ついつい後回しにしてしまいがちですが、インテリアの大事な要素なのが照明。照明の選び方次第で、インテリアの印象はガラリと変わります。そこで住宅に取り入れられている照明の種類や特徴、リビング、キッチン、ダイニングなど空間ごとの照明の選び方のポイントをさまざまな種類の照明を手掛けるコイズミ照明に伺った。空間に合わせた照明での演出の仕方を知って、おしゃれなインテリアづくりのヒントにしましょう。
住宅照明のタイプ
照明は大きく分けて主照明と補助照明に分けられます。さまざまな種類がある照明のなかで、住宅に用いられる代表的なものは主照明が3種類、補助照明が5種類、合計8種類あります。それぞれの照明の特徴について押さえておきましょう。
主照明
シーリングライト
天井に取り付けるタイプの照明。高い位置から空間全体を照らすことができ、空間に広がりをもたらしてくれます。すっきりとシンプルなデザインが多いですが、最近は木目調のフレームなどデザインにこだわったものや薄型のタイプなども増えています。また、専用のリモコンを操作することでお好みの調光や調色が可能です。
シャンデリア
シーリングライト同様に天井に取り付けるタイプの照明で、部屋を華やかに彩ってくれます。デコラティブなデザインになるため、吹抜けなど天井の高い空間にもオススメ。
ダウンライト
天井に埋め込むタイプの照明で、天井がフラットになるため低い天井の場合でも圧迫感がなく、すっきりと空間を魅せてくれるのが特徴。事前に照明設計が必要になります。取り付ける個数によって主照明にも補助照明にもなるためプランに取り入れやすいのもメリットです。
補助照明
ペンダントライト
天井からコードやチェーンなどでつるすタイプの照明。ダイニング照明として使われることが多く、照明の位置がちょうど目の高さに設置することが多いため空間のアクセントとしての要素が強く、セードのデザインも多岐にわたります。和室など個室の主照明として使われることも。
スポットライト
光の方向を自由に変えられるため、壁面のアートや植物など特定の照射物を照らして演出することができます。天井をスケルトンにしていて直接照明を取り付けられない場合にも、ダクトレールがあれば付け外し可能。取り付ける個数によっては、主照明にもなります。
ブラケットライト
壁面に取り付けるタイプの照明。主照明と組み合わせることで、壁面に陰影をつけることができ空間に変化をプラスしてくれます。また、階段や高天井の場合、ダウンライトだと足場を組まないと交換ができないこともあるため、ブラケットライトを主照明として使うことも。
スタンドライト
賃貸などどの住居形態にも取り入れられる置き型の照明。床に直置きするタイプやスタンド式のものなど、高低差を利用して空間にメリハリをつけることができます。
間接照明(ライン照明)
天井面へのやわらかな光や壁面のテクスチャを強調するような光の使い方など、美しいグラデーションで空間に広がりを演出してくれます。堀り込みをつくるなどの造作が必要なため、事前に照明設計が必要です。
照明の色温度は昼白色、電球色、温白色の3種類
照明の色温度は主に昼白色、電球色、温白色の3種類。
昼白色は青白く太陽光のような爽やかな色で細かい作業に集中しやすく、活動的な時間帯に向いています。やわらかく温かみのある夕日のようなオレンジ色の電球色は、リラックス効果や料理をおいしく見せる効果があります。そして、2つの中間になるのが温白色で、自然で華やかな光で中継色にもなるためマルチに使える色みです。
【空間別】照明の選び方
リビング・ダイニングはシーンに合わせて調光・調色を
リビングやダイニングは、生活シーンによって使い方がさまざまな場所。最近ではテレワークやオンライン授業なども増え、プライベートな空間だけではなくなってきたことで、オンとオフを意識的に切り替えるのは難しくなっています。そこで、シーンに合わせて調光・調色ができるタイプの照明を選ぶと、光の色や明るさによって気分を切り替えることができます。
キッチンはLDとのバランスの取れた温白色をセレクトすると◎
1990年以降からLDKはひと繋がりの大空間の間取りが多く、それに合わせて照明も空間の繋がりを意識する必要があります。リビングやダイニングは食事をしたり、リラックスした時間を過ごしたりと多用途であるため調光・調色ができるタイプを選んだり、電球色や温白色のような温かみのある色を選ぶことが多いですが、キッチンでは包丁など調理器具を使って細かい作業をするため、手元がはっきり見えるよう昼白色がオススメ。
しかし、リビング・ダイニングが電球色だった場合、キッチンだけ白い光だと空間ごとの色の差がくっきりと際立ってしまうので、中継色となる温白色を選ぶと色温度がグラデーションになって統一感のある空間になります。組み合わせる色みを考慮することで、快適な空間に仕上げることが可能です。
洗面室やバスルームは用途に合わせて切り替えると◎
バスルームはブラケットライトかダウンライトなどなるべく眩しさを抑えた照明計画にすると、リラックス空間を演出できます。バスタイムはオレンジ色の光でリラックスできますが、掃除は昼白色のほうがしっかりと汚れが見えるので、調色機能をつけられると◎。
また、洗面室は朝と夜両方使用する場所のため、中間色の温白色がオススメ。洗面台では、化粧やスキンケアなどのシーンに合わせて調色できるようにしておくと良いでしょう。
玄関や廊下は機能性を重視した照明計画を
玄関や廊下など、行き来するだけの単純行動の場所には、人感センサーを搭載したダウンライトなどを照明計画に取り入れるのがオススメです。人感センサーで通るときだけ点灯するようにしておけば、消し忘れもなく効率的。
また、玄関は家の顔でもあるので、框(カマチ)や収納下部分に間接照明を入れたり、吹抜け部分にペンダントライトやシャンデリアで装飾するなど、華やかさを添えるのもオススメです。
寝室は眠りの妨げにならないよう眩しさに配慮した柔らかい光に
寝室は、ベッドなどの家具に合わせてブラケットライトやスタンドライトなどの照明をコーディネートするケースが多く、本を読むなど就寝前の使い方や、就寝時の明るさなども考慮して、眠りの妨げにならないようやわらかい配光にしましょう。リラックス効果が高い電球色を選ぶことが多いですが、介護などで使用する場合は、主照明を調光や調色ができるようにしておくと安心です。
また、ウォークインクロゼットなど衣類を収納する場合は、ウォークインクロゼット部分は服の色みが識別できるような照明計画が◎。
子ども部屋は目にやさしいブルーライトカットの照明を
最近は、外出する機会が減り、デジタルデバイスを扱う時間が増えているため、子ども部屋やスタディコーナー、ワークスペースなど勉強や仕事をするスペースには昼白色の照明がオススメです。文字も見やすく、集中力を高めてくれます。
おしゃれな空間にするためのポイント
ライフスタイルの多様化に適応した多灯分散型の照明計画を
時代とともにライフスタイルが多様化し、用途に合わせた照明計画がされるようになったことで、立体的に空間を演出する多灯分散型の照明計画をするようになりました。それぞれの暮らしにフィットした照明計画にしていくためには、適所適光と適時適照の2つの視点で考える必要があります。
まず、適所適光とは、空間の用途やライフスタイルに合わせた照明を選ぶこと。天井や壁面を照らして空間全体を明るくする主照明としての役割である環境光、ペンダントライト、スポットライトなど目的に合わせてテーブルなどの水平面を明るくする目的光、スタンドライト、足元の間接照明など装飾の光で空間を彩る演出光の3つのポイントがあり、環境光、目的光、演出光の順でしっかりと考えることが重要になります。
適時適照とは、暮らしに合わせた快適な照明シーンを計画すること。照明器具だけでなく、ライフスタイルに合わせて光の色みや明るさを制御機器を用いて照明シーンを計画します。また、スマートフォンやタブレットで照明器具を操作できるようにしておけば、スケジューリングで自動的に制御することも可能。生活シーンに合わせた照明シーンを演出することで、飽きのこないメリハリのある空間が演出できます。
照明を低く配置して落ち着いた雰囲気を演出
照明を低い位置に設置すると、落ち着いた雰囲気をつくることができます。あえて主照明を点灯させずにスポットライトや間接照明などの補助照明だけで演出するとドラマチックな空間に。植物の後ろにスタンドライトを置くと、シルエットのように浮かび上がり、日中との雰囲気の違いを楽しむこともできます。
光を覆う素材で空間の雰囲気を操る
照明を覆う素材や生地で光の印象は変わります。シリコンや和紙、ガラスなど透過素材は、ナチュラルでやわらかい光になり空間がより華やかになり、鋼や木など不透過素材は陰影がついてシャープな印象に。
また、ガラスはヒビ割れや泡が入ったものは壁面に模様がのりやすいので、ニュアンスのある雰囲気に。トイレなど狭い空間に発光するペンダントライトをつるすことで壁面を演出することも。器具を選ぶ際は、素材にも考慮して計画しましょう。
ショールームで照明の明るさや色の確認を
照明でおしゃれな空間を演出するためには、空間が立体的になるように家具やクロスなどと合わせて照明計画をすることが重要です。クロスの色みなどによって光ののり方や明るさの印象が異なるので、照明も合わせて検討しましょう。照明の明るさの感じ方は人それぞれなので、ショールームなどに足を運んでしっかりと確認を。
【スーモカウンター実例】照明でおしゃれな空間5選
ここからは、スーモカウンターを利用して家づくりをした5つの実例をご紹介。照明でおしゃれな空間を演出する際の参考にしてみましょう。
アンティーク風のペンダントライトでカフェ風のインテリアに
木のぬくもりを大事にしながら、ナチュラルテイストにしつらえたLDK。つり戸棚はつけずにアンティーク調のペンダントライトをつるして温かみをプラス。カフェのような雰囲気を演出しています。
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北欧×ミッドセンチュリーでお気に入りの家具でコーディネート
木材を多く使った北欧テイストの家具が好きな夫と、ものづくりが最も熱い時代であるミッドセンチュリー(1940~1960年代を指すことが多い)の家具が好きな妻の好みをミックスさせたリビングダイニングに。椅子をはじめとする家具と調和の取れたペンダントライトとブラケットライトでコーディネートしています。
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ダウンライトで天井高を活かした上質な空間に
木と鉄の複合梁で強度を高める独自の工法によって、柱や間仕切り壁がなく、天井高2.7mの大空間を実現したLDK。天井高を活かすためにダウンライトを採用し、ホテルライクな上質な空間にしつらえています。
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趣味の自転車を鑑賞としても楽しむ
玄関の土間空間の壁面に趣味の自転車をディスプレーしながら収納。自転車にスポットライトを当てて、見ても楽しめるように。階段の照明スイッチは土間の照明と連動させ、2階から降りてくるだけで明るい土間が自然と見渡せるようになっています。
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プライベート空間を間接照明でモダンな雰囲気に
間接照明を取り入れ、高級感溢れるモダンテイストのシックなトイレ。プライベート空間にもこだわり、落ち着いた雰囲気にしつらえています。
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スーモカウンターでかなえよう!
このように、照明の取り入れ方次第で、おしゃれなインテリアを実現することができます。しかし、照明の演出効果を立体的にイメージするのは至難の業。そんなときはプロの力を借りるのが近道。自分たちのイメージを形にしてくれる建築会社を見つけましょう。
そこで頼れるのがスーモカウンター。注文住宅の新築・建て替えをサポートしているスーモカウンターでは、家づくりの不安を解決できる無料講座や、アドバイザーに悩みを相談できる無料の個別相談などを実施しています。個別相談では住宅建築の予算や希望条件の整理、建築会社の紹介など、注文住宅を建てる際のあらゆる不安について、知識と経験のある専任アドバイザーに無料で何度でも相談できます。
スーモカウンターを利用して、空間ごとの過ごし方にぴったりな照明を選んで、おしゃれなインテリアをかなえましょう!