フリーコール
0120-070-091
携帯・PHSからも通話料無料
9:00〜21:00
毎日受付

スーモカウンター注文住宅のサービスをご利用いただいて建てたお住まいの
実例を中心に、注文住宅のノウハウをご紹介します。

外壁をタイルで仕上げるメリットとは?デメリットについても解説

外壁をタイルで仕上げるメリットとは?デメリットについても解説

おしゃれで高級感のある住まいの外観を追求していると、選択肢に挙がってくるのが、外壁をタイルで仕上げた外観です。ところが、タイルにはどうしても高そうというイメージがあります。実際のところ、外壁材としてタイルを用いるメリットやデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。Danto Tile総合企画室の板谷政和さんに話を聞きました。

外壁材としてのタイルの特徴

タイルとは?

住宅やビル、公共施設などの外壁材として目にすることの多いタイルですが、そもそもタイルとはどのようなものを指すのでしょうか?

「広義では、『板状の小片』という意味ですが、建材としてのタイルは、土や石などの原料を高温で焼いた板状の陶磁器を指すのが一般的です」(板谷さん、以下同)

外壁用タイルの種類・形状

それでは、外壁用のタイルには、どのような種類があるのでしょうか。さまざまな分類方法が考えられますが、ここでは材質や形による違いを紹介します。

●外壁用タイルの材質

「外壁用タイルは、材質によって磁器質、せっ器質に分けられますが、一番の違いは吸水率です。磁器質は水を吸いにくく、せっ器質はそれよりやや水を吸いやすいという特徴があります。タイルが水を吸うと、その水が凍って膨張したり、溶けて収縮したりして、表面にヒビが入る『凍害』を引き起こすことがあります。ですが、外壁用の場合は、常に水と触れるわけではないため、せっ器質でも基本的には凍害の心配はいりません。

また、タイルの材質にはせっ器質よりもさらに吸水率の高い陶器質がありますが、これは主に内装用に使われており、外壁用には使われません」

磁器質 水を吸いにくい
せっ器質 磁器質よりは、やや水を吸いやすい
陶器質 せっ器質よりも水を吸いやすく、凍害の可能性が高いため、外壁用には使われない

●外壁用タイルの形状

「代表的なタイルの形状としては、二丁掛(にちょうがけ、227×60mm)と小口(こぐち、108×60mm)があります。これらは、積レンガの長手面と小口面を元にしています。この2つは基本のサイズとして業界内で統一されていますが、これ以外にも各メーカー独自のさまざまなサイズのタイルがあります」

タイルサイズの基準

業界内で統一されたサイズとして、積レンガのサイズを元にした二丁掛と小口がある(イラスト/高村あゆみ)

ボーダーのタイル

細長い「ボーダー」と言われる形状のタイル。サイズは各メーカー独自のもの(画像/Danto Tile)

タイルの外壁にはどんなメリットがある?

デザイン性(意匠性)の高さ

住宅の外壁は、外から見たときに家全体の印象を決める重要な部分です。特にタイルの外壁は、高級なイメージを持たれることが多いようですが、それはタイルの持つデザイン性(意匠性)の高さに起因します。

「例えば施釉タイルは、さまざまな原料の釉薬が高温で焼成しガラス化する事で、独特の色合いが生まれます。色に、形状、面状を合わせた3つの要素の組み合わせで意匠性を高めているのです。

それぞれの要素にさまざまな種類があるため、組み合わせのバリエーションは豊富です。最近は、この3つの要素に『厚み』のバリエーションを加えて、3次元の動きを表現できるようになりました」

厚みのあるタイル

最近は厚みの違うタイルを組み合わせて、3次元の動きを表現できるようになった(画像/Danto Tile)

耐久性の高さ

住宅の外壁は、常に雨風や日射に晒されています。そのため、耐久性の高さも外壁に求められる重要な要素です。

「タイルは耐久性が高いこともメリットの一つです。タイルはその製造工程において約1300度という高温で焼き上げられるため、最低でも約1300度の熱に耐えることができます。これほどの耐火・耐熱性に優れた外壁材は他にないでしょう。また、非常に硬い性質で、砂などが風で吹き付けてもほとんど傷がつきません。さらに、磁器質でもせっ器質でも吸水率は低く、耐水性が高いのも特徴です」

風雨に耐えるタイルのある家

耐久性の高さもタイルのメリットの一つ(イラスト/高村あゆみ)

メンテナンス性の高さ

「一口にメンテナンス性と言っても、日々のメンテナンスと、長期的なメンテナンスがありますが、タイルはどちらのメンテナンス性も高いのがメリットです。タイルは他の外壁材に比べて吸水率が低いため汚れが中まで沁み込まず、表面を水拭きすれば綺麗になります。また、耐久性が高く経年劣化しにくいという特徴があるため、長期にわたって大がかりなメンテナンスも必要ありません」

タイルを水拭きしている人

日々のメンテナンスも水拭きするだけ(イラスト/高村あゆみ)

タイルの外壁のデメリットとは?

イニシャルコストが高い

「タイルのデメリットとしては、他の外壁材と比較してイニシャルコストが高くなってしまう点です。最もポピュラーな外壁材である窯業系のサイディングと比べると、約2倍のコストがかかります。ただし、メンテナンス性が高いため、ランニングコストは低く抑えられます」

外壁タイルと窯業系サイディングのコスト比較

  イニシャルコスト ランニングコスト
外壁タイル 7000円~1万1000円/㎡ 低い
窯業系サイディング 3500円~5000円/㎡ 高い

剥離の危険がある?

「まれにマンションの外壁タイルが落下したというニュースが流れることがあるため、外壁タイルの剥離を不安に思っている人もいるかも知れません。しかし、古いタイル張りの物件でも剥離・落下していない物件がほとんどです。最近では下地処理の方法やタイル専用の接着剤の性能も進化しており、適切な施工を行っていれば剥離することはほぼありません」

レンガを壁に貼り付けている人

適切な施工をすれば剥離することはほとんどない(イラスト/高村あゆみ)

タイルの外壁を採用した住宅の実例を紹介

タイルには、色、形、面状の組み合わせでさまざまなバリエーションがありますが、実際に住宅の外壁として使用したときに、どのような外観になるのか、いくつか実例写真を紹介します。

光の加減で表情を変えるボーダータイプのタイル

光の加減で表情を変えるボーダータイプのタイル

光の加減で表情を変えるボーダータイプのタイル

都会的なイメージを演出できる細長いボーダータイプのタイル。光の当たる加減によって、陰影が変化して、外観の印象も変わる(画像/Danto Tile)

和モダンな住まいの個性を引き出す立体的なタイル

和モダンな住まいの個性を引き出す立体的なタイル

和モダンな住まいの個性を引き出す立体的なタイル

光沢のある半円筒の窪みと、ゴツゴツとした平面部を持った立体的なタイル。タテヨコに組み合わせることで印象的な壁面になり、和モダンな住まいの個性を引き出すのに一役買っている(画像/Danto Tile)

アースカラーの自然な風合いが特徴的なタイル

アースカラーの自然な風合いが特徴的なタイル

アースカラータイルの実例

アースカラーのタイルは、どんな外観にも合わせやすい。圧迫感のない自然な風合いが街になじむ(画像/Danto Tile)

古いレンガ調のタイル

古いレンガ調のタイル

古いレンガ調のタイルを使った実例

洋風建築によく似合う古いレンガのような風合いのタイル。柔らかな質感も特徴的(画像/Danto Tile)

外壁タイルの住まいを選んだ先輩たちの事例を紹介!

スーモカウンターで外壁タイルの住まいを建てた先輩たちが、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

【case1】信頼できる建築会社とつくった外壁全面タイルの家

家づくりを思い立ち、住宅展示場回りをしたNさん夫妻ですが、二世帯住宅というこだわりしかなかったため、迷走してしまいます。そんなとき、スーモカウンターに興味を持ち、早速訪問することに。

アドバイザーと話すうちに、自分たちの要望が明確になっていったNさん。最初に紹介された5社から絞り込み、最終的には木造建築を得意とする自由設計の会社に依頼することに決定しました。

完成した二世帯住宅の外壁はシックなグレー。外壁材には磁器タイルを採用しました。どっしりとした外観からは、風格すら感じられます。Nさんは、信頼できる建築会社と出会い、理想の住まいを手に入れることができたと、とても満足しています。

モダンでシックなグレーの磁器タイルを使用した外観/注文住宅実例

外壁はシックなグレーの磁器タイルで仕上げた(写真/本美安浩)

この実例をもっと詳しく→
実家の建て替えか新しい土地で注文住宅かを迷い、理想の建築会社で新居を完成

【case2】長い保証期間とメンテナンス費用が低く抑えられるタイルの外壁が決め手

親子3人で賃貸アパートに暮らしていたUさんは、やがて手狭になることを見越して、注文住宅を建てることを計画しました。

訪れたスーモカウンターで依頼先候補を2社紹介されましたが、最終的にはやりとりのスピード感とほしい情報を的確にくれた1社に決定。30年間の長期保証があったことも理由の一つです。価格は高くなると聞いたものの、外壁がタイルのため、メンテナンス費用を安く抑えられるところが決め手になりました。

完成した新居は、1階にはLDKと和洋室。2階には主寝室と洋室が二つの広々とした6LDK+S。1階と2階を切り替えたツートーンカラーの外観は、モダンでおしゃれな印象です。

Uさんが建てた注文住宅の外観

メンテナンス性の高いタイルの外壁を採用。ツートーンカラーの外観もおしゃれ(写真/おおたけひかる)

この実例をもっと詳しく→
子どもの成長を見越して、リビングには宿題用机も

タイルの外壁を採用するにあたってのポイント

最後にあらためて板谷さんに、タイルの外壁を採用するにあたってのポイントを聞きました。

「タイルの一番の機能的なメリットは、経年劣化しにくいところです。建物に愛着を持って、自分好みの外観を長く楽しみたいという方には、オススメの外壁材だと思います。イニシャルコストは少し高くなるかも知れませんが、日々のメンテナンスの負担も軽く、長期にわたるメンテナンス費用も抑えられます」

スーモカウンターに相談してみよう

外観にタイルを採用した家を建てたいときに「どうやって進めたらいいのかわからない」「建築会社はどうやって選べばいいの?」と思ったら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望をかなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合せください。

取材協力/株式会社 Danto Tile

取材・文/福富大介(スパルタデザイン) イラスト/高村あゆみ