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スロップシンクとは? 設置場所やあると便利な活用方法を紹介!

スロップシンクとは? 設置場所やあると便利な活用方法を紹介!

「少し大きなものを手洗いしたい」「外で使うものを室内に入れるときに泥を流したい」、そんなときに重宝するのがスロップシンクです。そもそもスロップシンクとはどのようなもので、どう活用すればいいのでしょうか? 一級建築士のYuuさんに話を伺いました。

スロップシンクとは?

まず、「スロップシンク」とは、一体どのようなものなのでしょうか?

「『スロップ』は『泥水』という意味。つまり、泥汚れなどを落とすときに使われる流しが『スロップシンク』です。メーカーによっては、『マルチシンク』や『多目的流し』などと呼んでいます。基本的な構造としては、詰まり防止用の目皿や水ため用のゴム栓などが付いていて、泥汚れやつけ置き洗いに対応しやすくなっているのが特徴です」(Yuuさん、以下同)

スロップシンクを設置するメリット

スロップシンクは、一戸建ての庭や、マンションのバルコニーなどでも見かけますが、設置することでどのようなメリットが得られるかご存知でしょうか。

ここでは、スロップシンクを設置するメリットについて紹介します。

生活スペースを衛生的に保てる

たとえば、庭で土いじりをすると靴や服が泥で汚れてしまい、泥が付いたまま家に上がると室内も汚してしまいます。こうなると、衛生的に考えて決して良くはありません。

スロップシンクを屋外に設置すれば、外で汚れを洗い流してから家の中に入れるので、室内の生活スペースを衛生的に保てます。

また、犬や猫などのペットのシャンプーをする際にも、深さのあるスロップシンクを使うことで周りに汚れが飛び散る心配もありません。

家事の効率が上がる

掃除などの家事で使っている道具や、洗濯機で洗えないものを、洗面化粧台や浴室で洗う人もいるでしょう。

しかし、浴室が泥などで汚れてしまうと掃除する手間が増えてしまいます。また、洗面化粧台では大きなものを洗うスペースが十分になく洗面所が水浸しになる恐れもあり、結局片付けの手間が増えて効率が悪くなります。

スロップシンクは深さがあるので比較的大きいものでも洗いやすく、周囲を汚す心配もありません。

また、庭にスロップシンクを設置すれば、洗った後すぐに干せるという便利さもあります。

スロップシンクを設置するデメリット

スロップシンクは、周りを汚さず効率よく家事をするのに役立ちます。
しかし、メリットばかりではなくデメリットもいくつか存在します。

ここでは代表的なデメリットを2つご紹介します。

設置するスペースが必要

スロップシンクは、一般的な洗面台と比較しても大きめのサイズのものが多く、設置するには十分なスペースが必要です。

洗面所に取り付けると、その分収納スペースや脱衣スペースを削らなければなりません。
スロップシンクにどのくらいのスペースが必要なのか、あらかじめ確認した上で設置場所を決めましょう。

屋外やバルコニーに取り付ける場合も同様に、生活動線の邪魔にならない場所を検討してから設置してください。

配管工事費用が必要

スロップシンクを取り入れてマイホームの設計をした場合、シンク本体の費用に加えて、配管工事も必要になるため、スロップシンクなしの場合と比べると、どうしても費用は高くなってしまいます。

予算と優先順位を鑑みて、本当にスロップシンクが必要なのかどうかを考えた上で設置を検討しましょう。

スロップシンクの活用方法は?

スロップシンクは、洗面台やキッチンの流しでは洗いにくいもの、洗うのを躊躇してしまうものを洗うのに適しています。具体的にどのような活用方法があるのでしょうか?

靴や衣類のつけ置き洗い

「汚れのひどいスニーカーや衣類を洗面台で洗うのに抵抗がある人も多いでしょう。また、長時間のつけ置き洗いをする場合は、洗面台を自由に使うためにも、スロップシンクがあると便利です」

スロップシンクでつけ置き洗いをする女性

スニーカーなどのつけ置き洗いに便利(イラスト/杉崎アチャ)

ガスコンロの五徳やレンジフードのお手入れ

「油で汚れたガスコンロの五徳やレンジフードをつけ置き洗いする際に、キッチンの流しでつけ置き洗いをすると邪魔なので、スロップシンクがあると便利です」

泥付き野菜の水洗い

「家庭菜園で採れた野菜や、人からもらったり買ったりした泥付き野菜を洗うときにも重宝します。キッチンの流しで洗うと、泥が飛び散ってキッチンが汚れるため抵抗がありますが、スロップシンクなら思い切り洗えます」

スロップシンクで野菜を洗っている様子

泥付き野菜を洗うのにも適している(イラスト/杉崎アチャ)

ペットのシャンプー

「散歩帰りのペットの足を洗ったり、身体全体をシャンプーしたりするときにも、広くて深いスロップシンクだと洗いやすいですね」

スロップシンクで犬を洗う男性

ペットを洗うときにも便利(イラスト/杉崎アチャ)

絵や習字の道具を洗う

「絵の具や墨汁のついた筆などを洗うと、周囲が汚れてシミになることがあります。おしゃれな洗面台で洗うのには抵抗がありますが、スロップシンクなら気にせず洗えます」

DIYで汚れた手や道具を洗う

「スロップシンクはDIYをする人にもオススメ。ペンキで汚れた手を洗ったり、道具を洗ったりするときに重宝します」

アウトドア用品を洗う

「釣りが趣味だと、釣ってきた魚を入れるクーラーボックスなどの道具をどこで洗うか迷うこともあるでしょう。洗面台で洗うには大きいですし、キッチンや風呂場で洗うと臭いやウロコなどの飛び散りも気になりますよね。そういうときこそ、スロップシンクの出番です。外で使ったバーベキューコンロやボウルなどを洗うのにも適しています」

スロップシンクでクーラーボックスを洗う男性

クーラーボックスを洗うときにも重宝する(イラスト/杉崎アチャ)

後悔しないための便利な設置場所はどこ?

Yuuさんによると、スロップシンクは、設置する場所が悪いと使わなくなると言います。そして、スロップシンクを設置する場所は、使う目的によって変わってくるそうです。具体的に見てみましょう。

ユーティリティーに設置する

ユーティリティーとは、「家事室」ともいい、家事作業をまとめて行えるように洗濯機などが置かれたスペースのことです。

「窓ガラスを洗うときに使う『ウォッシャー』や、床掃除用のモップなど、掃除用具を洗うのに使うなら、ユーティリティーに設置するのがいいでしょう。勝手口からユーティリティー、キッチンへとつながる間取りにして、ユーティリティーにスロップシンクを設置すれば、遊び道具の泥汚れを落とすのにも、衣類のつけ置き洗いにも、キッチンへ運ぶ前に泥付き野菜を洗うのにも便利です」

キッチンとスロップシンクの動線

勝手口→ユーティリティー(ここにスロップシンク)→キッチンという間取りが使いやすい(図/SUUMO編集部作成・イラスト/杉崎アチャ)

ユーティリティに設置されているスロップシンク

ユーティリティーに設置すると、掃除用具を洗うのに便利(画像/PIXTA)

庭・テラス・バルコニーに設置する

今は、庭やテラス、バルコニーなど、自宅の屋外をアウトドアリビングとして使う人が増えているため、そういった場所にスロップシンクを設置するのもオススメだと言います。

「庭などで使用する椅子やバーベキューコンロなどのアウトドアグッズを洗うときに重宝します。当然、ガーデニングの水やりにも使えます」

庭に設置されたスロップシンク

庭やテラスなどに設置すると、アウトドアグッズなどを洗うのに便利(イラスト/杉崎アチャ)

勝手口の近くに設置する

「外で使ったものを室内に入れるときにスロップシンクで洗うというシーンを想定すると、出入口付近に設置すると便利でしょう。しかし玄関の横や土間に設置する場合は、配置を工夫しないと見た目の印象がいまひとつになりかねません。使い勝手がよく、インテリアを邪魔しない場所としては、勝手口の近くに設置するのがオススメです」

勝手口に設置されたスロップシンク

玄関の横よりは勝手口の近くに設置するのがオススメ(イラスト/杉崎アチャ)

ガレージの中に設置する

「クルマやバイクが趣味の人が作業をするときに、ガレージ内にスロップシンクがあると、油で汚れた手や衣類を洗うのに便利です」

ガレージの中に設置されたスロップシンク

クルマやバイクが趣味の人はなおさらガレージの中にも設置したい(イラスト/杉崎アチャ)

スロップシンクを設置するときに気を付けることは?

これまで見てきた設置場所や活用方法を踏まえて、スロップシンクを設置するときには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか?

「何の目的で設置するのか」を明確に

「設置にはコストがかかりますが、目的や活用のイメージがないままに設置すると、使わなくなって放置され、無駄になっているケースも見られます。しかも、使わずに放置したスロップシンクは、排水のトラップの水が蒸発して下水の臭いが上がってきてしまうことも。どのように使いたいのか、目的や利用シーンを明確にしてから設置を検討しましょう」

お湯が出るようにするか?

「冬場に使うときなど、『お湯が出るようにすればよかった』という声をよく聞きます。できるだけお湯は出るようにしておいた方がいいでしょう。ただし、コストもかかりますし、植栽の水やりに使うだけなら必要ありません」

広さや深さをどう選ぶ?

「目的に合わせて選ぶのがいいですね。大きなものをザブザブ洗いたいなら、広さも深さも必要です。ただし、既製品のバリエーションはあまり豊富ではありません。幅は45cm~50cmくらいのものがほとんどです。それよりも大きいものが欲しい場合は、造作することもできます」

周囲への水ハネ対策は?

「水ハネ対策はとても重要です。水だけでなく、使い方によっては泥や魚の血、墨汁なども飛びます。スロップシンクの周りは水に強くて掃除しやすいタイルやパネルなどの素材を使うことをオススメします」

屋外設置時の冬季の凍結対策は?

「スロップシンクに限りませんが、屋外に水栓を設置するときには、設備会社や建築会社に相談して、凍結対策をしておきましょう」

おしゃれなスロップシンクにするコツ 

スロップシンクは、一般的な洗面ボウルと比較すると種類が少ないです。

最近では、主流の丸みのある形だけでなく、逆台形型のシンクや楕円形の物などのバリエーションが増えていますが、それでも数は限られており、デザインにこだわるのが難しいのが現状です。

また、収納スペースがついていないものが多いため、もしも収納が欲しい場合には、別途スペースを作らなければなりません。
さまざまな汚れを落とす際に便利なスロップシンクですが、家に設置するなら少しでもおしゃれに見せたいものです。

そこで、おしゃれなスロップシンクにするコツを紹介します。

素材にこだわる

同じデザインのスロップシンクでも、使われている素材によって見栄えが大きく変わります。

スロップシンクの素材としてよく使われているのは、陶器やタイル、ステンレスなどですが、設置する場所をどのようにコーディネートしたいかによって素材を選ぶのがおすすめです。

陶器製のものは手入れが簡単ですが、物を落として強い衝撃があった時にひび割れが生じる可能性があります。タイル製のものは傷がつきにくくデザインも豊富ですが、目地に汚れが残りやすいなど、それぞれの素材にもメリット・デメリットがあります。

水栓金具のデザインにこだわる

スロップシンク自体はシンプルなデザインのものが多いですが、水栓金具は種類が豊富です。おしゃれなデザインのものを付けるだけで雰囲気も変わるので、好みの水栓を探してみてください。

水栓を選ぶ際には、デザインだけでなく使い勝手の良さやお手入れのしやすさなども考慮しましょう。
また、水しか使わないのか、お湯も使えるようにしたいかによっても取り付けできる水栓は変わってきます。使う場所やニーズも考えた上で選ぶことがポイントです。

アクセントクロスやタイルを活用する

スロップシンク自体がシンプルでも、周りの壁や床にアクセントクロスやタイルを張ることでおしゃれな空間に近づけることができます。

タイルやアクセントクロスは種類が豊富なので、好きなデザインのものを選びおしゃれに空間を演出することも楽しんでみてはいかがでしょうか。

スロップシンクの値段や設置にかかる費用の相場は? 

一般的にスロップシンクを設置する場合、小型のスロップシンクで本体価格が2万円~5万円前後が相場となりますが、大きさやデザインにより価格は異なります。別途工事費用も必要になりますが、新築の場合は設置費や配管工事費が建物全体の建築費に含まれるケースもあるため、その分安くなる可能性もあります。

また、どのタイプのスロップシンクを選ぶのか、水栓金具をどの種類にするかによって費用も変わるでしょう。配管を隠したり、収納棚も設置するとなるとその分の追加の材料費や施工費用もかかります。

オーダーメードの場合、既製品を選ぶよりもさらに高額になります。深さや大きさによっても価格が変わるので価格を調べてから検討しましょう。

シンクにこだわりのある住まいを建てた先輩たちの事例を紹介!

スーモカウンターでシンクにこだわりのある住まいを建てた先輩の事例を紹介します。先輩が、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

【case1】洗面には、スロップシンク風の幅の広い実験用シンクを採用

妻の両親との同居も視野に入れて住まい探しを始めたOさんは、遊びに出かけた場所で見つけたスーモカウンターを訪れ、相談することにしました。Oさんのこだわりは、アメリカンハウスをイメージした平屋です。その場で依頼先候補を5~6社紹介してもらい、最終的には予算内でこだわりを理解してくれた1社に絞りました。

完成した家の洗面室には、いつでもアイロンがかけられるように工夫したランドリーコーナーを設けて、家事に集中できるようになっています。また、洗面にはスロップシンク的な使い方もできる幅の広い実験用のシンクを採用しました。

スロップシンクの実例

洗面には幅広のシンクを採用(写真/山出高士)

この実例をもっと詳しく→
「平屋の家で二世帯住宅」をかなえるために、DIYを採り入れて上手にコストダウン

スロップシンクを設置する際のポイントは?

最後にあらためてYuuさんに、スロップシンクを設置する際のポイントを聞きました。

「まずは、何に使うのか目的を明確にすること、それによって設置する場所も変わります。動線計画も重要です。また、意外と場所を取るので、スペースの確保も忘れずに。狭小住宅など、スペース的に設置が難しい場合は、大きなボウルが付いた洗面台を選んで、スロップシンクとの兼用を検討するといいでしょう」

スーモカウンターに相談してみよう

「どうやって進めたらいいのかわからない」「建築会社はどうやって選べばいいの?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望をかなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。

取材協力/Yuu(本名:尾間紫)さん
一級建築士。長年、リフォームの現場で培った経験から、住宅リフォームコンサルタントとして幸せなリフォームを実現するためのノウハウを発信。セミナー講演や執筆活動、人材育成研修などを通し、消費者と事業者の間をつなぐかけ橋となるべく奔走している。毎日新聞での連載やwebサイト「リフォームのホント・裏話」で最新情報を発信中

取材・文/福富大介(スパルタデザイン) イラスト/杉崎アチャ

監修/SUUMO編集部
※監修箇所
スロップシンクを設置するメリット
スロップシンクを設置するデメリット
おしゃれなスロップシンクにするコツ
スロップシンクの値段や設置にかかる費用の相場は?