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掃除しやすい家づくりのコツ!間取りや設計、設備はどう決める?

掃除やメンテナンスのしやすさはマイホームを建てる上で無視できないポイントです。ネクストイノベーションの代表・豊藏一幸さんのお話をもとに、掃除しやすい家にするためのコツや建築段階での注意点を紹介します。掃除が楽な家づくりの間取りや設計、設備選びのヒントにしてください。

掃除しやすい家とは?

掃除しやすい家の特徴

掃除しやすい家とは、間取りだけでなくメンテナンスの手間やコストがかからない家のこと。住まいのメンテナンスには、水まわりのカビ取りや床の掃除といった日々のお手入れと、外壁や屋根などの修繕といった大規模なメンテナンスの2種類があります。こういったメンテナンスの手間やコストがかからない、掃除しやすい家に魅力を感じる人は多いのではないでしょうか。

「家の間取りや使用する素材によって、手入れのしやすさやメンテナンスにかかる費用は変わってきます。メンテナンスしやすい家にしたい場合は、建築時の工夫が必要です」(豊藏さん、以下同)

家と掃除道具の写真

建築時の間取り決めや素材選びが、メンテナンスのしやすさを左右する(画像/PIXTA)

掃除しやすい家を想定して住まいを設計することのメリットは?

掃除のしやすさを優先して家を建てると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

「一つは家事がラクになることです。日々の掃除や手入れにかかる手間と時間を削減できます。もう一つはメンテナンスコストを抑えられることです。メンテナンスがしやすい素材、つまり耐久性があり劣化しにくい素材を使うため、短期的に素材を交換・修繕する必要がありません」

また、掃除しやすい家を設計することで空間が汚れにくくなり、清潔な環境を保てることも魅力といえます。積極的に人を呼びたくなったり、いつまでも大切に住みたい家として愛着を持てるでしょう。

部屋の写真

掃除しやすい家にすることで、日々の暮らしが快適になり住まいへの愛着も湧く(画像提供/ネクストイノベーション)

掃除が楽になる家の間取りや設計は?

凹凸の少ないシンプルな間取り

「掃除しやすい家にするためには、シンプルな間取りにすることが大切です。複雑な間取りだと隅になる場所に埃や汚れがたまりやすく、掃除の難易度も上がります。最も掃除がしやすいのは四角形の部屋です」

壁や床、天井にもできるだけ凹凸をつくらないことが掃除しやすい家にするためのポイントです。

凸凹の多い家のイラスト

凹凸が多い複雑な間取りは掃除がしにくい(イラスト/KOH BODY(RAYING STUDIO))

水まわりを一カ所にまとめる

「浴室、洗面所、キッチンなどをできるだけ近くに配置することで家事動線がコンパクトになり掃除がしやすくなります」

水まわりを一カ所にまとめた家のイラスト

水まわりを一カ所に集約すると掃除がしやすく便利な家になる(イラスト/KOH BODY(RAYING STUDIO))

掃除機の収納場所を工夫する

「掃除機、特にロボット掃除機を使用する場合は充電できる収納スポットを使いやすい位置に設けるとよいでしょう。掃除用具を定位置にしまうことで、掃除しやすい家になります」

造作収納を設けてロボット掃除機を収納するという選択肢も。掃除機が丸見えだと生活感が気になる人もいると思いますが、収納を工夫することでおしゃれな空間を保つことができます。

掃除機の収納のイラスト

ロボット掃除機専用の収納があると掃除がしやすくなる(イラスト/KOH BODY(RAYING STUDIO))

また、有線式の掃除機の場合はコンセントの位置や数にも注意が必要です。掃除の動線をイメージしながらコンセントを計画しましょう。

汚れやすい場所には掃除しやすい素材を使う

「キッチンや洗面所、玄関など水や汚れが付きやすい空間にはビニール素材やタイルなど掃除しやすい素材を取り入れたほうがよいでしょう。汚れが落ちやすい素材や水拭きしても劣化しない素材の中から気に入ったものを選びましょう」

掃除している人の写真

汚れが付きやすい場所には、掃除に適した素材を使用することがポイント(画像/PIXTA)

掃除しやすい家にするためのポイントを場所や設備ごとに紹介

リビング

「汚れが目立ちにくい壁紙を選ぶとよいでしょう。例えば、グレージュカラーや無地の壁紙がおすすめです。また、凹凸の少ない空間ほど掃除がしやすくなります。ただし、天井の梁を見せたり、壁にニッチをつくったりするとリビングのデザイン性が高まるため、掃除のしやすさだけを優先せず、デザインのバランスを考えて設計するとよいと思います」

リビングの写真

グレージュの壁紙は汚れが目立ちにくくモダンな雰囲気を演出できる(画像提供/ネクストイノベーション)

キッチン

「キッチンは水や油を使うため汚れやすい場所です。汚れが染み込みにくいホーロー素材のキッチンにすると、簡単に拭き掃除をすることができます。また、焦げや変色のおそれもないため長く使うことができます」

自動洗浄システムの付いたレンジフードやタッチレス水栓も、清潔なキッチンを保てるため人気の設備です。

キッチンの写真

キッチンは毎日使う場所。清潔に保つためには素材選びが重要(画像提供/ネクストイノベーション)

照明

「近年、住宅の照明はダウンライトが主流です。ダウンライトは天井に埋め込むスタイルになるため、凹凸がなくシンプルでおしゃれ。さらにシーリングライトやペンダントライトよりも埃がたまりにくいという特徴があります。主照明は設けずダウンライトのみ設置する空間設計も珍しくありません」

ダウンライトのみ設置した部屋の写真

主照明を設けずダウンライトのみ設置した部屋(画像提供/ネクストイノベーション)

収納

「空間を綺麗に保つためには、ファミリークローゼットや土間収納、シューズクロークなど大容量の収納スペースがあると便利です。収納が少ないと居室が物であふれ、雑然とした雰囲気になってしまいます。その一方で、収納をつくりすぎたことによって物が増え、家が散らかってしまったという失敗談も。自分たちの暮らしや持ち物の量に合わせた適材適所の収納計画が大切です」

シューズクロークの写真

玄関に設けたシューズクローク。靴だけでなく外出時に使用するアイテムも収納できる(画像提供/ネクストイノベーション)

水まわり設備(お風呂・洗面所・トイレ)

「お風呂、洗面所、トイレなどの水まわり設備に関しては、各メーカーの努力によって掃除しやすい製品が数多く市場に出ています。
床から浮いたフロートタイプのトイレや触れずに水を出すことができるタッチレス水栓は、近年登場した人気の設備の一つ。いずれも掃除のしやすさと汚れの付きにくさが特徴です。
また、洗面所やトイレの床には塩化ビニル素材のクッションフロアを使用するのが定番ですが、近年は、サニタリーフロアという床材が人気です。サニタリーフロアは耐水性、耐汚染性に優れた素材で、湿気に強い耐水合板を使用しています。面取り部に防水処理が施されているため、水分が浸透しにくいのが特徴です」

水まわりには汚れにくく掃除しやすい素材を使用することに加え、不必要な設備を付けないこともポイントです。手入れの手間や衛生面を考えて、浴室に鏡や窓を設けない人も増えているようです。

タッチレス水栓の写真

センサーに手をかざすだけで吐水・止水ができるタッチレス水栓(画像/PIXTA)

バルコニー

バルコニーは屋外に面しているため土埃や落ち葉などがたまりやすく、こまめな掃除とメンテナンスが必要になります。一角に掃除用の水道を設けたり、汚れが落ちやすいタイルの床にするなど工夫することで綺麗に保つことができます。

「以前は洗濯物を干すためにバルコニーをつくるのが一般的でしたが、近年はドラム式乾燥機の普及やランドリールームを屋内に設けるケースが増えたことにより、バルコニーの必要性を感じない方もいます。掃除や修繕の手間と費用を考え、バルコニーをつくらないという選択肢もあるのです」

バルコニーを掃除する人の写真

バルコニーを設ける場合、床材を工夫したり水道を設けたりして、メンテナンスしやすい設計にするとよい(画像/PIXTA)

建具

「もともと日本の住宅では、枠や嵌め込み(はめこみ)ガラスなど装飾性のある框(かまち)ドアが主流でしたが、近年はシンプルで背の高いハイドアタイプが人気です。枠やガラスがあると埃がたまりやすいというデメリットがありますが、装飾のないハイドアはそういった心配がありません。掃除のしやすさという観点以外にも、空間をおしゃれかつ開放的に見せることができる魅力があります」

空間の間仕切りや収納の扉にハイドアを採用した空間の写真

空間の間仕切りや収納の扉にハイドアを採用した空間(画像提供/ネクストイノベーション)

家の中に窓が多すぎるとそれだけ掃除が大変になるため、必要以上に窓を付けないことが掃除しやすい家にするためのコツです。

「窓を設ける主な目的は採光と換気、そして室内に開放感を得ることです。24時間換気システムを取り入れた家の場合は、窓を開けて換気をしなくても快適に過ごすことができるため、窓の役割は採光と開放感になります。目的に合わせて適切な窓の数や位置を決めるようにしましょう」

また、高窓や天窓など、位置によっては拭き掃除が難しい場合があります。窓の手入れの仕方についても事前に建築会社に確認するとよいでしょう。また、透明なガラスと比べて曇りガラスのほうが汚れが目立ちにくい傾向にあります。

窓の写真

曇りガラスは汚れが付着しても目立ちにくい(画像/PIXTA)

外壁

一般的に、住宅の外壁は10年ごとのメンテナンスが必要といわれています。しかし、劣化や変質が起こりにくい外壁材を選ぶと20年以上メンテナンスの必要がない場合もあります。

「雨で汚れを洗い流すことができるセルフクリーニング機能の付いた外壁材を選ぶと家の外観を美しく保つことができます。また、タイルなどの素材は色落ちや経年劣化が少ないため短期メンテナンスが必要ありません。これらは一般的なサイディングの外壁材と比べると初期費用が高くなりますが、長期的なメンテナンスコストを優先するのであればおすすめです」

外壁の写真

外壁の素材ごとに汚れの付きやすさや劣化しやすさは異なる(画像/PIXTA)

外構

庭や玄関アプローチに芝生や植栽を取り入れたいと考える人は多いでしょう。しかし、こまめな草取りが必要になったり、土による汚れが発生したりするため注意が必要です。

「芝生や土の地面にするよりも、コンクリートを敷いたほうが汚れが広がりにくくなります。また、植栽を取り入れる場合は鉢植えにしたり花壇スペースをつくったりして、土の部分を明確に分けるとよいでしょう」

家の外観写真

外構に土や芝生の部分があるとこまめな手入れが必要になるため、メンテナンスのしやすさを優先する場合は設計を工夫する必要がある(画像提供/ネクストイノベーション)

掃除に便利なおすすめの家電や家具は?

ロボット掃除機やハンディクリーナーがあると掃除の手間がラクになります。また、落としにくい床の汚れにも対応したスチームモップや、ベランダや外壁など屋外の設備の掃除に便利な高圧洗浄機も人気の掃除家電です。

「家具の種類によっても、掃除やメンテナンスのしやすさは変わります。劣化したときや家族構成が変わったときに収納や家具を変えるのであれば、造作よりも汎用品を選んだほうがよいでしょう。造作収納や家具は空間のデザインに統一感が生まれ、オリジナリティがあり使いやすいといったメリットがありますが、壁や床に付ける形で設計することが多く、移動して掃除をしたり、汚損したときに交換が難しいのがデメリットです。一方、汎用品であれば掃除の際に移動しやすく、交換のハードルは造作ほど高くありません」

掃除家電の写真

便利な掃除家電があることで家事の時短も可能になる(画像/PIXTA)

スーモカウンターを通じて掃除しやすい家を建てた先輩たちの実例を紹介

ここからは、掃除しやすいマイホームを実現した先輩たちの実例を3つ紹介します。ぜひ家づくりのヒントにしてください。

【case1】コンパクトな生活動線と広すぎない居室で掃除をしやすく

アパートから一戸建てへの住み替えを検討したKさんは、規格住宅のプランをベースにアレンジして生活動線が便利な家を建てました。寝室のすぐ隣に洗面台やトイレを設けて動線をコンパクトに。居室が広すぎないため掃除がしやすく時短にもなっているそうです。掃除機のコンセントはリビング収納の中に設け、空間をすっきりとさせたことも工夫の一つです。

Kさん宅の注文住宅実例

すっきりとまとまったリビング。掃除機のコンセントは収納内に設けた(撮影/相馬ミナ)

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【case2】お手入れのしやすさ重視!快適に暮らせるメンテナンスしやすい家

ゆったりと落ち着いて暮らせる環境を求めて注文住宅を建てることにしたMさん夫妻。長く快適に生活できるように、メンテナンスしやすい家づくりにこだわりました。無駄のない動線や家族みんなの衣類をしまえる収納、継ぎ目がなく汚れが落ちやすいキッチンなど、使い勝手やお手入れのしやすさを重視。リビング収納の下の部分をロボット掃除機の収納場所兼充電スペースにして、スムーズに自動運転ができるように工夫しました。

Mさん宅の注文住宅実例

ロボット掃除機の定位置はリビング収納の下。中にコンセントがあり充電もできる(撮影/井上陽子)

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日々のメンテナンスのしやすさにこだわった、長く心地よく過ごせる住まい

【case3】工夫を詰め込み、キレイを保てる家づくりに成功

子どもの小学校入学前に家を建てたいと考え、注文住宅を計画したHさん。タッチレス水栓を採用したキッチンや掃除しやすいように壁にキッチンパネルを付けた洗面台など、細部までこだわり清潔を保てる家にしました。掃除がしにくい吹抜けには、埃が落ちないようにあえてシーリングファンを付けず、家の中の照明もほぼダウンライトに。暮らしをラクにするためのプランニングに成功しました。

Hさん宅の注文住宅実例

キッチンパネルを壁に取り付けた洗面台。キッチンで使用しているパネルと同じものにして統一感を持たせた(撮影/加藤淳史(サン・ルゥ・ド・ヴァレンヌ))

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ずっと変わらない理想は、永くキレイを保てる家

新築時に考えたい掃除しやすい家にするためのポイント

最後にまとめとして、掃除しやすい家にするためのポイントを豊藏さんに伺いました。

「ご紹介したように、掃除しやすい家にするためには間取りや素材、設備の工夫が必要です。汚れにくさや汚れの落としやすさ、劣化しにくいといったポイントに重きを置いて家づくりを進めるとよいと思います。
しかし、掃除のしやすさばかり優先してしまうと味気ない家になってしまうのも事実です。せっかく注文住宅を建てるのですから、好きなデザインやお気に入りの素材を取り入れたいと考える人のほうが多いはず。愛着の持てる家にするほど、こまめに手入れをするのが楽しくなる可能性もあります。
絶対に汚さない家を目指すのではなく、メンテナンスのしやすさと好みのバランスを考えることで、全体的に満足度の高いマイホームになると思います」

スーモカウンターに相談してみよう

掃除しやすい家を建てたいと検討している人は、ぜひスーモカウンターに相談してみてください。アドバイザーがお客様の家づくりを全面サポートします。注文住宅を建てたいけど何から始めたらいいの?という方も大歓迎。家づくりのヒントから土地探し、お金のことまで親身になって相談に乗ります。

取材協力/豊藏一幸さん

ネクストイノベーション 代表取締役

取材・文/佐藤 愛美(りんかく) イラスト/KOH BODY(RAYING STUDIO)