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植栽で住まいを彩るには? 植物の選び方や配置のポイントを紹介

植栽で住まいを彩るには? 植物の選び方や配置のポイントを紹介

快適な住まいづくりにあたっては、建物の外観や間取りの他に、配置する植栽にもこだわりたいものです。では、一体どのような植物をどのように配置すればいいのでしょうか? 住友林業緑化の後藤遵誠さんに聞きました。

植栽とは?

住まいにおける植栽とは、敷地内の庭やアプローチ沿いなどに植えられた樹木や草花のことです。植栽にはどのような役割があるのでしょうか?

植栽の役割

植栽には、建物や街並みを美しく演出するという重要な役割があります。また、後藤さんによると「大きな視点では、地球温暖化対策にもなる」と言います。

「植物は光合成により大気中の二酸化炭素を吸収、酸素を発生させながら、炭素を蓄え生長しています。住宅1戸の植栽で吸収できる二酸化炭素の量は限られますが、多くの人が植栽のもつ力を認識し、少しでもまちに緑を増やしていくことができれば地球環境の改善にも貢献できるでしょう」(後藤さん、以下同)

植栽が温暖化対策になり喜んでいる地球

建物や街並みを美しく演出しながら地球温暖化対策にもなる(イラスト/高村あゆみ)

植栽を検討するときのポイントは?

後藤さんによると、樹木や草花には、それぞれの特徴や役割があり、植栽を検討する際には、それらを意識しながらバランス良く組み合わせることが大事だと言います。

「高さの異なる複数の樹木を組み合わせることで、表情も豊かになりますし、より自然な景色になります。また、さまざまな種類の樹木や草花を植えると、色や香り、実など、いろいろな楽しみ方ができます」

常緑樹か、落葉樹か

樹木は大きく常緑樹と落葉樹に分けることができます。
・常緑樹 1年中緑の葉を付けている樹木のこと
・落葉樹 秋になると葉を落とし、春に新しい葉を付ける樹木のことです。
この特徴によって、どこでどのように使われるかが変わってきます。

植栽の構成

植栽を構成する樹木や草花には、次のような役割があります。

シンボルツリー

住まいのシンボルとなる樹木です。植栽計画の中心となり、建物の外観を美しく演出します。

シンボルツリーについてもっと詳しく→
【実例画像あり】シンボルツリーの選び方と、おすすめの樹種

サブツリー

シンボルツリーを補い、調和をとる樹木です。シンボルツリーが映えるような高さや樹種を選びます。シンボルツリーが落葉樹なら常緑樹、シンボルツリーが常緑樹なら落葉樹を選び、年間を通して緑が残るようバランスを取ります。

サイドツリー

敷地の側面に植える樹木です。隣の家の緑との連続性を出すために植えます。また、建物の裏側にある設備や物置など、隠しておきたいものを隠す役割もあります。冬でも緑のある常緑樹が適しています。

ブラインドツリー

窓の近くなどに植え、視線や目線をさえぎる樹木です。道路や近隣の家から、さりげなく視線をさえぎることができます。目隠し効果のある常緑樹が適しています。

低木(ていぼく)

目線以下の高さの樹木です。花や実、紅葉などを楽しむために植え、植栽を含む住まい全体を美しくやわらかな印象に整えます。

灌木(かんぼく)・下草(したくさ)類

地面を覆うような丈の低い植物です。建物の基礎を隠したり、住まいの外観に安定した印象を与えたりする役割があります。

植栽の種類

それぞれの役割を意識して組み合わせる(写真提供/住友林業)

建物の外観との調和

「建物の印象を明るくしたい場合は、明るい色の葉の植栽を選ぶなど、建物の外観の色や雰囲気と調和を図るのがポイントです。また、和モダン、北欧風、西海岸風、南仏プロバンス風など、地域性に関連するテイストの外観には、その地域の樹木や、それに近い種類の樹木を選ぶといいでしょう」

オリーブの木

南仏プロバンス風の住まいには、地中海沿岸が原産のオリーブの木が似合う(画像/PIXTA)

日差しとの関係

「日差しを調整するには、落葉樹の高木が適しています。夏は葉っぱで強い日差しをさえぎりますし、冬は葉が落ちて柔らかい日差しを取り込むことができます」

落葉樹の高木

日差しを調整するには、落葉樹の高木がおすすめ(写真提供/住友林業)

配置のポイントは?

植栽は、どこに植えるかといった配置にも押さえておくべきポイントがあります。代表的な配置のポイントについて紹介します。

庭の植栽のポイント

「リビングから庭を眺めるとき、道路が丸見えだと殺風景に感じてしまいます。そこで、庭の道路寄りに樹木を植えると、外からの視線を遮れるとともに緑が視界に入り、部屋の中で落ち着いて過ごせます。植えるのは、2mくらいの常緑樹がいいでしょう。オリーブなどがおすすめです」

植栽の実例

庭の道路寄りには2mくらいの樹木を植える(写真提供/住友林業)

玄関アプローチに植える植栽のポイント

「玄関へのアプローチをクランクにして、樹木を植える場所をつくってあげるといいでしょう。玄関脇の壁には窓を設けないことが多く、建物の余白になるので、そこにシンボルツリーを植えます。さらに、クランクの反対側にサブツリーを植えると、緑豊かなアプローチになります」

玄関アプローチと植栽

アプローチはクランクにしてシンボルツリーとサブツリーを組み合わせるといい(イラスト/高村あゆみ)

目隠しとしての植栽配置のポイント

「道路やご近所からの視線をさえぎるには、人の目線よりやや高い中木で、冬でも緑のある常緑樹が適しています。窓の位置に合わせて植えるといいでしょう」

ブラインドツリーの実例

窓の位置に合わせて人の目線よりやや高い木を植えるといい(写真提供/住友林業)

住宅の植栽に人気の植物と特徴は?

住宅の植栽として人気の植物にはどのようなものがあるのか、おすすめの植物とその特徴を紹介します。

シンボルツリー

「シンボルツリーには、落葉樹の高木がおすすめです。具体的には、ヤマボウシ、イロハモミジ、アオダモ、ジューンベリーなど」

シンボルツリーについてもっと詳しく→
【実例画像あり】シンボルツリーの選び方と、おすすめの樹種

サブツリー

「サブツリーに使われる人気の樹木としては、ソヨゴやハイノキなどがあります」

ソヨゴ(常緑樹)

葉柄が長く外縁が波立っているため、風に吹かれると葉が擦れる音がすることから「ソヨゴ」と名付けられたといわれています。雌木は秋に赤い実を付けます。

ソヨゴ

ソヨゴの雌木は秋に赤い実を付ける(写真提供/住友林業)

ハイノキ(常緑樹)

春に小さな白い花を咲かせます。葉は小さく密にならないので、涼しげな印象になります。ただし日差しが強い場所、西日が苦手ですので、植える場所には注意が必要です。

ハイノキ

ハイノキは、葉が小さく密にならないので涼しげ(写真提供/住友林業)

低木

「低木だと、マホニア コンフューサや、オタフクナンテンなどが人気です」

マホニア コンフューサ(常緑樹)

細長い葉が特徴的な低木です。ソフトでスマートな印象と育てやすさから、近年人気になっています。

マホニア コンフューサ

マホニア コンフューサは、細い葉が特徴的(写真提供/住友林業)

オタフクナンテン(常緑樹)

赤く艶のある葉が特徴的な低木です。丈夫で育てやすく、和風の家にも洋風の家にも合います。

オタフクナンテン

オタフクナンテンは、赤く艶のある葉が特徴的(画像/PIXTA)

灌木・下草類

「灌木・下草類は、花や葉色を楽しむ常緑樹が人気です。香りが楽しめ料理などに使えるハーブも根強い人気があります」

ローズマリー

代表的なハーブです。一年を通して艶のある緑色の葉が楽しめます。また、秋から翌年の夏にかけて、小さな花を付けます。香りを楽しんだり料理にも利用されます。

ローズマリー

ローズマリーは、秋から翌年の夏にかけて小さな花を付ける(画像/PIXTA)

植栽にこだわって理想の住まいを建てた先輩たちの事例を紹介!

スーモカウンターで、植栽にこだわって理想の住まいを建てた先輩たちの事例を紹介します。先輩たちが、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

【case1】ハイノキとシマトネリコが自然を演出する住まい

アパート暮らしの狭さに不満を抱いていたOさんは、一戸建てで自分の好みの家を建てたいと考えました。早速住宅展示場を回ったものの非効率に感じて、スーモカウンターを訪問。
そこで希望を伝えて、依頼先候補として3社を紹介してもらい、最終的にモデルハウスが印象的だった1社と契約することに。

自然が好きだというOさん夫妻は、玄関先のドアを開けたところにシマトネリコ、庭にハイノキを植えました。これから、もっと外構に植栽を増やしていき、より自然が感じられる家にしていきたいと語ります。

玄関と外構に植わっているシンボルツリー/注文住宅実例

手前がハイノキ、奥がシマトネリコ。もっと植栽を増やしていきたいと考えている(写真/Oさんご本人)

この実例をもっと詳しく→
室内からもシンボルツリーが楽しめるスタイリッシュな家

【case2】植栽を移植したり、木を切ったりの共同作業がいい思い出に

Iさんの実家の敷地内には、父世帯が若いころに住んでいた空き家が建っていて、それを解体して更地にし、敷地内のどこかに新居を建てることにしました。早速、スーモカウンターへ出向き、家づくりについて相談することに。そこで提案された建築会社は、5社。その中から2社に絞り、さらに提案が多彩だった1社に依頼することに決定。

夫の父も協力して、必要のない庭の木を切ったり、植栽を移植したりして、敷地内を整えていきました。大変な作業でしたが、大人になってからの父との共同作業は、家づくりのいい思い出になったと言います。

植栽と砂利とのバランスを考えたウッドデッキ/注文住宅実例

夫の父と一緒に植栽を移植したりして、敷地内を整えた(写真/Iさんご本人)

この実例をもっと詳しく→
夫の実家の敷地内に建てた機能的な平屋

植栽を計画するときのポイントは?

最後にあらためて後藤さんに、植栽を計画するときのポイントを聞きました。

「高木、中木、低木と、高さを考えながら、自然の風景を再現するように組み合わせると、綺麗な景色がつくれます。

また、植栽をうまく活用すれば、目隠しフェンスや境界塀よりも低コストで美しい外観を演出できます。ぜひ、植栽の良さを住まいづくりに活かしてください」

スーモカウンターに相談してみよう

「どうやって進めたらいいのかわからない」「植栽計画についてアドバイスをしてくれる会社は?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望を叶えてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合せください。

取材協力/住友林業株式会社、住友林業緑化株式会社

取材・文/福富大介(スパルタデザイン) イラスト/高村あゆみ