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【実例画像あり】シンボルツリーの選び方と、おすすめの樹種

【実例画像あり】シンボルツリーの選び方と、おすすめの樹種

シンボルツリーは住まいの外観を彩る重要なアイテムの一つですが、どの樹種をどのような観点で選べばいいのでしょうか? おすすめの樹種と合わせて、住友林業緑化の後藤遵誠さんに聞きました。

シンボルツリーとは?

シンボルツリーとは、まさしく住まいのシンボルとなる樹木のことです。そのシンボルツリーにはどのような役割があるのでしょうか?

シンボルツリーの役割

「建物が主役だとして、その主役を美しく装飾するのがシンボルツリーの最も大きな役割です。また、美しい街並みを創るのもシンボルツリーの重要な役割。美しい樹木が増えれば、住まいの外観がきれいになり、次にその街に新しい家を建てようとする人も緑を植えるようになります。その家が起点となって緑が広がり、街並みが美しくなるのです。

今話題のSDGsでも『住み続けられるまちづくりを』が提唱されており、シンボルツリーを植え、美しい街並みを創ることは、社会貢献につながります」(後藤さん、以下同)

シンボルツリーのある家

シンボルツリーは家と街並みを美しくする(写真提供/住友林業)

シンボルツリーの選び方は?

シンボルツリーとなる樹木の種類は豊富で、どのような木を選べば良いか迷ってしまうかもしれません。そこで、いくつかポイントとなるシンボルツリーの選び方を紹介します。

シンボルツリーと他の木の組み合わせ

「ぜひ、シンボルツリーと他の木を組み合わせてほしいですね。シンボルツリーを補い、調和をとるサブツリーや、建物の側面に植えるサイドツリーなど、高さの異なる複数の樹木を組み合わせることで、表情も豊かになりますし、より自然な景色になります。

また、複数本植えることで、実を楽しんだり、花を楽しんだり、いろいろな楽しみ方ができます。組み合わせを前提として、シンボルツリーがこの木だったらサブツリーはこの木と選ぶといいでしょう」

植栽の種類

シンボルツリーと他の木の組み合わせで選ぶ(写真提供/住友林業)

植栽について、もっと詳しく→
植栽で住まいを彩るには? 植物の選び方や配置のポイントを紹介

常緑樹か、落葉樹か

樹木は大きく常緑樹と落葉樹に分けることができます。常緑樹は1年中緑の葉を付けている樹木のこと、一方落葉樹は秋になると葉を落とし、春に新しい葉を付ける樹木のことです。

「落葉樹は背が高くてもいいのですが、常緑樹は背が高いと冬も緑があるため、陽がさえぎられますし、圧迫感があります。
落葉期には落ち葉の掃除が面倒という側面もありますが、季節感も楽しめるので、どちらかと言えばシンボルツリーには落葉樹の方がおすすめです。落葉樹は花が咲きますが、常緑樹で花が咲く背の高い木は少ないので、花を楽しむのにも落葉樹の方が適しています。また、落葉樹の方が安く買えるという利点もあります」

アオダモのシンボルツリー

落葉樹「アオダモ」のシンボルツリー。背の高いシンボルツリーには落葉樹がおすすめ(写真提供/住友林業)

1本立ちか、株立ちか

「1本立ちというのは幹が1本の木のこと。対して株立ちというのは、下から幹が分かれて複数本になっているものです。株立ちは一つの木でボリュームが出て見栄えがします。樹種によってはほぼ1本立ちというものもあり、ハナミズキがそうですが、少し寂しく感じる場合は、複数本植えるといいでしょう」

ソヨゴのシンボルツリー

1本立ちのソヨゴ(写真提供/住友林業)

ソヨゴのシンボルツリー

株立ちのソヨゴ(写真提供/住友林業)

立地(日照など)によって選び方は変わる?

後藤さんによると、常緑樹でも、落葉樹でも、それぞれ日なたが好きな木、日陰が好きな木があると言います。

「南には、日なたが好きな木を植えてあげればいいでしょう。アオダモ、ヤマボウシなどが該当します。北は建物の陰になるので、日陰に強い木が適しています。ソヨゴ、ヒメシャラなどが代表的です。東は、西日が嫌いな木を植えるのが基本です。

例えばハナミズキなどは、西日にあてると葉が傷むので、東に植えるといいですね。西に植えるのは、西日が平気な木です。西日は植物にとってあまりよい条件ではないのですが、サルスベリなどは西日に強く、適しています」

ハナミズキのシンボルツリー

西日に弱いハナミズキは東に植えるといい(写真提供/住友林業)

大きさ(高さ)・枝ぶり

「住宅の高さは、2階建てなら6m~7mくらいなので、シンボルツリーはバランス的に4m以上のものが好まれます。ただし、樹木は4mを超えると一気に金額が上がるため、植える時点で3m~3.5mくらいの高さのものがおすすめです。そのくらいの高さなら、生産者も多いので、入手しやすく、金額も妥当でしょう。樹種にもよりますが、年間30~50cmくらいは生長するので、3mの木を植えておけば、いずれ4m以上になります。

高さが2mくらいだと、シンボルツリーとしては寂しく感じます。一方で、背が高すぎると扱いに困ることも。ケヤキなどは、20~30mになり枝も広がるので、都会の住宅地には適しません」

ケヤキのイメージ

ケヤキは高さ20~30mにもなり、住宅の植栽としては扱いが大変(画像/PIXTA)

手入れのしやすさ

「生長が遅い木の方が手入れは楽です。例えば、シマトネリコは生長が早いので、年に2回くらい剪定が必要ですが、アオダモなら2年に1回程度で大丈夫です。ソヨゴは、よくシンボルツリーに使う常緑樹で少し価格は高めですが、生長が遅く手入れが少なくてすむのでおすすめです」

シマトネリコのシンボルツリー

シマトネリコは生長が早く、頻繁に手入れが必要(写真提供/住友林業)

虫の付きにくさ

「樹種によって、虫の付きにくさも大きく違うため、事前に調べて虫の付きにくい木を選ぶといいでしょう。

虫が付いて一番問題になるのが、ツバキ系です。ツバキ系の木には、チャドクガの幼虫(毛虫)が付きます。これは、幼虫に触ると痛くて腫れるので、ツバキ系を植えたいという人はきちんと消毒するなど、対策が必要です」

ツバキ系の気に付いているチャドクガの幼虫

ツバキ系の木にはチャドクガが卵を産み付ける。チャドクガの幼虫に触れると危険(イラスト/高村あゆみ)

外観のテイストによる選び方

「葉っぱの色が、建物の外観の色や雰囲気と合っているかどうかでシンボルツリーを選ぶこともできます。例えば、アオハダは葉っぱの色が明るいため、建物の印象を明るくしたい場合におすすめです。

和風や北欧風など、地域性のある住宅テイストの場合は、その地域の木またはそれに近い種類の木を選ぶといいでしょう。和モダンなら、ソヨゴやシラカシなどがおすすめですし、北欧風のテイストなら、ドイツトウヒなどが合います」

シラカシのシンボルツリー

日本の代表的な庭木であるシラカシは、和モダン住宅との相性がいい(写真提供/住友林業)

ドイツトウヒのシンボルツリー

北欧風の家にはドイツトウヒが似合う(画像/PXTA)

シンボルツリーにおすすめの樹種と特徴は?

具体的に、どんな樹種がシンボルツリーにおすすめなのか、特徴と合わせて紹介します。

ヤマボウシ(落葉樹)

株立ちでも1本立ちでも姿のいい樹木です。6月頃に白い花が咲き、9月~10月には赤い実をつけます。白い花を法師の被る頭巾に見立てたのが名前の由来です。

ヤマボウシのシンボルツリー

ヤマボウシは、白い花と赤い実で季節も楽しめる(画像/PIXTA)

ソヨゴ(常緑樹)

生長が遅く手入れが楽で、自然に樹形が整います。夏の強い日差しが苦手なので、直射日光は避けて植えるといいでしょう。6月に小さい白い花が咲き、秋には赤い実をつけます。

ソヨゴのシンボルツリー

ソヨゴは生長が遅く手入れが楽(写真提供/住友林業)

イロハモミジ(落葉樹)

日本の秋を彩る代表的な樹種で、11月~12月頃に紅葉します。日当たりが悪いと葉が傷みやすいので注意が必要です。カミキリムシの幼虫(テッポウムシ)が発生して幹を食い荒らす場合があるので、見つけたら殺虫剤で駆除します。

イロハモミジのシンボルツリー

イロハモミジは、日本の秋を彩る代表的な木(画像/PIXTA)

アオダモ(落葉樹)

繊細でのびやかな姿が好まれて、シンボルツリーとして近年人気の樹種です。乾燥に比較的強く、育てやすいという特徴があります。春になると小さな白い花が咲きます。

アオダモのシンボルツリー

アオダモは、繊細でのびやかな姿が人気となっている(写真提供/住友林業)

ジューンベリー(落葉樹)

丈夫で手間がかからず、育てやすいのが特徴です。若葉は白っぽい色をしており、明るい印象を与えます。6月には、赤くて小さな食べられる実を付けます。寒さには比較的強いのですが、乾燥にはやや注意が必要です。

ジューンベリーのシンボルツリー

ジューンベリーは育てやすく、実も食べられる(写真提供/住友林業)

オリーブ(常緑樹)

葉の裏側が白く、軽やかな印象です。実はオイルやピクルスなど食用になります。暖かくて雨の少ない気候を好みますが、寒さにも強く、育ちやすい樹種です。

オリーブのシンボルツリー

オリーブは実を食用として楽しめる(写真提供/住友林業)

お手入れのポイントや気をつけておくことは?

実際にシンボルツリーを植えた後、どのような手入れをすればいいのか、そのポイントや気をつけておくことを紹介します。

手入れの方法や周期をチェック

「まず、お手入れが面倒なら、生長が遅く、手入れが楽な樹種を選ぶことです。生長速度やお手入れ方法は、樹種や時期にもよります。

花を楽しみたい場合は、花芽のできる時期をチェックしておくこと。花芽のできる時期は樹種によって違いますが、花芽ごと切ってしまうと時期に楽しめないので注意が必要です」

生長後をイメージしてプランニングを

「その木がどのくらいの速度でどこまで生長するかを事前に知っておくことは大事です。それが、お手入れの周期にも関係してきます」

ご近所への配慮

「ご近所トラブルになることがあるので、境界の近くに生長の早い木は植えない方がいいでしょう。また、実を付ける木の場合、隣地に実が落ちないよう、枝が伸びてきたらこまめに剪定してください」

シンボルツリーを手入れする人

手入れに自分がどれだけ関与できるかが大事(画像/PIXTA)

シンボルツリーにこだわって理想の住まいを建てた先輩たちの事例を紹介!

スーモカウンターで、シンボルツリーにこだわって理想の住まいを建てた先輩たちの事例を紹介します。先輩たちが、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

【case1】夫の父が残したいと言ったソヨゴを新居のシンボルツリーに

結婚したら実家の敷地内に家を建てたいと思っていたIさん。結婚を控え、結婚準備と敷地内の整備を並行して進めていきました。新居について、夫は当初から平屋を希望。妻が知っていたスーモカウンターへ出向き、平屋の家づくりについて相談することにしました。そこで提案された建築会社は、平屋にも強いという5社。その中から2社に絞り、さらにより提案が多彩だった1社に依頼することに。

敷地内にあった植栽は整理しましたが、夫の父が「残したい」と言ったシンボルツリーのソヨゴは玄関裏に移植し、新居の景観の一部となっています。

植栽を植え替えた外観/注文住宅実例

夫の実家のシンボルツリーは、新居の景観の一部に(写真/Iさんご本人)

この実例をもっと詳しく→
夫の実家の敷地内に建てた機能的な平屋

【case2】縦長の窓を設けて、シンボルツリーを見守れる家

アパート暮らしに不自由を感じ、シンプルモダンの家をつくりたいと考えるようになったOさん夫妻。住宅展示場を回るも疲れてしまい、スーモカウンターを訪れました。そこで希望を伝えて、依頼先候補として3社を紹介してもらい、最終的にモデルハウスが印象的だった1社と契約することに。

自然が好きだというOさん夫妻は、玄関先にシンボルツリーを植えることにしました。ドアを開けたところにシマトネリコ、庭にはハイノキ。1階から2階への階段に、シマトネリコが見える縦長の窓を設けたほか、夜間にはライトアップをして楽しんでいます。

シンボルツリーのある玄関/注文住宅実例

シンボルツリーのシマトネリコ。夜間にはライトアップして楽しんでいる(写真/Oさんご本人)

この実例をもっと詳しく→
室内からもシンボルツリーが楽しめるスタイリッシュな家

シンボルツリーを選ぶときのポイントは?

最後にあらためて後藤さんに、シンボルツリーを選ぶときのポイントを聞きました。

「自分の家だけではなく、街をきれいにするという気持ちを持ってシンボリツリーを選んでほしいですね。周囲と調和のとれた植栽は、家を訪れる人の印象や周辺を通る人だけではなく、帰宅する家族にとっても心地のいいものになるはずです。

また、樹木自体を楽しむことも大事です。木の姿を見て美しく感じるのはもちろん、花や紅葉、実、四季の移ろいなども楽しんでほしいと思います」

スーモカウンターに相談してみよう

「どうやって進めたらいいのかわからない」「植栽計画についてアドバイスをしてくれる会社は?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望を叶えてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合せください。

取材協力/住友林業株式会社、住友林業緑化株式会社

取材・文/福富大介(スパルタデザイン) イラスト/高村あゆみ