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家づくりは「家族と向き合う絶好の機会」。半年かけてDIYした自宅に住むバッファロー吾郎・竹若元博さん

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」

お笑いコンビ・バッファロー吾郎の竹若元博さんは2013年ごろ、千葉県郊外に家を建てました。

驚きなのは、壁や床などの内装や家具など、多くを自分で手掛けたこと。それにより限られた予算内で理想の家を実現できただけでなく、住み始めてからもさまざまなメリットがあったといいます。

注文住宅だからこそできた、竹若さんの自由な家づくりについて伺いました。

※新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、取材はオンラインで実施し、撮影は感染対策を講じた上で少人数で実施しました

バッファロー吾郎・竹若さんの自宅の間取図 竹若さん邸の間取図

職人の“見様見真似”で内装のほとんどを自ら施工

――内装など、ご自宅の多くの部分を竹若さんがDIYされたと伺いました。

まず家の全体、壁に珪藻土を塗るのと、床のタイル張りは自分でやりました。1階はキッチンのダイニングテーブル収納棚IHクッキングヒーターの台座洗面室の洗面台脱衣室の棚玄関の下駄箱などをつくりました。2階は廊下ホールの机や飾り棚などもDIYしました。

あとは、ウッドデッキや外構の門柱も手づくりですし、門柱から玄関につながるアプローチも自分でコンクリートを敷きました

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 家のメインであるダイニングキッチンも、大部分を自らDIY

――そこまでやられているとは。知識やスキルは、どうやって身につけたのでしょうか?

もともとDIYが好きで1人暮らしのころから食器棚をつくったりしていたから、ある程度の自信はありました。とはいえ、さすがに壁を塗ったり床を張ったりは未経験なので、かなり手探りでしたね。

一応、珪藻土の壁塗り体験教室などにも参加もしたんですけど、基本的には現場の職人さんの見様見真似です。

吹抜けなどの難しいところはプロの左官職人さんにお願いをしたので、毎日現場へ足を運んで作業を見せてもらって。質問すると、けっこうしっかり教えてくれるんですよ。「これ便利だから使うといいよ」って、道具をくれたりもしました。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 自身で張ったというダイニングの床。猫を飼っているので、汚れても掃除しやすい「タイル」を選んだ

――そんなふうに、職人さんの懐に入り込めるものなんでしょうか?

職人さんって普段は1人で黙々と作業されることが多いから、そうやって熱心に見学したり、めちゃめちゃ質問してくるやつが珍しかったんじゃないですかね。

向こうからしたら「やたら毎日現場に来て『すごいですね〜』ってキャッキャ言ってくるオッサンがおるな。じゃあ教えたろか」という感じだったんだと思います。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 当時の作業の様子
(竹若さん提供)

――壁塗り以外に、職人さんから学んだところはありますか?

造作家具づくりですね。いくら僕にDIYの経験があるといっても、さすがに大掛かりな家具で「0」から「1」を生み出すのは難しい。なので、まずはプロに「0.5」くらいを示してもらい、その“見本”を参考に残りを自分でつくるようにしました。

見た目はそれなりに似せることができてなかなかうまくいったんですが、細かなクオリティーは職人さんに全く及びませんでしたね。

例えば、ダイニングキッチンの収納棚。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 職人に依頼した引き出し付きの収納棚

職人さんがつくったものは床と一番下の引き出しの間にあえて「スキマ」を設けていて、掃除がしやすいように配慮されています。

僕は「ぴったりとスキマがないほうがカッコええやん」と思い、床と引き出しの間を詰めたんですがいざ住み始めると掃除がしづらいので埃がたまりやすくて……。

職人さんは見た目だけでなく、ちゃんと「生活」のことを考えて一つ一つつくってくれているんだなと実感しました。当たり前ですけど、やっぱりプロはすごいです。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 こちらの引き出しは竹若さんが“見様見真似”で造作

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 このわずかな「スキマ」の違いが、暮らしやすさに影響

話し合いで夫婦のビジョンと温度感を合わせる

――そもそも、どうしてここまで「DIY」をすることになったんですか。

予算内で「理想の家」を実現するため、です。

プロに全て任せられるならそれがベストなんですが、自分たちが思い描く家をそのまま建てようとしたら、どうしても金額がオーバーしてしまう。だったら「やれることは自分でやろう」と。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 2階廊下にある自作の棚には、竹若さんの趣味であるフィギュアやマンガがぎっしり詰まっている

そうやってハウスメーカーとの打ち合わせを重ねて、何をどこまででやるか割り振っていった結果、大半が「DIY」になりまして(笑)。お願いしたハウスメーカーはもともとDIYを推奨している会社なんですけど「これまで最高に頑張った方の、10倍くらいの作業量になります」と言われました。

――10倍! マンションや戸建てのリノベーションではなく「注文住宅」を選んだのはなぜだったんでしょう。

間取りも含めて自由に設計したかったのが大きな理由ですね。

もともとは都内で賃貸の戸建てに住んでいたんですが、子どもが大きくなるにつれ徐々に手狭に感じるようになっていたんです。もっと子どもを家の中で遊ばせたり、子どもの友達を集めてワイワイできるようなスペースが欲しいと思って。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 2階の子ども部屋。ゆくゆくは中央を壁で仕切れるように設計されているが、姉弟仲がよいため、まだ個室にする予定はないそう

都内ではなく千葉の郊外を選んだのも、予算内でなるべく広い家に住みたかったからで。

……といっても、僕自身はもともと自分の家を建てたいという願望は全くなかったんです。

――そうなんですか? DIYにも積極的ですし、てっきり竹若さんに明確な「家づくり」のビジョンがあったのかと。

いえいえ、僕ではなく妻が明確なビジョンをもっていたんです。

妻と向き合って話し合いを重ねて「こういう家で暮らしたい」という意見を聞くうちに「確かにそうやな、そういう家ええな」と思うようになり、僕の方からも積極的に質問をしたりして徐々に家づくりの意欲が高まっていった感じです。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 建具の費用を抑えるため、1階にある洗面・トイレ・脱衣所はドアを設けずオープンな空間に

――どんなことを話し合ったんですか?

子どものこと、飼っている猫のこと……。あとは間取りや素材、インテリアのことなども細かく長いこと話し合いましたね。

ビジョンだけでなく、家づくりに対する温度感もすり合わせられたのは大きかったと思います。夫婦ともに納得してから家づくりをスタートできましたから。

最初の話し合いがなかったら、家づくりが始まってからも妻に任せ気味にしていたと思います。「今日は仕事があるから、ハウスメーカーとの打ち合わせ1人で行ってきてよ」みたいな感じであまり関与せず、わけがわからんまま家が建ってたんじゃないですかね。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 洗面台ももちろん自作。コツコツとタイルを張った

妻の期待に応えたい! という思いから1日も休まず作業

――では、実際に家づくりがスタートしてからは、夫婦でどう役割分担をしましたか?

妻がデザインや仕上がりのイメージ、使いたい素材など具体的な指示を出す「指揮役」で、僕はそれを形にする「実行役」でした。

参考になりそうな雑誌を切り抜いて用意してくれるなど、妻の指示は具体的でやりやすかったです。それに、彼女は僕のDIYスキルのレベルも分かってくれているので、そこまで無茶な要望は出してきません。ちょっと頑張れば良いものができるくらいの絶妙なラインを設定してくれるので、頑張りがいがありましたね。

本当は妻もDIYをしたがっていたんですが、ちょうど長男が生まれてすぐくらいのタイミングだったので、なかなか難しくて。でも、ウッドデッキは入居後に家族みんなでつくったので、いい思い出になりました。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 ウッドデッキ製作時の様子
(竹若さん提供)

――逆に、あまりうまくいかなかった部分もありますか?

細かいミスはけっこうありますよ。ただそれも最初の話し合いで、多少の粗さは許容しようと決めていました。自分たちでやる以上「味」として受け入れようと。だから、結果的に雑な仕上がりになったとしても、それでケンカになることはなかったです。

それに「DIYした経験」があると、心の余裕が生まれるんですよ。例えば子どもたちが壁を汚しても、自分で塗ってすぐに修繕できますから。これがもし、高級な壁紙を使って職人さんに綺麗に施工してもらったものだったら、いちいち腹を立てて子どもたちを怒ってしまっていたかもしれない。

きれいなままキープしようと思っていないから、家では寛容な気持ちでリラックスして過ごせているように感じます。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 子ども部屋の壁は、娘さん・息子さんと一緒に塗ったそう
(竹若さん提供)

――とはいえ、これだけのDIYを一人でやり切ったのは「すごい」の一言です。

もし思うように進まなかったら、追加料金を払って職人さんにお願いしようとは考えていましたよ(笑)。でも、最初に「自分でやろう」と決めた部分に関しては最後までやり切れましたね。

――期間はどれくらいかかりましたか。

着手から入居まではだいたい半年くらいですかね。入居後も細々としたDIYはしていましたが。

仕事が終わってから2時間だけ作業しに現場へ行ったり、テントに泊まって朝から作業したりして、1日も休まず手を動かしていました。1日でも休むと気持ちが切れてしまうような気がしましたし、何より家族を喜ばせたいという思いが強くて。妻はなかなか現場に足を運べない分、毎日進捗をメールで送って細かく相談しながら進めました。

たぶん、自分のためだけだったらサボってしまうんですよ。でも、家は「家族」のものだから。何より妻の期待を超えるものをつくりたいと思うと、頑張れるんですよね。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 DIY中のダイニングの様子
(竹若さん提供)

――特に大変だったことは何ですか?

「下準備」は心が折れそうになりましたね。例えば室内の壁に珪藻土を塗る前には、下地のボードに打ち込んであるビスにコーティング剤を塗らないと、いくら上からきれいに珪藻土を塗り重ねても、後でボコボコしてしまうんです。

このコーティングの作業は本当にしんどくて。ひたすら地道な上、見た目の変化もほとんどないので3日目くらいに辛さがピークに達しました。

見た目がわかりやすく変化してくれれば、妻に画像を送って褒めてもらうことをモチベーションに頑張れるんですけどね(笑)。

――そのぶん全てが完成したときの満足感はすごそうですね。

それはもう。最後に養生用のマスキングテープを剥がした瞬間の達成感はすごかったです。それに、実際に住み始めてからも、塗ったところが全く浮いたり剥がれたりせず、きれいなまま維持できているのを見ると、努力が報われたと感じます。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 「特にきれいに塗れた」と満足している、ダイニングの壁

同時に、改めて家づくりって本当に大変なんだなあと実感し、職人さんへの敬意が増しました。本当にカッコいい仕事だなと。

「家づくり」は家族の“意思”を再確認できる絶好の機会

――結果的にどれくらいコストカットできたのでしょうか?

建物自体の最終的な工事費は2,024万円でした。もし、DIY部分を全てプロにお任せしていたら、あと500〜600万円はオーバーしていたと思います。

でも「コストカット」という言葉より、「自分たちのこだわりを予算内で実現できた」という方がしっくりきますね。妻の希望を、お金のために削ってしまうのは嫌だったので、理想の家が手に入って本当によかったです。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」 土間をはさみ、ダイニングとリビングが分かれている一風変わった間取りも注文住宅ならでは

――最後に改めて、注文住宅の良さを聞かせてください。

やっぱり、家づくりを通して家族の思いを確認し合えたことですね。

注文住宅ってこだわりをたくさん詰め込めるぶん、夫婦の意思や将来に対する考え方などを再確認できる機会になると思うんです。そういうことって、普段は照れ臭くてなかなかじっくり話すきっかけがないですから。

――たしかに、夫婦が面と向かって話し合う機会って、なかなかないですよね。

仮に僕の仕事がめちゃめちゃ忙しくて、ものすごく儲けていたら、妻に「金だけ出すから、好きなようにしてよ」と言って、ろくに関与しなかったと思うんです。で、完成してから「なんでこうしたんや」って文句を言って、めっちゃもめていたはず(笑)。

たぶん、最初の話し合いをすっ飛ばしてしまうと、住み始めてからケンカの種がどんどん増えていってしまうんじゃないかな。あそこが気になる、あんなスペースはいらなかった、みたいな少しの違和感が少しずつ大きくなってしまう。

そこで溝が生まれてしまうくらいなら、最初に思い切りぶつかったほうがええんとちゃうかな? と思いますね。

バッファロー吾郎・竹若元博さんの自宅は「DIYの家」

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お話を伺った方:竹若元博さん

バッファロー吾郎・竹若元博

吉本興業所属のお笑い芸人。1989年10月にバッファロー吾郎Aと「バッファロー吾郎」を結成。俳優として映画やドラマ、舞台などにも数多く出演している。趣味はフィギア収集、ゲーム、マンガなど。

Twitter:@takewakatake

聞き手・文:榎並紀行(やじろべえ)
写真:小野奈那子
編集:はてな編集部

※2021年12月17日12:35ごろ、タイトルおよび本文の一部を修正しました。