FPに資金計画を相談して注文住宅建築へ大きく前進
夫の転勤のたびに引越しを繰り返し、今後もいつ転勤があるかわからないが、3年ほど前から「札幌市内に家を持ちたい」と思い始め、スーモマガジンを見ていたYさん。「スーモなら情報をたくさん持っているはず」と思い、買い物でよく行くイオンモール札幌発寒店にあるスーモカウンターを訪ねた。
雪が多い地域柄と立地の良さから最初はマンション志向だった。スーモカウンターの「マンション購入講座」に参加して、紹介された3件のモデルルームを見学したが、夫が大柄なこともありマンションは狭く感じて一戸建ても視野に。「一戸建てなら、希望通りの家を建てたい」と注文住宅を建てることを志す。
マンション購入で考えていた予算は3000万円~3500万円だったが、一戸建てに切り替えた時点で予算を少し上乗せし、土地・建物合わせて4000万円を目安にした。今度はスーモカウンターの「注文住宅購入講座」を受けた後に、資金計画について詳しい話を聞きたいと思い、ファイナンシャルプランナーとの個別相談を希望した。
「今の年収で住宅ローンはいくら借りられるか、将来の返済計画、保険の見直しはどうするかなど、具体的に教えてもらったんです。4000万円で家を建てて、10年後、20年後、退職後まで考えても無理なく払っていけそうだとわかり安心しました」。こうして注文住宅実現へ向け、大きな一歩を踏み出した。
カウンターで紹介された建築会社8社と会い、1社に決定
Yさん夫妻が注文住宅を依頼する建築会社に求めたのは、土地を探してくれること、予算内で建ててくれることのふたつ。カウンターから紹介された2社とやり取りをしたが予算が合わず、相談し直して追加で6社を紹介され、全部で8社と面談した。最後の2社に図面を依頼して、カッコいい家とシンプルなデザインの家を提案されたが、対応が柔軟な後者に決めた。
スーモカウンターに20回以上足を運び、半年以上かけて8社と会い、納得できる会社に出会えたYさん。スーモカウンターでは、会社の得意・不得意、評判といった、自分たちで調べてもわからないリアルな情報を知ることができた。「ある程度の希望は遠慮しないで伝えたほうが、建築会社も実現できるように頑張ってくれますよと言われました。どこかで線を引くといい、いつまでも迷っているのは一番良くない」というアドバイスが印象に残ったという。
「ずっと同じ人が担当してくれて、建築会社を決めたときは『良かったですね』と一緒に喜んでくれました。もう1社を断るのもスーモカウンターにお願いできて助かりました」
階段を中心に回遊できる生活動線、収納力を工夫
家づくりでもスーモカウンターのアドバイスを参考にした。「新居でやりたいこと、取り入れたいことなどを箇条書きにして建築会社に伝えました。予算もあるのでやりたいことに優先順位をつけて、どうしても譲れないものをはっきりさせて、実現できることとできないことを判断してもらいました」。そして、建築会社が提案してくれた間取りを見ると、希望がほぼ100%反映されていてうれしかったそう。
完成した外観は、ブラウンの太いラインをアクセントにしたグレイベージュの総2階建て。「一見シンプルですが、実は凝った面白い家です」。家の真ん中に階段を配置し、階段を中心に行き止まりがなく、ぐるりと回れる間取りが特徴だ。
キッチンからユーティリティ、浴室への家事動線、玄関ホールからリビング・ダイニング・キッチンとユーティリティ(洗面室)へと2方向に移動できる。買い物から帰ったらキッチンの勝手口から入り、買ってきたものをパントリーや冷蔵庫にしまうなど、妻の家事がしやすい設計になっている。
キッチンは妻の希望で対面式を採用し、清潔感ある白でコーディネートした。夫婦で作業しても余裕の広さで、パントリーなど収納もたっぷり。家事は毎日のことだから、ちょっとした違いでも使い勝手は大きく変わる。
生活しやすさを左右する収納スペースで、特に満足しているのは、妻が雑誌を見て欲しいと思っていたシューズクロゼットだ。「賃貸マンション住まいのころは下駄箱に靴が全部入りきらなかったのですが、今は靴を全部入れても余っているくらい。つくって良かったと思っています(妻)」。夫妻は玄関からシューズクロゼットを通ってコートを掛けて家に入り、何も置かない玄関はいつお客さんが来てもきれいな状態をキープできる。
階段下収納、キッチンのパントリー、2階の洋室には廊下にも抜けられる約3畳のウォークスルークロゼットを設けたことも、暮らしやすさにつながっている。
モダンな小上がりの和室が夫婦団らんの場に
「仕事で家を空ける時間が長いので、せめて家にいるときくらいはいつもお互いの顔が見える方がいい」と、1階はオープンな箱型のリビング・ダイニング・キッチンにした。一角には能舞台のような小上がりの和室を設け、和紙のブラインドと照明、市松模様の畳で和風情緒を演出した。
「リビングにソファを置くかどうか迷いましたが、ソファを置かず和室に座って正面のテレビが見られるような配置にしました」。3畳の広さで“お籠もり感”があるが、壁に開口部を設けることで閉塞感はなく、キッチンにいる妻とも視線を合わせられる。夫は、帰宅したらこの和室に座って寛ぐのが、お気に入りだ。
リビングの南側は吹抜けで1階にも明るい日差しが入る。1階と2階は吹抜けを活かしてオープンにつながり、離れていても家族の気配を感じて安心感がある。吹抜けに面した2階は手摺り壁を設け、一部にカウンターデスクを造作し、夫が書斎として利用している。2階は主寝室の他に9畳の洋室がある。今は扉も壁もつくらずオープンな空間で、もっぱら夫のゲーム部屋として使っているが、将来はライフスタイルに応じて4.5畳ずつに仕切れるよう窓やコンセントの位置などを考えて設計した。
このような開放的な間取りにできるのは、断熱性の高い暖かい家だからだ。Yさんは実際の建築現場を見て、断熱材の施工状態を確かめるなど、断熱性を重視した。暖房は家全体を暖めるパネルヒーターを採用。「エアコンをつけるかどうかは一冬越して暖かさを確かめてから検討します」とのこと。
庭に畑やウッドデッキをつくることも、考え中だという。「住んでみないとわからない部分もあるので、ゆっくり考えたい」とYさん。10年後、20年後、30年後の将来を考えて計画した家は、これからも変化していく。
家づくりを成功に導いた夫婦のコミュニケーション力
スーモカウンターや建築会社と何度もやりとりをして、時間はかかったが、一生に一度の家づくりだからこそ楽しみながら納得がいくまでこだわることができたと話す、Yさん夫妻。
新居に引越した当時は、モデルルームや他人の家に住んでいるようで馴れなかったそうだが、住むほどに暮らしやすさ、快適さを実感している。「集まる部屋も自分の好きなことをする部屋もあって、いろいろな場所で生活ができて変化に富んでいます。『この家いいね、最高だね』と率直に思う自慢の家ができました。これから、『こうした方がよかった』と思うことも出てくるかもしれませんが、自分たちで考えてつくった思い入れのある家だと思うと後悔はありません」
取材から伝わってきたのは、夫妻の明るく話しやすい人柄、コミュニケーション力の高さだ。「率直に思いを伝える」「しっかりコミュニケーションをとること」は、家づくりを成功させる重要なポイントではないだろうか。
コロナ禍の最中に完成した家で、まだ友人を新居に招く機会はないが「早く落ち着いて友人を呼べるようになりたい」とにぎやかに集える日を楽しみにしている。
取材・文/佐藤由紀子 写真/ご本人
- DATA
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土地面積 約164㎡ 延床面積 約139㎡ 建築費 2400万円 間取り 3LDK+SCL(シューズクロゼット)+WIC(ウォークインクロゼット) 世帯構成 夫(43歳)、妻(42歳)
- スーモカウンターで受けたサービス
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カウンター店舗 スーモカウンターイオンモール札幌発寒店 紹介された建築会社数 8社(別途マンション3社) 受けたサービス 個別相談、ファイナンシャルプランナー個別相談、はじめての注文住宅講座、はじめての新築マンション購入講座