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擁壁とは?擁壁工事にかかる費用や種類を解説

擁壁とは?工事にかかる費用や種類

マイホームを建てようと土地を探していると、擁壁の新設や補強工事が必要というケースがあります。擁壁の役割とは何か、また、擁壁をつくるのに費用はどの程度かかるのかなどについてなど、矢島建設工業の石原栄介さんに教えてもらいました。

擁壁とは?

擁壁とは斜面の土を留めるための壁状の構造物のこと

傾斜地など、高低差のある土地に建物を建てる場合、高い土地に荷重や圧力がかかると斜面が崩れる可能性があります。その斜面の土を留めるためにつくられる壁状の構造物が擁壁です。

「傾斜地でなくても、建物を建てる敷地が道路よりも高くなっている場合などに擁壁が必要になることがあります。建築基準法では高さが2mを超える擁壁をつくる場合は建築確認申請が必要となっているため、一般的には擁壁というと大きなコンクリートの構造物をイメージされることが多いと思いますが、2m以下の擁壁もあります」(矢島建設工業・石原さん、以下同)

各自治体によって、規定は異なりますが、家を建てる土地と道路などの高低差が2m以上など大きい場合は、条例などによって擁壁をつくることが義務付けられているため、隣地と高低差のある土地の購入を検討する場合は、自治体などに確認をするのが安心です。2mを超える擁壁の新設が必要な場合は、擁壁の工作物申請を行ってから建物の建築確認申請をするため、擁壁をつくる必要のない場合よりも、家の着工までに時間が必要になります。

また、申請が必要ない2m以下の擁壁でも、安全性は重要です。強度不足などで、後々トラブルにならないよう、小さな擁壁の場合でも、建築会社などときちんと相談して、構造上問題のない安全な擁壁をつくるよう注意しましょう。

2m以下の擁壁

2m以下の小さな擁壁もある(画像/PIXTA)

擁壁にはどんな種類がある?

擁壁の素材は鉄筋コンクリートが多い

宅地造成等規制法施行令第6条では擁壁は“鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は間知石練積み造その他の練積み造のものとすること”とされていますが、自治体によっては条例などでも規定されています。

「擁壁の素材として、広く使われるのは鉄筋コンクリートです。そのほかにはコンクリートブロックや石積みのものもあり、これらも法律に則ったものであれば施工することは可能です」

鉄筋コンクリートの擁壁のイメージ

鉄筋コンクリートの擁壁(画像提供/PIXTA)

鉄筋コンクリートの擁壁で一般的なのはL型

鉄筋コンクリートの擁壁で多いのはL型擁壁というものです。L型の場合は道路からすぐの場所に擁壁をつくることができるので、敷地を広く使うことができます。

「L型擁壁が一般的ですが、土地の条件によっては逆T型擁壁を採用する場合もあります。例えば、道路に面する部分に駐車スペースをとり、その背後に擁壁をつくる場合など、道路や隣地との境界から擁壁をつくる位置にある程度ゆとりがある敷地の場合には、逆T型擁壁が採用されることがあります」

尚、斜面の上の敷地内に設置されることが多い擁壁ですが、下の敷地の事情で擁壁をつくる場合は、下の敷地に擁壁を設置するため、その場合は逆L型の擁壁になることもあります。

3タイプの主な擁壁

敷地境界線からすぐの場所につくることができるため、採用されることが多いのはL型擁壁(画像作成/SUUMO編集部)

駐車スペース分、道路から擁壁まで距離がある一戸建て

道路との境界から擁壁までスペースにゆとりがある場合には、逆T型擁壁を採用することも(画像/PIXTA)

擁壁工事にかかる費用は?

費用は擁壁の大きさに加え、周辺の道路環境にも左右される

擁壁の新設にかかる費用は高さや面積にもよりますが、数百万円になることもあります。

「価格は、擁壁の高さによって変わります。例えば、3mタイプのもので1㎡7万円程度です。また、擁壁自体の価格に加え、擁壁をつくる際には土工事(掘削工事)が発生するため、その工事の費用なども必要になります。

土工事にかかる費用については、現場によって異なり、大きな擁壁になるほど運び出すものも、運び込むものも多くなるので、運搬費などはその分多くかかります。さらに、道幅が狭く大きな重機などが入れないようなケースも同様です。

擁壁をつくる費用は、擁壁の大きさだけでなく、つくる場所周辺の道路環境などに大きく左右されると考えておきましょう」

土工事のイメージ

土工事には大きな重機が必要になるため、狭い道路に面した現場などでは費用がかさむことも(画像/PIXTA)

分譲地の場合は土地代に擁壁の工事費用が含まれていることが多い

新設するには高額な費用が必要になる擁壁ですが、分譲地の場合は土地の価格に擁壁の工事費用も含まれていることが一般的です。

「広い土地を区画整理して販売しているような分譲地の場合、擁壁ができて、上下水道が完備された状態で引き渡しということが多いです。ただし、宅地として販売されている土地の中には、すでに擁壁がある場合でも擁壁は古く、契約締結後につくり直しが必要になるということを条件に売り出すようなケースもあるので、契約前に必ず確認が必要です」

検討している土地に擁壁がすでにあれば、新設をしなくて済むという訳ではなく、つくり直しや補修工事が必要なこともあります。すでに擁壁がある場合は現行の建築基準法を満たした擁壁であるという検査済み証の有無を必ず確認しましょう。

検査済み証がなく、擁壁のつくり直しが必要となると、その分の費用がかかることになるため、費用面について納得した上で、土地の購入をする必要があります。

擁壁がつくられた分譲地のイメージ

分譲地の場合は、擁壁もつくられた状態で販売されるのが一般的(画像/PIXTA)

古い擁壁のイメージ

古い擁壁の場合、耐震基準などを満たしておらず、つくり直しが必要なことも多い(画像/PIXTA)

スーモカウンターでできること

擁壁工事が必要な土地に家を建てたいという場合、そのエリアに詳しかったり、擁壁工事の経験が豊富な建築会社などに依頼するのが安心です。一方で、どのように建築会社を探せばいいのか、自分たちだけで情報を集めるのはなかなか骨が折れるものです。

注文住宅の新築・建て替えをサポートしているスーモカウンターでは、土地選びや建築会社選びについての無料講座や、家づくりにまつわる不安や悩みをアドバイザーに相談できる個別相談などを行っています。個別相談では、具体的に検討しているエリアに詳しい工務店やハウスメーカーなどを紹介してくれますし、相談は何度でも無料です。

また、もし今購入を検討している擁壁工事が必要な土地以外にも選択の幅を広げるのであれば、土地選びや、資金計画についても気軽に相談できるので、スーモカウンターのアドバイザーに話してみるのもいいでしょう。住まいづくりで気になること、不安なことがあれば、スーモカウンターを活用して、家づくりを一歩進めてみてはいかがでしょうか。

取材協力/矢島建設工業

取材・文/島田美那子