住まいづくりを進めるに当たり、通風や採光を担う「窓」について検討することは、非常に重要です。しかし、住宅用の窓だけでもたくさんの種類があり、どの場所にどんな窓を設ければいいのか迷ってしまうかもしれません。そこで、窓の種類と特徴について、一級建築士の佐川旭さんに聞きました。
窓の定義や役割とは?
住宅を構成する重要な要素の一つ「窓」。窓は、家の内側にも外側にも接しており、目に触れる機会も多い部分ですが、そもそも窓とはどういうもので、どのような役割があるのでしょうか。
窓の定義
「住まいの出入口または開口部などの開いている箇所にはめる『建具』のうち、採光や通風のために設けられるものが『窓』と呼ばれています」(佐川さん、以下同)
窓の役割
「窓の役割は大きく3つです。まず光を通すという役割、次に風を通すという役割、そして視線を通すという役割です。また、建物の外観デザインでも重要な役割を果たします」
一般的な住宅のサッシ規格サイズ・高さは?
住宅のサッシのサイズは開閉方式や設置場所によって変わるものの、基本的にはどのメーカーも共通しています。一般的に標準と考えられている値は、高さ37cm〜203cm、幅30cm〜190cmです。
リビングに取り付けられることの多い掃き出し窓については、高さ200cm〜220cm、幅170cm〜180cmが標準的なサイズとなっています。
とはいえ窓の種類によってサイズは細かく変わるので、ここで紹介した数値にこだわらなくても問題ありません。
設置場所で分類した窓の種類・名称と特徴
窓には非常に数多くの種類がありますが、まず設置場所で分類した場合の主な窓の種類と、それぞれの特徴を紹介します。選び方で迷った際は、ぜひ参考にしてください。
天窓(トップライト)|メリット・デメリット
「天窓は、建物の屋根に設けた窓のことで、トップライトなどともいいます。通常天窓は、遮るもののない空に向かって開いているため、日光をダイレクトに取り入れることができます。ただし、天窓からは光と一緒に熱も入ってくるため、夏場などは暑くなり過ぎることがあります」
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天窓(トップライト)のメリット・デメリット 高窓(ハイサイドライト)との違いは?
高窓(ハイサイドライト)|メリット・デメリット
「高窓は、ハイサイドライトとも呼ばれます。一般的な窓の位置よりも天井に近い高い位置に設けられた窓のことです。高い位置にあるため、周辺の障害物に邪魔されることなく光を取り入れることができます」
ただし掃除をするには踏み台などが必要となり、基本的に電動かチェーンで開け閉めするので手間やコストがかかります。
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高窓(ハイサイドライト)とは?トップライトとの違いは?明るい空間をつくるポイントを押さえよう
地窓|メリット・デメリット
「床面に近い低い場所に設けた窓のことです。透明ガラスの地窓の場合、座った状態で視線を外まで飛ばすことができるため、庭を眺めるのに最適です。また、開閉できる地窓なら、夏場、下に落ちた冷たい空気が室内を抜ける効果も期待できます。トイレなどに設けた地窓は、においがこもらないようにする効果もあります」
一方で地窓を開けていると、外から虫が入りやすくなります。掃除の際にはかがむ必要があるので、足腰が悪い人は負担もかかりやすいでしょう。
出窓|メリット・デメリット
「建物の壁より外に張り出した窓のことです。壁から45cmくらい外に出っ張るため、室内が広く感じられる効果があります。外の風景を切り取って、絵画のように楽しめるピクチャーウィンドウとしての役割も期待できます」
ただし出窓にはスペースが生まれ、熱気や冷気がこもりやすくなります。結果的に結露が発生しやすくなる点に注意しましょう。
掃き出し窓|メリット・デメリット
「床から壁の高い位置まで開口がある背の高い窓(高さの目安は2m前後)で、気軽に外へ出られるのが特徴です。そもそも室内のホコリやチリを外へ掃き出す窓であることから『掃き出し窓』と呼ばれるようになりました。テラスや濡れ縁を設けて室内の延長として使う際に便利な窓です」
一方でサイズが大きいため光も入りやすくなり、床の日焼けで変色などが発生する可能性もあります。加えて、音漏れしやすい点もデメリットのひとつです。
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「掃き出し窓」のメリットとデメリットを解説!
全開口窓(フルオープン窓)|メリット・デメリット
「開口部の幅いっぱいにフルオープンできる窓です。高さは床から人の背丈以上あるものがほとんど。全開口にするため、窓を折り畳むタイプと、壁に引き込むタイプがあります。掃き出し窓よりも、さらにダイナミックに室内と外とをつなげることができます」
開放感を演出するうえで魅力的な窓ですが、その一方で外からの視線が気になりやすいといったデメリットもあります。
腰高窓|メリット・デメリット
「人の腰の高さに設ける窓です。床から90cmくらいの位置にあるのが一般的でしょう。基本的に人の出入りには使われません。机や本棚など、窓の下に物を置いてスペースを有効活用することができます」
一方で掃き出し窓や全開口窓(フルオープン窓)よりもサイズが小さいので、設置場所によっては外からの光を多く取り入れられない場合もあります。
肘掛け窓|メリット・デメリット
「座ったときに肘を掛けられる高さにある窓のことです。和室に設けることが多い窓ですが、小さい子どもがいると落ちてケガをしやすいなどの理由から、最近はあまり見かけません」
風流で開放感溢れる空間を演出でき、機能面でも採光性や通気性が高いといったメリットがあります。
コーナー窓|メリット・デメリット
「建物の角に設けた窓のことです。透明ガラスにすれば、室内が広く感じられ、外の景色を取り込むのにも適しています。しかし、構造上重要な役割を担う家の隅を開口してしまうため、耐震性を得るのが難しいというデメリットがあります」
スリット窓|メリット・デメリット
「細長い窓のことです。タテに長いタイプと横に長いタイプがあります。スリット窓は、複数並べて外観にリズムを出すといったデザイン的な理由で使われることも多い窓です」
タテに長いタイプであれば天井が高く見えやすく、横に長いタイプは設置場所を工夫すると採光性および通気性が高まります。一方でガラスの面積が小さいため、設置場所を誤ったり、天候が悪くなると、採光性が低くなりやすい点がデメリットです。
開き方で分類した窓の種類・名称と特徴
窓の種類は、開き方で分けることもできます。開き方で分類した場合の主な窓の種類と、それぞれの特徴を紹介します。
引き違い窓
横すべり出し窓
「窓の下側を押して外側にすべり出させて開ける窓です。窓のガラス面が庇代わりになるため、通風を得ながら、雨が室内に吹き込むのを防ぐことができます」
縦すべり出し窓
「上下にある溝に沿って窓を押し、外側にすべり出させて開ける窓です。すりガラスにすれば、視線を遮りながら風を呼び込めます。幅や高さのバリエーションが豊富なので、外観のアクセントとして用いられることの多い窓です」
片開き窓
「窓枠の左右どちらかを軸として開閉する窓です。外開きと内開きがあります。強風で窓が全開し、窓ガラスが割れて飛び散らないようにストッパーが付いたタイプもあります。幅や高さのバリエーションが豊富なので、外観のアクセントとして用いられることが多い窓です」
両開き扉
「2枚の窓が、窓枠の左右を軸として開閉するタイプのもの。窓ガラスが割れて飛び散らないようにストッパーがついたタイプもあります。幅や高さのバリエーションが豊富なので、外観のアクセントとして用いられることが多い窓です」
引込み窓
「窓枠の片側の壁に戸袋が設けられており、開けた窓をそこに収納して隠すことができます。見た目がすっきりして、開放感が得られますが、コストが高いのが難点です」
突き出し窓
「窓枠の上部を軸として下側を押し、外側に突き出して開ける窓のことです。窓のガラス面が庇代わりになるため、通風を得ながら、雨が室内に吹き込むのを防ぐことができます。一定の角度以上に開かないようストッパーをつけて、防犯性を高めたものもあります」
内倒し窓
「窓の下部を軸として、窓の上部を内側に倒して開けます。トイレや浴室などの採光・換気用として用いられるケースが多い窓です。一定の角度以上に開かないようストッパーをつけて、防犯性を高めたものもあります。高い位置にある場合は専用のフック棒で開閉します」
外倒し窓
「窓枠の下部を軸として、窓の上部を外側に倒して開けます。換気用として用いられるケースが多い窓です。一定の角度以上に開かないようストッパーをつけて、防犯性を高めたものもあります。高い位置にある場合は専用のフック棒で開閉します」
ルーバー窓(ジャロジー窓)
「細長いガラス板をブラインドみたいに少しずつ重なるように並べ、その角度を変えることで通風を調整します。浴室や洗面室、トイレなどに設置されることが多い窓です。ただし、重ねたガラス板に隙間が生まれるため、気密性や断熱性はあまりよくありません」
オーニング窓
「サッシがついた複数の小窓で構成された窓です。ハンドル操作で同時に開閉します。角度を変えることで通風を調整できる点はルーバー窓と一緒ですが、気密性・防犯性が高いのが特徴です」
上げ下げ窓
「上下にスライドして開閉します。上下2枚とも動くダブルハングと、片方だけ動くシングルハングがあります。限られたスペースにも設置できて採光や通風が得られますが、開閉しづらく、窓を持ち上げるのに力が必要です」
FIX窓(はめ殺し窓)
「窓枠に固定されていて開閉できない窓です。通風の機能はないため、採光や眺望が主な目的となります。丸型や正方形、長方形などさまざまな形状の商品があるため、デザインのアクセントとしても重宝されます」
回転窓
「窓枠の中央を軸にして、回転して開閉します。回転角度によって通風を調節できる、掃除がしやすいなどの特徴があります」
ツーアクション窓
「レバー操作によってタテの軸とヨコの軸を起点に二方向に開閉します。気密性・防犯性が高い窓です。構造が複雑なのでコストも高くなります」
窓の種類によって価格は異なる?費用相場を解説
窓は、種類によって金額が異なります。
施主から特別なオーダーがなければ、一般的に引き違い窓が採用されます。窓のメーカーによって価格は異なるものの、腰高窓などサイズでは費用相場は4万~5万円台です。
同じ引き違い窓でも、掃き出し窓として使用されるような大型のタイプは10万円を上回る場合も珍しくありません。また二重サッシを取り入れるなど、サッシやガラスの機能によっても金額は細かく変わります。
ほかの種類にも触れておくと、スリット窓の費用相場は4万〜6万円台、FIXタイプの天窓は7万〜10万円以上となっています。ただしこれらの費用は、あくまで窓単体の価格です。実際は本体価格に加えて施工費もかかるので、購入する際には併せて計算しておきましょう。
ガラスの性能によっても価格が変動する
窓の価格は、ガラスの性能によっても変動します。ガラスの性能は日々の生活での暮らしやすさを左右するだけではなく、断熱性能など健康面においても重視したいポイントです。価格と各機能の特徴を踏まえたうえで選ぶとよいでしょう。
遮熱、遮光|日当たりの良い部屋や方角が西向きの窓におすすめ
日当たりの良い部屋や夕日が差す西向きの窓は、遮熱・遮光性能のあるガラスがおすすめ。
夕日の影響により室温が上昇しやすくなるので、遮熱性能の高いLow-E複層ガラスを採用するとよいでしょう。遮光性能を重視するのであれば、すり板ガラスを採用する考え方もあります。
これらの価格は、通常の窓と比べて1〜1.5倍程度です。
断熱性能|方角問わずだが、北向きの窓は特におすすめ
断熱性能を備えている窓は、全方角の窓に共通しておすすめですが、中でも特に北向き窓に設置するのがおすすめです。
北向きの窓は日光があまり当たらないため、部屋の空気が温まりにくくなります。そのため冬場は寒気が入りやすくなり、室温を下げてしまうのです。断熱性能が高い窓を導入することで、北側の窓から寒気が入ってくるのを防ぎ、快適に過ごせるようになります。
断熱性能を高める窓には、一般的にトリプルガラスが使われます。トリプルガラスは使われるガラスの枚数が増える分、複層ガラスよりも価格が高くなりやすいのが特徴です(通常の窓と比べて2〜3倍程度)。
紫外線カット、結露防止|方角問わずおすすめ
紫外線カットや結露防止性能は、方角問わず備えておきたい性能のひとつです。これらへの対策を怠ると、家具の変色やカビ・ダニが発生しやすくなります。
また室内にいても、肌に紫外線の悪影響が及ぶこともあるので注意が必要です。紫外線カット性能および結露防止性能のある窓は、通常のものと比較して約1.5〜3倍の費用がかかります。
防音|子ども部屋や音が気になる部屋におすすめ
子ども部屋の窓や音漏れが気になる場合は、防音性能を備えた窓を検討してみましょう。特に住宅街に住んでいると、近所付き合いを大事にしたいと考える人もいるはずです。
騒音による近隣住民とのトラブルを避けるためにも、防音ガラスを採用すると安心です。防音性能の高い窓は、通常の窓と比べて約1〜1.5倍程が費用相場とされています。
窓にこだわって理想の住まいを実現した先輩たちの実例を紹介!
ここでは窓にこだわりを持って、理想とする住まいを実現した家づくりの先輩の実例を紹介します。オシャレな空間を実現したい、実用的な部屋にしたいなどといった希望のある人はぜひ参考にしてみてください。
【実例1】室内窓で開放感のあるオシャレな空間に
築40年近い家で家族と母親と暮らしていたAさん。耐久性に不安を感じて新居の購入を検討しました。自分で土地を見つけたものの、家づくりの進め方がわからず、CMで見かけていたスーモカウンターに相談。紹介された中から、予算内で要望がかなえられそうな会社に依頼を決めました。
夫婦揃って楽器を演奏するため、音漏れしないように防音室を設けることに。しかし個室にすると子どもの様子が見られないので、室内窓を取り付けました。仕事に集中できる環境を作りつつ、リビングとの一体感も持たせています。
加えて2階の子ども部屋と寝室にも室内窓を設置しました。暗くなりやすい廊下や階段への採光も確保でき、開放感を演出できました。
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インテリアのテーマは北欧ヴィンテージ。室内窓が開放的でオシャレな空間に
【実例2】 リビングには大きな掃き出し窓を設置しデッキや庭につながる間取り
結婚して賃貸物件に暮らしていたSさん。通勤アクセスの良い地域で土地を探していたものの、在宅勤務・直行直帰が基本のスタイルとなり、広く暮せる家づくりにシフトしました。
希望に合った土地の購入後、建築会社は比較検討したいと思いスーモカウンターに相談。5社紹介された中から、設計・提案力に魅力を感じた会社に依頼しました。
開放的なリビングには大きな掃き出し窓を設置し、デッキや庭につながるように作られています。
さらに玄関にスリット窓と地窓を設置。これらの窓により玄関に光が入りやすくなり、明るい空間にできたとのことです。
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希望エリアを変更して叶えた、広く開放的なカリフォルニア風の家
【実例3】長女の部屋には高い位置に上げ下げ窓を設置
築28年の住居をリフォームしながら暮らしていたSさん。湿気を中心とする悩み解決のため建て替えを決心し、依頼する建築会社の情報収集のためにスーモカウンターに相談。5社を比較検討し、コストパフォーマンスが高く、営業担当のレスポンスが良かった会社に依頼しました。
当時の住居は窓が多すぎるほか、24時間換気システムもなかったので頻繁に結露が発生していました。そこでLDKには高い位置に小さめの窓をいくつか設置し、なるべく手入れを少なくするようにしました。
さらに長女の部屋には上げ下げ窓を、次女の部屋には直接ベランダに出られる引き違い窓を設置。室内の明るさはしっかりと保ちながらも、窓のサイズを入念に考えたことで湿気にも悩まされなくなったそうです。
外からの視線も気にならなくなり、家具が配置しやすい空間も生み出せました。
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築28年の自宅を高気密・高断熱の家に建て替えて快適なわが家に
【編集部解説】窓のプランニングで後悔しないために知っておきたいこと
住居完成後のデザインを上手くイメージできていないと、設計後に思わぬ失敗が起こる場合もあります。
まずは窓の数と家具の配置についてです。開放感を意識するあまり窓を多く設置しすぎると、家具の置き場所に困ってしまうことも。家具の配置も考えたうえでサイズを選びましょう。
ほかにも、先述したように窓には種類ごとにメリットとデメリットがあります。それぞれを考慮しないと外開きの窓が駐車場の車にぶつかったり、スリット窓から思った以上に日光が入らなかったりするケースも考えられます。
窓選びで後悔しないためにもしっかりと押さえておきましょう。
おしゃれで最適な窓の種類を選ぶポイント
最後にあらためて佐川さんに、最適な窓を選ぶにあたってのポイントを聞きました。
使いやすさ
「採光や通風といった基本の機能はもちろんですが、高齢者にとって開けやすいかどうか、網戸は設置できるのかなど、利用シーンごとに最適な窓を選ぶ必要があります。形や開き方以外に、樹脂サッシや複層ガラスなど、素材やその使い方によっても機能性は変わります」
外観デザイン
「また、窓は外観デザインにおいて大きな役割を担っています。外から見たときに窓の配置のバランスはいいか、壁の面積に対して窓が大き過ぎないか、熱損失と熱の侵入はどうか、外壁材と窓枠の色はマッチしているかなど、検討すべきポイントは非常に多くあります。最適な窓を選ぶためには、取り付ける場所での役割を明確にして選択していくことです」
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窓サッシの種類とそれぞれの特徴は? 材質によって違いはあるの?
【編集部解説】そのほか窓選びで考慮すると良いポイント
ほかにも窓選びにおいては、「プライバシー」「掃除」の観点も考慮しましょう。これらのポイントを押さえるうえで、具体的にどのような窓を設置するのが望ましいかを解説します。
プライバシーの確保
窓選びの際には、プライバシー面を考慮することが大切です。人目に付く位置の窓をあまりにも大きくすると、外から室内が見えてしまいます。掃き出し窓を設置して、庭から部屋に入りやすくするプランは一般的ですが、周辺環境によっては人目が気になって、カーテンを開けられなくなることもあります。
室内を見られたくないのであれば、高い位置に小窓を設置する方法があります。方角を考慮すれば、小窓でも日光をしっかりと取り入れられます。
さらにプライバシーの確保と併せて考えておきたいのが防犯です。窓が人目につきにくい場所にあると、防犯面のリスクがあります。そのため目立たない位置にある窓には、合わせガラスや強化ガラスを採用する、人が通れないスリット窓などを採用するなど工夫して防犯性を高めましょう。
掃除
窓選びでは、掃除のしやすさも考慮することをおすすめします。先程プライバシー面を重視したいのであれば、高い位置に小窓を配置する選択肢があると説明しました。しかしあまりにも位置が高すぎると、窓の周りを掃除するのが難しくなります。
天窓を設置しようと考えている人も、「掃除のしやすさ」という観点では注意が必要です。天窓はオシャレな雰囲気を演出してくれますが、掃除は高所で行う必要があるので、基本的には業者に依頼する形となります。
このようにメンテナンスなども加味していないと、手入れができずにせっかくの窓が汚れたままになってしまいます。火山灰や花粉の影響など、地域特有の環境によって汚れやすさも変わるので、その辺りも考慮して窓を選びましょう。
カーテン・ブラインドは窓の種類に合わせて選ぶとよい
窓周りを装飾するカーテンやブラインドは、光の調節やプライバシーの確保にも役立ちます。これらを取り付ける際には、窓のサイズや種類に合ったものを選びましょう。
例えば掃き出し窓の場合は、カーテンやバーチカルブラインドもおすすめです。バーチカルブラインドは、羽根を1枚ずつ繋いだ縦型のブラインドを指します。
特に掃き出し窓は1枚あたりの面積が大きいので、遮光性の高い種類が適しています。
バーチカルブラインドの特徴とメリット・デメリットについてもっと詳しく→
バーチカルブラインドで後悔したくない!メリット・デメリットやおしゃれな空間づくりのコツを解説
スーモカウンターに相談してみよう
窓の種類を決めるときに「外観と窓のデザインが調和した素敵な家に住みたい」「通風や採光を意識した快適な家づくりがしたい」と思ったら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望をかなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。
無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。
取材協力/佐川旭さん
佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける
取材・文/福富大介(スパルタデザイン) イラスト/杉崎アチャ
監修/SUUMO編集部(一般的な住宅のサッシ規格サイズ・高さは?、窓の種類によって価格は異なる?費用相場を解説、ガラスの性能によっても価格が変動する、窓にこだわって理想の住まいを実現した先輩たちの実例を紹介!、【編集部解説】窓のプランニングで後悔しないために知っておきたいこと、【編集部解説】そのほか窓選びで考慮すると良いポイント、カーテン・ブラインドは窓の種類に合わせて選ぶとよい)
佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける