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【実例あり!】モルタルで仕上げるキッチンや洗面台の魅力とは?

【実例あり!】モルタルで仕上げるキッチンや洗面台の魅力とは?
壁や床の仕上げ材としてポピュラーなモルタルですが、キッチンや洗面台、テーブルなどの仕上げにも活用できます。そこで、住宅や店舗のリノベーションデザイン・設計・施工を手掛ける空間社の島田知佳さんに、同社の手掛けた施工実例をもとにモルタルの活用方法について聞きました。

モルタルとは?

モルタルは、住宅などの建築現場でよく用いられる建材の一種です。主に、外構ではフェンスの基礎やレンガ、ブロックの目地に、内装では床の仕上げなどに用いられます。
最近では、目地のないフラットな仕上がりが好まれて、モルタルをキッチンや洗面台、キャビネットなどの仕上げとして用いることもあります。

モルタルで仕上げたリビング

モルタルは、キッチンや洗面台、その他さまざまな家具や内装壁の仕上げなどにも使われる(画像/空間社)

モルタルキッチンなどの施工実例を紹介!

モルタルキッチンやモルタルの洗面台が人気!

島田さんによると、今はモルタルで仕上げたキッチンや洗面台が人気になっていると言います。

「実際には、お客さまから『こんな風にしたい』とモデルとなる写真を見せていただいて、ご要望に沿うかたちで進めることが多いですね。特に機能性の高いモルタル調左官材(BEAL社のモールテックス)が普及してから、キッチンや洗面台などをモルタル仕上げにする人が増えた印象です」(島田さん、以下同)

次に、実際に空間社で手掛けたモルタルキッチンや洗面台の実例を紹介していきます。

モルタルキッチンの実例

●グレーの長方形が発する存在感が印象的なモルタルキッチン

まず目に飛び込んでくるのは、グレーの大きな長方形の箱です。キッチンの中でも目に見える面積の広い腰壁をモルタル仕上げにしたため、非常にインパクトがあります。

「このキッチンの天板はステンレスです。モルタルはステンレスや木、タイルなど、どんな素材とも相性がいいのが特徴です。腰壁の前面にはニッチ(飾り棚)を設けました。

このキッチンのように広い面積にモルタル仕上げをするときには、微妙な色ムラやコテムラが仕上げの表情となります。この表情は、左官職人の仕上げ方によって変わるため、お客さまと事前に念入りな打ち合わせが必要です。場合によっては、大きめのサンプルをつくることもあります」

モルタルで仕上げたキッチンの実例

キッチンの腰壁をモルタル仕上げにしてニッチな飾り棚をつけた(画像/空間社)

●土間風LDKに調和したシンプルなモルタルキッチン

床全面がモルタルグレーのLDKに、キャビネットの明るい木の色が調和したモルタルキッチンです。天板は厚みを薄くデザインしており、素材のナチュラルな印象に、都会的なテイストを加えています。

「LDKは全てモルタル床です。実は、お客様からの要望で、京都のカフェをイメージしています。キッチンの天板にモルタルを使うのは珍しいのですが、モールテックスは適したトップコートを施せば水まわりにも使用できます。床はもちろん、建具の素材感や白い壁、天井とも調和がとれて、ゆとりを感じられる空間になりました」

モルタル床のキッチン

天板が薄いタイプのモルタルキッチン。土間風LDKのモルタル床との相性は抜群(画像/空間社)

●天板が厚めのインダストリアルスタイルなモルタルキッチン

厚めの天板にモルタル仕上げを採用したキッチンです。無骨で無機質な雰囲気が味になっています。

「キッチンキャビネットの扉面材には、古材の足場材を使っています。天板のモルタル仕上げとの相乗効果で、無骨で無機質なインダストリアルスタイルのキッチンになりました。このようにモルタルを使うと、メーカー製のキッチンにはないオリジナル感を演出することができます。

天板をモルタル仕上げにする際、気をつけたいのはトップコートの種類です。トップコートには大きく分けてオイル系とニス系があります。オイル系は日常的なメンテナンスが必要ですが、ニス系はそれが不要です。ただ、ニス系は油ハネすると被膜が破れて水滴のような跡が残ってしまう場合があります。ですので、油ハネするコンロに近いところには、オイル系のトップコートを使用したり、ステンレス等の油に強い異素材を使って工夫します」

天板をモルタルにして古材と組み合わせたたキッチン

厚めの天板をモルタル仕上げにした。古材との相性もいい(画像/空間社)

●コンクリートブロックのようなキッチン前カウンター

まるでコンクリートブロックのような存在感でありながら、部屋やインテリアの雰囲気と絶妙にマッチしたキッチン前カウンターです。

「立ち上がり付きのキッチン前カウンターは、モルタルを金ゴテでおさえる施工でフラットに仕上げています。リビング側のニッチにはタモ集成材の棚板を設置。大きな部分はモルタルで、細かい部分は木でと、メリハリを効かせました。インテリアの雰囲気がモルタルの素材感とマッチしています」

モルタルで仕上げたキッチンカウンター

大きな部分はモルタルで、細かい部分は木で仕上げた(画像/空間社)

●モルタル仕上げのロングカウンターが印象的なバックキャビネット

食器棚の役割を担うバックキャビネットの天板をモルタル仕上げのロングカウンターにした実例です。壁面沿いに室内を横断するグレーのラインが、空間を引き締めています。

「モルタルの無機質な感じを多く取り入れたいというお客さまのご要望に応じて造作しました。カウンター下のキャビネット本体は造作家具と収納力十分の既製品を使っています。どんな素材とも合うモルタルを既製品と組み合わせることでオリジナリティを出すことができます」

モルタルで仕上げたロングカウンター

モルタル仕上げのロングカウンターを造作し、造作家具や既製品のキャビネットと組み合わせた(画像/空間社)

洗面の実例

●洋風レトロな雰囲気の洗面台

白いタイルと額縁のようなフレームが洋風レトロな印象の洗面台です。幅のあるモルタル仕上げの天板は、無骨なインダストリアルスタイルではあるものの、壁面の白く清楚な雰囲気ともマッチしています。

「モルタル仕上げの天板の下には、小物などを入れる木製キャビネットを造作。タイル、陶器、鏡、木と、素材もさまざま、色もさまざまですが、全体として清楚なイメージに仕上がっていると思います。洗面台の天板は油ハネを気にする必要がないため、日常的なメンテナンスのいらないニス系のトップコートを使用します」

モルタルで仕上げた洗面台

さまざまな色と素材を使いながら、全体としてまとまっている(画像/空間社)

●デザイン性と機能性を兼ね備えた洗面台

鏡のフレームには太目の木が使われています。厚いモルタル仕上げの天板と、木の素材感は定番の組み合わせです。フレーム下の壁面もモルタル仕上げになっています。

「壁面から天板までシームレスにモルタル仕上げにしたところが、この洗面台のポイントです。壁面にはタイルなどを使うことも多いですが、フラットな仕上がりを好んで、目地の出ないモルタル仕上げを選択するお客さまもいらっしゃいます。壁から天板までつなぎ目がなく一体化しているため、お手入れがラクだという機能性も兼ね備えています」

モルタルで仕上げで一体化させた洗面台

壁面から天板までモルタル仕上げで一体化(画像/空間社)

モルタルをキッチンや洗面台に活用するポイント

最後にあらためて島田さんに、モルタルをキッチンや洗面台に活用する際のポイントを聞きました。

「グレーの印象が強いモルタル仕上げですが、モールテックスはさまざまな色でモルタルの素材感を楽しむことができます。また、モールテックスの普及によって、かつてのモルタルの弱点だった水を吸いやすく、ひび割れしやすいというデメリットが解消され、どんな場所でもモルタル仕上げが可能になりました

気をつけるポイントを挙げるなら、利用シーンに応じて、トップコートを選ぶこと。また、仕上げの表情にこだわるなら、左官職人さんにも同席してもらい、念入りな打ち合わせをすることです」

スーモカウンターに相談してみよう

モルタルキッチンを取り入れたいと思ったときに「どうやって進めたらいいのかわからない」「建築会社はどうやって選べばいいの?」と思ったら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望をかなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。

取材協力/株式会社空間社

取材・文/福富大介(スパルタデザイン)