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注文住宅で使いやすい脱衣所にするには?広さや動線のポイントを解説

毎日使う脱衣所はできるだけ使いやすいレイアウトにしたいものです。注文住宅で脱衣所をつくる際の動線や適切な広さ、あったら便利な設備など、脱衣所(脱衣洗面室)の設計に関するポイントをアレスホームさんに伺いました。

脱衣所ってどんな空間?

脱衣所の定義や特徴

住宅における脱衣所とは、浴室に隣接した、服を着脱するための部屋のことをいいます。多くの場合は洗面所や洗濯機置き場が併設された洗面脱衣所(脱衣洗面室)のつくりになっていますが、独立したタイプの脱衣所を設置するケースもあります。

独立タイプの脱衣所の写真

独立タイプの脱衣所。隣接する洗面所との間に間仕切りが設けられている(画像提供/アレスホーム)

「脱衣所は住宅の中では目立つ場所ではありませんが、1日の始まりと終わりに使用する重要な空間です。洗濯機置き場や洗面所が併設されることも多く、多機能的に使用できる部屋ともいえます」(アレスホーム、以下同)

ゆったりとした広さの脱衣所の写真

洗濯機置き場や洗面所、ランドリースペースが併設された、ゆったりとした広さの脱衣所(画像提供/アレスホーム)

脱衣所のおすすめの広さは?

脱衣に必要な広さ

脱衣所は服の着脱を行う空間なので、大人1人が身動きできるスペースが必要です。どれくらいの広さがあれば良いのでしょうか。

「最低1畳の面積があれば1人が余裕を持って脱衣することができると考えられます。洗面所と洗濯機置き場が脱衣所に併設されている場合は2畳の広さが基本となります。さらに洗濯物干し場や大きめの洗面台を設置したい場合は3畳ほどの広さがおすすめです」

脱衣所で服を脱ぐ人のイラスト

脱衣のためだけに必要な最低限の広さはおよそ1畳(イラスト/ワタナベモトム)

バリアフリーの脱衣所におすすめの広さ

車椅子を使用している家族や高齢者がいる家庭ではバリアフリー設計の洗面脱衣所が役立ちます。

「バリアフリーの洗面脱衣所にする場合は、3畳以上の広さが必要です。バリアフリー設計の場合は、入口を引き戸にして出入りしやすいつくりにします」

車椅子で乗り入れる場合は、使用している車椅子の大きさによっても必要なスペースが変わってくるため、脱衣所や入口の広さを決めるときは注意して計画しましょう。

車椅子が入る脱衣所のイラスト

車椅子でも入りやすいように、段差をなくしたり、引き戸にして扉の開閉をしやすくするなど設計の工夫が必要(イラスト/ワタナベモトム)

脱衣所におすすめの動線は?

脱衣所(洗面脱衣所)の動線はライフスタイルに合わせて決めるのがおすすめです。

どろんこ動線

「小さなお子さんやペットがいる家庭では、どろんこ動線が人気です。外で遊んで汚れて帰ってきても、玄関からすぐの場所に脱衣所と浴室があってスムーズに入ることができる動線です」

帰宅後すぐに洗面脱衣所に入ることができるので、感染症予防対策にもなります。家づくりの際に衛生面を重視したいという人にも人気です。

どろんこ動線の間取図

玄関から洗面脱衣所に直行できるどろんこ動線によってリビングに砂やほこりを持ち込むことを予防できる(イラスト/ワタナベモトム)

キッチンと脱衣所が一直線に並ぶ動線

「キッチンと洗面脱衣所、浴室が一直線に並んだ動線も人気です。キッチンで料理をつくりながら洗濯をしたり、お風呂の準備をしたりでき、家事がスムーズになります」

水まわりを1カ所に固めて配置することにより家事の効率化が期待できます。つまり、家族全員で家事を分担したり、複数の家事を同時進行しやすくなります。

キッチンと脱衣所が一直線に並ぶ動線の間取図

キッチンに立ちながらお風呂から出てくる子どもを待つこともできるので、子育てファミリーにも人気の動線(イラスト/ワタナベモトム)

建築段階で検討したい脱衣所の設備は?

収納

バスタオルやバスアイテム等を入れておくための収納があると便利です。洗濯機置き場の上のスペースを有効活用して棚を設けることもできます。

「洗濯機の上に収納をつくる場合は可動棚にすると便利です。洗濯機を買い換えたときに、大きさに合わせて棚の位置を自由に調整することができるからです」

洗濯機の上に設置した可動棚の写真

洗濯機の上に設置した可動棚。バスタオルやバスアイテム、洗剤などを収納できる(画像/PIXTA)

照明

「脱衣所は着替えのほか、化粧や掃除をする場所でもあるので、照明は周りがはっきりと見える明るいタイプが人気です。照明器具は埋め込み式のシンプルなダウンライトがスタイリッシュでおすすめです」

はっきりと見えることを重視するなら電球は昼白色が適していますが、リラックスした空間にしたい場合は電球色を選んだほうが良いでしょう。

埋め込み式のダウンライトを天井に取り付けた洗面脱衣所の写真

埋め込み式のダウンライトを天井に取り付けた洗面脱衣所(画像/PIXTA)

壁紙

「水まわりに近い場所なので、吸湿性の高いクロスを選んだほうが良いでしょう。清潔感のあるホワイト系統の色のクロスが人気です」

おしゃれな脱衣所にしたい場合は、一面だけアクセントクロスを取り入れる選択肢も。ネイビーなど落ち着いたトーンのクロスを張ると空間が引き締まります。

白い壁紙の脱衣所の写真

水まわりには清潔感のある白い壁紙が人気。空間も明るく見える(画像/PIXTA)

コンセント

脱衣所でドライヤーやヒーター、除湿機などの家電を使うことがあるため、建築段階でコンセントの位置と数についてもよく検討する必要があります。

「ヒーターや除湿機などの家電をつなげるために入口の足元と、壁の少し高めの位置にドライヤー用のコンセントを設置するのがおすすめです。さらに、ひげそりや電動歯ブラシの充電用にプラスアルファのコンセントを設けるのも良いかもしれません。脱衣所では家族がそれぞれのアイテムを充電することも考えられるので、予想以上にたくさんのコンセントが必要だったと建築後に気づくケースもあるようです」

洗濯機置き場も併設する場合は、洗濯機のコンセントを設置する必要もあります。

ドライヤーの写真

脱衣所はさまざまな家電を使用する場所なので、コンセントの数にゆとりを持たせたほうが良い(画像/PIXTA)

脱衣所が家のどの位置にあるのかにもよりますが、換気と採光のために窓を設置することもあります。

「脱衣所は外から見せたくない場所なので、窓を設置する場合は目線より高めの小窓がおすすめです。ガラスは曇りガラスにしたりブラインドを取り付けたりして、外から見えないよう工夫をしましょう」

小窓のある脱衣所の写真

目線よりも少し高い位置に小窓を設けた脱衣所。防犯面を考慮して、窓の位置や大きさ、ガラスの種類などを決めることが大切(画像提供/アレスホーム)

入浴後にぬれた足で入ることを踏まえ、脱衣所の床は水に強い素材を選んだほうが良いでしょう。掃除のしやすさもポイントです。

「無垢材やカーペットなど水を吸収する素材は脱衣所の床には不向きです。ビニール素材のクッションフロアなどぬれても大丈夫な床にしましょう。タイル調のおしゃれな素材を床に使って、個性を出すこともできます」

床掃除をする人の写真

脱衣所の床は水を吸収しない素材がスタンダード。ビニール素材の床は、汚れた際に手入れがしやすく清潔に保てる。浴室の水滴がついてもすぐに拭き取ることができる(画像/PIXTA)

洗面ボウル

「洗面ボウルをおしゃれなデザインのものにするだけで、脱衣洗面所の印象が変わります。おしゃれなだけでなく、手入れのしやすさも踏まえて洗面ボウルを選ぶのがベストです」

すり鉢型、埋め込み型などさまざまなタイプの中からライフスタイルや好みに合った洗面ボウルを探してみましょう。

洗面ボウルの写真

デザインに加え、掃除のしやすさや使いやすさといった機能面も重視して洗面ボウルを選ぶと良い(画像/PIXTA)

おしゃれで快適な脱衣所にするためのポイントは?

ゆとりある収納で空間をスッキリ見せる

タオルや着替え、バスアイテムがたくさん入る大きめの収納を設置することで、空間をスッキリと見せることができます。脱衣洗面所の場合は、収納量が豊富な洗面台を選ぶと家族の持ち物や洗剤のストックなどもゆとりを持って保管できるでしょう。

「引き戸の引き込み部分にニッチをつくって物入れにした、ユニークな収納を設置したこともあります。脱衣所をどこに置くかにもよりますが、階段下の空間などを活用するとニッチも深めにつくることができます」

可動式の棚を設置した脱衣所の写真

タオル類や洗面用具をたっぷりと収納できる可動式の棚を設置した脱衣所の実例。一番下にはアイロン台もしまうことができる(画像提供/アレスホーム)

手入れのしやすさを重視する

脱衣所は浴室や洗面台など水まわりに隣接する空間であるため、手入れのしやすさが重要です。

「床や壁、照明器具などデザイン性を重視して選んでも、手入れがしにくいため短期間で劣化してしまったという失敗談もあります。住んだ後にどれくらいの頻度で掃除ができるかを考慮した上で設備やレイアウトを決めると良いでしょう」

掃除をしている人の写真

浴室の水滴がついてもすぐに拭き取りができる素材や、ほこりや水垢が溜まりにくい構造の設備だと手入れに伴うストレスが少ない(画像/PIXTA)

季節や天候を問わず湿気対策を行う

カビや臭いの対策として、季節や天候を問わず換気ができるようにしておくのは大切です。

「脱衣所の天井部分に換気扇を1つ設けると良いでしょう。小窓がある場合は、脱衣所を使用していないときに空気の入れ替えを行いましょう」

また、壁の上部に扇風機を付けておくと脱衣所の空気を循環させたり、夏の暑さ対策にもなります。

壁に取り付けるタイプの扇風機の写真

壁に取り付けるタイプの扇風機。脱衣所に一台設置することで、快適度がアップする(画像/PIXTA)

洗濯物干し場を設置して便利な空間にする

脱衣所にランドリースペースを導入すると便利です。天井からポールを吊るせるように設計し、常にハンガーや洗濯バサミをかけておけるようにします。3畳以上の脱衣所であればアイロンとアイロン台を収納しておき、その場でアイロンがけもできます。

「洗濯物を干せるランドリースペースは、潮風の影響で洗濯物を外に干せない地域や降雪地帯の住宅で特に需要があります。室内干しをすることが多い人にとって、あると便利な設備です」

ランドリースペースのある脱衣所の写真

ランドリースペースのある脱衣所の実例。天候に関係なく洗濯物を干すことができる(画像提供/アレスホーム)

照明器具やクロスでアクセントをつくる

脱衣所のつくりを決める上で、使いやすさや手入れのしやすさは無視できないポイントですが、おしゃれな脱衣所にしたいと考える人もいるでしょう。

「アクセントクロスやタイルで個性を出したり、照明器具をデザイン性の高いものにすると空間の雰囲気が変わります。脱衣洗面所であれば、おしゃれな洗面ボウルにすることもおすすめです」

脱衣所の写真

脱衣所は毎日必ず使うプライベートな場所。気分を高めることができるお気に入りのデザインを探すのも家づくりの楽しみ(画像/PIXTA)

先輩たちのおしゃれで快適な脱衣所の実例を紹介

ここからは脱衣所(脱衣洗面所)の実例を紹介します。おしゃれな脱衣所をつくった先輩たちのマイホームをぜひ家づくりのヒントにしてください。

【case1】ランドリースペースを設けたおしゃれな脱衣所

子どもの小学校受験を目前に、家づくりを決めたSさん家族。近県に住んでいた妻の両親を呼んで二世帯住宅を建てることにしました。脱衣所にはランドリースペースと洗面所を併設し、洗濯動線も便利に。来客があるとロールスクリーンを下ろして洗濯物を隠すことができる、快適な脱衣所になりました。壁材や床材にもこだわり、おしゃれに仕上げています。

Sさん宅の脱衣所の写真/注文住宅実例

家事動線を重視して設計された洗面脱衣所。洗濯物を干せるように十分なスペースを確保した(撮影/上條泰山)

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【case2】収納便利な明るい脱衣所

リモートワークが増えて会社の近くに住む必要がなくなり、夫婦の実家の近くに注文住宅を新築したYさん。5人家族がゆったりと暮らせる一戸建てをつくりました。洗面室とつながる脱衣室には、洗濯機置き場や室内物干し、収納棚を設置しました。衣類やタオルがたっぷり収納できる可動棚を設け、家族全員が使いやすい脱衣所が完成しました。床にはヘリボーン柄のクッションフロアを採用。見た目もおしゃれで手入れもしやすいところが魅力です。

Yさん宅の脱衣所/注文住宅実例

収納たっぷりの広めの脱衣所。家族みんなが使いやすい便利な空間になった(撮影/上條泰山)

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【case3】脱衣所と洗面の間に扉を設けて利便性アップ

結婚して1年がたち、家づくりを始めたTさん夫妻。落ち着いて上品な理想の住まいが完成しました。水まわりは1カ所に集め、トイレ、脱衣所、洗面、浴室が一直線につながる間取りになっています。洗面所と脱衣所の間には扉を設け、それぞれが独立するつくりにしました。洗面所を使用している人がいても、気にせずにお風呂に入ることができます。

Tさん宅の脱衣所/注文住宅実例

脱衣所と洗面の間に引き戸を設け、必要に応じて開閉できるようにした(撮影/河原大輔)

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使いやすい脱衣所にするには?

最後に、使いやすい脱衣所にするときのポイントをまとめました。

・手入れのしやすさを重視して設備やレイアウトを決める
・建築段階から収納計画をしっかり立てておく
・洗面所やランドリースペースを併設する場合はライフスタイルに合わせて広さや動線を決める

脱衣所は家族全員が毎日使用する空間です。外から見えにくい場所ではありますが、脱衣所を便利で快適な空間にすることで生活の質も上がります。どのようなつくりにするか、この記事で紹介した内容をぜひヒントにして考えてみてくださいね。

スーモカウンターに相談してみよう

脱衣所の動線やレイアウトに悩んでいる人は、ぜひスーモカウンターに相談してみてください。アドバイザーがお客様の家づくりを全面サポートします。注文住宅を建てたいけど何から始めたらいいの? という方も大歓迎。家づくりのヒントからお金のことまで、家づくりに関することならなんでも相談に乗ります。

取材協力/アレスホーム

取材・文/佐藤 愛美(りんかく) イラスト/ワタナベモトム