お子さんが2歳のときに夫を亡くし、小学校入学を機にマイホーム購入に動き始めた宮城県仙台市のCさん。「シングルマザーの私の収入で家が建てられるの?」とスーモカウンターに相談。紹介された建築会社を通して希望の土地を購入し、子どもの気配を常に感じながら家事がラクにできて、ゆったり暮らせるスキップフロア付きの平屋を建てました。
家族が身近な平屋を希望。スキップフロアで広い空間が実現
角地に立つCさんの新居は、スキップフロアを採用した平屋です。生活の中心はリビング・ダイニング・キッチン。内装を木と白で統一し、豊富な収納スペースを確保して細々したものを出しっ放しにしないことで、広くゆったりした印象です。子ども部屋をスキップフロアに設けたことでリビングの天井が高くなり、実質1.5階建てのような開放感のある空間になりました。


「2人暮らしに大きな家はいらないし、2階建てだと子どもが2階の部屋にいると何をしているかが分からなくなるので、平屋を希望していました。2階建てのほうが平屋よりも建築費が安くなるという話もありましたが、担当の設計士さんが、子どもが巣立って妻と2人で暮らしている自身の経験から、2人暮らしならお互いの顔が見える平屋がいい、と推してくれました。
私は平屋の上階に収納(ロフト)をつくるイメージでしたが、収納は将来モノを運んだり出し入れするときに階段を上がったり下りたりしない1階にあるほうが使いやすいとご提案いただいて、子ども部屋をスキップフロアにもってきました」
1階から階段を数段上がることでつながる子ども部屋では、お子さんはお母さんの気配を感じながら適度なプライバシーが確保できます。
効率よく「ながら家事」ができるキッチンを中心とした回遊動線
玄関に入って、そのまま真っすぐ進むとリビング・ダイニング・キッチン。ホールとLDK、キッチンを中心に回遊できるワンフロアのような間取りになっています。
キッチンはアイランド型で、玄関ホールから入り、対面カウンター側と作業する側の2方向に抜けられる動線も便利。人造大理石製の白い天板は、お子さんと2人で並んで料理をするのも余裕のある広さ。キッチンの片面に壁を設け、裏側をマグネットウォールにして、学校からのお知らせやカレンダーなどを掲示しています。
「学校からの連絡用のプリントがどんどんきて、冷蔵庫に貼っておくのは嫌だったので、見えないところにまとめて貼っています。壁に穴を開けずに磁石で簡単に貼って剥がせるので便利です」
キッチンの隣にはパントリーを設け、その先には洗面コーナー、ランドリールーム、浴室が直線に配置されているので、料理をしながら洗濯をする“ながら家事”も、無駄な動きがなく、効率的に行えます。
「家を建てて一番良かったのは、ぐるぐる回れる動線で家事がラクになったこと。ランドリールームには室内物干しもつけましたが、乾燥機付き洗濯機で乾燥まで行い、下着や小物類は棚にしまって、洋服はその場でハンガーにかけてクローゼットに移動するだけです」
床下収納やファミリークローゼットなど大容量収納でスッキリ片付く
Cさん宅がモデルハウスのように、モノがほとんど外に出ていないのは、収納スペースが充実しているから。子ども部屋のスキップフロア下に設けた収納は、5.5畳。天井高は1.3mと低いですが、リビングと段差がなくつながります。
玄関の脇には、靴などを入れる玄関収納と別に、来客から見えにくい場所に土間収納を設け、子ども用の自転車も収納し。2人分の洋服や小物類は、ランドリールームの近くにあるファミリークローゼットにまとめて収納しています。


キッチンは吊戸棚がある標準仕様のキッチンを、好みのタイプにグレードアップ。出し入れがしやすい引き出しとパントリーで収納力は十分、圧迫感もありません。
プラスαの空間として、階段の脇に2.6畳のゲストコーナーを設置。小上がりの和室のイメージで、大人一人が寝られるサイズの畳ユニットがぴったり収まるように設計しました。
「最初は和室をつくろうと思っていましたが、建築会社の提案で、畳ユニットを活用することにしました。ゲストスペースや在宅ワーク、エレクトーンやピアノを置いたり、将来ライフスタイルが変わっても、いろいろな用途で使えるように、床はフローリングのままにしました」
「私でも家が買えるの?」から始まった土地と建築会社探し
理想のマイホームを手に入れたCさんですが、マイホームに向けて動き出したのは2022年、お子さんの小学校の学区の案内が届いたころ。当時住んでいた1LDKの賃貸アパートは子どもの成長に伴い狭くなると分かっていたので、いずれマンションか一戸建てを買おうと考えていたそう。ただ、引越しは小学校に入学後になるので、学区を変えずに引越しができる立地を検討。近辺には分譲中のちょうどいい新築・中古のマンションがなく、建売住宅もCさんのライフスタイルに合うものは見つからなかったため、土地を購入して家を建てることに。
「契約社員の私の収入で住宅ローンを組めるのだろうか?遺族年金をいただいているので、収入と年金を合算して、住宅ローンを組めるのか?まずはそこが一番心配で、モデルハウスを訪ねるのも躊躇していました。
大型スーパーや娘の習い事の教室があって毎週通っているショッピングモールにスーモカウンターがあるのは知っていたので、ちょっと相談してみようと訪問して、たくさん話を聞いてもらいました」
Cさんは、スーモカウンターで資金計画も相談。希望するエリアの土地に平屋を建てる場合の総予算や住宅ローンがいくらくらい借りられるかのシミュレーションを出してもらった。収入に年金も組み込んで計算してくれる銀行もあるというアドバイスをもらい、ひと安心したという。
家を建てること自体は不可能ではないという希望が見えたので、その場で、Cさんの住宅購入をサポートしてくれそうな会社を2社紹介してもらい、面談の予定も入れました。
2社と面談しましたが、なかなか希望の土地が見つからず、家づくりの話は先に進みませんでした。A社からは何かあれば連絡があり、希望エリアではないものの分譲中の土地を見せてもらったり、建売住宅など参考になる物件を紹介してもらうこともありました。
それでも、いい土地が見つからないまま約半年。エリアか大きさ、予算のどれかをあきらめたほうがいいのかとCさんが悩んでいたとき、A社から条件に合う土地があると連絡。その土地は他にも検討者がいたことと、もうこれだけ条件に合う土地は探せないだろうと、申し込むことにしました。
「それでも、1000万円を超える買い物は初めてで、いざ申し込む段階で緊張して『こんなにあっさり申し込んでいいの?』と不安になり、スーモカウンターに電話をして『この土地、買って大丈夫ですかね?』と相談しました。『この場所でこの大きさの土地はなかなか見つからないと思うので、不動産会社の方の話を信じて大丈夫ですよ』と言ってくれて。素人だから自分の決断に不安があって、プロの方に背中を押してほしかったのかもしれません」
夫の夢でもあったマイホーム。妥協しない家が完成
土地探しと下水道の引き込みの許可に時間がかかったものの、その他の家づくりはスムーズに進み、2024年7月に新居が完成。
「2階建ても検討しましたが、暮らしてみて、子どもの様子も生活動線も全体が見える平屋で良かったと思っています。扉を開けっ放しにしたまま、どこにいても様子が分かるし、会話ができて安心です。音も静かで、広いしゆったりと過ごせます。夏はエアコン1台とファンだけで家全体が涼しく、住み心地も満足しています」
家づくりを考え始めたときは契約社員だったCさんですが、今は正社員になりました。住宅ローンは、ボーナス時の支払額はプラスになるものの、毎月の支払額は、賃貸住まいの家賃と大きく変わらないそう。
リビングの一部にもマグネットウォールを採用し、家族の大事な思い出の写真が何枚もディスプレーされ、いつもパパがふたりを見守っています。
「生前、夫もマイホームがほしいと話していたので、夫の夢もかなえることができてうれしいです。家事もラクになり、これから娘と一緒にお菓子づくりなどもしたいです」と明るい声で話しています。
取材・文/佐藤由紀子 写真/伊藤トオル
- DATA
-
土地面積 184.39㎡ 延床面積 73.59㎡ 建築費 2200万円 間取り 2LDK+土間収納+ファミリークローゼット+パントリー+ゲストコーナー+床下収納 世帯構成 母(41歳) 長女(7歳)
- スーモカウンターで受けたサービス
-
カウンター店舗 スーモカウンターララガーデン長町店 紹介された建築会社数 2社 受けたサービス 個別相談