フリーコール
0120-070-091
携帯・PHSからも通話料無料
9:00〜21:00
毎日受付

スーモカウンター注文住宅のサービスをご利用いただいて建てたお住まいの
実例を中心に、注文住宅のノウハウをご紹介します。

【実例付き】80坪の土地に家を建てるにはどんな間取りがいい?

80坪の土地というと一般的にかなり広い面積をイメージする人は多いと思います。住宅金融支援機構の資料によると、2021年度の注文住宅の住宅面積は全国平均で123.8㎡、約37坪なのだそう。平均値の約2倍の広さとなる80坪の土地があれば、間取りの選択肢もかなり広がります。

今回は広島建設の木本誠也さんに話を聞き、80坪の土地に建てられる家の特徴やおしゃれで快適な家をつくるポイントについて紹介します。

80坪ってどれくらいの広さ?

1坪は約3.31㎡なので、80坪は㎡に換算すると264.8㎡になります。住宅金融支援機構が2021年に発表した平均的な住宅の土地面積が37坪であることを考えると、80坪はおよそ2倍の広さです。数字で見ると分かりにくいかもしれませんが、例えば80坪の土地の全面に畳を敷くとおよそ160畳分ほどの広さになります。

また、国土交通省が「住生活基本法」で提示している「人が快適に暮らせる家の広さ(居住面積)」によると、80坪の土地は9〜10人が快適に暮らせる広さといえます。単世帯だけでなく二世帯でも余裕をもって暮らせるスペースがあると考えてよいでしょう。子どもがたくさんいる家族にも適しています。

しかし、80坪の土地面積いっぱいに建物を建てられるわけではありません。建ぺい率と容積率によって、建物の規模には制約があるため注意が必要です。

戸建ての模型の写真

80坪の土地は、大人数の家族がゆったりと暮らせる広さ(画像/PIXTA)

80坪の土地にはどんな家が建てられる? 土地選びのポイントは?

どんな家が建てられる?

「80坪の土地があれば4LDK〜5LDKの平屋や二階建ての二世帯住宅を建てても快適に暮らすことができます。また、4〜5人の単世帯が家を建てた場合でも一人ずつ部屋を確保する余裕があります。室内の設備に関しても、必要最低限ではなく洗濯室やパントリーなどプラスアルファの部屋や収納を取り入れやすい広さです」(木本さん、以下同)

80坪の土地に二世帯住宅を建てた場合、世帯ごとのLDKや水まわり設備に加え、大きめの収納や洗濯室等をつくることができます。また、建物以外の面積も広めに確保できるので、車が2〜3台停められる駐車場を設けたり、ドッグラン付きの庭をつくることも可能です。

二世帯住宅に暮らす家族の写真

80坪の土地は二世帯住宅でもゆとりがある(画像/PIXTA)

建ぺい率と容積率

注文住宅を建てる際には、建てられる建物の広さを把握する上で建ぺい率と容積率について知っておいたほうがよいでしょう。
建ぺい率とは、「敷地面積(土地全体の広さ)に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合」のことをいいます。一方、容積率とは、「敷地面積に対する3次元空間の割合」を算出し、制限するための基準のことです。これらによって、敷地の中にどれくらいの規模の家を建てることができるかが決まってきます。容積率は市区町村ごとに定められています。

「例えば、総面積が80坪の土地に、延べ床面積が40坪の2階建ての家を建てる場合(建ぺい率50%)、1階が20坪、2階が20坪となり、地面に接している一階部分の面積が20坪という計算になります。そうすると、建物以外の土地の面積は残り60坪となり、この部分に庭や駐車場をつくることになります。また、80坪の土地で容積率が100%だと総面積が最大80坪の一戸建てを建築することが可能です」

購入した敷地いっぱいに家を建てられるわけではないため、あらかじめその土地の建ぺい率と容積率を把握し、建てることができる家の規模を確認することが大切です。

建ぺい率を説明するイラスト

建ぺい率によって建てられる家の大きさは異なる。その土地の建ぺい率が何%かを、あらかじめ知ることが大切(図/SUUMO編集部作成)

土地選びのポイントは?

「地域にもよりますが、80坪以上の広い土地となると売りに出される機会はそれほど多くはない傾向にあります。広い土地を分譲して売りに出すケースも多いです。特に市街地や住宅地で80坪以上の土地を探す場合は、期間に余裕を持って土地探しをすることをおすすめします」

都市部で80坪以上の土地を探す場合は、期間に余裕をもって土地探しにあてることを視野に入れておきましょう。また、造成が必要な土地や重機が入りにくい特殊な土地の場合、プラスアルファの工事費用が発生する可能性があるので土地を選ぶときに注意が必要です。

売地の写真

80坪以上の土地を探す場合、都市部よりは郊外のほうが見つかりやすい傾向がある(画像/PIXTA)

80坪の土地に住宅を建てるメリット・デメリット

80坪の土地があれば大人数の家族でもゆったりと暮らすことができますが、メリットだけでなくデメリットも存在します。良いところも悪いところも知った上で土地探しを始めましょう。

メリット

「建ぺい率や容積率にもよりますが、広い土地を使って大きめの建物をつくることができるので間取りの自由度が高いことがメリットです。住む人のライフスタイルに合わせて部屋の数や動線を決めることができるという良さがあります」

限られた広さの土地に家を建てる場合は優先順位を付けながら間取りを決定することが多い一方、余裕をもって必要な部屋や設備を組み込めることが広い土地に家を建てるメリットといえます。建物以外のスペースに関しても、駐車場と庭、家庭菜園スペースとガレージのように複数の用途で土地が使えることが強みです。

間取図の写真

80坪の土地の広さを活かして柔軟に間取りを決定することができる。30畳〜40畳の大空間のLDKを設けることも可能(画像/PIXTA)

また、日当たりの面でもメリットがあります。日当たりは快適に暮らす上で無視できないポイントです。

「土地に対して北と南のどちら側が道路に面しているかによって家の日当たりが変わってきます。最も安定した採光を確保するには南側が道路に面していたほうがよいのですが、80坪の土地の広さがあれば広めの庭をつくることができるため、北側に道路があっても十分に日当たりを確保した家をつくることが可能です」

デメリット

次に、デメリットについても解説します。

「広い建物や庭の維持に手間やコストがかかることです。土地面積が広いということは、それだけメンテナンスをしなくてはいけない場所も増えます。維持費に関してもあらかじめ計算しておいたほうがよいでしょう」

また、土地が広いことで建築費用や外構費用が高くなる傾向があります。どのような設備にするかにもよりますが、塀や囲い、フェンスの材料費と工事費も家づくりの予算に含めて検討する必要があります。

外壁工事をする人の写真

外構費用の相場は、一般的に建築費用の10%ほど。かかる費用は、使用する素材や土地の条件によっても異なる(画像/PIXTA)

80坪の土地におしゃれで快適な家をつくるには?

中庭をつくる

「広い土地を使い、L字型やコの字型の家を建てることもできます。その場合、外からは見えにくいプライベートな中庭をつくることもおすすめです」

中庭に室内からフラットに繋がるウッドデッキを設けることも可能です。特にペットを飼っていたり小さなお子さんがいるファミリーにとって、気軽に屋外へ出られる間取りは人気です。

中庭でくつろぐ人の写真

ロの字型の建物にして外からは見えない中庭を作れば、人目を気にせずくつろげるプライベートな屋外空間になる(画像/PIXTA)

ビルトインガレージを設ける

建物の一部を車の格納スペースにするビルトインガレージ。80坪の土地を使い、ゆとりのあるガレージを設けることができます。

「ビルトインガレージは、車やバイクが好きな方に人気です。愛車を格納して眺めたり、メンテナンスの時間を楽しんだり、ただの車庫として使うだけではなく趣味の空間として取り入れたいというニーズも多いです」

ビルトインガレージがあることで、風雨や盗難から愛車を守ることができるというメリットも。長時間過ごすことを考慮してエアコンや換気扇を設置したり、電気自動車のための充電設備を取り入れるケースも珍しくありません。

ビルトインガレージで車に荷物を積む親子の写真

車以外にも趣味の道具を収納したり、ソファーやテレビなどを置いてゆっくりと過ごしたり、幅広い楽しみ方ができるビルトインガレージ(画像/PIXTA)

庭にドッグランをつくる

「広い庭を活用してドッグランを設ける方もいます。また、間取りに余裕があれば飼い犬専用の部屋をつくり、庭に出やすい動線にするという選択肢もあります」

広い土地は中型犬や大型犬の飼育にも適しています。人と同様に、ペットにとっても暮らしやすい家づくりを実現することができます。

犬の写真

ドッグランやペット専用庭にDIYで柵を取り付けたり芝生を敷き詰めるのもおすすめ(画像/PIXTA)

ファミリークローゼットやパントリーなど便利な収納を取り入れる

「余裕をもって間取りを決められるため、家族全員で使えるファミリークローゼットや玄関横のシューズクローゼット、食料を保管するパントリーなど余裕をもって収納計画を立てることが可能です」

大きめの収納があることで家の中をスッキリ見せることができ、家事もしやすくなります。また、庭に収納小屋を設置してアウトドア用品やガーデニングアイテムを保管しておくと便利です。

大きなファミリークローゼットの写真

2〜3人が入っても余裕がある大きなファミリークローゼット。衣類以外の小物や家電等を収納できることも魅力(画像/PIXTA)

80坪にどんな家を建てた? 先輩たちの実例紹介

80坪の土地に注文住宅を建てた先輩たちの家づくりもヒントにしてみましょう。ライフスタイルに合わせたさまざまなこだわりや工夫を取り入れた素敵なマイホームの実例を紹介します。

【case1】二人と一匹で暮らすモダンな5LDKの家

母と猫と共に暮らしていた実家の平屋の老朽化が気になり、二人と一匹で暮らせる新築住宅を建て替えたIさん。約269㎡の土地に、2階建てのモダンで明るい5LDKの家をつくりました。母が好きなオリエンタルなデザインも内装に取り入れながら、おしゃれで暮らしやすい家が完成しました。母に配慮して1階はバリアフリーの設計に。外構にはスロープをつくり1階部分はできるだけ段差をなくし、広めの浴室とトイレに手すりを付けました。

キッチンや浴室など水まわりを広めに確保した間取り図

キッチンや浴室など水まわりを広めに確保した間取りに。1階に母、2階にIさんの自室を設けた(図/SUUMO編集部作成)

玄関までスロープを付けた住宅の外観

庭石や庭木の一部は解体する前の平屋建てから残したもの。玄関までスロープを付けて屋内までの動線もバリアフリー設計にした(撮影/古川公元・株式会社アトリエあふろ)

この実例をもっと詳しく→
母と暮らす平屋の実家を快適な2階建へ建て替え

【case2】三世帯9人家族がのびのびと暮らす家

築約50年の自宅を、親世帯、息子夫婦、娘夫婦で暮らす3世帯住宅に建て替えたKさん。約273㎡の土地を使って9人が暮らす3階建の住宅をつくりました。1階には親世帯、2階は次女の家族、3階は長男の家族がそれぞれ生活し、玄関や階段などの一部スペースは共有に。

「見た目は一軒家でも、マンションにそれぞれ部屋を持っているような感じです」と次女。ちょうどよい距離感を保ちながら快適な暮らしを実現しているようです。

二世帯住宅の間取り図

親世帯が暮らす1階は1LDK+オーディオルーム、子世帯が暮らす2階と3階は3LDKという設計(図/SUUMO編集部作成)

庭で楽しむ家族の写真

美しく整えた庭は三世帯の憩いの場。世帯ごとのプライバシーを守りながら、交流できるスペースも設けている(撮影/伊藤トオル)

この実例をもっと詳しく→
3世帯が心地よい距離感で好きなことを楽しむ3階建て住宅

【case3】開放感と家事動線にこだわった二世帯住宅

約284㎡の土地を購入して二世帯住宅を建てることにしたTさん家族。二世帯5人がゆったりと暮らせるように、玄関ホールの広さにこだわりました。ピアノに関する仕事をしている妻が家族の就寝時間を気にせず練習ができるように防音室も設けています。2階のリビングから繋がる大きなバルコニーは、ハンモックでくつろいだりバーベキューをしたりと多目的に使うことができます。協力しながら楽しく暮らせる二世帯住宅生活を満喫しているようです。

家事が楽になる動線を考えた間取り図

出入口を2つ設けた広めの洗面室や洗濯が終わった後に衣類をスムーズに収納できるウォークインクローゼットなど、家事が楽になる動線を考えた間取りにした(図/SUUMO編集部作成)

開放的なLDKの写真

ロフトまで吹き抜けた高い勾配天井を取り入れ、LDKにも開放感を持たせている(撮影/上條泰山)

この実例をもっと詳しく→
広々とした土地に二世帯住宅を建てピアノの練習も子育てもしやすく

スーモカウンターに相談してみよう

80坪の土地に家を建てれば二世帯や三世帯でもゆったりと暮らすことができ、間取りの自由度も高くなります。しかし、選択肢が多いからこそどのような間取りにしたらよいか悩んでしまうこともあるかと思います。
スーモカウンターでは注文住宅の新築や建て替えについてのご相談を随時受け付けています。
お客さまのご要望をお聞きして、依頼先を提案、紹介します。家づくりの基本からお金のことまで専門知識を持ったスタッフがアドバイスするので、不安や疑問があれば何でも聞いてください。注文住宅に関する知識を深めるための無料の講座も開催中です。家族が暮らしやすい理想の家にするため、一緒に考えていきましょう。

取材協力

広島建設 - セナリオハウス

木本誠也さん

取材・文/佐藤 愛美(りんかく)