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床材の種類と特徴は? 部屋ごとにおすすめの床材を紹介!

床材の種類と特徴は? 部屋ごとにおすすめの床材を紹介!

住まいには部屋ごとにいろいろな種類の床材が使われています。それぞれ、機能性のほかに、色や見た目の素材感、肌触りなども違うため、どうやって選べばいいのか悩んでしまうことも多いのでは? そこで一級建築士の佐川旭さんに、床材の種類と特徴、部屋ごとにおすすめの床材についても話を聞きました。

目次

床材とは? 役割や機能を知ろう!

床材とは、住宅などの床に使用する仕上げ材のこと。床は、人が常に接する部分であり、空間に占める面積も広いため、どこにどんな床材を選ぶかは重要です。

「床がやわらかいと、衝撃が緩和されて体はラクに感じます。また、体の熱を奪う素材かどうかも重要です。特に洗面所の床材は十分考慮し、冬場のヒートショックなどにも配慮して選ぶことが大切です。

また、床は天井や壁と違い、ものを置くので、耐久性や傷の付きにくさといったメンテナンスの視点も必要。空間に占める面積が広いため、色や素材感などの目から入る情報によって、落ち着いたり、緊張したりといった心理面への影響も考えられます。床材は、このようにさまざまな側面を考慮して選ぶ必要があります」(佐川さん、以下同)

床材にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴が異なります。そこで、住宅に使われる主な床材の特徴を種類別に見ていきましょう。

無垢フローリング

「フローリングは大きく分けると、無垢フローリングと複合フローリングの2つに分けられます。無垢フローリングは、天然木をそのまま一枚板に加工した床材です」

無垢フローリングのイメージ

無垢フローリングは天然木の一枚板(画像/PIXTA)

「無垢フローリングの特徴としては、木目の美しさや味のある色調、断熱性が高く、足触りがやわらかい点などが挙げられます。また、傷が付いても下の基材がむき出しにならず、削り直しも可能です。一方で、湿度の変化で収縮することがある、樹種によっては傷付きやすいといったデメリットもあります」

広葉樹か針葉樹か、さらに樹種によっても特徴が異なります。

主な樹種の特徴|木の種類
広葉樹 ウォールナット 世界の三大銘木の一つといわれている高級な木材。落ち着いた深みのある色合いで、シックで重厚感のある空間に合う。反りやねじれなどの変形が少なく、加工に適している。
ブラックチェリー きめ細やかで、なめらか。手触りがいい。経年変化で色に深みが出て最終的にレッドブラウンになる。
メープル 広葉樹の中でも特に硬くて丈夫、摩擦や衝撃に強いのが魅力。きめ細かく、明るく爽やかな色が特徴的。シンプル・ナチュラルな空間にマッチする。
オーク 日本でいうナラ。丈夫で耐水性や耐久性が高いが、加工がやや難しい面もある。
チーク 硬くて強度があり、害虫にも強く、耐久性が高い。木肌が美しく、経年とともに色に深みが増し、最終的に飴色に変わる。
クリ 硬く、傷が付きにくい。最初は明るい色味だが、しだいに飴色になっていく経年変化が美しい。チークやオーク、ブラックチェリーなどと比べて安価。
針葉樹 縦方向の力に強いのが特徴。木の中心部と周辺の色が異なり、境目がはっきりしているが、経年で馴染む。材質は柔軟。
※上記は一般的な特徴です。同じ樹種でも産地によって品質に差がある場合があります

無垢フローリングのメリット

  • 木の美しさを感じさせ、意匠性が高い
  • 足触りが良い

無垢フローリングのデメリット

  • コストが高い
  • メンテナンスに手間がかかる

無垢フローリングについてもっと詳しく→
無垢フローリングのメリット・デメリットは?種類や選ぶ際のポイントを教えます

複合フローリング(木材)

「複合フローリングは合板などの基材の表面に天然木などの化粧単板を張った床材です」

複合フローリングのイメージ

複合フローリングは基材の表面に天然木などの化粧単板を張ったもの(画像/PIXTA)

「複合フローリングの特徴としては、まず一般的に無垢フローリングに比べて安価であることが挙げられます。さらに、収縮や変形が少なく、扱いやすい、表面加工することで耐久性・耐水性・耐熱性などの性能も上がるといった特徴があります。一方で、風合いは無垢フローリングに劣りますし、長期間の使用状況によっては化粧板がはがれ、基材の合板が見えてしまうこともあります」

複合フローリングは、挽き板タイプ、突板タイプ、シートタイプの3つのタイプに分けることができます。

複合フローリングの3つのタイプ
挽き板タイプ 表面の天然の木の厚さが2mm~3mm。複合フローリングの中では最も高級。
突板タイプ 表面の天然の木の厚さが0.3mm~1mm。種類も豊富で値段もリーズナブル。フローリングの中で最も普及している。
シートタイプ 表面に樹脂フィルムやプラスチックの一種であるオレフィン、紙などのシートを張ったもの。木目は印刷なので風合いに欠ける。

複合フローリングのメリット

  • 無垢材より安く建築コストが抑えられる
  • デザインや色の種類が多いので、部屋の雰囲気に合わせて選べる
  • 木材の収縮や変形が少なく、反りや割れが生じにくい
  • 表面が加工されているため傷が付きにくく、メンテナンスがしやすい
  • 品質や仕上がりが一定で施工しやすい

複合フローリングのデメリット

  • 無垢材に比べて木のぬくもりを感じにくい
  • 商品や色によっては安っぽい印象になってしまう
  • 半年に1回程度の定期的なメンテナンスが必要
  • 経年劣化によってきしみやひび割れ、コーティングのはがれが出てくる
  • 深い傷を付けると中の合板が見えてしまう

クッションフロア(ポリ塩化ビニル(塩ビ))

クッションフロアのイメージ

水まわりなどに使われるクッション性のある床材(画像/PIXTA)

クッションフロアは、1.8~3.5mmくらいの厚さでクッション性をもたせたポリ塩化ビニル製(塩ビ)の床材です。

「耐水性が高く、狭い場所でも施工しやすいという特徴があります。古くなったら、前のクッションフロアの上に新しいクッションフロアを重ねて張ることも可能です。価格もリーズナブルで、色柄も豊富。

ただし、安価なものは、使っているうちに表面のプリントがハゲてしまうことがあります。耐久性はさほど高くなく、安っぽく見えてしまうことも」

クッションフロアのメリット

  • 耐水性が高くキッチン、トイレ・洗面などの水まわりに最適
  • 水や油汚れに強く日常的な掃除やお手入れが楽
  • デザインが豊富で部屋の雰囲気に合わせて取り入れられる
  • 価格がリーズナブルで気軽に導入できる

クッションフロアのデメリット

  • 家具を置くと跡や傷になりやすい
  • 劣化が早いため、小まめな手入れや掃除が必要
  • ポリ塩化ビニル素材のテカリが安っぽく見えてしまう
  • 通気性が悪く湿気がこもるため、床下にカビが発生する可能性がある
  • 紫外線や熱で変形しやすい

フロアタイル

フロアタイルのイメージ

フロアタイルは耐久性・耐水性が高い(画像/PIXTA)

フロアタイルは、タイル状になったポリ塩化ビニル製の床材です。

「同じポリ塩化ビニル製ですが、クッションフロアとは違い、クッション性はなく硬いのが特徴です。耐久性・耐水性が高く、色柄も豊富で、表面に凹凸加工を施して素材感を演出することもできます。 ただし、クッションフロアよりもコストは高めで硬いため、割れる可能性があります」

フロアタイルのメリット

  • クッションフロアに比べて耐久性、耐水性が高い
  • 色柄が豊富でデザイン性が高い
  • 水や油汚れに強くメンテナンスしやすい
  • 厚みが数ミリ程度であるため、フローリングの上から重ねて使用できる
  • 重い家具を置いても跡が付きにくい

フロアタイルのデメリット

  • クッションフロアと比較すると費用が割高になる
  • 硬い材質でできているため、割れる可能性がある
  • 防音性や遮音性は期待できない
  • 境目から汚れや水が入ることがある
  • タイルを一枚ずつ貼るため施工に時間がかかる

カーペット

カーペットのイメージ

カーペットは織物になっている床材のこと(画像/PIXTA)

住宅の床材として使われるカーペットとは、織物になっている床材のことです。絨毯(じゅうたん)とも呼ばれます。

「織り方にもよりますが、やわらかくクッション性があるのが特徴です。いろいろな糸を組み合わせることで色柄も豊富に再現できます。また、糸の組み方によって、雰囲気も変わります。寝転がれるのもメリットの一つです。

一方で、織物なので、ホコリがたまったり、髪の毛が入ったりしやすく、お手入れが大変です。コーヒーなどの飲み物をこぼした場合にシミになる、ダニ発生の心配があるといったデメリットもあります」

カーペットのメリット

  • フローリングに比べて、クッション性がある
  • 色や質感のバリエーションが豊富なため好みのデザインに合わせて選べる
  • 防音性に優れているため音が響きにくい
  • ホコリやチリの舞い上がりを抑える
  • 足元の冷えを軽減してくれる

カーペットのデメリット

  • 汚れやシミになりやすく掃除の手間がかかる
  • カビやダニが発生する可能性がある
  • フローリングよりも初期コストがかかる
  • 家具や重たいものを置くと跡が残りやすい
  • 夏は蒸し暑いため、吸水性のある素材を選ぶなど工夫が必要

畳のイメージ

フチなし半畳タイプの畳も人気が高い(画像/PIXTA)

「和室でお馴染みの畳は、やわらかく、さらりとした肌触りが特徴です。断熱性も保湿性もあるので、夏場でも冬場でも過ごしやすい床材といえます。また、新しい畳の香りが好きだという人も多く、寝転がれる点もメリットの一つです。一方で、長く日に当たった部分は色が変わってしまうといったデメリットもあります」

畳には、一般的な畳のほかに、琉球畳(りゅうきゅうだたみ)と呼ばれる畳があり、モダンな雰囲気を演出できることから人気です。

「一畳サイズでフチがある一般的な畳に対して、フチがなく半畳タイプのものを『琉球畳』と呼ぶ人もいますが、本来の琉球畳は、沖縄地方の『七島イ(しっとうい)』というい草を使用しており、目が細かいのが特徴です」

さらに、一般的な一畳タイプのフチありの畳も、い草を使ったもの、和紙をよってつくったもの、ポリプロピレン製のものなど、素材によっていくつかの種類があります。

畳のメリット

  • やわらかくさらりとした肌触りと程良い硬さが心地よい
  • 断熱性、保湿性に優れ季節を問わず過ごしやすい
  • い草の香りで癒やされてリラックスできる
  • モダンな雰囲気にもマッチする
  • 定期的にメンテナンスをすれば長く使える

畳のデメリット

  • 日当たりが良すぎると傷みが早く、変色する
  • 湿度が高いとカビやダニが発生しやすい
  • 自然素材のため虫が湧いてしまうことがある
  • 定期的に干したり、専門会社に依頼してメンテナンスを行ったりする必要がある
  • タンスや重たい家具を置くとへこんでしまう

コルク

コルクの床のイメージ

弾力性が高く、吸湿性・保温性に優れている(画像/PIXTA)

「コルクの床材は、弾力性があるため歩いていて疲れませんし、倒れても衝撃が少なく済みます。また、吸湿性に優れ、保温性がある上、有機質の材料なので温かみが感じられます。表面は傷が付かないように塗装されているので、ワインのコルクのようにボロボロに崩れることはありません。一方で、自然素材なので、日に当たると色が変わることがあります」

コルクのメリット

  • 防音性に優れているため足音が気にならない
  • 保温性があり温かく足触りが良い
  • 季節を問わず適切な温度を保つ
  • ハウスダストが舞いにくく防虫効果もあるため、アレルギー対策になる
  • 滑りにくいため高齢者も安心

コルクのデメリット

  • 紫外線で変色しやすい
  • 重たい家具を置くと跡が残ることがある
  • 施工できる業者が少ない
  • 種類によってはフローリングと同じくらいコストがかかる

モザイクタイル

モザイクタイルのイメージ

耐水性や耐久性が高く、複雑な施工が可能(画像/PIXTA)

モザイクタイルは、一般的にタイル一辺の長さが5cm以下の小さなタイルで、床材として使用される場合は陶磁器のものが一般的です。

「耐水性や耐久性が高いのが特徴。タイル一枚のサイズが小さいため、複雑な施工が可能です。目地が細いので、やや汚れにくいという特徴があります。ユニットバスが普及する前は浴室の床材としてよく用いられていました。一方で、滑りやすいというデメリットもあります」

モザイクタイルのメリット

  • 耐水性、耐久性が高い
  • 部分補修が可能なためメンテナンスしやすい
  • 複雑な施工が可能
  • 高いデザイン性で複雑なデザインや個性的なデザインが実現できる
  • 有害物質を含まず、燃えにくい素材であるため、安全面、環境面でも安心

モザイクタイルのデメリット

  • 水に濡れると滑りやすい
  • タイルの隙間(目地)に汚れがたまりやすく劣化しやすい
  • 他の素材に比べて初期費用がかかる
  • 手作業で行うため工期が長くなる
  • 硬いものを落とすとタイルが割れてしまう可能性がある

天然石

天然石のイメージ

光を反射するため、高級感を演出できる(画像/PIXTA)

「磨いた御影石や大理石を床材として使用することもあります。光を反射する素材のため、ホテルのような高級感を演出できます。一方で、硬く冷たいため、素足で踏む場所には適しません。玄関ホールなど、屋外と室内をつなぐ場所で用いられます」

天然石のメリット

  • 光を反射する素材のため、ホテルライクな高級感を演出できる
  • ナチュラルでインテリア性が高い
  • 耐久性が高く傷が付きにくい
  • ホコリや汚れ、ゴミが目立ちにくく清潔感がある
  • お掃除やお手入れがカンタン

天然石のデメリット

  • 硬く冷たい素材であるため、リビングや居室には適さない
  • 金属や硬いものを落とすと石が割れるリスクがある
  • 色の付いた液体をこぼすとシミになりやすい
  • 修理費用、メンテナンス費用が高い
  • 初期費用、導入コストが割高

床材の種類別特徴一覧

これまで紹介してきた特徴も含め、佐川さんが主な床材の特徴を一覧表にまとめてくれましたので、床材選びの参考にしてください。

  歩きやすい 滑らない 汚れにくい 掃除しやすい 補修しやすい
フローリング
クッションフロア
フロアタイル
カーペット ×
コルク
モザイクタイル
天然石
※凡例:◎優れている、〇少し優れている、△普通、▲やや劣る、×劣る

床材を選ぶ際のポイント

床材は材質によって、デザイン性、機能性が大きく異なります。住み心地にも影響するため、使用する場所や、ライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。前述した床材の特徴を参考にしながら、床材選びのポイントについて確認していきましょう。

好みや機能性を重視して選ぶ

床材は、傷が付きにくい、水に強い、燃えにくい、掃除がしやすいなど、素材によって機能性が異なります。一方で汚れやすい、滑りやすい、掃除が大変などの注意点もあるため、これらを考慮し、用途に合わせて選ぶことが重要です。たとえば、リビングは傷が付きにくい素材、水まわりは汚れに強くて掃除しやすい素材、玄関は耐久性の高い素材など、機能性を重視して選びましょう。

また、心地よい空間をつくるためには「好み」も大切。足触りや肌触りの良さを重視したり、昼寝が気持ち良さそうな素材を選んだり、住む人の好みに合わせて選ぶのもおすすめです。

インテリアに合わせた色やスタイルで選ぶ

生活の土台となる床。もちろん機能性も重要ですが、使用する床材によって部屋の印象は大きく変わります。そのため、部屋のイメージや家具、建具の色に合わせて選ぶのもポイントの一つ。白やベージュなど、明るい色は、部屋を明るく広く見せる効果があるため、リビングやダイニングにおすすめです。反対に黒やグレーなどの濃い色は、重厚感のある落ち着いた雰囲気になるため寝室や書斎が向いています。

また、部屋全体のイメージをあらかじめ考えておくと、床材選びがスムーズになります。たとえば、北欧スタイル、ミッドセンチュリー、和モダン、ナチュラルなど、好みのテイストに合わせて床材を選ぶことで統一感のあるおしゃれな部屋に仕上がります。雑誌やSNSなどで気になるスタイルを見つけたら、ストックしてイメージを固めておきましょう。

価格で選ぶ

「床材」といっても数え切れないほど種類があるため、どれにするか迷ってしまう人も多いものです。そんなときは、予算内に収まるよう「価格」で選ぶのもおすすめ。たとえば、無垢フローリングと複合フローリングは、同じフローリングでも素材や施工方法が異なるため、価格に大きな差が生まれます。床材にこだわれば、当然、建築費に影響するため、予算オーバーになってしまう可能性も。そのため、部屋ごとに優先順位をつけて、価格調整しながら床材を選ぶのがポイント。

なお、施工面積が広ければ価格も高くなるため、どうしても取り入れたい床材があれば玄関やキッチンなど、比較的面積が狭い場所に取り入れてみてはいかがでしょうか。また、施工できる業者が少ない、施工に手間のかかる床材はコストが高くなりがち。気になる床材が見つかったら、まずは見積もりをとってみると良いでしょう。

部屋ごとにおすすめの床材は?

次に、部屋ごとにどんな床材が適しているのかを紹介します。

住宅の間取り

住宅の部屋ごとに適した床材がある(イラスト/杉崎アチャ)

リビング

・適する床材:フローリング(硬め)
デザイン性や機能性にこだわって、一部をタイルにしたり、カーペットにしたりすることも。

キッチン

・適する床材:クッションフロア、フロアタイル、コルク、フローリング
耐水性の高い素材が適しているが、コルクやフローリングも耐水塗装がしてあれば問題ない。

寝室

・適する床材:コルク、フローリング、カーペット
温かみを感じられる素材が適している。

書斎

・適する床材:フローリング、カーペット
ワークチェアを頻繁に使う場合は、床が傷付きにくいカーペットがおすすめ。

子ども部屋

・適する床材:フローリング(やわらかな針葉樹)、カーペット、コルク
転んでも怪我しないやわらかめの床材が適している。

トイレ

・適する床材:クッションフロア、フローリング
耐水性が高く、狭くても施工しやすいクッションフロアが用いられることが多い。クッションフロアなら重ね張りもできる。

脱衣所

・適する床材:クッションフロア、コルク
耐水性が高い床材が適している。ヒートショック対策という側面から、コルクもおすすめ。

浴室

・適する床材:タイル
耐水性が高い床材が適している。ただし、現在はユニットバスが主流。

玄関ホール

・適する床材:フローリング、天然石
一般的には廊下の続きでフローリングにするケースが多いが、中にはホテルライクな高級感を演出したいときに天然石が使われることもある。

バルコニー

・適する床材:木材(天然木、人工樹脂)、ビニール(ポリ塩化ビニル)
耐光性に優れ、滑りにくい床材が適している。ウッドデッキは、天然木材製と樹脂からつくられる人工木材製がある。人工木材に使用する樹脂はプラスチック製であり、防水性が高く、気温の影響も受けにくい。ビニール(ポリ塩化ビニル)も、プラスチック製であることからバルコニーで用いられることが多い。

家庭の状況別におすすめの床材は?

床は素足で触れたり、寝転んでみたり、生活に直接的に関わるものです。そのため、ライフスタイルや家族構成に合わせて選ぶことで、家族もペットも安心して生活することができます。ここでは、小さい子どもがいるご場合とペットと暮らしている場合におすすめの床材をご紹介します。

小さい子どもがいる場合

小さな子どもは、飲み物をこぼしたり、食べ物を落としたりすることは日常茶飯事。また、おもちゃで床を傷付けてしまったり、落書きしてしまうこともあるでしょう。そのため、小さな子どもがいるご家庭は、以下のポイントに注目して床材を選んでみましょう。

  • やわらかく、温かみがある
  • 傷や汚れが付きにくい
  • 掃除がしやすい

【おすすめの床材】
無垢フローリング、カーペット、クッションフロア、畳

小さい子どもがいる場合は、なるべく傷付きにくく、掃除がしやすい床材が最適。また、無垢フローリングや畳など、自然素材からできている床材は、やわらかさと温かみを兼ね備えているため素足で歩く子どもたちも安心です。

ペットがいる場合

ストレス解消や癒やし効果のあるペットですが、部屋にニオイが付いたり、床が傷ついたり、生活する上ではトラブルが生じることもあります。人もペットも快適に生活できるよう、次のポイントに注目して床材を選んでみましょう。

  • 弾力があって滑りにくい
  • ニオイ、汚れ、傷が付きにくい
  • 掃除がしやすい

【おすすめの床材】
クッションフロア、コルク、カーペット、複合フローリング(ペット用)

ツルツルした床は、ペットが歩いたり、走ったりする際に滑って足腰を痛める可能性があります。特に猫は高低差のある移動を好むため、ジャンプする際に滑りにくい床にしてあげることが重要です。弾力のある床材(クッションフロア、コルク、カーペット)は、歩きやすく吸音性も備わっているため、ペットの足音を軽減させる効果が期待できます。フローリングにする場合は、ペット用に滑り止め塗装がされている複合フローリングがおすすめ。なお、無垢フローリングは、樹脂によってやわらかさが異なり、傷が付きやすいため注意が必要です。

床材にこだわった住まいを建てた先輩たちの事例を紹介!

スーモカウンターで床材にこだわった住まいを建てた先輩たちの事例を紹介します。どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

【case1】部屋ごとに床材が違うモデルハウスを訪れ、イメージに合う床材を選定

1LDKのアパートでは手狭だったことや、収納の少なさを不満に思い、家づくりを考えるようになったOさん夫妻。住宅展示場を回ってみたものの決めきれずに、スーモカウンターを訪問しました。夫妻の希望は、「耐震性能に優れ、シンプルモダンでおしゃれなデザインの家」。希望を聞いたアドバイザーが提案した3社のうち、モデルハウスが印象的だった1社と家づくりをスタートしました。

建築会社の営業担当からの提案で、打ち合わせは、いろいろなモデルハウスで実施。床材を決めるときは、各部屋で床材が違うモデルハウスを訪れ、床材のことを学びました。おかげで、理想の住まいが実現しました。

ペンダントライトがアクセントのカウンターキッチン/注文住宅実例

床材は、モデルハウスで学びながら選んだ(写真/Oさんご本人)

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室内からもシンボルツリーが楽しめるスタイリッシュな家

【case2】家づくりは素材選びを楽しんで、LDKの床は個性的なデザインに

マイホームを建てたいと考えていたYさんは、第2子を授かったタイミングで、空き家になっていた祖母の家を建て替えることにしました。初めての家づくりで悩んでいたときに知ったのが、スーモカウンターが開催する「はじめての注文住宅講座」です。セミナー当日、個別相談で希望と予算を伝え、依頼先候補を4社紹介されました。その後、各社と具体的な相談をし、最終的には知識が豊富で、細やかに対応してくれた工務店に依頼することに。

素材選びの時期が家づくりで一番盛り上がり、楽しかったと語るYさん。LDKの床材は個性的なデザインを選んだので、壁は白でシンプルに仕上げました。

大阪府の注文住宅実例

LDKの床材は、個性的なデザインのものをセレクト(写真/河原大輔)

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空き家になっていた祖母の家を建て替え!子どもたちが元気に遊びまわれる家

【case3】傷やメンテナンスのことを考えて、床材は無垢に似た新建材を採用

いずれは一戸建て、と考えていたHさん夫妻。しかし、依頼する会社の決め方もわかりません。そんなときにスーモカウンターの「家づくり講座」の広告を見つけて参加を決定。特徴の異なる4社を紹介してもらいました。いろんな会社の話を聞いて比較検討ができ、自分たちの希望を整理できたというHさん。結局、フル装備の注文住宅を建てている会社に依頼することにしました。

内装は、明るくかわいい雰囲気を希望。床材は無垢も考えましたが、傷やメンテナンスのことを考えて、無垢のような趣のある新建材を採用しました。子ども部屋には、明るい色の床材を選び、爽やかな雰囲気に仕上がっています。

明るく爽やかな床材の子ども部屋

子ども部屋の床材には、明るく爽やかな雰囲気のものを選んだ(写真/河原大輔)

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ちょうど子どもがハイハイをはじめるタイミングで、広くて子育てしやすい住まいが完成!

【case4】洋館のような家の玄関は、ホテルライクなタイル仕様

妻の実家を、二世帯住宅へ建て替えることにしたNさん家族。展示場を回ってみたものの、行き詰まってしまいました。妻の知人からスーモカウンターをすすめられて、早速訪問。デザインや間取りの希望を伝えると、候補の会社を8社紹介されました。面談を重ね、最終的にはブランド力に定評があり、洋館風のデザインが任せられそうな大手施工会社と契約することに。

完成した念願のマイホームは、当初希望した通りの洋館のような家。妻のこだわりが満載の玄関は、ホテルのフロントをイメージして広々と設計。天然石を使った壁材やタイルの床などは、イタリアやスペインから直輸入しているタイルメーカーのものです。

ホテルのフロントをイメージした玄関

来客が多いため、玄関はホテルのフロントのようなイメージにした(写真/本美安浩)

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シャンデリアのあるLDKに家族が集うエレガントな二世帯住宅

【case5】遊び心を生かして、トイレの床材には目を引くモザイクタイルをセレクト

40歳の節目の年に「子どもとマイホームを持ちたい」と考えたSさん夫妻。まずは第三者の話を聞きたいと、スーモカウンターを訪れました。そこで、自分たちの予算や土地を探しているが決まらないこと、太陽光発電、HEMS(ヘムス)を採用したいことなどを伝えて、建築会社8社を紹介され、最終的には条件に近い土地を提案してくれた建築会社に依頼することに決定。

注文住宅の醍醐味は、間取りはもちろん、設備や素材、色など、好みのものが選べること。Sさん夫婦も、シンプルで飽きがこない内装をベースに、随所に遊び心を生かしてかわいいアイテムを取り入れました。1階トイレの床材は、目を引くモザイクのタイルです。

モザイクタイルがアクセントのトイレ/注文住宅実例

注文住宅ならではと、トイレの床材にも好みのものを選んだ(写真/Sさんご本人)

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希望全てをかなえ、家族の時間を丸ごと包む多機能なLDKを実現!

【case6】床材をアップグレードし統一感のある印象に

すべてのフロアで同じ素材を使用した床材/注文住宅実例

すべてのフロアで同じ素材を使用した床材(写真/河原大輔)

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祖父母が住んでいた築70年の空き家を取り壊し3階建てに建て替え

通学が大変な息子たちのために住み替えを検討していたTさん夫妻。新築マンションを検討していましたが、なかなかいい物件が見つかりません。そんなとき、ふと思い出したのは祖父母が住んでいた家。長年空き家となっていましたが、両親からの勧めもあり、築70年の家の建て替えを決意しました。

ネットで知ったスーモカウンターに予約をとり、紹介された4社の中から提案力と担当者の熱心さに惹かれた1社と契約。内装はモノトーンにこだわり、床材はすべてのフロアで同じ素材を使用するようグレードアップ。さらに、ソファやカーテンを内装と合わせることで、統一感のある空間に仕上がりました。「途中トラブルはあったものの、家が完成してみれば細かいことはそれほど気にならなくなった」と話すTさん。20年ぶりに新しくなった住まいは、とにかく便利で驚いているそうです。

【case7】ダークトーンの壁材と床材を採用したゲストルームは秘密基地のような印象に

全体的にダークトーンの壁材と床材でまとめたゲストルーム/注文住宅実例

全体的にダークトーンの壁材と床材でまとめたゲストルームは、秘密基地のような空間(写真/八木虎造)

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憧れのアメリカンテイストを取り入れた開放感のある平屋風2階建ての暮らし

平屋に憧れていたYさん夫妻は、10カ所以上の展示会を回りましたが、どの建築会社に依頼すべきか迷ってしまったそう。そんなとき、同僚からスーモカウンターを紹介され、足を運んでみることに。Yさんのこだわり条件は、「アメリカンハウスのような海外風な家」と「住宅性能の高さ」です。これらの条件をクリアする4社を紹介してもらい、その中からデザインに惹かれた1社と契約しました。

家事動線にもこだわるYさんは、キッチン横のマルチスペースから洗濯スペースとバスルームにダイレクトアクセスできるよう設計。さらに、タイル風の床材を採用したことでクラシカルで海外ホテルのような雰囲気に。将来ゲストルームとして使用する部屋には、LDKと雰囲気を変えてダークトーンの壁紙と床材を採用。まるで秘密基地のようなおこもり感たっぷりの空間に仕上げました。

【case8】木の種類にアカシアの無垢材を使ったお部屋

床材にアカシアの無垢材を採用した木のぬくもりを感じるリビング/注文住宅実例

床材にアカシアの無垢材を採用した木のぬくもりを感じるリビング(写真/上條泰山)

この実例をもっと詳しく→
希望エリアを変更して叶えた、広く開放的なカリフォルニア風の家

注文住宅を検討していたSさん。通勤アクセスの良いエリアで土地探しを始めましたが、希望条件に合う土地が見つからず難航していました。そんなとき夫妻の働き方に大きな変化が。在宅勤務が可能となり、通勤アクセスにこだわらなくて良くなったのです。そこでエリアを広げて土地探しをしたところ、希望通りの土地に出合いました。いくつか建築会社を比較するためスーモカウンターへ相談。住宅性能の高さと設計・提案力、さらに人柄が決め手となり1社と契約しました。

「木のぬくもりを感じられる家」と「カリフォルニア風の家」をテーマに、1階の床材にはアカシアの無垢材を採用。大きな吹き抜けにしたことで、2階との一体感を感じる開放的なリビングになりました。「広くて開放感いっぱいの暮らしが気に入っている」と嬉しそうに語ってくれたSさん。さらに、リビングの一角に設けた畳コーナーは、子どもたちのプレイルームや書道をするスペースとして活用しています。

住まいの床材を選ぶときのポイント

最後にあらためて佐川さんに、住まいの床材を選ぶポイントを聞きました。

「色味、耐久性、メンテナンス性、掃除のしやすさなど、床材を選ぶポイントは数多くあります。その中で、体温が奪われやすい素材かどうかという視点も、冬場のヒートショック対策では重要です。踏むとひんやりして冷たい素材は、使う場所を慎重に検討しましょう。温度とともに、触感や踏み心地も暮らしやすさを大きく左右します。やわらかい素材の方が体はラクです。

また、光を反射する素材かどうかもポイントの一つ。ガラスやステンレスなど、光を反射しやすい素材は、都会的で高級な印象を受けますが、心理的に落ち着かなくなります。落ち着きたい場所には、光を反射しにくい素材を選ぶといいでしょう」

スーモカウンターに相談してみよう

「どうやって進めたらいいのかわからない」「建築会社はどうやって選べばいいの?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望をかなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

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イラスト/杉崎アチャ

取材協力/佐川旭さん
佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける
取材・執筆/福富大介(りんかく)