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犬専用部屋はどうつくる? レイアウトや快適に暮らすための工夫を紹介

近年犬を飼うときは、部屋飼いが一般的になりました。これから注文住宅を建てる人のなかには「犬専用部屋は必要なの?」「犬も家族も快適に暮らすにはどうすればいいの?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか? そこで今回は、犬専用部屋の必要性やレイアウトのポイント、快適に暮らすための工夫や注意点を、かねまき・こくぼ空間工房の金巻とも子さんに伺いました。

犬専用の部屋は設けたほうがよい? 設置するならどこ?

最低限必要なのは犬専用のスペース

「寝床やトイレ、食事スペースなどがある、一般的に『サークル』で確保されるような犬専用のスペースは、人が個室を持つのと同じで必要なものだと思います。自分が何をしても、とがめられることなく自由に過ごせる。そういった専用の空間が必要なのは、犬も人間も同じだからです。

スペースをどこに置くかはご家庭によって異なりますが、空間事情からリビングにサークルを置くケースが多いです。サークルの入口は閉め切らず、通常は自由に出入りできるようにしておきます。サークルはあくまで犬が安心を求めて『自ら』入る場所であり、犬を閉じ込めるための場所ではないことを、まずは理解しておきましょう」

犬専用スペースのイラスト

犬専用のスペースは、犬の個室。自由に出入りできるようにしておくことが大切(イラスト/青山京子)

敷地に余裕があれば犬専用部屋をリビング近くに設ける

「リビングは家族のパブリックスペースでもあるため、狭い場合は犬が落ち着けません。またリビングにはダイニングテーブルやソファ、テレビなどがありごちゃごちゃしがちです。その結果、犬が自由に遊ぶ空間が限られ、さらに悪気なくものを触ることで怒られる機会が増えてしまいます。

かといって、犬がものに触れないよう、常に整理整頓するのは人間にとってもストレスになりがちです。そのため余裕があるのであれば、犬が安心して過ごす『犬専用スペース(サークル)』が配置された、家族と楽しく触れあえる『犬専用部屋』をリビング近くに設けることをおすすめしています」

犬専用部屋を設けるときのレイアウトのポイントは?

玄関や道路前の窓などから遠い場所に置く

「犬は警戒心が強く、知らない人が訪問するとそれを家族に知らせなければならないと感じ、吠える習性があります。そのため犬専用部屋を置くときには、玄関や人が通る道路に接する窓など、外部からの刺激を受けやすい場所から遠ざけることが大切です」

テリトリーの中心、家族が集まる場所の近くに置く

「犬が家族の一員として安心して過ごせるようにするには、犬専用部屋は家族の様子がよく見えて、気軽にいつでも触れあえる、リビングダイニングの横に設けるのがおすすめです」。その中に配置される『犬専用スペース(サークル)』は、『家』という犬のテリトリーのうち、できるだけ中心部となるように置きましょう。

犬専用部屋のある家の間取りイラスト

犬専用部屋のイラスト

犬専用部屋は、家族が集まる場所近くの奥まったところに設けよう(イラスト/青山京子)

犬と快適に暮らすために犬専用部屋にできる工夫は?

掃除しやすい床材の上にクッション性のあるマットなどを敷く

「犬専用部屋の床材は、滑りにくくて防水性が高く、掃除しやすい素材を選びます。条件を満たすペット用のフローリングもあるので検討するとよいでしょう。ひんやりして気持ちがいいタイルを選ぶのもおすすめです。

さらにその上に、犬がジャンプしたり遊んだりするときに滑って足腰を痛めないよう、ラグやクッション性のある素材のマットなどを敷くようにしてください。タイルカーペットのように、部分的に洗ったり交換したりできるタイプを選ぶのがおすすめです」

ラグに横たわる犬のイラスト

犬専用部屋に敷くラグなどは、人が座り、さらに犬が横たわってゴロゴロできる広さを確保する(イラスト/青山京子)

傷や汚れに強く消臭効果がある壁紙を選ぶ

「部屋の壁は、ヨダレが飛び散ったり前足をつくことによるひっかき傷が付いたりする可能性があります。そのため壁材・クロスなどは、とくに腰までの高さは汚れや傷に強いタイプ、それ以上は部屋のニオイを抑えられるよう消臭効果が高いものを選びましょう」

吸音性や防音性を高めておく

「犬専用部屋は、犬がストレスなく自由に過ごせる空間です。そのため走り回ったり吠えたりすることを想定し、吸音効果の高い素材を選ぶようおすすめします」

犬の鳴き声がうるさいと、ご近所とトラブルになることも考えられます。また道路や鉄道の音など、外からの音を犬が怖がる可能性もあるでしょう。そのため家を建てるときには、犬専用部屋に限らず、防音性の高い二重サッシにする、壁に吸音材や遮音材を使用する、遮音カーテンを使うなどしておくと安心です。

部屋の温度調整はエアコンを活用する

「犬の汗腺は人間とは違った構成なので、汗による体温調整ができません。また常に毛皮をまとったような状態であるため、人間よりも快適温度は低くなります。とはいえ人間と同じ空間で過ごしている以上、犬専用部屋だけ温度調整するのはむずかしいでしょう。そのため基本的には、人間が軽く上着を羽織った状態で快適に感じる温度にしていれば問題ありません。

ただし床暖房を設置すると、犬がお腹を冷たい床で冷やして体温調整することができなくなってしまいます。基本的には冬の暖房もエアコンを使用し、床暖房を設置する場合には、犬専用部屋だけは避けるようにしましょう。

また、犬は人間より快適温度が低めとはいっても、小型犬は低い位置で生活しており、冷気に触れていると冷えやすくなります。冷房時や冬期は、ブランケットなどをおいて、自分で暖かさを調整できるよう工夫しましょう」

風通しや換気を工夫する

「犬専用部屋は、風上ではなく風下に設けるようにすると、ほかの部屋全体に犬のニオイが広がってしまうことを防ぎやすくなります。部屋の風下の位置には窓を設け、風が外へ抜けるようにしておきましょう。

家の中心部に犬専用部屋を置くときには、換気扇がある洗面や手洗いと隣接させて、そちらに空気を流すようにするのも効果的です」

快適な犬専用部屋のイラスト

犬と家族が快適に暮らせるように、犬専用部屋には防汚、吸音・防音、消臭などさまざまな工夫を施そう(イラスト/青山京子)

犬と快適に暮らすためのポイントや注意点は?

立ち入ってほしくない場所には仕切りを設ける

「犬は家族の一員なので、家の中どこでも自由に動き回っています。しかし犬と家族が安心して暮らすためには、基本的には危険な場所への立ち入りを禁止し、安全に配慮する必要があります。具体的には、火を使ったり刃物が置いてあったりするキッチンは、ゲートを設けるなどしておくと安心です。なお、扉はキッチン側から見て外開きか、引き戸にするのがおすすめです」

ゲートを設けたキッチンのイラスト

危険なものが多いキッチンにはゲートを設けておくと安心(イラスト/青山京子)

ほかには転落の危険がある階段、急に走り出すことで脱走につながるテラスや玄関なども、立ち入りを禁止しておくとよいでしょう。ゲートは既製品もありますが、ワイヤーネットや園芸用のラティスなどを使ってのDIYも可能です。

戸棚や押し入れの引き戸であれば、隙間に挟んでスライドできなくする専用のロックもあるので検討してみましょう。

寝室は分けるのが無難

「犬と一緒に寝る飼い主さんもいますが、衛生の観点から考えると、基本的には寝室は分けて立ち入り禁止としておくのが無難です。

立ち入り禁止にしない場合には、寝室内に犬の寝床を用意し、寝具を共用しないようにしましょう。そうすることで、睡眠中に人が犬の毛を吸い込むのを避けるだけでなく、犬の皮膚疾患を防ぐことができます。

犬のアトピーなどの皮膚疾患は、人由来のダニに反応して起こることがあるため、人の皮脂による汚れがたくさん付いたシーツなどにはできるだけ触れないほうがよいのです」

整理整頓を心掛ける

犬専用部屋をつくらず、リビングにサークルを置いて犬が自由に過ごせるようにする場合は、犬が触ると危険なものは片づけて、整理整頓を心掛けましょう。

「例えば薬や小さなおもちゃなどは、犬が誤飲しないよう引き出しや犬が届かない高い場所に収納しておくことが大切です。またゴミ箱は蓋付きにする、コンセントやコードは見えなくするなど、犬を叱らなくていいような工夫をしましょう」

犬と過ごす人のイラスト

犬と過ごす部屋は整理整頓を心掛け、できるだけ犬を叱らずすむようにしよう(イラスト/青山京子)

犬と楽しく暮らせる注文住宅を建てた先輩の事例を紹介!

【Case1】愛犬たちが広々と走り回れる広さのリビングダイニングのある家

家族4人と2匹の愛犬が仲よくのびのび暮らせる二世帯住宅を建てたAさん夫妻。ダイニングの近くに犬の居場所として凹みを設け、キッチンや浴室に入らないよう柵を設置しました。リビングには、愛犬の足に負担がかからないようタイルカーペットを敷き詰めて、家族も愛犬もストレスがたまらずのびのび暮らせる家になっています。

Aさん宅の注文住宅実例

Aさん宅の注文住宅実例

犬が落ち着けるようにと壁に凹みをつくったが、実際はリビングで自由に過ごしているそう(写真/Aさん)

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愛犬と二世帯が仲良く暮らすドッグランとスキップフロアがある家 

【Case2】DIYした木製の柵で囲われたペットコーナーのある家

2匹の愛犬とマンションと暮らしていたものの、散歩が大変と感じていたRさん。間取りの真ん中にペットコーナーのある庭付きの注文住宅を建てました。壁に凹みを付けたペットコーナーには、夫のお父さんが手作りした木製の柵が取り付けられて、優しい温もりが感じられます。1階はウォークインクローゼットを中心にぐるりと一周できる回遊性の高いプランにしたことで、2匹の愛犬がのびのび過ごせる空間となりました。

Rさん宅の注文住宅実例

温かみを感じる木製の柵はRさんの夫のお父さんがDIYしたもの(写真/河波隆博)

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【Case3】切妻屋根のデザインがおしゃれ! LDKにあるペットコーナーは耐水性の高い木材製

平屋の二世帯住宅を建てたHさん。間取りの中心にLDKを配し、その中央に切妻屋根のようなデザインのペットコーナーを設えました。床材には耐水性の高い素材を使用し、空間の高い場所に棚を設けて収納としても使用できます。リビングの中央に設けることで目が届きやすく、空間のおしゃれなアクセントにもなっています。

Hさん宅の注文住宅実例

切妻屋根のデザインのペットコーナーは、リビングのちょっとしたアクセントになっている(写真/河波隆博)

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犬と家族が安心して触れあえるよう、犬専用部屋を設けよう

最後にあらためて金巻さんに、犬専用部屋を設けるポイントを伺いました。

「犬が安心して過ごせる個室として、リビング内にサークルを置くだけでも構いませんが、犬専用部屋を設けると、犬はより自由に快適に過ごせるようになります。家を建てるときに余裕があるのであれば、犬専用部屋を検討してみていただきたいです。

なお『犬専用部屋』やサークルで仕切った『犬専用スペース』は、あくまでも犬が安心して過ごすための場所、家族と楽しく触れあうための場所です。決して犬を閉じ込めるためのものでないことは、よく理解しておいていただきたいと思います」

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「犬と家族が快適に暮らす家にはどんな工夫ができるの?」「ペットと住む家づくりが得意な工務店を知りたい」など、住まいづくりについての疑問や悩みがある人は、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご希望を伺ったうえで、かなえてくれそうな依頼先を提案、紹介いたします。

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イラスト/青山京子

取材協力/金巻とも子さん(一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房)
取材・執筆/佐藤カイ(りんかく)