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中庭のある家を建てるには? 広さや間取り、家づくりのポイントを紹介

小さなお子さんやペットがいる家族にとってプライバシーを確保しつつ、屋外に出られる中庭は憩いの場。採光を確保でき、明るい家になる点も中庭のある家の魅力です。満足度の高い中庭付きの家を建てるとき、どんなことに注意したらよいでしょうか。StyleDesignの嶋田一也さんに、中庭のある家を建てるときのポイントについて話を聞きました。

中庭とは?

中庭の定義や特徴

まずはじめに、中庭の定義や特徴について解説します。

「中庭とは、建物に囲まれた屋外空間のことをいいます。換気や採光目的でつくられることもあれば、アウトドアなどの趣味や家族だんらんのスペースとして住宅に導入されるケースもあります。ロの字型の家の中央に中庭を設計するケースがポピュラーですが、土地に余裕があれば中庭を2つ設ける場合もあります」(嶋田さん、以下同)

屋根付きのテラスを中庭と呼ぶこともありますが、その場合はどちらかというと「インナーバルコニー」という呼称が適切です。近年はテレワークの増加によって家で長い時間過ごす人も多く、いつでも気軽に外の空気を吸うことができる中庭のニーズは高まりつつあるようです。

屋外と屋内の繋がりを感じることができる中庭の写真

屋外と屋内の繋がりを感じることができる中庭。家具や植物を置いて自由なレイアウトを楽しめる(画像提供/StyleDesign)

中庭をつくることができる広さは?

「中庭のある家をつくるにはそれなりの土地の広さが必要では?と思うかもしれませが、コンパクトな家でも中庭をつくることは可能です。平均的な中庭の広さは6畳ほどですが、最低1畳ほどのスペースがあれば中庭をつくることができます。その場合は屋外で過ごすことが目的ではなく、採光と換気を目的にする場合がほとんどです。特に住宅が密集していて採光条件が厳しい都市部では、家の中を明るくするために中庭を希望する人も多いです」

コンパクトな中庭の写真

コンパクトな中庭。シンボルツリーを植えたり、玉砂利を敷き詰めておしゃれに仕上げる手法も人気(画像/PIXTA)

「12畳以上の広い中庭のある家では、お子さんがのびのびと走り回ったり、ドッグランのように使ったりと活用の幅もより広くなります。アウトドアが趣味の人にも中庭のあるプランは人気です」

広々とした中庭の写真

広々とした中庭。アウトドアなどの趣味を家で気軽に楽しむことができる(画像提供/StyleDesign)

中庭のある家のメリットは?

採光が確保でき、風通しが良い

「中庭の最も大きなメリットは採光の取りやすさと風通しの良さだと思います。家全体が明るく爽やかな雰囲気になります。外壁に囲われた場所であるためか、意外にも夏は涼しく冬は暖かいと好評です」

中庭のない家と比べて屋外に面している場所が多いため断熱性が心配かもしれませんが、複層サッシの窓ガラスや外壁に断熱材をしっかりと入れることによって断熱性が損なわれない可能性もあります。ただしコストも高くなるので、建築段階で施工会社とよく相談しましょう。

中庭の窓を開けている写真

中庭の窓を開けると外気が室内に入ってくるため、湿気やかびの対策としても有効(画像提供/StyleDesign)

屋外で充実した時間を過ごせる

「外に出てリフレッシュしたいときや、お子さんを遊ばせたいときに中庭があると便利です。また、ソファを置いて読書やティータイムを楽しんだり、バーベキューをしたり、屋外のプライベートスペースをいつでも利用できるのも中庭の魅力です」

中庭で読書する人の写真

天気の良い日は中庭で読書やティータイムを楽しむのもおすすめ。中庭のある家では選択肢が広がる(画像/PIXTA)

防犯に強い

「外から見えないプライベートな場所なので、知らない人に家の中を覗かれることもなく防犯面に強いこともメリットです。中庭でくつろいだり食事をするときも、人目に触れずプライベートな時間を楽しむことができる良さがあります。また、洗濯物を干すときや、夜遅い時間でも人目を気にする必要がありません」

会話する人の写真

外壁に囲まれた中庭は完全にプライベート空間。人目を気にせず屋外に出られるのが魅力(画像/PIXTA)

室内のいろいろな場所から外の景色を楽しめる

「玄関ホールやリビングなど、家の中のいろいろな場所から中庭の景色が見えることで、室内にも開放感が生まれます。シンボルツリーなどの植物を設置すれば、常にみずみずしい雰囲気を感じることもできます」

また、窓が多いことで開放感のある空間になり、中庭の向かい側の部屋を見渡せることで実際の建築面積よりも広く感じるようです。

玄関から見える中庭の写真

玄関を開けると視線の先に中庭の風景が見える。視覚的に抜け感を印象付け、開放的な雰囲気に(画像提供/StyleDesign)

中庭のある家のデメリットは?

外壁のコストが増える

「中庭をつくるとそれだけ外壁の面積が増えるため、必然的に費用がかかります」

打ち合わせの際には施工会社に予算を伝えた上で、中庭の設計について話し合いができることが理想です。

中庭について考える人のイラスト

外壁や床面は素材によって費用に幅がある。予算を明確にして早い段階で具体的な計画を立てると家づくりがスムーズになる(イラスト/SUUMO編集部)

排水設備が不十分だと水があふれる恐れがある

「中庭をつくるときに最も注意しなくてはいけないのが排水設備です。うまく排水ができないと、大雨や台風のときに中庭が水であふれてしまい、最悪の場合は屋内に浸水する恐れがあります。また、雪国の場合も排雪設備をしっかりと整えないと雪がどんどん積もってしまいます」

窓から中庭を眺める人のイラスト

建築段階で排水の仕組みをしっかりと整えておかないと、中庭が水浸しになってしまう(イラスト/SUUMO編集部)

ライフスタイルによってはデッドスペースになる可能性も

「せっかく中庭をつくったものの、それほど活用できていないという方もまれにいます。入居後に後悔しないためにも、中庭のある家を建てることが自分のライフスタイルに合っているかをあらかじめイメージしておきましょう」

中庭のある家の間取りを決めるときの注意点

生活動線を工夫した間取りの例

中庭のある2階建ての家の間取図を紹介します。
家の中央に中庭を配置し、玄関を開けると中庭が目に入る設計になっています。1階部分にはLDKと和室、水まわり、2階には子ども部屋と主寝室が中庭を囲うように配置されています。家族で過ごすLDKも中庭に面しているため大きな窓から採光を確保できます。

生活動線を工夫した家の間取図

中庭のある家。生活動線にこだわった1階の間取りと寝室や子ども部屋がある2階の間取り(図/StyleDeisign提供の間取図を基にSUUMO編集部で作成)

間取りを決める際の注意点

中庭のある家の間取りを決める際には注意点があります。

「中庭のある家を設計する際に気をつけなければいけないのは生活動線です。採光を確保するために中庭に面した部屋をたくさんつくったものの、生活動線がめちゃくちゃになってしまっては元も子もありません。例えば、寝室を通らないとトイレに行けないような動線では生活がしにくくなります。そういった困ったことにならないように、中庭の施工に慣れている会社を探し、ライフスタイルに合わせた間取りのプランを相談してみてください」

中庭のある家の間取りを決めるのは、まるでパズルのような作業です。中庭と各居室の間に通路を設ける選択肢もありますが、通路が多すぎると中庭からの採光が取りにくくなってしまいます。間取り決めにはプロの視点が必要です。信頼できる会社を探し、希望を伝えるようにしましょう。

建築段階から注意したい中庭づくりのポイントは?

排水の仕組みをしっかりと整える

「大雨のときに水があふれないように、建築段階で排水の仕組みをしっかりと整えましょう。大雨が降っても水が抜けていくルートを確保することが大切です。また、雪国の場合は排雪の仕組みを整える必要があります」

中庭の排水路や排雪設備について、着工前に施工会社によく確認しておくと安心です。

手入れのしやすいレイアウトにする

「ウッドデッキやタイルなどは雑草が生えにくく、泥もたまりづらいため手入れの手間やコストがそれほどかかりません。植物を植える場合も部分的にウッドデッキを取り入れて、全面を土にしないレイアウトにすることで除草の手間を省くことができます」

タイルを敷いた中庭の写真

タイルを敷いた中庭。雑草が生えることがないため手入れの手間がかからない(画像/PIXTA)

水道や電気を通す

「水道や電気を中庭で使えるようにしておくと便利です。掃除をするときやお子さんがプールで遊ぶとき、バーベキューをするときにも重宝します」

イルミネーションや間接照明を設置する場合も屋外のコンセントがあると便利です。

中庭でプール遊びをする人のイラスト

中庭で水道や電気を使うことができると、アウトドアな趣味や遊びの幅が広がる(イラスト/SUUMO編集部)

断熱性の高い窓ガラスを設置する

中庭のある家では室内の過ごしやすさも気になるところ。夏は涼しく冬は暖かく快適に過ごせるように、断熱性の高い複層ガラスを選ぶとよいでしょう。

室内から中庭に降る雪を眺める人のイラスト

大きな窓ガラスで囲われた中庭でも、断熱性の高いガラスを設置することで季節を問わず快適に過ごせる(イラスト/SUUMO編集部)

中庭のある家を建てた先輩たちの実例を紹介

ここからはスーモカウンターを通じて中庭のある家を建てた先輩の実例を紹介します。理想を実現した先輩たちのマイホームを見て、ぜひ家づくりのヒントにしてください。

【case1】外から見えないプライベートな縁側が欲しかった

昔ながらの土間のある日本家屋に憧れて家づくりを始めたという夫妻。「縁側が外に面していると人目が気になってくつろげないのでは」と考え、コの字型の間取りに囲われる形の中庭を設計。キッチンに立つと大きな窓から中庭を眺めることができ、家の中も開放的な雰囲気になりました。今後は家庭菜園を充実させる予定だそうです。

縁側の写真

夫婦でくつろいだり洗濯物を干すときにも人目を気にしなくてよいプライベートな縁側(撮影/アラキシン)

この実例をもっと詳しく→
「わが家に帰ってきたな」とホッとする、土間のある平屋

【case2】約120坪の土地に建てた中庭のある平屋

猫を家族に迎えたことをきっかけに家づくりを始めたKさん夫妻。高齢になったときの暮らしを想定し、約120坪の広い土地に平屋を選択しました。広い土地を活かして中庭を設け、家の中をぐるりと一周できる動線にこだわりました。家族のプライバシーを守りつつ、光と風を取り込むことができる快適なマイホームの完成です。

中庭から明るい光が差し込んでいる写真

家の中央にある中庭から外の光が入ることで、明るい雰囲気の家になった(撮影/ご本人)

この実例をもっと詳しく→
中庭を囲んで一周できる動線が快適な暮らしをかなえた平屋の住まい

【case3】将来は子どもを遊ばせる場所にしたい

季節を問わず快適に過ごせる耐震性に優れた家を希望し、家づくりを始めたMさん夫妻。コの字型の間取りの中心にどの部屋からでも出られる中庭をつくりました。晴れた休日には中庭にテーブルと椅子を出して食事することも。将来子どもが生まれたら、遊び場としても活用したいと考えているそうです。家が断熱材ですっぽりと覆われているため、中庭があっても冬は暖か。年間を通して心地よく暮らせる家になりました。

どの部屋からも出ることができる中庭の写真

どの部屋からも中庭に出ることができる間取りにしたため、生活動線も便利(撮影/本美安浩)

この実例をもっと詳しく→
忙しい共働きだけれど、慎重に会社選びを進めることができた!

中庭のある家をつくるときのポイント

最後に、中庭のある家をつくるときのポイントを嶋田さんに聞きました。

「中庭のある家をつくる際は、間取りや手入れのしやすさなどが重要です。実際に生活してからの使いやすさを考え、施工会社とよく相談をして設計しましょう」

家の採光や風通しを良くし、家族の幸福度も高まる中庭。注文住宅をつくるときには、ぜひ選択肢に入れてみませんか。

スーモカウンターに相談してみよう

中庭のある家を建てたいと検討している人は、ぜひスーモカウンターに相談してみてください。アドバイザーがお客様の家づくりを全面サポートします。注文住宅を建てたいけど何から始めたらいいの?という方も大歓迎。家づくりのヒントからお金のことまで親身になって相談に乗ります。

取材協力/嶋田一也さん

StyleDesign

取材・文/佐藤 愛美(りんかく)