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実例を中心に、注文住宅のノウハウをご紹介します。

建売と注文住宅を徹底比較!家を建てるなら、どちらを選べば良いの?

新築一戸建てには「建売」と「注文住宅」の2種類があります。建売と注文住宅では、価格差はもちろんのこと、プランの自由度の違いなど、それぞれにメリット・デメリットがあります。「建売と注文住宅、どっちがいいの?」という疑問に答えるため、一級建築士の佐川旭さんにお話を聞きました。

建売の特徴とメリット・デメリット

建売住宅は、建物と土地がセットになっていて、家の設計もほぼ決まった状態で売りに出される住宅のことです。この建売住宅には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

建売のメリット

「土地を買い、その上に注文住宅を建てるよりも、一般的に割安な価格で購入できます。完成した家を実際に見て確認できる点もメリットです。
また、契約後は既に出来上がっている家に引越すだけなので、入居までの期間が短く、子どもの入学までに住み始めたい場合などは、スケジュールを組みやすいでしょう」(佐川さん、以下同)

建売住宅のイメージ

建売住宅は完成した家を実際に見て確認できる(画像/PIXTA)

建売のデメリット

「間取りや建材、設備などの仕様はほぼ決まっており、大きな変更はできません。建築過程を見ることができないので、しっかり建てられているのか不安に思う人もいるでしょう。
また、建売住宅は一定の広さの分譲地に、できるだけ多くの家を効率的に建てようとすることが多く、隣家との距離は近くなりがちです」

建売住宅のイメージ

建売住宅は、隣家との距離が近くなりがち(画像/PIXTA)

注文住宅の特徴とメリット・デメリット

注文住宅は、設計事務所や工務店、ハウスメーカーなどに依頼し、一から建てる住宅のことです。ハウスメーカーによっては、全くの自由というわけではなく、ある程度規格化されていて、いくつかの選択肢の中から選ぶというケースもあります。
注文住宅には、建売住宅と比較してどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

注文住宅のメリット

「基本的に、間取りや仕様、設備などを自由に決められる点が最大のメリットです。家を建てている途中でも、ある程度の変更であれば対応できます。
また、依頼先によっては建築と同時に家具を造作してもらうこともできます」

注文住宅の打ち合わせのイメージ

注文住宅は、間取りや仕様、設備などを自由に決められる(画像/PIXTA)

注文住宅のデメリット

「建売住宅よりは一般的にコストが割高になります。また、打ち合わせや建築に時間がかかるため、すぐには入居できません。
ハウスメーカーによっては、対応している構造・構法が決まっているケースもあり、自分が理想としている家が建てられる依頼先かどうか、依頼先選びが重要になります」

どんな家を建てるか考えている男女

理想としている家が建てられるか、依頼先選びが重要(イラスト/杉崎アチャ)

建売と注文住宅には、価格差や寿命の違いもある?

建売住宅は注文住宅よりも一般的に割安ですが、どのくらいの価格差があるのでしょうか。また、建物の寿命に違いはあるのでしょうか。

家づくりにかかる費用

家づくりには、大きく分けて次の費用がかかります。
・土地代
・本体建築工事費
・付帯工事費
・諸費用

建売住宅の場合は、基本的にこれらの費用すべてを一つの会社に支払うため、本体建築工事費だけを抜き出して、注文住宅の建築費と比較しづらいというのが実情です。

「また、注文住宅の場合は、依頼先によっても建築費に大きな差が出ます。
私の経験上、あえて目安を提示するとすれば、注文住宅で坪単価約90万円~100万円、建売住宅で坪単価約55万円~65万円というのが目安になると思います。
建売住宅は土地とセットで利益が出ればいいと考えて坪単価を安くしていたり、一括発注などの工夫によってコストを削減していたりするため、この価格差が生まれます。
ただし、現在建築費用が高騰しているため、建売住宅も注文住宅も、今後は今以上にコストが上がる可能性があります」

注文住宅の見積もりイメージ

注文住宅の見積り例。坪単価は約100万円。ただし、外構、地盤改良、調査費や設計費用は別途(佐川さん提供の見積書を基にSUUMO編集部で作成)

この見積もりは一例です。坪単価を抑えたローコスト住宅を建築している会社もありますので気になる会社があったら問い合わせをしてみてください。

建売の資材や設備は、汎用的なリーズナブルなもの?

「建売住宅は資材や設備のグレードを下げているから割安だと思う人もいるかも知れません。確かにそういう会社もありますが、企業努力によってコストを抑えているケースもあります。
例えば、トイレやユニットバス、キッチンなどの住宅設備は、大量発注することで仕入れコストを抑えることができるため、必ずしもグレードの低いものを使っているとは限りません」

トイレの便器を大量発注する建築業者

建売住宅は、住宅設備などを大量発注することでコストダウンを図っているケースもある(イラスト/杉崎アチャ)

注文住宅では、こだわるほど高くなる

「注文住宅は、間取りや設備が自由なため、いくらでもこだわれます。ただし、こだわればこだわるほどコストは高くなります。全体の予算感をしっかりと持った上で、メリハリの利いた予算配分を心掛けることが重要です」

メンテナンスやランニングコストの違い

長い目で見れば、メンテナンスのしやすさや、ランニングコストの違いも気になるところです。

「注文住宅の場合、自然素材を好んで使う人が多い傾向がありますが、一般的に自然素材は定期的なメンテナンスが必要です。一方で、メンテナンスのあまり必要ない資材や長持ちする資材を選ぶこともできます。
メンテナンス性が高く長持ちする資材を使った注文住宅は、標準的な資材を使った建売住宅より建物の寿命も長くなります。
同様に、注文住宅で断熱性の高い外壁や窓、サッシなどを選べば、月々の光熱費を抑えることができます。
ただし、建売住宅と注文住宅のどちらがいいというわけではなく、使われる資材や設備によります」

注文住宅や建売住宅の素材やメンテナンスを比較する男性

メンテナンスやランニングコストは、使われる資材や設備によって変わる(イラスト/杉崎アチャ)

固定資産税など、税金の違い

「建売住宅だから固定資産税が安くなる、注文住宅だから高くなるということはありません」

ただし、固定資産税の家屋の評価方法は、再建築価格方式(同じ建物を建てた場合の価格を基準として評価する方式)を採用しているため、注文住宅で高級な建材などを使っていれば、固定資産税が高くなる可能性があります。
また、長期優良住宅であれば、一般的な新築住宅よりも固定資産税の減額期間が長くなる制度もあり、注文住宅でこのような基準に合致する住宅(認定長期優良住宅)を建てれば、固定資産税が安くなる可能性もあります。

詳しくは国土交通省のサイトをご確認ください
認定長期優良住宅に関する特例措置

建売と注文住宅の入居までにかかる時間の違い

「個人差があるため、あくまで参考ですが、建売住宅の場合、家探しを始めてから入居までにかかる期間は、約4カ月~6カ月です。
注文住宅の場合は、土地探しや依頼先選びから入居まで、少なくとも約1年~1年半かかります。
もちろん、土地探しに数年かけたり、建物のプランニングに半年以上かけたりするケースもあります」

建売住宅と注文住宅の入居までのステップ

入居までの一般的な目安として、建売住宅は約4カ月~6カ月、注文住宅は約1年~1年半かかることが多いが、依頼先によっても異なる(図/SUUMO編集部作成)

建売と注文住宅、どっちがいいの?

これまで、建売住宅と注文住宅、それぞれの特徴やメリット・デメリットを見てきましたが、あらためて、自分たちがどちらに向いているか知りたい人のためにチェックシートを用意しました。
なお、各項目に対する重要度は人それぞれなので、あくまでも一つの目安としてお考えください。

【A】
□土地を取得済みである
□入居までじっくり時間をかけられる
□家には自分のこだわりを反映させたい
□希望するデザインや素材、設備がある

【B】
□予算をなるべく抑えたい
□すぐに入居したい事情がある
□隣家との距離はあまり気にしない
□出来上がりを見てから決めたい

Aのチェックが多かった人は、注文住宅が向いています。
Bのチェックが多かった人は、建売住宅が向いています。
チェックが散らばった人は、譲れないものがどちらに多いかを考えてみましょう。

建築条件付き売地という選択

一戸建て住宅を購入する際は、建売住宅か注文住宅かで選ぶことがほとんどですが、ほかにも「建築条件付き売地」という選択があります。

建築条件付き売地とは

「建築条件付き売地とは、建築会社が決まっている売地のことです。土地と建物の依頼先がセットになっている点は建売住宅に似ていますが、建物を一から建築する点は注文住宅に似ています」

建築条件付き売地で家を建てる流れ

建築条件付き売地は、建物を建築する会社が指定されている土地のこと(イラスト/杉崎アチャ)

建築条件付き売地のメリット・デメリット

「メリットは、間取りを自由に決められる点です。また、注文住宅に比べればトータルのコストは割安なことが多いでしょう。
デメリットは、住宅の構造・構法や仕様はある程度決まっていて、選択肢が少ない点や、好きな建築会社やハウスメーカーを選べないことです。建築条件付き土地を購入して、指定の建築会社ではなく、例えば自分の好きな建築会社やハウスメーカーで建てたい場合、建築条件を外すのに数百万円を支払わなくてはなりません」

建売と注文住宅の双方を検討して理想の住まいを実現した先輩たちの事例を紹介!

スーモカウンターを利用して、建売住宅と注文住宅の双方を検討したうえで、理想の住まいを実現した先輩たちの事例を紹介します。その人たちが、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

【実例1】注文住宅に手が届くことを知り、こだわりの詰まった新居が完成!

新築一戸建てを検討し始めたMさん夫妻。当初は注文住宅へのこだわりがなく、建売住宅を見学したこともあると言います。
しかし、夫の希望は鉄骨住宅で建売住宅では数が少なかったため、スーモカウンターに話を聞きに行くことに。そこで自分たちのニーズが明確になり、予算的に注文住宅も可能だと知りました。鉄骨住宅の扱いがある建築会社3社を紹介してもらい、そのうちの1社と契約。
収納たっぷりのオープンキッチンや、白いレンガ調の壁紙がおしゃれなリビング、電気代を節約できるZEHや太陽光発電など、こだわりの詰まった新居に大満足です。

Mさんが建てた注文住宅の外観

注文住宅ならではのこだわりの詰まった新居が完成(写真/アラキシン)

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期間内に希望エリアで、車が3台止められる土地探しに成功!

【実例2】好きな間取りにしたいと注文住宅を選択し、高気密・高断熱の家が実現

一戸建てを購入することにしたKさん。まず建売住宅を見学しましたが、自分の好きな間取りにしたいと、注文住宅を建てることを決心。
スーモカウンターを訪れ、トータル予算と高気密・高断熱へのこだわりを伝えると、すぐに6社を紹介され、その中から3社をピックアップしました。
3社のモデルハウスを訪れ、室内の乾燥が気にならなかった1社に依頼を決定。
完成した新居で実際に暮らしてみて、特にありがたみを感じたのは家の遮音性の高さだったと言います。今は、子どもが泣いたときも気を使わなくて済む住まいが、大のお気に入りです。

東京都の注文住宅実例

高気密・高断熱にこだわった結果、遮音性も高くなった(写真/Kさんご本人)

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高気密・高断熱の家で遮音性にも満足。子どもの声や音で気を使わない住まいに

【実例3】開放感にこだわった、土地の狭さを感じさせない注文住宅

自分たちには注文住宅は建てられないと思い、建売住宅の購入を検討していたKさん夫妻。なかなか条件の合う物件が見つからず、スーモカウンターを訪れました。そこで相談するうちに、注文住宅が可能だとわかり、注文住宅を検討することに。紹介された会社の中から、最終的に営業担当の印象が良かった会社と契約しました。
家づくりで特にこだわったのは、開放感。吹き抜けの開放感たっぷりの南向きリビングは、白を基調にしてスッキリとした空間に。さまざまな工夫で、土地の狭さが感じられない広々とした住まいを実現することができました。

愛知県の注文住宅実例

吹き抜けやスケルトン階段で開放感を演出した(写真/Kさんご本人)

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【実例4】プロヴァンス風のデザインと、家事が楽な回遊動線が特徴の注文住宅

実家が一戸建てで、家を買うならマンションではなく一戸建てにしたいと思っていたHさん夫妻。建売住宅にするか注文住宅にするかで迷い、スーモカウンターを訪れました。そこで、注文住宅の性能面やプランの自由度に魅力を感じ、予算やデザインテイストの希望を伝え、紹介された会社の中から依頼先を決定。
完成した新居は、インテリアとエクステリアは白を基調としたプロヴァンス風のデザイン。キッチンは、リビングダイニングが見渡せる対面キッチンを採用。家事動線にもこだわり、1階はリビング階段を中心に回遊できるようになっています。

木目調が明るい印象のペニンシュラ型キッチン/注文住宅実例

リビングダイニングが見渡せる対面キッチンにこだわった(写真/相馬ミナ)

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憧れのプロヴァンステイストの明るい空間で、ゆったりとした暮らしを楽しむ

建売を選ぶか注文住宅にするか、検討すべきポイントは?

最後にあらためて佐川さんに、建売住宅を選ぶか注文住宅にするか、検討すべきポイントについて聞きました。

「住まいに対するこだわりがあって、そのこだわりを実現したければ、注文住宅が最適です。ただし、予算も含め、100%を求めないのであれば、建売住宅にも自分たちの生活スタイルや予算に合った住まいがあるはずです。最終的には、自分が満足できるかどうかでしょう。
建物だけではなく、インテリアや室内の装飾で住まいの空間を楽しむこともできます。自分なりの工夫をすることで、建売住宅でも豊かな暮らしはできるはずです。広い視野で住まい選びをすることをおすすめします」

スーモカウンターに相談してみよう

「どうやって進めたらいいのかわからない」「建売住宅と同じくらいのコストで注文住宅を建てられないの?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望を叶えてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。

取材協力/佐川旭さん
佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける。

取材・文/福富大介(りんかく) イラスト/杉崎アチャ