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一戸建ての虫対策! 虫が発生しにくい家、侵入しにくい家とは?

一戸建ての虫対策! 虫が発生しにくい家、侵入しにくい家とは?

住まいや暮らしに悪影響を及ぼす虫には、いろいろな種類があります。害虫が住まいや暮らしに与える影響と、住まいづくりにおける虫対策について、住生活ジャーナリストで、住まいと害虫の関係に詳しい藤原千秋さんに聞きました。

住まいと暮らしの敵「害虫」とは?

人間の生活に直接または間接的に害を与える虫のことを一般的に「害虫」と呼んでいます。害虫にはさまざまな種類があり、その影響も多様ですが、住まいとの関わりが深い害虫も数多くいます。

代表的な害虫の種類と、暮らしへの影響

主に住宅や暮らしへ影響を与える害虫と、その特徴について紹介します。

●シロアリ

シロアリは、主に枯れた植物のセルロースを食物にする虫です。

「建築物、なかでも特に木材を好むため、木造住宅の床下や柱など、住宅の構造を支える部材を食われたときの被害は甚大です。

また、実は木造以外の住宅にとっても、とても怖い害虫であることはあまり知られていません。エサとなる木材に至る途中のコンクリートや金属、プラスチック等も食いちぎられたり、壊されたりするためです」(藤原さん、以下同)

シロアリのイラスト

シロアリは木材を好み、被害にあうと構造体がボロボロになることも(イラスト/てぶくろ星人)

●ゴキブリ

ゴキブリは、見た目に気持ち悪いだけでなく、菌やウイルスを運んで人の健康を害する「衛生害虫」です。

「ゴキブリは最もポピュラーな害虫の一種。暗く、暖かく、狭く、湿った環境を好みます。また、卵が孵化し始めるのは6月頃からですが、冬を越した成虫は3月頃から活動しはじめます」

ゴキブリのイラスト

ゴキブリは菌やウイルスを運んでくる衛生害虫(イラスト/てぶくろ星人)

●コバエ

コバエというのは俗称で、キッチンやゴミ捨て場に群れて発生するのが主にショウジョウバエの仲間、浴室など水廻りに発生するのが、主にチョウバエの仲間です。

「どちらのコバエも菌を運んでくるわけではありませんが、見た目にうっとうしい、気持ち悪いというのが主な害です」

コバエのイラスト

コバエは、見た目が不快なのが主な害(イラスト/てぶくろ星人)

●ダニ

室温20~30度、湿度60~80%の環境を好み、寝具やクッション、ぬいぐるみ、絨毯などに潜んでいます。

「ダニもポピュラーな衛生害虫の一種です。主にアレルギーの原因として、またまれに人の血を吸ったり、皮膚を噛んだりするなど、炎症を起こすこともあります」

ダニのイラスト

ダニは炎症やアレルギーの原因になる(イラスト/てぶくろ星人)

●衣類を食べる虫

衣類を食べる虫で代表的なのは、イガ、コイガ、カツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシの4種類。どの種も幼虫が衣類を食べます。

「衣類を食べる虫は、たんぱく質を好む傾向があり、ウールやシルクなどの動物性たんぱく質系の繊維や、服に残された汗や食べこぼしなどのたんぱく汚れが狙われます」

衣類を食べる虫のイラスト

動物性たんぱく質系の繊維などが狙われる(イラスト/てぶくろ星人)

また、これまで紹介した以外の害虫として、住環境によっては、ムカデ、ノミ、カメムシ、ハチなども人の暮らしに害を与えます。

土地選びから設計時までにできる虫対策は?

一戸建てを新築することになったとき、設計時までにできる虫対策はあるのでしょうか?

虫の少ない立地を選定

藤原さんによると、虫の発生しやすい立地と発生しにくい立地があると言います。

「虫は湿気を好みます。そのため、虫が気になる人は、川沿いなどの立地は避けた方がいいでしょう。一見して川とはわからない暗渠(あんきょ。地中に埋設された川や水路)なども同様です。

また、湿気は土の量に比例するため、都会よりは土の多い郊外の方が虫が出やすい傾向があります。虫を避けるなら、地方でも郊外ではなく街の中心部の方がおすすめです」

虫のつかない植栽を選定

「植栽を計画する際に、虫よけ効果が期待できるハーブなどを植えるのは効果的です。例えば、ローズマリーは虫よけ効果がある上に世話が簡単なので、取り入れやすいでしょう」

ローズマリー

ローズマリーは虫よけ対策だけではなく、料理にも使えてあると重宝するハーブ(画像/PIXTA)

虫を寄せ付けない設備を計画

設備を計画するときにできる虫対策もあります。

「新築の住宅には必ず付けることになっていますが、24時間換気システムによって室内に虫が発生しにくい湿度を保ってください。スイッチを切らず、常に換気しましょう。

虫対策には網戸の設置も重要です。窓を開けるときには、必ず網戸をして開けるクセをつけてほしいですね。照明に集まる虫もいるので、虫が入りづらい照明の位置を建築会社に相談したり、虫を寄せ付けないLEDライトを使ったりするという方法もあります」

LEDライトのイメージ

虫は紫外線に集まる性質があるため、紫外線をほとんど放出しないLEDライトを使うと効果的(画像/PIXTA)

建築・施工時にできる虫対策は?

設計が終わり、実際に建築・施工の段階に入ってからできる虫対策にはどのようなものがあるのでしょうか?

構造に適したシロアリ対策を実施

「鉄骨造やRC造でもシロアリ被害があり得るとはいえ、やはり被害が大きいのは木造住宅です。木造住宅においては、土台近くの木材をシロアリの嫌うヒノキやヒバ、防蟻処理を行ったものにするという対策があります。

また、シロアリは暗くて空気がよどんだ、じめじめした環境を好みます。そのため、建物下部の土自体を薬剤やシートなどで処理しておく、建物床下の通風が滞らないよう基礎工事の際に工夫するなどの対策もあります。

ただし、新築の注文住宅ならば基本的にシロアリ対策を施すことが標準になっているはずです。気になる方は建築会社に確認しましょう」

通風が確保されている床下のイメージ

床下の通風がしっかり確保されていることが大事(画像/PIXTA)

木屑などのゴミ捨てを徹底する

「建築中に発生した木屑などのゴミを床下に放置すると、そこから虫が発生することがあります。気になる人は、建築会社の現場監督に相談したり、建築現場を見に行ってゴミの管理状況をチェックしておくといいでしょう」

雨が溜まる窪地を排除する

「敷地内に窪地ができないようにすることも大事です。窪地に雨水が溜まり、そこから虫が発生します。ただし、どんな家の周りにも排水溝はあり、そこに水があれば対策はなかなか難しいというのが現実です」

入居前後にできる虫対策は?

藤原さんによると、入居前後の虫対策も非常に重要だと言います。どのような対策があるのでしょうか?

引っ越し時の段ボールは要注意

「新築なのにゴキブリが出たという場合、実は引っ越しの際に前の住居から自分で連れて来た可能性があります。またスーパーなどでもらった荷造り用の段ボールに卵を産み付けられていることがあるので荷造り用の段ボールは、できるだけ新品のものを使いましょう。また、新品でも使用した段ボールは速やかに処分した方がいいですね」

段ボールの隙間に産み付けられた卵

スーパーなどでもらってきた段ボールは要注意(イラスト/てぶくろ星人)

できれば寝具は新調する

「実は、人は日常的に億単位のダニと暮らしています。ダニが多く潜んでいるのが寝具です。まれに新居が前の住まいよりも湿気っぽい家だと、ダニが爆発的に増える可能性があります。

引っ越してから、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状がひどくなった場合、ダニの大量発生が疑われます。症状が出た際にはできれば、寝具を新調した方がいいでしょう」

古い寝具を使っていることでくしゃみが止まらない男性

古い寝具を新居で使うと、ダニが大量発生することがある(イラスト/てぶくろ星人)

室内に飾る花や観葉植物も要注意

「切り花に衣類を食べる虫がついてきてしまうことがあります。部屋の中に花を飾る習慣がある人は、飾る前に虫が付いていないかをチェックしてください。

観葉植物は、虫よりもカビの温床になりやすいのですが、カビも無視できません。カビをエサにしてチリダニが増え、チリダニが増えるとチリダニを食べるツメダニが増え、ツメダニが増えるとツメダニを食べるゴキブリが増えます。さらに、ゴキブリが増えるとそのフンなどがカビの温床になるという悪循環に。これを抑えるためには、次で紹介する湿気対策が重要です。

また、観葉植物自体やまわりに生えるキノコを好んでキノコバエというコバエが発生することがあります。土自体に産卵されていると予防は難しいのですが、発生したときには土に挿して使用するタイプのコバエ取りで駆除しましょう」

花に虫がついていて驚いている女性

衣類を食べる虫が花についてくることも(イラスト/てぶくろ星人)

湿気対策を徹底する

「例えば、近所なのにゴキブリが出る家と出ない家があります。ゴキブリも、より自分たちが暮らしやすい環境を選ぶからです。ゴキブリにとって暮らしやすい家とは、じめじめと湿気の多い家です。

ゴキブリだけではなく、多くの害虫は湿気の多いじめじめとした環境を好みます。基本的に新築の家は湿気が少なく虫が発生しにくい環境と言えるので、常に換気を意識して、湿気がこもらないように注意してください」

じめじめした場所を選ぶゴキブリ

ゴキブリもじめじめとした自分たちが暮らしやすい環境を選ぶ(イラスト/てぶくろ星人)

こまめなゴミ捨て

「害虫対策として、こまめなゴミ捨ては必須です。特に生ゴミはコバエやゴキブリが発生する原因になります。生ゴミは放置せず、密封して処理しましょう。また、ビールの瓶や缶をよく洗わないで置いておくのもNG。ゴキブリはビールの残り汁も大好物です」

こまめにゴミ捨てをしている女性

害虫対策において、こまめなゴミ捨ては必須(イラスト/てぶくろ星人)

虫対策を実践して快適な住まいを実現した先輩の事例を紹介!

スーモカウンターで、虫対策を実践して快適な住まいを実現した先輩の事例を紹介します。先輩が、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

庭木が生い茂っていた庭は、虫のつきにくい木だけを残してすっきり広く

マンションから一戸建てへ引っ越すことにしたUさん夫妻。注文住宅と中古リノベーションで迷って、スーモカウンターへ電話で相談しました。そこで4社を紹介してもらい、そのうち2社との打ち合わせ。最終的には、建築事務所に勤務する身内のアドバイスと担当者の人柄が決め手となり、一戸建てのリノベーションが得意な会社と契約。候補物件もすぐに決まりました。

以前の庭には松の木など多くの木々が生い茂っていましたが、手入れがしやすく虫もつきにくいと教えてもらったモミジ、モチノキ、ツバキ以外はすべて伐採。スッキリとした広い庭に満足気です。

Uさんが建てた注文住宅の外観

中古住宅をリノベーション。庭木は虫のつきにくいものだけ残した(写真/河原大輔)

この実例をもっと詳しく→
お金をかけるところとかけない部分のメリハリをつけて、広い庭付き一戸建てをリノベーション

虫対策のポイントは?

最後にあらためて藤原さんに、虫対策のポイントを聞きました。

「害虫は、持ち込まない、増やさない。そのためには、何よりも換気・乾燥が大事です。つまりは、掃除をすること。

また最近は、寝具を干さなくなっている家庭も多いようで、カビやダニの発生が心配です。ベランダなどに布団を干すことができない場合、布団乾燥機の活用はマストです。

洗濯できるカバー、シーツなどを定期的に交換することも寝具の乾燥につながります。寝具の上は毎日6~8時間も過ごすところなので、できるだけ清潔にしてほしいですね」

スーモカウンターに相談してみよう

「どうやって進めたらいいのかわからない」「害虫対策に詳しい建築会社はどうやって選べばいいの?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望を叶えてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合せください。

取材協力/藤原 千秋さん
住生活ジャーナリスト。大手住宅メーカー営業職を経て主に住まい、暮らしまわりの記事を専門に執筆する傍ら、監修、企画、広告、アドバイザリー等の業務に携わる。

取材・文/福富大介(スパルタデザイン) イラスト/てぶくろ星人