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狭い家でもたっぷり収納!狭小住宅で広い収納スペースを確保するアイデアや工夫とは?

これから注文住宅を建てるに際し「狭い家だとものがあふれてしまうのでは」と心配している人もいるのではないでしょうか。狭い家でも、工夫次第で収納スペースを確保して、いつでもすっきり片付いた部屋で暮らせるようになります。この記事では、狭い家で収納スペースを確保するアイデアや部屋別のポイント、インテリアでできる工夫などをgarDENの竹園節子さんに伺いました。

狭い家で収納スペースを確保するアイデアは?

これから建てる家が狭い場合でも、居住空間を圧迫することなく収納を確保するにはどのような方法があるのでしょうか?

床面積以外に収納スペースを確保する

狭い家での収納を検討する場合、限られた面積を有効活用するために、床面積として扱われないスペースで収納を考えるのが一般的です。ここでは具体的にどのような方法があるのかを紹介します。

小屋裏収納やロフト

「小屋裏収納」は、天井と屋根の間にある空間を活用した収納スペースで、グルニエとも呼ばれます。主に切妻屋根や片流れ屋根など、傾斜が付いた屋根で用いられる手法です。一方ロフトは居室などの天井を高くして2層にした上部空間を指します。

小屋裏収納やロフトは床面積に参入されないため、居住空間を減らさずに収納を増やしたいときには効果的です。高さや広さなどに制限があるので注意しましょう。

小屋裏収納の写真

ロフトのある部屋の写真

小屋裏収納やロフトは床面積に算入せずに広い収納空間を確保できる(画像/PIXTA)

床下収納

床下収納は、家の床下に設ける収納空間です。一戸建ての場合、基礎や床スラブ(構造床)とフローリングなどの床面の間には空間があるため、床下収納はその空間を有効活用します。

床下収納の写真

床下収納はキッチンや洗面所などの水まわりに設けられることが多い収納(画像/PIXTA)

「小屋裏収納やロフト、床下収納は、居住空間を減らすことなく収納面積を増やすには確かに効果的です。しかし、オープンなスペースよりも必要な動作が増えるため、収納したらそれっきりになってしまいがちです。

例えば床下収納はフタを開け、腰をかがめてものを取り出す動作、小屋裏収納やロフトは階段であればいいのですが、ハシゴを上り下りして使うタイプだとものの運搬が大変で、利用しなくなる方もいらっしゃいます(※)。

それらを苦と感じなければよいのですが、私たちが家づくりをお手伝いする方は、共働きだったりして日々忙しくしているケースがほとんどです。そのため弊社では、できるだけ収納時の手間を減らせるように、デッドスペースを活用した『楽な収納』をご提案しているのでご紹介します」(竹園さん/以下同)

※ロフトや小屋裏収納に階段を設置できるかどうかは自治体によって異なるため、建築会社に確認が必要です。

デッドスペースを活用する

狭い家には収納スペースが少ないといわれますが、「デッドスペースを活用し、手間ヒマを惜しまず工夫すればいろいろな場所に収納は確保できる」と竹園さん。具体的にどのような工夫があるのでしょうか?

階段下収納

デッドスペースになりやすい階段下は、収納を設けると有効活用できます。

「デッドスペースに収納を設けるときにも『使い勝手』は重視しましょう。例えば階段下空間が広いからといって奥深くまで収納にしてしまうと、ものを出し入れするときに奥まで潜り込む必要がでてきます。また奥に片付けたものの手前にもさらに何かを収納して二重になると、奥のものを取り出すのが面倒になり、結局活用しない、といったことにもなりかねません。

そのため弊社では、広いデッドスペースがある場合でも、基本的には奥行き75cm程度の『さっと取り出せる範囲』までしか収納を設けないようにしています」

開き戸になった階段下収納の写真

開き戸になった階段下収納は、簡単にものを出し入れできる深さや広さに設計されている(画像提供/garDEN)

出窓ベンチ

「狭い家に出窓ベンチをつくると、腰掛ける高さまでを収納スペースに活用できます。出窓ベンチは奥行きが出るため視線が伸びて部屋が広く見える、大人数で過ごすときでも椅子代わりになるなど多くのメリットがあるので、弊社ではよくご提案します」

出窓ベンチの写真

出窓ベンチの引き出し横の左端の空洞は、壁掛けテレビと接続する録画機器が収納できるよう計画されている(画像提供/garDEN)

「なお出窓ベンチに引き出しを造作するとコストがかかるので、オープンスペースにして置きカゴや大型のトレーなどを用意するだけでもいいと思います」

小上がりの段差に引き出しを設ける

リビングの一角に小上がりを設けると、段差を活用して収納を確保できます。

「収納計画を立てるときには、散らかりやすい場所のすぐ近くに片付けられる場所を設けることが原則です。そのため引き出しを設けるにしても、どのように活用するかを考えて検討することが大切です。

例えば小上がり収納は、段差から考えると深さは20cm程度しか取れないため、大きなものの収納には適していません。しかし小さなお子さまがいるようなご家庭では、小上がりで遊んだあとのこまごましたおもちゃを片付けるのにはぴったりだと思います」

小上がりの段差に設けた引き出しの写真

琉球畳2枚分の奥行きがある引き出しは、ローラーが付いているのでスムーズに引き出せる(画像提供/garDEN)

間仕切り壁の空間を活用した収納

「間仕切り壁には10cm程度の厚みがあるため、丁寧に切り抜くことでコミック本をしまえる程度の深さの収納を確保できます。居住空間に出っ張らないので、邪魔になることもありません。

こちらは階段の手すり壁を活用し、本棚を設けました。狭い家であっても、動線上にあり、さっと取り出せる使い勝手が良い収納を計画することが大切です」

手すり壁の厚みを活用した収納棚の写真

手すり壁の厚みを活用した収納棚。高さを抑えたので圧迫感がなく、階段への採光も確保されている(画像提供/garDEN)

「こちらは、ベッドのヘッドボード側の間仕切り壁をくぼませて棚をつくった事例です。スマホや文庫本などをちょっと置くのに便利です」

間仕切り壁の空間を活用した収納の写真

間仕切り壁の厚みを活用すると、必要な場所にちょっとした収納を設けられる(画像提供/garDEN)

デスクやテーブル下の空間に棚を設ける

「私たちがお客さまによくご提案するのは、デスクやテーブルを造作するのとあわせ、天板の下に棚を設けることです。新聞や雑誌、ノートパソコンなどをさっと収納できますし、100円ショップなどで浅いトレーを買って引き出せるようにしておくと、さらに使い勝手が良くなります。

棚の高さは高いほうがたくさんものが入りますが、そうすると座ったときに膝が窮屈になり足を組めなくなってしまうので、弊社では棚の内寸の高さを6cmに設定しています。

デスクやテーブルの下にキャスター付きの収納を置いてもよいのですが、掃除のときにいちいち動かさなければならず面倒です。これならその手間も不要です」

デスクやテーブルの下に設けた浅い棚の写真

デスクやテーブルの下に浅い棚を設けると、デスク周りを片付けやすくなる(画像提供/garDEN)

狭小住宅に置く家具やインテリアにできる工夫は?

狭小住宅に設置する家具やインテリアを検討するときには、どのような工夫ができるのでしょうか?

家具は造作してもらう

狭い家で空間を最大限活用しようとするのであれば、家を建てるのにあわせて家具も造作するのがおすすめです。

「希望するスペースにちょうどおさまる家具があとから見つかればよいのですが、なかなかそうはいきません。中途半端な隙間が生じないよう空間を最大限活用するには、収納するものを想定したうえで造作するのが無難です。また狭い家ではあとから家具を購入しても、搬入できない可能性もあります。家がコンパクトであればあるほど、造作家具を検討されたほうがよいと思います」

造作した家具の写真

動線を考慮してサイズを考えられるのも家具を造作するメリット(画像提供/garDEN)

収納機能付きの家具を選ぶ

「家具を購入する場合、収納が付いたタイプを選ぶと収納空間を確保できます。例えばベッドやソファなら、下に引き出しが付いたものを選ぶとよいでしょう」

収納機能付きの家具を選んでいるイラスト

引き出し付きのベッドやソファを選ぶと専有面積はそのままに収納を確保できる(イラスト/コルシカ)

オープンラックにする

「狭い家での収納は、扉を付けないオープンラックがおすすめです。扉の開閉が不要で取り出しやすくて実用的なのはもちろん、広く感じられるのも理由のひとつです。クローゼットや棚に扉がなければ、それだけ視線が長くなり、奥行きを感じられるようになります。

近年の住宅は気密性も高いので、オープンにしていても、ホコリが降り積もって汚れる心配はしなくてよいでしょう」

扉を付ける場合は引き戸にする

「オープン棚は便利ですが、パントリーのようにお客さまに見せたくない収納もあるでしょう。そういった収納に扉を付けたい場合は、引き戸にすると省スペースです。開き戸だと扉を手前に引き出す空間が必要ですが、引き戸であれば不要です」

狭い家の収納を考えるときの部屋別のポイントは?

狭い家で収納を考えるときの、部屋別のポイントを伺いました。

リビング

「リビングの形状や広さによりますが、横幅を広く取れるのであれば、リビングボードやテレビボードなどの収納家具の高さは抑えたほうが、圧迫感がなく部屋も広く見えます。基本的にリビングは座って過ごす場所なので、座ったときに目線が壁に抜けるよう、高さ95cm程度におさめると、開放感を保ちながら収納スペースを確保できるでしょう」

子ども部屋

「子ども部屋ではロフトベッドを設置すると、ベッドの下にデスクや収納家具を置けるようになります。狭い家で収納を検討するときには、『平面』ではなく『立体』で考えることがポイントです」

ロフトベットの写真

ロフトベッドにするとベッドの下にデスクや収納を置く広い空間を確保できる(画像提供/garDEN)

寝室

「寝室については『そもそも収納が必要なのか?』を考えましょう。弊社では、狭い家だと寝室は4畳半程度で計画することがほとんどなので、クローゼットを設けるとますます狭くなってしまいます。

それよりはファミリークローゼットを1カ所設けて家族で共有したほうが、寝室を広く使えるうえ、洗濯物の片付けも楽になるのでおすすめです」

キッチン

「キッチンについては、家電の収納場所まで考えて計画すると『家電を収納するための家具』が不要になります。こちらは弊社で造作したキッチンですが、目線の高さに電子レンジを置く棚を設け、作業台の下には炊飯器を置くスペースをつくりました」

コンパクトにまとまったキッチンの写真

収納する家電も想定し、収納計画が立てられたキッチンはコンパクトにまとまっている(画像提供/garDEN)

「また食器はキッチンの引き出しに収納するよう計画すると、食器棚を用意しなくてよくなります」

キッチンの引き出しに収納した食器の写真

食器はキッチンの引き出しに収納すると奥のものも取り出しやすくなって便利(画像/PIXTA)

洗面所

「洗面所の収納は、いちいち扉を開けなくてもさっとタオルなどを取り出せるオープン収納がおすすめです」

洗面所の写真

洗面所のタオル類の収納はさっと取り出せるオープン棚が便利(画像提供/garDEN)

玄関

「玄関収納も扉を付けないようにすると取り出しやすく、湿気もこもりにくくなります。棚の奥行きは靴を収納することを考えると30cm程度が適切です。お客さまの視線が気になる場合は、手前に引き戸を付けるとよいでしょう」

オープンラックの棚の写真

オープンラックの棚は収納するものの高さに合わせられるよう、可動式になっている(画像提供/garDEN)

「また、玄関で弊社がよくご提案するのが『玄関ポケット』です。上がり框(がまち)の下に設ける壁を奥まった位置にしておくと、手前に靴を収納できるようになります」

玄関ポケットのイラスト

上がり框の下に靴を収納できる「玄関ポケット」があると便利(イラスト/コルシカ)

狭い家の収納計画を立てるときの注意点やポイントは?

収納したいものを設計者に伝える

「ご家庭によって、靴の数がとても多かったり、本をたくさん所有しているなど、収納したいものの種類や数は異なります。そのため、これから建てる家に何を・どれくらい収納したいのかは、最初に設計者と打ち合わせる段階で伝えておくことが大切です。

弊社では、収納したいもののおおよその数や家電のサイズなどをリストアップしたものを、施主さまからいただくようにしています。手間はかかりますが、家を建てるときは今までの生活やこれからの暮らしを見直すタイミングでもあります。残すもの、処分するもの、新たに備えたいものを考える、良いきっかけになるのではないでしょうか」

持ち物を整理しているイラスト

家を建てるのとあわせて持ち物を整理しよう(イラスト/コルシカ)

家事動線を踏まえて間取りと収納を考える

「洗濯する、洗濯物を干す、しまうという家事動線を踏まえ、間取りと収納の位置を考えることが重要です。

例えば洗面脱衣室とクローゼットを隣接させるなど、基本的に暮らしやすい家事動線というのはパターンが決まっています。設計者はこれまでの経験から快適に生活できる家事動線をもとに施主さまのイメージに沿った提案をしますので、安心してお任せください」

狭い家の設計が得意な会社に依頼する

「今回ご紹介したような、ちょっとした工夫を積み重ねることで、必要な収納量は存外確保できるものです。そういった意味では、狭い家を得意としている会社に依頼することがとても大切です。

ただ収納に対する考え方は、施主さま、設計者によって異なっていて『これが正解』というものはありません。いろいろな設計者と話をしたり、実際に建てた家を見たりして、収納や間取りに対する考え方に共感できる相手を見つけていただきたいと思います」

スーモカウンターを通じて狭い家でも充実した収納を実現した先輩たちの事例を紹介!

ここからは、100㎡(約30坪)以下の敷地面積に注文住宅を建てた先輩たちの事例を通し、収納の工夫を紹介します。

【Case1】防音室の横のスペースを外部から利用できる収納スペースに活用

趣味のドラムを楽しむために、約78㎡(約23坪)の土地に防音室のある注文住宅を建てたMさん夫妻。限られた空間を最大限利用するために、階段でアクセスできるロフトを設けたり、階段下のデッドスペースを活かした収納やニッチ(厚みのある壁をくぼませた空間)をつくったりして収納を確保しました。防音室の横に設けた収納は、外部から利用できるようになっています。

Mさん宅の注文住宅実例

防音室横の収納は、屋内からではなく外から利用できるよう工夫した(写真/山出高士)

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防音室に実績ある会社とタッグ、趣味のドラムを楽しむマイホームを実現

【Case2】リビングの壁面にテレビも置ける多目的なオープンラックを設置

42㎡(約13坪)弱という狭小な土地に延床面積約57㎡(17坪)のロフト付き2階建てを実現したBさん。中庭風のバルコニーと天窓付きの吹抜けをつくることで、狭さを感じさせない明るく広がりのある空間を確保しました。2階にある11.8畳のLDKには薄型テレビを置ける多目的なオープンラックを設置。高さがあるものの、吹抜け空間の下にあるため圧迫感はありません。

Bさん宅の注文住宅実例

オープンラックは壁面が見えるため、室内空間が狭く見えないのもメリット(写真/Bさん)

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音楽、猫、本、色……好きなものを13坪にぎゅっと詰めこんだ家

【Case3】階段下のデッドスペースに収納を設置

約91㎡(約27坪)の土地に延床面積約88㎡(約26坪)の2階建てを建てたKさん夫妻。スキップフロアやロフトなど、縦の空間を上手に使った間取りが得意な会社に建築を依頼しました。将来を考えバリアフリーを意識し、ホームエレベーターも設置。空間を余すことなく活用するために、中2階の和室には階段下のデッドスペースに収納を設けました。

Kさん宅の注文住宅実例

2階へ上がる階段の下のスペースを活用し小さな収納を設けた(写真/河原大輔)

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介護が必要になったとしてもリフォームしないで快適に暮らせる家

【Case4】工夫を凝らして収納率を14.5%確保

子どもが生まれたことをきっかけに、約92㎡(約27坪)の敷地に延床面積約101㎡(約30坪)のマイホームを実現したSさんファミリー。小屋裏収納やウォークインクローゼット、土間収納など随所に収納スペースを設ける工夫をした結果、一戸建てでは通常13%程度が標準の収納率(住宅の床面積に占める収納面積の割合)を14.5%程度に向上できました。階段の踊り場下に設けた収納は、子どもが遊ぶのにもちょうどよい空間となっています。

Sさん宅の注文住宅実例

リビングダイニングの一角にある階段の踊り場下のスペースは、クローゼットとして活用(写真/一井りょう)

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プロも納得の住まい選びは、省エネの視点と間取りのこだわり

『狭い家だから』とあきらめない! 自分たちの理想の暮らしを設計者に伝えよう

最後にあらためて竹園さんに、狭くても収納に困らない家づくりをするときのポイントを伺いました。

「『狭い家だから』と収納をあきらめる必要はありません。限られたスペースを最大限活用し、希望を実現できる間取りを収納も含めて考えるのは設計者の仕事です。そのため施主さまは狭いことは置いておき、これからどのような暮らしをしたいのかをまずは家族で話し合い、それを設計者に明確に伝えることが大切です。

価値観が近く、楽しく幸せに暮らせる理想の家を共有できるパートナーを見つけ、家づくりを楽しんでくださいね」

スーモカウンターに相談してみよう

「狭い家でも収納に困らない注文住宅を建てたい」「狭小住宅での収納計画が得意な工務店を知りたい」など、住まいづくりについて疑問や悩みがある人は、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご希望を伺ったうえで、かなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりの段取りや会社選びのポイントなどを学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。

取材協力/竹園節子さん

garDEN

取材・文/佐藤カイ(りんかく) イラスト/コルシカ