5年間住んでいた特定優良賃貸住宅から1年後の退去告知を受けて、新居探しをすることになったSさん。京都市内の賃貸マンションは家賃が値上がりしていることから、物件購入にも視野を広げた結果、注文住宅建築に至った経緯を紹介しよう。
1年後の退去告知を受けて新居探し
Sさんが2017年から暮らしていたのは京都市内中心部に位置する特別優良賃貸住宅だった。
「特優賃の物件を選んだのは、事実婚でも住民票にそれを証明できる記載があれば借りることができたからなんです。私たちは2008年から事実婚の状態で一緒に暮らしてきました。5年ほど二人で一緒に暮らし、とても気に入っていた部屋でしたが、2022年6月に『物件全体をフルリノベーションして分譲物件として売り出すことになったので1年後に退去してほしい』という旨の通知がありました。退去までは1年間の猶予がありましたが、私たちには突然のことでびっくりしましたね。ですが、通知から2週間後までに了承の返答をすれば退去までの家賃が30%オフになり、さらに退去費用として10万円の支給があるということで、慌ただしく“了承”の返答をすることになりました。そこから新居を探すことになったんです」
注文住宅の魅力を知って方針転換
「当初は京都市内の地下鉄沿線にある賃貸マンションに限定して、良い部屋が見つからないか探していました。でも、京都市内の物件はみんな家賃が値上がりしていて、なかなか思うように物件探しが進まなくって。ずっと犬を飼いたいと思っていたので、ペットOKという条件をつけていたこともあり、なかなか大変でしたね。インターネットの物件検索サイトなども活用して、中古の分譲マンションなどにも検討の幅を広げて探してみました。山科区のほうまでエリアも広げたのですが、なかなか思うような物件には巡り会えませんでした。6月に退去の告知を受けてから2カ月くらい時間をかけて物件探しをしていたのですが、思うように進展しないなか、サイト検索時のバナーで知ったスーモカウンターへ、物件探しの相談に行ってみることにしたんです」
マンション探しの相談をするつもりでスーモカウンターへ
賃貸マンションはほぼ諦めてマンション購入に切り替え、スーモカウンターに相談しようと考えていたSさん。しかし、訪れたスーモカウンターからは思わぬ提案が。
「最初はマンションの購入について相談しようと思って訪問したのですが、注文住宅はどうですか?という提案があったんです。京都市内で注文住宅なんてはなから無理だと思っていたので、すごく新鮮な提案でした。とりあえず、京都市内で実績の豊富な会社を紹介するので、話を聞いてみてくださいということで、6社の紹介を受けました。そのうちの2社は他の会社と価格帯が似通っていたし、少し展示場が遠かったので行かないことにし、4社のお話をお聞きすることになったんです」
「話を聞いてみると、京都市内でも注文住宅を建てる場合でも、良い条件の土地が見つかれば、自分たちで一から好きに建てられる注文住宅という選択肢もありだなと思ったんです」
スーモカウンターが親身になって相談に乗ってくれたことで、Sさんの新居探しの方向性は、マンションから一戸建てにまで広がり、注文住宅の建築も視野に再び動きはじめた。
「紹介していただいた建築会社との初回打ち合わせ後も、スーモカウンターから『打ち合わせはどうでしたか?』というような進捗確認のご連絡をいただいていたので、打ち合わせ内容をお伝えして、その都度、疑問に思ったことや、追加で聞きたいことなどを気軽に尋ねることができました。希望エリアの周辺で予定されている建売住宅の情報や価格帯、地元工務店の情報なども調べてくださり、購入を決める際のとても良い参考になりました。建売住宅でもそれほど価格が変わらないなら、自分たちらしい住まいにできる注文住宅で建築したいという思いが強くなり、思い切ることができました」
良い土地が見つかるかどうかが懸念点
「スーモカウンターで注文住宅という選択肢を提案していただいたものの、ネックは私たちが希望する京都市内で予算に見合う条件の良い土地が見つかるかどうかでした。まずはお話を聞いた4社からの紹介を待つことに。すぐに1社から紹介していただいたのが今の土地なのですが、立地がとても良く、すごく気に入りました。そこから、他の3社にもお声がけをして間取図の制作をお願いしました。でも、新築建売住宅の建築地として他社から申請が出ていたことがわかったんです。そこで、最初に土地を紹介していただいた会社が申請取り消しの交渉をしてくれることになり、その会社に建築もお願いすることに決めました。他の会社にはすぐにお断りの連絡を入れることにしました。大体の間取りが決まり、見積もりが出たのが10月半ば過ぎ。翌年6月末の賃貸退去は確定していたので、なんとか次の住居が決まったことにホッとしましたね」
こうして、スーモカウンターを訪れてから1カ月強で、Sさんの新居探しは注文住宅を建てることで落ち着いた。
ローン審査がスムーズに通るように入籍
こうしてトントン拍子に家づくりへとシフトしたSさんの新居探しだったが、住宅ローンを組むにあたってまた問題が発生。
「【フラット35】は事実婚でも申請可能ということで、住宅ローンは共有名義で組みたいと考えていたのですが、主人が転職をしてフリーランスになったのが3年前。まだ業務実績が短く、ローンの審査が通らないかもしれないという不安がありました。そこで、この住宅購入を機に、籍を入れることにしたんです。元々、キッカケがなかっただけで、事実婚にこだわっていたわけではなかったので、ローンの審査に間に合うように10月末に急いで入籍を済ませました。おかげさまで12月末に銀行の審査が無事に通り、年明けに契約することができました」
そこから間取りの相談を詰めていき、2月に着工、引き渡しは6月半ばと、6月末の退去に間に合うスケジュールで家づくりは順調に進んで行った。
おしゃれさよりも実用性を重視した住まいに
Sさんの間取りに対する主な希望は、それぞれの個室をつくりたいこと、布団が干せる広いベランダが欲しいこと、寒くない一戸建てにしたいこと、の3つだったそう。
「木造は寒いイメージがあったのと私は寒がりなので、断熱性能の高さは譲れないポイントでした。なので、オプションで断熱材をより効果の高いものに変更していただきました。生活音が自宅をオフィスとして使用する夫の邪魔にならないように、1階をリビングにする予定だったので、寒さ対策は重要ポイントでしたね。リビングの温度環境に配慮して、階段部分にも扉を取り付けていただきました。デザイン的にはおしゃれさよりも実用性を重視したいと思っていました。グレーを基調にしたシンプルな内装で、落ち着いた空間に仕上げていただきました」
シックな黒い外観に映える真っ赤な玄関扉
「完成してから気がついたのですが、周辺の街並みのことを全く考えていなくって!内装はシンプルにして、実用性を重視しましたが、外壁は少し遊び心を取り入れてみたんです。外壁が黒だし、玄関扉を妻が好きな赤にしたところ、ちょっとうちだけスタイリッシュな雰囲気で目立っていますが、とても気に入っています。立地が良いので車は必要ないし、駐車スペースを取らなくていいので、玄関先に家庭菜園コーナーをつくってもらいました。賃貸暮らしのときもベランダで家庭菜園をしていたんですが、今後は土植えなので成長がさらに楽しみですね。野菜やブルーベリーなどを植えたいなと思っているんですよ」
「入籍をして名前が変わり、さまざまな場所への連絡や届け出、書類の準備など大変なことも多かったけど、退去期限までに新居が間に合って本当に良かったです。マンション暮らしから3階建て住宅に引越し、最初は階段の上り下りが大変でしたが、入居から5カ月が経ち、できるだけ階をまたいだ移動の回数を減らす効率の良い動きを心がけるようになりましたね。先月から念願の柴犬との暮らしもはじまり、とても新鮮な気持ちです」
取材・文/馬場敦子 写真/河原大輔
- DATA
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土地面積 50.59㎡ 延床面積 82.56㎡ 建築費 2180万円 間取り 2LDK+納戸 世帯構成 夫(46歳)、妻(49歳)、柴犬
- スーモカウンターで受けたサービス
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カウンター店舗 スーモカウンター四条烏丸SUINA室町店 紹介された建築会社数 6社 受けたサービス 個別相談