと暮らしています。ダニが多く潜んでいるのが寝具です。まれに新居が前の住まいよりも湿気っぽい家だと、ダニが爆発的に増える可能性があります。
引っ越してから、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状がひどくなった場合、ダニの大量発生が疑われます。症状が出た際にはできれば、寝具を新調した方がいいでしょう」

室内に飾る花や観葉植物も要注意
「切り花に衣類を食べる虫が付いてきてしまうことがあります。部屋の中に花を飾る習慣がある人は、飾る前に虫が付いていないかをチェックしてください。
観葉植物は、虫よりもカビの温床になりやすいのですが、カビも無視できません。カビをエサにしてチリダニが増え、チリダニが増えるとチリダニを食べるツメダニが増え、ツメダニが増えるとツメダニを食べるゴキブリが増えます。さらに、ゴキブリが増えるとそのフンなどがカビの温床になるという悪循環に。これを抑えるためには、次で紹介する湿気対策が重要です。
また、観葉植物自体や周りに生えるキノコを好んでキノコバエというコバエが発生することがあります。土自体に産卵されていると予防は難しいのですが、発生したときには土に挿して使用するタイプのコバエ取りで駆除しましょう」

湿気対策を徹底する
「例えば、近所なのにゴキブリが出る家と出ない家があります。ゴキブリも、より自分たちが暮らしやすい環境を選ぶからです。ゴキブリにとって暮らしやすい家とは、じめじめと湿気の多い家です。
ゴキブリだけではなく、多くの害虫は湿気の多いじめじめとした環境を好みます。基本的に新築の家は湿気が少なく虫が発生しにくい環境といえるので、常に換気を意識して、湿気がこもらないように注意してください」

照明も考慮する
夜になると、多くの虫が街灯に集まっているのを見たことがある人もいるでしょう。虫は紫外線を発する光に引き寄せられる習性があるため、白熱電球を使った照明には虫が集まりやすいのです。
一戸建ての外に照明を設置する場合は、LED照明をおすすめします。LED照明は白熱電球と違って紫外線の発生量が少ないため、虫が集まりにくいです。特に玄関灯や庭、エントランスなどの出入りが多い場所には、LED照明を設置することで虫の寄り付きにくい環境をつくることができます。
もし白熱電球からLED照明への取り替えが難しい場合は、照明に使える防虫スプレーを利用するのが良いでしょう。
一戸建てに住んでからできる対策
マイホームに住み始めた後も、日々の暮らしの中でのちょっとした心がけで、虫に関する悩みは大きく減らせます。大切なのは「虫を家の中に入れないこと」と「家の中で虫を増やさないこと」の2つです。
具体的にどのようなことをすれば良いのか、すぐに実践できる簡単な対策を紹介します。
こまめなゴミ捨て
「害虫対策として、こまめなゴミ捨ては必須です。特に生ゴミはコバエやゴキブリが発生する原因になります。生ゴミは放置せず、密封して処理しましょう。また、ビールの瓶や缶をよく洗わないで置いておくのもNG。ゴキブリはビールの残り汁も大好物です」

防虫スプレーを使用する
防虫スプレーは、虫が嫌がる成分が含まれており、スプレーした場所に虫が寄り付かなくなるアイテムです。スプレータイプは虫が入りやすい場所にピンポイントで噴射でき、手が届きにくい照明周りなどにも使うことができます。
防虫スプレーにはさまざまな種類があり、使用場所によって使い分けられているケースが多いです。窓や網戸に使えるタイプ、照明に使えるタイプ、クローゼットや衣装ケースに使えるタイプなどがあります。
ただし、防虫スプレーは吊り下げ型や置き型と比べて効果の持続期間が短いことが多いです。製品には持続期間が表示されているので、その期間に合わせて定期的に使用することが大切です。
室外機のホースに防虫キャップを取り付ける
エアコンの室外機のそばから延びている、水を外に流すための「ドレンホース」が、ゴキブリなどの虫が家の中に侵入するルートになっていることがあります。夏場に冷房を使っている間は、ホースの中から常に水が流れ出ているため虫は入りにくいでしょう。
しかし、エアコンを使わない春や秋の季節には、虫にとって格好のトンネルになってしまいます。そして、ホースを通ってエアコンの内部に侵入し、繁殖するという恐ろしいケースも考えられます。
対策は、ホースの先端に「防虫キャップ」を取り付ける方法が有効です。ホームセンターやインターネット通販などで手軽に購入できるため、実践してみてください。
週に2回は掃除機をかける
虫対策の基本は、部屋をきれいに保つことです。目には見えないダニを減らすためには、こまめに掃除機をかけることが効果的です。部屋の隅にたまるホコリやカーペットに落ちた髪の毛、フケ、お菓子の食べこぼしなどは、ダニにとっては大好物のごちそうです。
ダニを減らすためには、週に2回以上は掃除機をかけるのがおすすめです。その際のコツは、ゴシゴシと急いで動かすのではなく、畳やカーペット1枚につき1分ほど時間をかけて、ゆっくりと吸い込みましょう。
布団を天日干しにする
毎日使っている布団は、実は家の中でも特にダニが住みつきやすい場所の1つです。布団の中はダニが好む暖かさと湿度が保たれ、さらにフケやアカといったエサも豊富にある状態です。
晴れた日に布団を干すと日光で殺菌されて気持ちが良いですが、実は天日干しだけでは、中に潜んでいるダニを完全に退治するのは難しいといわれています。ダニは日光を嫌い、布団の奥深くや日の当たらない裏側へと逃げてしまうからです。
しかし、天日干しが無意味なわけではありません。布団をしっかり乾燥させることで、湿気が苦手なダニの活動を抑え、増えるのを防ぐ効果は十分に期待できます。もしダニを本格的に退治したい場合は、高温の熱でダニを死滅させられる「布団乾燥機」を使うのがおすすめです。
洗濯物を干すタイミングにも気をつける
洗濯物に虫が付いて家の中に入ってしまうこともあります。洗濯物からの侵入を防ぐためには、洗濯物を干すタイミングに注意することが大切です。
基本的に、洗濯物は朝や昼間に干し、夕方前には取り込みましょう。虫は夕方から夜にかけて活発になるため、その前に取り込むと虫が付きにくくなります。特に、夜間に洗濯物を干すと虫が卵を産み付ける可能性があるため、夜は干さないようにしてください。
さらに、白い洗濯物は虫が付きやすいので、色のある洗濯物で挟んで干すと良いでしょう。また、甘い香りの柔軟剤は虫を引き寄せるため、無臭やミント系の柔軟剤に変えるのもおすすめです。洗濯物保護カバーや吊るすタイプの防虫剤も効果的に使いましょう。
洗濯物を取り込む際には虫が付いていないか確認し、払ってから取り込むようにしましょう。
このような対策を実践することで、洗濯物に虫が付くのを防ぎやすくなります。
虫対策を実践して快適な住まいを実現した先輩の実例を紹介!
スーモカウンターで、虫対策を実践して快適な住まいを実現した先輩の実例を紹介します。先輩が、どのような点にこだわり、どのような住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。
【case1】庭木が生い茂っていた庭は、虫の付きにくい木だけを残してスッキリ広く
マンションから一戸建てへ引っ越すことにしたUさん夫妻。注文住宅と中古リノベーションで迷って、スーモカウンターへ電話で相談しました。そこで4社を紹介してもらい、そのうち2社との打ち合わせ。最終的には、建築事務所に勤務する身内のアドバイスと担当者の人柄が決め手となり、一戸建てのリノベーションが得意な会社と契約。候補物件もすぐに決まりました。
以前の庭には松の木など多くの木々が生い茂っていましたが、手入れがしやすく虫も付きにくいと教えてもらったモミジ、モチノキ、ツバキ以外はすべて伐採。スッキリとした広い庭に満足気です。

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【case2】日当たり良好で虫対策もバッチリな家
賃貸アパートから林の中の一軒家に引っ越したSさん夫妻は、日当たりが悪く、虫が大量に発生する環境に悩んでいました。このまま賃料を払い続けるのは無駄だと感じ、住宅展示場を訪れていた際に、友人からスーモカウンターを紹介されます。
スーモカウンターでSさん夫妻は、「建築費を抑えてローンの負担を軽くしたい」「親切で腕のある大工さんがいる会社」「地震に強い家」を希望として伝えました。その結果、3つの建築会社を紹介してもらい、そのうちの1社は契約前に土地の地盤状況や浄化槽の上に駐車できるかどうかを調査してくれたそうです。そのため、Sさん夫妻はその会社に施工を依頼しました。
最終的にすべての条件を満たし、日当たりが良く、虫がほとんど出ない快適な住まいを実現することができました。

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【case3】赤ちゃんのために虫対策を考えた家
Fさん夫妻は、これまで賃貸アパートで生活していましたが、第1子の誕生を機に新築の一戸建て住宅への引っ越しを考え始めました。住んでいたアパートは、周囲に畑や川があり、クモや蚊などの虫が頻繁に家に入ってくる環境だったそうです。特に、まだ自分で虫を追い払えない赤ちゃんへの影響が心配で、新築住宅の購入を真剣に検討することにしました。
しかし、夫妻には家づくりに関して相談できる人が少なかったため、友人に紹介されたスーモカウンターを訪れます。スーモカウンターで住まいの希望や予算をアドバイザーに伝えると、5社の建築会社を提案されました。そのうち3社との打ち合わせをスーモカウンターが手配してくれ、実際に話を聞くことに。
それでも建築会社選びに迷った夫妻は、再びスーモカウンターを訪れました。そこで新たに提案された建築会社とも話をし、最終的にその会社に決めました。Fさん夫妻は、「希望通りの家を建てることができました。自分たちだけで多くの建築会社を調べるのは大変だったので、スーモカウンターに相談できたことはとても助かりました」と話しています。

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初期投資が高くなっても、長い目で見るとコストパフォーマンス抜群の家
▼スーモカウンターでは、子育て世代を対象に「パパママ必見!子育て世代の家づくり講座」を行っています。これまでSUUMOが子育てと家づくりの専門家に行ってきた数多くの取材を基に、家づくりのコツをお伝えしております。虫対策を考えた家づくりに関するお悩みもアドバイザーに相談できますので、ぜひご参加ください。
一戸建ての虫対策のポイントは?
最後にあらためて藤原さんに、虫対策のポイントを聞きました。
「害虫は、持ち込まない、増やさない。そのためには、何よりも換気・乾燥が大事です。つまりは、掃除をすること。
また最近は、寝具を干さなくなっている家庭も多いようで、カビやダニの発生が心配です。ベランダなどに布団を干すことができない場合、布団乾燥機の活用はマストです。
洗濯できるカバー、シーツなどを定期的に交換することも寝具の乾燥につながります。寝具の上は毎日6~8時間も過ごすところなので、できるだけ清潔にしてほしいですね」
スーモカウンターに相談してみよう
「どうやって進めたらいいのかわからない」「害虫対策に詳しい建築会社はどうやって選べばいいの?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望を叶えてくれそうな依頼先を提案、紹介します。
無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合せください。
イラスト/てぶくろ星人
監修/SUUMO編集部(一戸建てで虫が侵入してきやすい場所とは、防虫スプレーを使用する、照明も考慮する、洗濯物を干すタイミングにも気を付ける)
住生活ジャーナリスト。大手住宅メーカー営業職を経て主に住まい、暮らしまわりの記事を専門に執筆する傍ら、監修、企画、広告、アドバイザリー等の業務に携わる。