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「釣り部屋」のある家を建てたら、自分だけでなく妻も快適に過ごせるようになった【趣味と家】

専用の「釣り部屋」がある家を建てた

音楽やマンガなど、圧倒的な熱量を注ぐ「好きなもの」をおもちの方に、こだわりの住まいをご紹介いただく本企画「趣味と家」。第13回目は、念願かない憧れの「釣り部屋」をゲットした、釣り大好きロキさんのご自宅を紹介します。

釣り部屋」とは、釣具などを置いた釣り人の“趣味部屋”の名称。ロキさんも、さおやウエアといった釣り道具を飾って保管したり、ルアー自作のための機材をそろえたりと、好きなものに囲まれた“基地”のような空間に仕上げています。専用部屋ができたことで空間のすみ分けが明確になり、自身はもちろんのこと、家族にとってもメリットがあったそうです。

こんにちは。普段はIT関連の会社で働きながら、趣味の釣りに打ち込んでいるロキです。

“海なし県”の岐阜に生まれ育ち、上京後ももっぱら渓流や湖でバス釣りを楽しんできましたが、妻の地元である福岡に移住してからは海釣りの魅力に目覚め、自作ルアーでのシーバス釣りにいそしむ日々を送っています。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 釣りは沼

マイホームを検討し始めたときにも、希望は「釣り部屋がほしい!」この一点。念願かなって手にした自分の“基地”で、大切な釣り道具を眺めたり、ルアー制作を楽しんだりしています。

今回はそんな私の「釣り部屋」を中心に、自慢のわが家を紹介したいと思います。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた ロキさん邸の間取図


わが家は「スキップフロア」(編集部注:中間階を設けることで効率的に床面積が増やせ、空間を広く使える構造のこと)のため、空間が半地下、1階、1.5階、2階の4つに分かれています。


【目次】

移住きっかけで海釣りにハマる!……が、どんどん増えていく釣り道具

私が福岡へ移住したのは、東京で知り合い交際していた女性(現在の妻)が地元・福岡へ帰るという決断をしたのがきっかけでした。私自身、東京に一生住むという気持ちはなかったので、彼女の帰郷に同行し、福岡で転職・結婚しました。

もともとは川や湖でのバス釣りがメインでしたが、「せっかく近くに海があるんだし、海釣りもしてみるか」と軽い気持ちで海へ出てみたところ、これがとっても楽しくて……。

ブラックバス同様にキャッチアンドリリースが楽しめるシーバス(スズキ)だけでなく、ヒラマサやブリといった青物も狙えて食べる楽しみもある! それまで経験してきた釣り文化とまったく異なる海釣りに、新たな魅力を感じたのです。

そうして、新しい釣り道具を買い増していったのですが、移住して最初に住んだのは2LDK・50㎡ほどの賃貸マンション。狭すぎるということもないはずなのに、どんどん増える釣り道具にしまう場所が足りず、靴箱まで侵食していくという事態に……。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 賃貸のさほど大きくないキッチンで魚をさばくのは大変でした……

釣りに行くにも、支度のために家の中をあちこち動き回らなければならずストレスを感じていました。また、共有スペースのあちこちに釣り道具がある状態なので、当然ながら妻のストレスも……。

そのため福岡に移住して1年ほどがたち、妻の実家の近くにマイホームを建てようかという話になった際は、「専用の釣り部屋をつくること」が必然となっていました。

「海まで徒歩5分」という最高の土地に出合えた

妻は広告やデザイン関連の仕事をしていて、インテリアなどを選ぶのも大好き。となるとマイホームへのこだわりも人一倍強く、「希望のエリアでこだわりを全部実現するとなると予算が……」と悩んでいました。そのため当初は一戸建ての注文住宅ではなくマンションリノベーションを検討していました。

そんなときに出合ったのが、デザイン性に優れたとある「規格住宅ブランド」。おおよそのプランは決まっているのでコストを抑えながらも、ある程度施主の希望を反映することもできるものでした。

何より、デザインのテイストが妻の好みに非常に近い。さらに、玄関脇にインナーガレージが付けられるプランがある! 妻だけでなく、私も「ここを釣り部屋にしたい!」と一目ぼれしてしまったのです。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた わが家の外観
【編集部注】
ロキさんのご自宅のように、建築会社が用意したプランからデザイン、間取り、設備などを選べる住宅は「規格(企画)住宅」や「半規格住宅」などと呼ばれています。中には全国の建築会社などでブランド展開しているものも。メリットは、フルオーダーの注文住宅と比べて手間や時間、コストなどを削減しつつ、ある程度好みの家に仕上げられること。規格住宅に対応しているかどうかや、どこまで自由が利くかはそれぞれの建築会社によるので、気になる方は確認を。

このブランドの家を建てよう! と決め土地探しを開始し、見つけたのが「海まで徒歩5分」で「有名な釣り場もすぐ近くにある」という(私にとっては)好立地な場所

土地までも「釣り」にこだわっていたわけではありませんが、妻の実家にすぐに行けて価格も手が届くところ……と探していて偶然出合ったのです。ある意味、運命だったのかもしれません。

海の近くということで潮のにおいや塩害、津波などを心配しましたが、ハザードマップ上は津波のリスクが低いエリアだった他、家と海の間にちょっとした雑木林をはさんでいるため、強い潮風を感じたりすることなく、築後数十年たっている周囲の家を見ても塩害はほぼありませんでした。

家の外に設置する給湯器は耐塩害仕様のものになりましたが、それ以外の部分は特に意識しませんでした。

動線を計算し尽くした釣り部屋で、趣味の“質”がグンとアップ

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 自慢の釣り部屋

こうして実現した「釣り部屋」を紹介します。

一番大切にしたのは「動線のスマートさ」。朝起きて釣り部屋に向かい、着替えて支度をし、ガレージを開けて出発する。賃貸時代のように、釣り具はあそこ、服はここ、さらにバイクの鍵は……と家中を歩きまわる必要がなくなったのは、本当に大きな収穫でした。何も考えなくても釣りに行ける、最高ですね

専用の「釣り部屋」がある家を建てた

専用の「釣り部屋」がある家を建てた

釣りざおやルアーは「見せる収納」で飾りながら保管しています。壁にはOSBボードという加工しやすく強度も高い合板を採用。下地材にも使われているボードなので、どの位置でも棚板などが付けられ、DIYでカスタムしやすいのが特徴です。

OSBボードを選ぶとよい、収納ボックスはこれがよい……など、建材や収納に関しては妻のアドバイスを参考にしました。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた ルアー制作の様子

福岡に来てから新たに始めたのが「ルアーづくり」。友人にルアーを自作している人がいたこともあり、暑すぎたり、天気が荒れていたりで海に行けない日にもできることがあれば……と始めましたが、これも大いにハマってしまいました。

自分のつくったルアーで狙い通りに魚が釣れたときの達成感は、これまでとは比較になりません。釣り部屋をつくるときにも、ルアーを作るための機材置き場はしっかり確保しました。

また、釣りから戻ると、釣り具や靴、ウエットスーツなどを洗う必要がありますが、家の中に持ち込むとにおいや汚れが気になります。さらに釣り道具の多くは高温多湿の環境と相性が悪いため、極力釣り部屋に湿気がたまらないようにしたい……。そのため、水道はあえて釣り部屋の中ではなくガレージの外側に設けました。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた

ちょうど2階のバルコニーの真下に洗濯物の外干しスペースがあるので、釣りから帰ってすぐに水道で洗い、そのまま干しておけばOK。これもストレスフリー!

釣り人なら一度は憧れるであろう「釣り部屋」を実現して感じるのは、趣味の量(頻度)だけでなく、質が上がったということ。

毎日数時間は釣り部屋にこもって、釣り具の手入れをしたり、ルアーをつくったり、釣り関連のSNS投稿をしたり……。好きなものに囲まれ、好きなものに思いきり向き合える空間がある。この幸せを日々かみしめています。

ここ数年はコロナ禍でテレワークメインになったこともあり、釣り部屋で過ごす時間や、釣りに行く時間もグッと増えました。「最適な時間帯」に釣りに行けるよう毎日の潮の様子をチェックしては、仕事前の早朝や、仕事終わりの夕方にも海へ……。まるで漁師のようなライフスタイルに変化しました。この自由さは、海に近く、動線の良い釣り部屋がある現在の家ならではです。

釣り部屋以外は妻のアイデアをたくさん取り入れ、快適なくつろぎ空間に

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 玄関スペース

私が「釣り部屋がほしい」と言って希望を通したぶん、他のところは妻の希望やアイデアを大いに取り入れてプランを考えていきました。

スキップフロアで分かれた4つの空間のうち、1階と半地下を「生活のための空間」、1.5階と2階を「リラックスして過ごすための空間」にしようと決め、前者には玄関からトイレ、洗面所と浴室、仕事のためのワークスペースやランドリールームを集約。後者にはLDKとセカンドリビング、寝室を設けました。トイレを居室から離したいというのは私の希望で、オプションプランで玄関脇に移動してもらっています。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた ランドリールーム。扉の向こうが釣り部屋

半地下のランドリールームは室内干しもできますが、天気が良ければそのまま掃き出し窓から外に干すことも可能。洗濯物を扱うスペースを一部屋で完結させたい! という妻のアイデアで、大きなクローゼットもこの部屋にあり、干す・取り込む・しまうという動作がここだけで完結するようになっています。

外出先から戻ったら、汚れた服などは全て下の階で着替え、上の階にはキレイな状態で上がれるのが気に入っています。動線に沿って空間を明確に分けたことで、「リビングに仕事の道具を置かないで!」「靴下を脱ぎっぱなしにしないで!」といった、どのご家庭でも発生していそうな小さなケンカはグッと減ったと思います。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 左がセカンドリビング

1.5階&2階にはLDKと寝室があります。特徴的なのは、リビングスペースが2つあることでしょうか。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 1.5階のLDKと造作ベンチ

1.5階のLDKは普段の食事はもちろんのこと、友人などを招いた場合のパブリックスペースとしても活用しています。妻が特に気に入っているのは、造作ベンチと大きな丸テーブル、そしてハンモック。ベンチは収納も兼ねていて、片付けにも便利です。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 2階セカンドリビングは妻のお気に入りスペース

2階のセカンドリビングにはテレビやソファを置いており、もっぱら妻のくつろぎスペースになっています。私は釣り部屋、妻はこのスペースでのんびりしていることが多いです。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた キッチン

キッチンにはそれほど予算をかけなかったので、標準のプランから大きく変えていませんが、1つ希望を出したのが、ワークトップに「水返し」を付けること。釣ってきた魚をさばくときに床に血や水がしたたるのを避けたかったので、ここはしっかりと考えました。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた (上)ワークトップの水返し
(下)キッチンのタイル

居室内の床には基本的には木材を使っていますが、キッチンの床だけはタイルにしたので、掃除がしやすくて助かっています

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 窓は高い位置に

1.5階も2階も、一般的な住宅よりも窓がコンパクトで位置も高めなのは、ご近所さんとの視線のぶつかりを避けたり、近くを走る車のエンジン音を防いだりしたかったため。

当初は建築会社の担当営業さんにも「窓が小さくありませんか?」と心配もされましたが、景色のよいところにはしっかりと窓をつくったので、これでよかったなと感じています。

趣味があるからこそ、「個室」で空間を分けることにメリットがある

この家に住み始めてから私と妻は、それぞれが別のことをしながらも同じ空間にいる、という緩やかなつながりをつくれるようになりました。

どちらか一方の趣味のものが共同スペースを浸食しないことは、違う趣味をもつ夫婦にとってとても重要なことだと思います。部屋数が限られる中で夫婦どちらか専用の個室をつくるのはハードルが高い一方で、空間をしっかりと区切るとそれぞれのスペースをしっかりと確保でき、ストレスが軽減されるというメリットがあると感じています。

トイレに行こうとしただけなのに「また釣り部屋に行くの?」と言われることもありますが……(笑)。

そういった夫婦間の変化の他に起こったもう一つの大きな変化が、猫と暮らし始めたこと。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた 「うみ」です

コロナ禍で自宅にこもるようになったものの、外出したり人と会うのが大好きな夫婦だったためか息が詰まりそうになっていました。それまであまり生き物に興味がなかった私がふと「猫を飼ってもいいかもな……」とつぶやいたところ、ずっとペットと暮らしたいと考えていた妻が「それなら!」と一匹の猫を家に迎え、“うみ”と名付けました。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた モビールが気になる「うみ」

私も妻も実家で犬を飼っていたことがあるものの、猫は初めて。手探りではありますが猫の住みやすさを考えて、家に手を加えたりも。

専用の「釣り部屋」がある家を建てた そこで寝るんだ……

もともと梁(はり)が出ている家だったので、猫が上りやすいようステップを付けたり、窓際で休めるようにちょっとしたスペースをつくったり。持ち家ならではのDIYを楽しんでいます。

猫と暮らすことが分かっていたら床をもっと傷つきにくいものにしたのになぁ……と後悔することもありますが、大好きな釣り部屋があるこの家で、これからも夫婦2人と“うみ”と、楽しくゆったり暮らしていきたいです。


🏠 いろんな「趣味と家」🏠
筋トレに夢中? だったら家にジムを作ろう
家に「サウナ」をつくって気軽にサ活
「土間」はいろんな趣味に対応可能

お話を伺った人:ロキ

ロキ

“海なし県”の岐阜で生まれ育ち、幼少期からバス釣りに目覚める。東京での社会人生活を経て、“海釣りのパラダイス“九州・福岡へ移住。IT系サラリーマンとしてリモートワークをこなす傍ら、空き時間すべてをシーバスを中心とした釣りに費やす日々を送っている。嫁の機嫌はなかなか悪い。


Instagram:@ken_bo_1010
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聞き手・文:藤堂真衣/編集:はてな編集部

※※2022年9月6日13:00ごろ、「釣り部屋」の説明を追記いたしました。ご指摘ありがとうございました。