3世帯で暮らす3階建てなら住宅ローンがラクになる
夫(70歳)がリタイア後に自宅を建て替えたきっかけは、アパート住まいの長男夫婦に子どもが生まれ、手狭になったため。
二世帯同居を検討し、まずはネットを検索して建築会社からカタログを取り寄せ、8社の営業担当者と会い、見学会のバスツアーにも参加した。「それでもピンとくる会社に出合えませんでした」とKさんは振り返る。
家づくりの予算の目安は、それぞれの家族が支払う住宅ローンを毎月5万円以内に抑えること。ハウスメーカーの営業担当者と話をするうちに、3階建て住宅にして3家族で支払うと返済がよりラクになると気づき、近くのマンションに住む次女夫婦に声をかけ、同意を得た。
スーモカウンターに相談してスムーズに絞りこんだ
3階建て住宅を建てると決めたKさんは、次女のすすめでスーモカウンターに相談した。「対応してくれたのは明るく感じがいい女性で、情報量も豊富。耐震性がしっかりした3階建て住宅が建てられる会社を紹介してほしいと話すと、すぐに2社を提案してくれて、その場で打ち合わせのアポをとってくれました」
その後、モデルハウスを見て、話を進めやすかった会社に依頼を決めた。「もう1社は、結局直接断りましたが、スーモカウンターを通じて断ることができるサービスがあったのは気がラクでした」。こうして依頼先が決まり、家づくりの第一歩を踏み出した。
同じマンションに住む感覚の三世帯同居を希望
Kさん宅の三世帯同居は、それぞれの生活スタイルや時間を重視した。玄関や階段などの一部のスペースは共有し、居室や水まわりなど各フロアの殆どを1世帯で完結する一部共有型の間取りにした。「いつか自分たちが住まなくなったときに、賃貸に出すことも想定して、電気メーターもフロアごとに分けてフロアに住む世帯が払うようにしました」とKさん。電気メーターを分けることは電気会社にいったん断られたが、Kさんと建築会社が直接出向いて説明し、やっと了解がとれた。
「同居という感覚はなく、たまに顔を合わせる関係。ちょうどよい距離感で快適です」と長男。「見かけは1軒家でも、マンションにそれぞれ部屋を持っているような感じです」と次女が話すように、それぞれメリットを感じている。
打ち合わせは、家を三軒分建てる感じで時間をかけてプランは12回ほど練り直した。外観のデザインや外壁材はみんなで決めて、駐車スペースは4台分を確保した。共有するのは庭と玄関と外物置きのみ。
それでも、夏はバーベキュー、冬はイルミネーションの飾り付けをみんなで楽しむ。食事は別だが、料理好きな妻は週一回9人分の料理を、誕生日には手づくりのケーキをつくり、息子夫婦、娘夫婦に届ける。「離れていれば面倒なことも、同じ家にいればすぐ届けられます。会いたいときに会える関係がいいですね」
オーディオルームは「自分だけの喫茶店のつもり」
Kさんが長年あこがれ、どうしても実現したかったのが、オーディオルームだ。「中学3年のときにビートルズを聞いて衝撃を受け、それから一日も忘れることはありませんでした。広いオーディオルームをつくりたくて寝室を狭くして可能な限り広い部屋に。本当はもっと広くてもよかったくらいですが、これでも大満足」。これまで狭い部屋にしまいこんでいた9つのスピーカー、4200枚のレコード、CD、本などをゆったり並べて、気持ちまで解放された。ソファーに座って好きなレコードを聴く時間は、至福の時だという。
一方、妻は手づくりをいとわない。庭には、イーゼルスタンドを置いて草花をからませたり、鉢の土の部分に松ぼっくりやクリスマスアイテムを添えたりと思わずほっこりするアイデアにあふれている。また、1階の生活空間は妻が手づくりしたヨーヨーキルトやレース編みが随所に置かれ、寒い冬も温かなぬくもりにあふれている。
娘夫婦が住む2階はプライバシーを重視した大人の空間
「一緒に住むことを提案されて、何か役に立てることもあるかもしれない、と承諾しました。まったく抵抗はありませんでした。最初は、マンションみたいにフロアごとに鍵をつけることが絶対条件でしたが、結局鍵はかけずに生活しています」と次女。
2階は、次女夫婦と学業とアルバイトで忙しい大学生の長男、バスケットボールに熱中している中学生の次男の4人家族が暮らすフロア。「子どもが大きくなったので、リビングを通らなくても自分の部屋に行ける、友達が気軽に遊びに来られるように廊下を設けました。誰にも気を使わないし、居心地がいいですね」と余裕の笑顔。
ドアは白、床は濃い茶色で統一したシックな大人の住まいだが、廊下の壁紙を右と左で張り分けるなどこだわって選んだ。また、室内の扉にチェッカーガラスを採用するなど、さりげない可愛いらしさがちりばめられている。
小さい子どもがいる長男夫婦はリビング中心の間取りに
長男夫婦と1歳の長男が住む3階は、「リビングを中心にそれぞれの部屋とつながる、家族みんなの顔が見える間取りにしました」と妻。キッチンに立てば、どこに移動するのもスムーズで、家全体を見渡せる。リビングは、1歳の長男を真ん中に笑い声が絶えない。
長男は、広いバルコニーで素振りの練習をしたり、納戸を自分だけの書斎コーナーとして活用。主寝室にはワイドなウォークインクロゼットを設けるなど、収納スペースも十分確保している。ブルーグレーの壁紙に黄色のキッチンが印象的。同じ面積でも、間取り、色選びひとつにもわが家らしい個性が表れている。
「新居に引越した今が一番楽しい」としみじみ
9人がひとつ屋根の下に暮らしながら、それぞれの趣味や好きなことを楽しむKさんの3世帯同居スタイル。「スーモカウンターには会社を紹介していただいた後も何度か電話をいただいたり、こちらから電話で報告したり、最後までお世話になりました。今でも遊びに行きたいくらい、感謝しています。考えていることをすべて伝えると、いいアドバイスがもらえますね」とすすめてくれた。
住み慣れた場所で息子と娘家族といつでも会える安心の暮らし。「新居に越して生活にゆとりがもてるようになりました」と話す妻の傍らで、「毎日が楽しい。今が人生で一番満足しているときかもしれません」と語るKさん。
3つの幸せな暮らしが実る3階建て。家を建てることが目的ではなく、家を建ててからが始まりだと物語るような家族の表情。これからもKさん宅の幸せ物語は続いていく。
取材・文/佐藤由紀子 写真/伊藤トオル
- DATA
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土地面積 約273㎡ 延床面積 約260㎡ 建築費 5400万円 間取り 1階/1LDK+オーディオルーム
2階/3LDK
3階/3LDK
世帯構成 夫(70歳)、妻(64歳)
長男(36歳)、長男の妻(34歳)、長男の長男(1歳)
次女の夫(46歳)、次女(41歳)、次女の長男(20歳)、次女の次男(12歳)
- スーモカウンターで受けたサービス
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