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洗面所のおしゃれな照明選びのポイント。プロがおすすめを紹介

洗面所の照明選びのポイントは? 洗面所は化粧や髭剃り、歯磨きなど家族が身だしなみを整える大切な場所。より快適な空間にするためには照明選びが重要です。
明野設計室一級建築士事務所の明野岳司さんにお話を伺い、おしゃれな洗面所の照明選びのコツをはじめ、照明計画の注意点などを解説します。注文住宅の洗面所にこだわりたい方は、ぜひチェックしてください。

洗面所の照明の役割は?

「一般的な住宅における洗面所は、洗顔をしたり化粧をしたり身だしなみを整える場所です。脱衣所と兼用している場合は洗面所で着替えもするでしょう。そのため、顔や衣服をきちんと見るための明るさが必要です。特に化粧をするときには色を正確に確かめる必要があるので、顔を照らす照明があると便利です」(明野さん、以下同)

心地よさを重視するリビングや寝室とは異なり、洗面所は機能性を優先したい場所。照明の位置や明るさによって機能性が左右されます。

洗顔する人の写真

機能的な洗面所にするためには、適切な照明計画を立てることが大切(画像/PIXTA)

おすすめの照明の種類と設置する位置は?

ダウンライトを天井付けする

「ダウンライトを天井付けして洗面所の空間全体を照らす手法が一般的です。凹凸がなくデザインもシンプルな点がダウンライトの魅力といえます」

ダウンライトの写真

ダウンライトを天井に設置すると、洗面所全体が明るくなる(画像/PIXTA)

ブラケットライトを壁付けする

「ブラケットライトを壁付けする手法もあります。着替えなど身動きを取る際に邪魔にならない位置を選んで取り付けるとよいでしょう」

ブラケットライトはデザイン性が高く、空間のアクセントにもなります。コンセントタイプのものをDIYで後から取り付けることも可能ですが、新築工事の際に設置したほうが配線が露出せず、見た目もすっきりします。

ブラケットライトのある洗面所の写真

ブラケットライトによって洗面所を自分好みの空間に(画像/PIXTA)

ライン照明を鏡に埋め込む

洗面台の鏡の部分にライン照明を埋め込むと、顔や手元を明るく照らすことができるので便利です。この場合、天井にダウンライトを設置するなどして、洗面所の空間全体を照らす主照明と組み合わせて使用するとよいでしょう。

ライトを設置した洗面所のイラスト

鏡にライトが設置されていると、洗面台での手洗い等がしやすくなる(イラスト/德丸ゆう)

ペンダントライトを天井から吊るす

ペンダントライトも人気の照明器具です。デザインの幅が広く、洗面所にアクセントを加えることができます。ただし、形状や取り付ける位置には注意が必要です。脱衣等の動きの妨げにならないように配慮して設置しましょう。

ペンダントライトのある洗面所のイラスト

チェーンやコードで天井から吊るすペンダントライト。高さを調整して照射範囲を決めることができる(イラスト/德丸ゆう)

洗面所の照明計画で失敗しないためのポイントは?

2畳の洗面所にダウンライト2つ、40W〜60Wの明るさが目安

「洗面所に設置する照明の数は、2畳の広さであれば天井付けのダウンライト2個が目安となります。電球の明るさは40W〜60W相当であれば必要な明るさを確保できます。ただし、明るさの感じ方は人により異なるので適宜調整してください」

洗面所の広さに適した照明の説明イラスト

洗面所の広さに合わせて照明の個数や明るさを調整するとよい(イラスト/德丸ゆう)

調色ライトでシーンごとに照明の色変えをする

「洗面所の照明を調色ライトにするのもおすすめです。化粧や衣服の色味を正確に把握するには白っぽい昼光色、リラックスしたいときにはオレンジ色の光の電球色がよいとされています。化粧をする際は昼光色、夜に洗面所を使用する際は電球色といったように、シーンに合わせて照明の色を変えるのも一案です」

調色ライトのある洗面所のイラスト

照明の色で空間の雰囲気が変わる(イラスト/德丸ゆう)

洗面所の照明計画を立てる上で窓の設計も重要

「洗面所の照明計画を立てる際は、窓の設計も同時進行で考えたほうがよいでしょう。適切な窓があれば、天気のよい日中は照明をつけなくても十分な明るさを確保できます」

また、洗面所がお風呂と隣接する場合は湿気がこもりカビが発生しやすくなります。洗面所に窓があると換気もできてカビの発生を防ぐことができます。

自然光の入る洗面所の写真

日中は窓から自然光が入り、洗面所全体が明るくなる(画像/PIXTA)

洗濯機用の照明を設けると便利

「洗面所の中に洗濯機置き場が併設されている場合は、洗濯機の上部にも照明があると便利です。洗濯機の操作や衣類の状態確認がしやすくなるでしょう」

洗濯機の上に照明を設置した洗面所の写真

洗濯機の上にも照明を設置すると手元が明るくなり作業しやすい(画像/PIXTA)

照明器具の位置や形状によっては邪魔になる可能性も

「ペンダントライトやブラケットライトなどは付ける位置や形状に注意しましょう。洗面ボウルの真上の位置や大きすぎる形状を選ぶと、洗顔をしたりドライヤーを使う際に照明器具が体に当たってしまう可能性があります。動作の邪魔にならないように考慮して照明計画を立てることが大切です」

ペンダントライトに頭をぶつけた人のイラスト

大きな照明器具や、コードが長いペンダントライトは要注意(イラスト/德丸ゆう)

洗面所をおしゃれにする照明計画のアイデア

鏡とライトを一体化し、空間をスタイリッシュに演出

鏡と照明を一体化させ、洗面所をよりスタイリッシュな空間に。鏡を囲うように、または鏡の上下にライトを配置するデザインが人気です。洗面所で身だしなみを整える習慣がある人は取り入れてみるとよいかもしれません。

照明を埋め込んだ鏡のイラスト

鏡に照明が埋め込まれているため、顔を明るく照らすことができる。LEDライト付きの化粧用スタンドミラーを洗面所に設置する人もいる(イラスト/德丸ゆう)

多灯ペンダントライトで空間にメリハリを出す

ペンダントライトはリビングやダイニング、玄関など、おしゃれな雰囲気を演出したい場所に用いられることが多い照明器具です。立体感があるので空間にメリハリが生まれます。洗面所に個性を演出したい場合、ペンダントライトは有効です。
特に複数のライトが集まった多灯タイプのペンダントライトは洗面所をよりおしゃれな空間にしてくれるでしょう。光源が2つ以上あるため、空間がより明るくなります。

ペンダントライトのある洗面所の写真

洗面所にペンダントライトを設置するときは、高さや位置に注意(画像/PIXTA)

お気に入りのブラケットライトを洗面所のアクセントに

洗面所にアクセントを足したい人はブラケットライトを取り入れてみるのはいかがでしょうか。ブラケットライトは壁に取り付けて光を照射するのが特徴で、その陰影によって空間がおしゃれな雰囲気になります。

ブラケットライトには、傘が付いたタイプと電球がむき出しのタイプがあります。前者は照明器具よりも下側を、後者は空間全体を照らします。器具のデザインによって照射範囲が変わるので、洗面所をどんな雰囲気にしたいかイメージを決めて器具を選ぶとよいでしょう。

ブラケットライトのある洗面所の写真

ナチュラル系、ホテルライクなどデザインの選択肢が豊富な点もブラケットライトの魅力(画像/PIXTA)

間接照明を取り入れてホテルライクな洗面所にする

天井や壁に光を反射させて空間を明るくする間接照明。光源が隠れているため光を柔らかく感じることができ、ホテルのようなおしゃれな空間演出が可能になります。

洗面所に間接照明を取り入れる場合、鏡の裏側に光源を隠して洗面ボウルの手元や天井を照らす手法が人気です。さらに、調光調色ライトにすると光の強さや色味をシーンに応じて変えることができます。

ホテルライクな洗面所の写真

訪問客が多い家では、ホテルライクな洗面所が人気(画像/PIXTA)

照明がおしゃれな洗面所の実例

ここからは、おしゃれな照明を設けた洗面所の実例を紹介します。ぜひ先輩たちのマイホームを家づくりの参考にしてください。

【Case1】ブラケットライトを設置したカフェ風の洗面所

長男の小学校入学を機に、夫の実家の敷地に家を建てることを決めたNさん一家。カフェ風の家を希望したNさんは、住まいの照明器具にもこだわり、パントリーやシューズクロークには星型のライトを設置しました。

帰宅してすぐに手を洗えるようにと、玄関ホールのドアを開けてすぐの場所に洗面室を配置。壁に付けたおしゃれなブラケットライトによって空間が明るくなりました。家族全員が満足する、素敵なマイホームの完成です。

Nさん宅の注文住宅実例

おしゃれなブラケットライトはナチュラルテイストな木枠の鏡とも調和する(写真/ご本人)

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子どもの小学校入学を機に家事のしやすいカフェ風の家を目指して

【Case2】エレガントなデザインに馴染むシンプルなダウンライト

ピアノ教室を開業するという夢を持ったIさん夫妻。当初は中古住宅や建売住宅も視野に入れていましたが、間取りを自由に決められる注文住宅に惹かれてスーモカウンターへ相談に行き、グランドピアノを置くことができる一軒家を建てました。

デザインを重視したかったIさん夫妻は、エレガントテイストが得意な建築会社を希望し、その後、宿泊体験を経て成約。広々とした洗面室兼家事室にはキッチンと同じメーカーの洗面台を設置しました。天井にはどんなデザインにも馴染むシンプルなダウンライトを取り付けています。機能性、デザイン性ともに満足度の高い住まいになりました。

Iさん宅の注文住宅実例

ダウンライトは凹凸がないため、ランドリースペースに洗濯物を干すときも邪魔にならず安心(写真/アラキシン)

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吹抜けからの採光とグランドピアノの音色が美しい住まい 

【Case3】アンティーク風ブラケットライトを設けたぬくもりのある洗面所

アーチデザインやステンドグラスを取り入れたぬくもりのある住まいを建てたIさん夫婦。スーモカウンターへの相談と並行して住宅展示場にも足を運び、たまたま見つけたスーモカウンターにも紹介された会社の展示場で親身になって話を聞いてくれた建築会社に依頼することに決めました。

住まい全体に木のぬくもりを感じられるデザインを取り入れ、洗面所も木とタイルでナチュラルな雰囲気に。壁に取り付けたアンティーク風のブラケットライトが、空間全体を明るく照らします。また、洗面所の壁には明かり取り窓を設け、日中は光が入るように設計しているのもポイントです。

Iさん宅の注文住宅実例

レトロなデザインの照明器具が木の優しい素材感とマッチしている(写真/河原大輔)

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テーマは「ぬくもりを感じる居心地の良いカフェ風の住まい」

【Case4】ホテルのようなデザインを実現したおしゃれな洗面所

夫の実家で同居していたSさん夫妻は、台風の被害を受けたことをきっかけに二世帯住宅を新築することにしました。間取りのイメージやインテリアの世界観を重視したいと考え、設計の自由度の高い建築会社に依頼することに。

完成したのは、1階2階ともに1LDKずつの、上下分離型の二世帯住宅。洗面所のデザインにもこだわり、洗面ボウルや照明器具はデザイン性が高いものをチョイス。天井から吊るしたペンダントライトが空間のアクセントになっています。

Sさん宅の注文住宅実例

ペンダントライトの明かりが洗面所内を柔らかく照らす(写真/本美安浩)

この実例をもっと詳しく→
夫妻の世界観が詰まった、オフィス兼二世帯住宅

洗面所の照明の選び方

最後に、洗面所の照明の選び方のポイントを明野さんに伺いました。

「洗面所は生活に必要な場所なので、デザイン性だけでなく機能性も考慮して設計しましょう。洗面所で誰がどんな動作をするのかを具体的にイメージすると、照明計画も立てやすくなるはずです。また、先述したように窓の設計も重要です。信頼できる設計者と相談しながら、明るく使いやすい洗面所をつくっていきましょう」

スーモカウンターに相談してみよう

「おしゃれな洗面所が得意な建築会社はどこ?」、「照明計画まで相談できるハウスメーカーは?」など、住まいづくりについて疑問や悩みがある人は、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご希望を伺った上で、かなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりの段取りや会社選びのポイントなどを学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。

イラスト/德丸ゆう

取材協力/明野岳司さん(明野設計室一級建築士事務所)
取材・執筆/佐藤愛美(りんかく)