不自由なく暮らせる終の住処を求めて家づくりを検討
「それまで住んでいた実家は傾きがあったり、トタンがめくれていたり、修繕を必要とする箇所があちこちにありました。普段はとても便利な立地なのですが、通常車で10分で行けるところが通勤時間帯は30分もかかるほど道が混み、通勤が大変な所でした。両親の亡き後、二人で暮らすには広すぎたこともあり、別の家を探してみようかと思ったのがちょうど1年くらい前です」と夫。
「庭のある一戸建ての生活は手入れが大変だったこともあり、当初はマンションも検討しました。でも、車高の高いキャンピングカーと乗用車の2台を所有していることもあって、駐車場のことを考えると一戸建てのほうがいいのかなと。とりあえず何からはじめていいのかわからなくて、以前からCMで知っていたスーモカウンターへ行ってみることにしたんです」と妻。
半年くらいかけて20カ所近くの土地を見学
スーモカウンターでは資金計画や家づくりのダンドリなどを中心に話を聞いてみたそう。電気工事の資格を持っているKさんは、見えない部分だけれど電気配線をスッキリと上手に考えてくれる会社に家づくりをお願いしたいと考えていた。そうした希望を伝えて紹介してもらった4社を見学。
予算は2300万円程度を予定しており、土地の価格を抑えるために旗竿地や傾斜地なども積極的に見学に行ってみたKさん夫妻。しかし、「建築重機が入らないくらい細い路地奥の土地や傾斜地では、かえって建築コストがかかってしまいますよ」とアドバイスをくれた会社があった。その会社がピックアップしてくれた土地の中から、交通の便も土地形状も良く、予算内で納まりそうな土地がようやく見つかり依頼を決定。そこは配線まわりもきちんと対応してくれそうで印象が良かった。また、スキップフロアやロフトなどの縦空間を上手に使った間取り提案が得意な会社で、家づくりの面でも安心してお願いできそうと感じたのだとか。
「元々住んでいた自宅の売却も、依頼先を通じて不動産会社を紹介してもらったおかげで、1カ月も経たないうちにスムーズに売却することができました」
こだわりは動線の良い間取りとすっきりとした電気配線
「私が介護職をしていることもあり、将来もしも車椅子生活になったときに困らないようなつくりにしたいというのが家づくりの一番のテーマでした。玄関の広さ、エレベーターの位置、扉の開閉、廊下の幅など、車椅子でも快適に過ごせるように、動線は試行錯誤しました。これまで、27坪の土地でホームエレベーターを取り付けるといった施工実績がなかったそうで、担当の方もいろいろとご苦労されたと思います。月に5回くらいの打ち合わせを重ね、プランを詰めていきました。設備機器のショールームへも何度も行きました。以前の住まいが想像以上に早く売れたので、家づくりの間は仮住まいでしたし、いろいろと大変でしたね」と振り返る夫。
ホームエレベーターを設置したり、各部屋にテレビを置けるようにしたため、電気回路は28回路にもなった。そこで、通常の電気配線とは別に、マルチメディアボックスを寝室の収納内に設けて、配線をすっきりとまとめてもらった。
当初は1階にLDKをという提案もあったが、震災の経験から建物の土台となる1階は構造壁が多くなる間取りにし、LDKは2階にしたいと希望。寝室はLDKの隣にして、疲れたらすぐに休めるような動線を考えたという。
「2階の寝室は日当たりがよく、とても心地よい空間になりました。お天気の良い日には明石海峡大橋が綺麗に見えるんですよ。1階に夫の書斎、2階のロフトは私専用スペースをつくり、お互いが好きに過ごせる場所も確保できました。スキップフロアにすることで仏壇を置くための和室をつくることができましたし、2台の駐車スペースも確保できました。2階のは想像していたより少し狭かったのですが、よく考えてつくった住まいなのでとても気に入って暮らしています」と妻。
「斜線制限があったため桁落ちの屋根になっているのですが、高さが1.7mしかなく、選んでいたキッチンの収納棚が入らないことが発注してから判明したんです。そこで屋根の形状に合うように後ろの部分をカットして収めてもらいました。妻が大好きなピンクでそろえたキッチンだったので、なんとか対応してもらえて良かったです」と夫。
大きな改修をしなくて安心して暮らせる住まいが完成
玄関は基礎ギリギリのところまで出す予定だったが、段差が30㎝ほどあり、奥に引き込むことに。その代わりポーチを敷地いっぱいまで出すことで、後からスロープをつけられるようにした。Kさん夫妻が家づくりのテーマにしていた通り、将来もしも車椅子での生活になっても問題なく出入りできるように考えられている。大がかりなリフォーム工事をしなくても、あとは玄関に手摺りをつけるくらいで済むようになっているそうだ。
夫婦ふたりで仲良く、安心して長く暮らせるメンテナンスのかからない終の住処を手に入れたKさん夫妻。「ほぼこちらの要望をかなえてもらうことができ、良い家づくりができました」と笑顔が印象的だった。
取材・文/馬場敦子 写真/河原大輔
- DATA
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土地面積 約91㎡ 延床面積 約88㎡ 建築費 2630万円 間取り 2LDK+納戸+インナーバルコニー+ロフト 世帯構成 夫(53歳)、妻(47歳)
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