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おしゃれなバルコニーを注文住宅に設けたい!おすすめの設備やレイアウトを紹介

バルコニーは注文住宅を新築する際にぜひ取り入れたい設備の一つです。洗濯物が干せるだけでなく屋外のリフレッシュスペースとしても活用でき、外観のアクセントにもなります。米戸建築工房の米戸誠治さんにお話を伺い、おしゃれなバルコニーにするためのポイントをはじめ、注文住宅にバルコニーを設ける際の注意点や素材の選び方についてまとめました。

バルコニーとは?

バルコニーの定義や役割

バルコニーとは、住戸から外に張り出しているスペースを指します。
主に洗濯物や布団を干すスペースとして使われることが多いものの、近年では、その使い方も多様化しており、ガーデニングやアウトドアなどを楽しむ人が増えているようです。

「ベランダ」もバルコニーと同様屋外のスペースですが、ベランダは屋根があるのに対して、バルコニーは基本的には屋根がありません。しかし、日よけや雨よけのために屋根を設けるという選択肢もあります。

「ルーフバルコニー」と呼ばれるものは、下の階の屋根=ルーフを利用したもので、通常のベランダやバルコニーよりも広いケースが多くみられます。

また、似た用語に「テラス」があります。テラスとは本来、土地の一部を盛り上げ、平らにした部分のこと。庭付きの1階住戸にコンクリートやタイルなどを敷き詰めたテラスが設けられているケースがみられます。

バルコニーの定義のイラスト

バルコニーは上階の住戸のバルコニーの床部分が結果的に屋根の役割を果たすケースが多い(イラスト/水谷慶大)

一戸建てに設けるバルコニーの種類

バルコニーにはさまざまな種類があります。前述したルーフバルコニーのほか、インナーバルコニーというものもあります。これは、2階以上につくられるバルコニー部分が建物の内側に引っ込んでいる形状のものです。外に張り出した屋根付きのバルコニーとは異なりますが、こちらもバルコニーの一種であると考えてよいでしょう。広くとられた屋根付きの空間なので、屋外でありながら天候の影響を受けにくく、幅広い用途で利用できます。

ほかにも、屋上を利用したバルコニー(屋上バルコニー、スカイバルコニー)もあります。庭を設けることができない狭小地でも限られた土地を有効活用でき、外部からの視線を気にすることなくプライベートな外空間を楽しむことができます。ただし、屋上にバルコニーを設けると屋根の形は地面に対して平行な陸屋根になるため、傾斜のある屋根に比べて水はけが悪くなる点に注意が必要です。

バルコニーでパーティーをする人のイラスト

設計次第でバルコニーを庭のように活用できる(イラスト/水谷慶大)

必要な広さ

バルコニーの広さは使いやすさの決め手ともいえます。
多くの工務店や一部の木造住宅のハウスメーカーでは、奥行き910mmをバルコニーの標準サイズとしています。この寸法を基準とした既製品が多くあるため、失敗しにくく、選択肢が多く費用も安価に抑えられます。施工事例も多いため失敗のリスクも低いといえます。
また、建築基準法で外壁から1mを超えるバルコニーは、建築面積としてみなされるため、1m以内に抑えることが多いです。

バルコニーの建築面積の説明イラスト

バルコニーは1mを超えると建築面積としてみなされる(イラスト/水谷慶大)

標準の面積はありますが、狭すぎると使いにくくなり、広すぎると室内の居住スペースが減ったり、バルコニーの手入れや管理が大変になったりします。

「バルコニーの適切な広さは目的によって変わります。換気や採光が主な目的であれば比較的コンパクトなバルコニーで十分です。家族のリフレッシュスペースとして活用したいのであれば、面積にゆとりを持ったほうがよいでしょう。例えば、ハンモックやアウトドア用品などを置けるだけのスペースが必要となります。バルコニーをどのように使いたいか、何のためにつくるのかを広さ決めの基準にすることが大切です」(米戸さん、以下同)

目的によって奥行きにも考慮が必要です。一般的な目安として、室外機を置いたり物置場として利用する場合の奥行きは600~910mm。一方、洗濯物干しに利用する場合の奥行きは1000mm以上あると作業が楽になります。また、しゃがむことの多いガーデニングに利用する場合は、1200mm以上が使いやすいでしょう。アウトドアを楽しみたい場合は、2000mm以上の奥行きを持たせることが多いです。

コンパクトなバルコニーの外観

コンパクトなバルコニーの図

隣のマンションの擁壁の植栽を眺められるように設計したコンパクトなバルコニー。日光を室内に効率よく取り込むこともできる(画像提供/米戸建築工房)

住まいにバルコニーを設けるメリットとデメリット

メリット

一戸建て住宅にバルコニーを設けるメリットは多いです。代表的なものを見てみましょう。

屋外で洗濯物を干せる

バルコニーがあれば部屋干しよりも洗濯物をたくさん干すことができ、日当たりや風通しのいい場所であれば乾きやすいのがメリットです。晴れた日は、ベッドパッドや布団をバルコニーに干すことで、殺菌・放湿でき、ダニなどが発生しにくい状態を保てます。

バルコニーで洗濯をする人の写真

洗濯物や布団を干せるのがメリット(画像/PIXTA)

ガーデニングスペースになる

バルコニーのスペースを活用して、趣味のガーデニングや家庭菜園を楽しむことができます。バルコニーの一角に水道を設けると、水やりや、土汚れを流すときに便利です。

ガーデニングや家庭菜園を楽しむ親子の写真

ガーデニングや家庭菜園を楽しめる(画像/PIXTA)

家族のリフレッシュスペースになる

広めに設計したバルコニーは、アウトドアリビングとしてリフレッシュスペースにすることもできます。屋外用の家具を置き、朝食や昼食をバルコニーでとったり、バーベキューなどを楽しむことも可能です。ランチはピクニック気分でレジャーシートを敷いて食べれば、子どもたちも喜びそうです。

ハンモックでリフレッシュする人の写真

広めに設計したバルコニーではハンモックや家具を置いてリフレッシュできる(画像/PIXTA )

プライベートな空間をつくることができる

住宅密集地でも、バルコニーの設えを工夫することで、プライベートな空間をつくることが可能です。外の景色を眺めたり椅子を置いて本を読んだり、のんびり過ごせます。また、バルコニーが屋内の様子を見えにくくするクッションとなり、外部からの視線が気にならなくなります。

フェンスで囲ったバルコニーの写真

フェンスで囲ったバルコニー。フェンスによって家の中を外から見えにくくすることもできる(画像提供/米戸建築工房)

外観のアクセントになる

バルコニーは住まいの外観の一部になります。外壁と色や素材を統一すると引き締まった雰囲気になり、あえてバルコニーだけアクセントとなる色や素材を使えば家の外観にオリジナリティを演出できます。また、バルコニーに曲線を取り入れるなど形にこだわることでより印象的な外観になります。

屋根を設けた曲線状のバルコニーの写真

屋根を設けた曲線状のバルコニー。個性的なデザインを採用することで外観のアクセントになる(画像提供/米戸建築工房 )

デメリット

バルコニーには、メリットが多い一方、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるのでしょうか?

落ち葉や土が溜まりやすい

屋外に面しているため、風で舞った落ち葉や砂埃が溜まりやすいというメリットがあります。排水溝の詰まりの原因にもなるため、定期的な掃除が必要です。

バルコニー掃除のイラスト

バルコニーは定期的な掃除が必要(イラスト/水谷慶大)

建築費用やメンテナンス費用が発生する

新築の住宅にバルコニーをつくる場合、外壁工事や防水工事のための建築費用や、バルコニーに必要な設備費用が発生します。また、入居後も床や設備の定期的な修繕が必要となり、メンテナンス費用もかかります。

バルコニーをメンテナンスしている写真

バルコニーの設置・維持には定期的なメンテナンスが必要(画像/PIXTA)

断熱性がダウンする

バルコニーは、外部と内部をつなぐ場所です。つまりバルコニーに出る部分には窓を設ける必要があり、室内と外部を隔てているのは窓一枚だけになるため、外壁が間にある場合に比べて断熱性が落ちます。

窓を開ける人の写真

窓を設ける必要があるため、断熱性が低くなる(画像/PIXTA)

防犯面でのリスクがある

バルコニーがあると、侵入者の足場になりやすいため、空き巣などの防犯リスクが高まるといわれます。視線を遮るために高い壁などを設けたバルコニーはプライバシーを守ることができるメリットがある半面、侵入されても外から見えにくいため注意が必要です。

空き巣のイメージ写真

防犯対策を行うことが大切(画像/PIXTA)

おしゃれなバルコニーの設備決めのポイントは? 素材の特徴や選び方を紹介

内装

床面

床面の素材によって、バルコニーの雰囲気はがらりと変わります。

例えば、床を天然木で施工すると温かみのある上質感を出せます。居室の床と同じ高さにバルコニーの床面を合わせるとリビングの延長として広く使うことも。その場合、土埃などが室内に入りやすくなるため、窓の付近に鉢植えなどを置かないように注意したほうがよいでしょう。また、耐久性の高い天然木「ハードウッド」を使うと屋外空間のバルコニーでも長持ちします。

一方、樹脂製の人工木は、天然木と比較すると高級感は劣りますが、樹脂が含まれているため耐久性が高く腐食しにくい、加工しやすいなどのメリットがあります。メンテナンス費用を安く抑えられるのも魅力といえます。

また、タイルも人気の素材です。天然石や陶器でつくられているため劣化しにくく耐久性があり、水で流すだけで簡単にメンテナンスができる良さがあります。タイルのデザインや施工の仕方によって、カジュアルからラグジュアリーまでさまざまなテイストに仕上げることが可能です。
人工芝は、子どもやペットのいる家庭に人気のある床材です。人気の理由の一つには、人工芝は、クッション性があるので万が一転倒しても安心だということがあります。バルコニーに天然芝を植えるのは難しいため、グリーンの床を楽しみたい場合は人工芝を選ぶのがよいでしょう。天然芝より高級感は劣りますが、手入れがしやすく耐久性に優れています。人工芝を選ぶときには、雨天時などに雨水を含んでしまわないよう、水はけのよい商品を選びましょう。

「バルコニーの床面にはタイルや樹脂などさまざまな素材を使用できますが、採光を優先してグレーチング(鉄などの金属を格子状に溶接したもの)を採用することもあります。グレーチングは格子状になっているためバルコニーの床面で日光を遮らず、階下の部屋やバルコニーの下のスペースに光が届くというメリットがあります」

グレーチング素材を使用した床面の写真

床面にグレーチング素材を使用すると階下に光を通しやすくなる(画像/PIXTA)

収納

バルコニーに収納を設置すると、ガーデニングやアウトドアのアイテム、掃除用品を保管できて便利です。風雨や直射日光にさらされやすい場所なので、収納の材質や置く場所には気を付けたほうがよいでしょう。
「バルコニーに収納を設置する場合、収納の規模にもよりますが、それなりの広さが必要になります。収納を置くスペースに加え、そこで人が物を出し入れできるだけのゆとりがあるとよいでしょう。一般的に、20畳以上のバルコニーであれば余裕を持って収納を置くことができます」

収納の写真

バルコニーに収納を設置したい場合は、建築段階で面積をよく検討することがポイント(画像/PIXTA)

照明

照明は外側に向けて飾るのか、住む人が便利に楽しむための照明なのか、用途を決めましょう。コードタイプの照明は、バルコニーの手すりに巻き付けたりバルコニーの外壁に垂らすように設置すると見た目も綺麗です。暗くなると自動点灯するものやタイマーセットできるタイプもあります。

床置きタイプの照明であれば、バルコニーの床に複数置いて光の道をつくると夜もおしゃれな雰囲気を演出できます。
シンプルモダンな外観ならば、アイアン調のシンプルな照明をアクセント的に設置するのもよいでしょう。

おしゃれな夜のバルコニーの写真

照明の使い方次第で夜のバルコニーがおしゃれになる(画像/PIXTA)

水栓、蛇口

おしゃれな水栓を採用すると、掃除やガーデニングの際に水を便利に使えるだけでなく、バルコニーのデザイン性がアップします。ガーデニングや家庭菜園を行うならレンガ調の水栓、シンプルモダンな家ならば装飾の少ないスタイリッシュなもの、日本庭園風のバルコニーにしたい場合は陶器の水栓など希望するテイストに合わせて水栓を選ぶことがポイントです。
また、バルコニーの壁に穴をあけて蛇口を設置し受け台を置くと、靴やアウトドア用品など汚れたものを洗うときに便利です。

デザイン性の高い水栓の写真

デザイン性の高い水栓を設けると、バルコニーがおしゃれな雰囲気になる(画像/PIXTA)

外装

屋根

バルコニーは、一般的に屋根が付いていないことが多いですが、先に説明したように建物の内側に引っ込むインナーバルコニーとしたり、ベランダとして屋根を設置することも可能です。
屋根は雨や雪などに触れるため、素材選びがとても重要になります。

塩化ビニル樹脂はポピュラーな素材です。加工のしやすさや、強度の強さが特徴です。ただし、劣化しやすいというデメリットも。耐用年数はおよそ5年程度といわれています。

ガラスネットは、DIYでも使われるリーズナブルな素材。ガラス繊維がネットのように格子状に入っている硬質塩化ビニル素材でできています。塩化ビニルと比べて強度があり、劣化しにくいのが特徴です。

アクリル板も使われます。アクリル板は、透明度が高く加工がしやすいのが特徴です。また、耐久性もガラスネットに比べると強いものとなっています。

透明度が高く耐衝撃性などに優れたプラスチック素材のポリカーボネートもバルコニー(ベランダ)の屋根に使われる素材です。耐久性は高いのに、加工時にはノコギリでも切れる優れものです。また、耐久年数も10年以上あるので、コストパフォーマンスにも優れています。

屋根の形状にも複数の選択肢があります。
アール型の屋根は丸みを帯びた形状が特徴です。先端部分がカーブになっていると風雨や雪を防ぎやすくなります。
開放感を出したい場合はフラット型の屋根が適しています。室内から屋外へ視線が抜けて、部屋の中に採光を確保できるというよさがあります。モダンでスタイリッシュな家に馴染むデザインです。

バルコニーで過ごす人の写真

屋根の素材や形状によってバルコニー(ベランダ)の印象は変わる(画像/PIXTA)

日よけ

「暑い夏の日差し対策として日よけを設置するのもおすすめです。シェードやフェイクグリーンなどを取り入れると夏の直射日光を避け、屋内にも熱が入りにくくなります。また、外からの視線を遮る目隠しにもなります」

日よけの素材はさまざまなものがありますが、絡み織りのしなやかなシェードは通気性がよく、心地よい風が通り抜けます。透け感があるので見た目もおしゃれで、日差しを適度に遮り柔らかな光で窓辺が暗くなりすぎることがありません。

巻き上げ式の遮熱アルミすだれも、プライバシーを保護できます。

急な雨でも安心なのは雨よけシートです。雨よけ以外にも、気になる視線からの目隠し、洗濯物の陰干しにも便利です。 

目隠し・フェンス

目隠し効果が優れているのはコンクリート柵です。隙間がないため耐久性があり、家の外からの視線を気にせずバルコニーを使用できます。小窓を設けてアクセントにするとおしゃれな雰囲気になります。

ナチュラルな素材感が好きな人にはウッドフェンスも人気です。格子の隙間を風が通るので、バルコニーでアウトドアやガーデニングをしたい場合に適しています。

透明や半透明な素材感がおしゃれなパネルを目隠しに採用すると、バルコニーがモダンな雰囲気になります。室内に採光を確保しやすい点もメリットです。

本格的な日よけ、目隠しをしたい場合はアルミ製ボーダーフェンスも人気です。木製に比べて耐久性が高く、定期的な塗装も不要です。
「ウッド調の海外風、スタイリッシュモダンなど、フェンスのデザインや素材によってもバルコニーの雰囲気は変わります。外観全体のデザインとの統一性もポイントです」

木製のフェンスを採用した開放的な屋根付きのバルコニー

木製のフェンスを採用した開放的な屋根付きのバルコニー(画像提供/米戸建築工房 )

注文住宅にバルコニーを設けるときの注意点は?

住宅にバルコニーを設置する場合は、気を付けておきたいポイントがあります。どのような点に注意すればいいのでしょうか?

手入れのしやすさで素材を選ぶ

「先に紹介したように天然木などを使用したバルコニーは素材感がありデザイン性も高くなります。しかし劣化しやすいため定期的なメンテナンスが必要となります。近年は樹脂素材であっても本物の木に見劣りしないものも出てきており、手入れがかなり楽になります。
バルコニーは雨風にさらされる場所なので、手入れの難易度も含めて素材を選んだほうがよいでしょう。また、バルコニーでバーベキューなどをする場合は汚れることを想定し、掃除がしやすい床にすることをおすすめします」

一般的に、樹脂素材やタイル、コンクリート等は水に強く手入れがしやすいとされています。

ベランダ掃除の写真

タイルならお手入れが簡単(画像/PIXTA)

ガーデニングがしやすい設計にする

バルコニーでガーデニングをしたいと考えている場合は、ガーデニングラックや道具置き場などは、避難経路・排水溝・室外機の配置に合わせてレイアウトしましょう。水やりの際に排水がしっかりできるように動線を確保するほか、もしものときの避難経路がふさがれないように注意する必要があります。

また、エアコン稼働時に室外機から出る風は、暖かく強いため、植物が傷みやすくなります。風の当たる範囲と、揺れの強い直置きを避けて、室外機用のカバーを設置したうえで、棚などをつくり、並べるようにしましょう。

「鉢植えの数やガーデニングアイテムの量によっては広い面積が必要な場合もあります。コンパクトなバルコニーよりも、屋上のほうがガーデニングスペースに適していることもあるため、家を建てる前によく検討しましょう」

ガーデニングする人の写真

ガーデニングをする場合は、置きたいアイテムに合わせて面積を計画するとよい(画像/PIXTA)

防犯対策をする

バルコニーを介した不審者の侵入を防ぐためには、十分な防犯対策が重要です。
雑然としたバルコニーは、狙われやすいといわれます。また、隣の家との距離が近い、バルコニーの開口部が道路から見えない家は、見通しが悪く窃盗犯が入りやすく逃げやすいため、狙われる可能性が高くなります。

被害を予防するためにバルコニーに防犯カメラを付けたり、窓に補助鍵や防犯フィルムを設置すると効果的です。クレセント錠(クレセント=三日月のような半円の形をした引っ掛けて止めるタイプの鍵のこと)は簡単に開くので、ほかに補助錠を付けるのがベターです。

水道を設置する

バルコニーに水道があると、植物への水やりや、アウトドアを楽しむときも便利です。水道の蛇口を設けたら、その下には必ず排水口も設置するようにしましょう。バルコニーの防水層に傷があったり、劣化してひび割れが生じたりしていた場合、水が漏れて内部の構造材を傷めてしまいます。

「バルコニーに水道を設ける場合、寒い冬も作業をすることを見越して温水が出るようにしておくと便利です」

バルコニーに設置した水道の写真

バルコニーの壁に穴をあけて水道を設置することもできる(画像/PIXTA)

室内からの見栄えを考慮して設計する

「室内からバルコニーを眺めたときにどう見えるかも重要です。特に狭小住宅ではバルコニーをバックヤードのように活用し、ゴミ箱やエアコンの室外機を置くことがあります。そういったものが室内から見えないように、窓の位置や大きさを考慮したり、室外機を二段重ねで設置して目立たないようにするなどして、室内からの見栄えをよくするための工夫が大切です」

室内から見えにくい場所に室外機を置いたバルコニーの写真

室内から見えにくい場所に室外機を置くなど、設計時に工夫するとよい(画像提供/米戸建築工房 )

物干しのスペースを想定して計画する

バルコニーで洗濯物を干す場合は、洗濯物の量や家族の人数に合わせて広さを設計しましょう。

特にバルコニーで布団など大きなものを干す場合は面積に余裕があったほうがよいでしょう。目安の一例として、布団の幅は1枚あたりおよそ1mなので、3人家族の布団を干すためのスペースを確保するには3.5mほどの幅が必要です。また、奥行きも1.4mほどあればゆとりを持って布団を干すことが可能です。

バルコニーで布団を干している写真

洗濯物や布団を干すことを考えるなら、バルコニーは広めに設計したほうがよい(画像/PIXTA)

屋上バルコニーをつくる場合は間取りと防水に注意

「屋上にバルコニーをつくる場合、動線となる階段を設ける必要があるため部屋の間取りにも大きく影響します。また、バルコニーの直下に部屋があるため防水にも気を付けなくてはいけません。建築計画に関わるので、屋上バルコニーを希望する場合は早めに建築会社に伝えたほうがよいでしょう」

バルコニーの写真

屋上バルコニーの設計は間取りや構造に大きくかかわる(画像提供/米戸建築工房 )

注文住宅を建てた先輩たちのおしゃれなバルコニーの実例を紹介

ここからは、注文住宅を建てた先輩たちの、おしゃれなバルコニーの実例を紹介します。ぜひ参考にしてください。

【case1】運命の建築会社と出合い、広いバルコニーのある家が完成!

以前は、妻の実家近くの家で暮らしていたTさん家族。新たに土地を購入し、二世帯住宅を建てることにしました。情報誌で見たスーモカウンターに行き、要望を伝えたところ、4社を紹介され、その中の1社と家づくりをスタート。リビングから直接出られるバルコニーは広く、プライバシーも確保されていて大満足です。リビングとバルコニーの床面の高さを合わせて間続きにしたことで、空間に一体感が生まれました。

Tさん宅の注文住宅実例

リビングから直接出られる広いバルコニー。高いフェンスでプライバシーも確保(撮影/上條泰山)

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広々とした土地に二世帯住宅を建てピアノの練習も子育てもしやすく

【case2】花火を見るのが楽しみ! ワイルドな雰囲気のバルコニーを実現

妻の祖父から土地を購入し、家づくりをスタートすることにしたSさん夫妻。ショッピングモールで目にするスーモカウンターに行き、建築会社を紹介してもらいました。5社紹介された中で木造建築を得意とする1社に依頼を決定。バルコニーは、夫のこだわりで、ダークブラウンに染めた木材が使われるワイルドな雰囲気に。そこから花火を見るのを楽しみにしています。

Sさん宅の注文住宅実例

板張りでワイルドな雰囲気のインナーバルコニー。水栓やハンモック用の金具も完備。(撮影/アラキシン)

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むく床と漆喰仕上げの、自然素材が心地いい家

【case3】家族の要望をかなえた理想のマイホーム。バルコニーは広くて快適

賃貸マンションから、注文住宅を建てて引っ越すことにしたMさん家族。近所のスーモカウンターに飛び込みで相談して3社を紹介されました。土地は妻が見つけたので、建築は検討中だった第一候補の建築会社と契約。
以前住んでいたマンションのバルコニーが気に入っていたので、新居にそれを再現しました。たくさんのこだわりを盛り込んだ新居は、長男や長女もお気に入りです。

Mさん宅の注文住宅実例

住んでいたマンションのバルコニーを再現。広くて気分転換になるそう(撮影/Mさんご本人)

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吹抜けリビングの大空間に登り棒を設けた、遊び心いっぱいの家

【case4】雨の日でも安心して洗濯物が干せるバルコニー

空き家になっていた祖母の家を建て替え、両親と近距離生活をすることにしたIさんご家族。予算で苦労しましたが、スーモカウンターで縁のある1社と出合えました。その会社は、設計プランの自由度が高く、コストパフォーマンスもよい会社。インナーバルコニーのルーバースクリーンはIさんのこだわりです。外観のアクセントになっており、軒が深く、雨の日でも洗濯物が干せる広さになっています。

Iさん宅の注文住宅実例

インナーバルコニーのルーバースクリーンが外観のアクセントになっている。(撮影/河原大輔)

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庭の紅葉を眺めながらゆったりくつろげる和モダンリビングのある住まい

おしゃれなバルコニーづくりのために大切にしたいこと

最後に、おしゃれなバルコニーづくりのために大切にしたいポイントを米戸さんに伺いました。

「バルコニーがなぜ必要なのか、使用する目的や方法などを整理しておくことが大切です。希望がある場合は、事前に設計者に伝えておくようにしましょう。屋内空間からのつながりや動線など、使用目的に適しているかを確認することがポイントです」

バルコニーの設計や使い方によって、趣味を楽しんだり家事が便利になったりと暮らしがより豊かになります。この記事で紹介した特徴やメリット・デメリットを踏まえ、家にバルコニーが必要かどうか検討してみてください。

スーモカウンターに相談してみよう

おしゃれなバルコニーのある家を建てたいと検討している人は、ぜひスーモカウンターに相談してみてください。スーモカウンターではアドバイザーがお客様の家づくりを全面サポート。理想に合った建築会社を複数紹介することも可能です。注文住宅を建てたいけど何から始めたらいいの?という方も大歓迎。家づくりのヒントからお金のことまで親身になって相談に乗ります。

イラスト/水谷慶大

取材協力/米戸 誠治さん(有限会社 米戸建築工房 代表、一級建築士)
取材・執筆/佐藤愛美(りんかく)