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【実例付き】100坪の土地に家を建てるにはどんな間取りがいい?

100坪というと、豪邸が建つような広い土地をイメージする人が多いのではないでしょうか。住宅金融支援機構の資料によると、2021年度の注文住宅の住宅面積は全国平均で123.8㎡、約37坪なのだそう。100坪の土地は平均値の2.5倍以上です。間取りの自由度が高く、広い庭や駐車場を設けやすくなっています。
今回は広島建設の木本誠也さんに話を聞き、100坪の土地に建てられる家の特徴やおしゃれで快適な家をつくるポイントについて紹介します。

100坪ってどれくらいの広さ?

100坪とは何㎡くらいなのでしょうか? 1坪は約3.31㎡なので、100坪は㎡数にするとおよそ330㎡になります。住宅金融支援機構が2021年に発表した平均的な住宅の土地面積が37坪であることを考えると100坪は倍以上の広さです。数字で見ると分かりにくいかもしれませんが、バレーボールのコートに例えるとおよそ二面分の広さになります。一戸建ての家を建てる土地としてはかなり広いほうで、9〜10人が快適に暮らせる広さであり、単世帯はもちろん二世帯家族で住んでもゆとりがあります。
しかし、100坪の土地面積いっぱいに建物を建てられるわけではありません。建ぺい率と容積率によって、建物の規模には制約があるため注意が必要です。

広い土地の写真

新築の注文住宅を計画する上で、土地の広さやそこに建てられる家の規模を把握しておくことは大切(画像/PIXTA)

100坪の土地にはどんな家が建てられる? 土地選びのポイントは?

どんな家が建てられる?

「建ぺい率と容積率にもよりますが、100坪の土地があれば一般的にはかなり広めの一戸建てを建築することが可能です。間取りの選択肢も幅広く、4LDK〜5LDKの平屋や二棟つながった二世帯住宅を建ててもスペースにゆとりがあります。趣味のための部屋や書斎など、限られた面積に家を建てるときには優先度が低い部屋も、ライフスタイルに応じて取り入れやすいといえます」(木本さん、以下同)

100坪の土地に家を建てた場合、建物以外の部分も広く確保できる場合が多く、車が3台以上停められる広い駐車場を設けたり、敷地内に小さな店舗や事務所を置くことも可能です。

戸建て住宅の外観の写真

広い土地を購入したら、建物以外の広いスペースをどう使うかがポイントになる。維持費も考慮して計画を立てると良い(画像/PIXTA)

建ぺい率と容積率

注文住宅を建てる際には、建てられる建物の広さを把握する上で建ぺい率と容積率について知っておいたほうが良いでしょう。
建ぺい率とは、「敷地面積(土地全体の広さ)に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合」のことをいいます。一方、容積率とは、「敷地面積に対する3次元空間の割合」を算出し、制限するための基準のことです。これらによって、敷地の中にどれくらいの規模の家を建てられるかが決まってきます。容積率は市区町村ごとに定められています。

「例えば、建ぺい率が50%の100坪の土地に総2階の50坪の家を建てる場合、1階が25坪、2階が25坪となり、地面に接している1階部分の面積が25坪という計算になります。そうすると、建物以外の土地の面積は残り75坪となり、この部分に庭や駐車場をつくることになります。また、100坪の土地で容積率が100%だと総面積が最大100坪の一戸建てを建築することが可能という計算になります」

その土地の建ぺい率と容積率を把握し、建てることができる家の規模を確認することが大切です。

建ぺい率を説明するイラスト

建ぺい率によって建てられる家の大きさは異なる。どんな家を建てるか決める上で建ぺい率を踏まえておくと良い(図/SUUMO編集部作成)

土地選びのポイントは?

「地域にもよりますが、100坪以上の広い土地となると売りに出される機会はそれほど多くはありません。もともと農地だった広い土地などを分譲して売りに出すケースもあるため、100坪以上を求めている場合は2区画分の土地を購入して広い家を建てる方もいます。特に市街地や住宅地で100坪以上の土地を探す場合は、期間に余裕を持って土地探しをすることをおすすめします。また、造成が必要な土地や重機が入りにくい特殊な土地の場合、プラスアルファの工事費用が発生する可能性もあります」

土地によっては建てられる建物の高さなどに制限が設けられている場合があります。制限の有無は自治体のホームページ等で確認することができます。

資料を見ながら相談する人の写真

広い土地を探す場合は、期間に余裕を持って探したほうが良い。理想の土地が見つかるまで数カ月以上かかるケースも珍しくない(画像/PIXTA)

100坪の土地に住宅を建てるメリット・デメリット

100坪の土地があれば大人数の家族でもゆったりと暮らすことができ、間取りの自由度もかなり高いといえます。しかし、広い土地にはメリットだけでなくデメリットも存在します。良いところも悪いところも知った上で土地探しを始めましょう。

メリット

「建ぺい率や容積率にもよりますが、ライフスタイルに合った広い家を建てることができるのが大きなメリットだと思います。間取りの自由度も高く、家族一人ひとりに自室をつくっても余裕があります。また、将来的に両親が住む家を敷地内に建てたいと計画し、スペースを確保しておく人もいます」

建物以外の屋外のスペースを十分に確保することができるため、家庭菜園やガレージ、洗濯物干し場などさまざまな用途に使用することができます。また、大型犬など運動量が多いペットを飼育していたり、小さなお子さんがいるファミリーにとっても広大な土地はメリットが多いはずです。

中庭の写真

L字型、コの字型の住宅を建てて、外から見えにくい中庭をつくるプランも人気(画像/PIXTA)

また、日照に関するメリットもあります。日当たりを確保しやすいという点は広い土地の強みです。

「土地に対して北と南のどちら側が道路に面しているかによって家の日当たりが変わってきます。最も安定した採光を確保するには南側が道路に面していた方が良いのですが、100坪の土地があれば広めの庭をつくることができるため、北側に道路があっても十分に日当たりを確保した家をつくることが可能です」

デメリット

次に、デメリットについても解説します。

「広い建物や庭の維持に手間やコストがかかることです。土地面積が広いということは、それだけメンテナンスをしなくてはいけない場所も増えます。維持費に関してもあらかじめ計算しておいたほうが良いでしょう」

土地が広いことで外構費用が高くなる傾向があります。どのような設備にするかにもよりますが、塀や囲い、フェンスの材料費と工事費がいくらくらいかかるのかも計算し、予算に含めて検討しましょう。広い庭は開放感がありますが、一方でコンパクトな住宅に比べると、庭が外から見えやすいという特徴があります。捉え方によってはメリットになるかもしれませんが、防犯やプライバシーを守ることを優先するなら、塀や庭木などで目隠しをしたほうが良いかもしれません。

また、固定資産税などの税金も広さに応じてかかってくるので事前に確認しておきましょう。

庭の手入れをする人の写真

土地が広い分、庭木や芝の手入れにも時間と手間がかかる傾向がある。こまめに手入れができるか考慮した上で取り入れるのがおすすめ(画像/PIXTA)

100坪の土地におしゃれで快適な家をつくるには?

アウトドアを楽しめる広い庭をつくる

「整備された広い庭を活用し、バーベキューやスポーツを楽しむこともできます。バスケットコートを設置したり、芝生を敷き詰めたりと趣味に合わせて庭のカスタマイズを楽しんでみてはいかがでしょうか」

庭の雑草対策として、建築段階でコンクリートや砂利を敷いてしまうという選択肢もあります。ライフスタイルや家族の趣味に合わせて庭づくりを計画しましょう。

住宅の庭にテントを張っている写真

庭にテントを張ったりハンモックを設置したりして、おうち時間を楽しむこともできる(画像/PIXTA)

大きなビルトインガレージを設ける

建物の一部を車の格納スペースにするビルトインガレージ。100坪の土地を使い、車を2台以上置けるゆとりのあるガレージを設けることも可能です。

「ビルトインガレージは車やバイクが好きな方に人気です。愛車を格納して眺めたり、メンテナンスの時間を楽しんだり、ただの車庫として使うだけではなく趣味の空間として取り入れたいというニーズも多いです。
よくイメージされるビルトインガレージのある家の構造は、限られた面積を有効活用するために建物の地下や1階部分にあり、上階には居住空間を設置するというものだと思います。
しかし100坪以上の土地を有していれば、平屋の一部にビルトインガレージを設けるなど、必ずしも上階に居住空間を設けない構造にすることもできます」

車庫で趣味を楽しむ人の写真

単なる車庫としてではなく、趣味を楽しむ空間として活用できるビルトインガレージ。盗難防止の効果もある(画像/PIXTA)

土間を設けて開放的な雰囲気に

「広い面積を活かして家の入口部分などに土間を設けることもできます。和の雰囲気を取り入れたおしゃれな家になるでしょう」

和モダンな雰囲気を演出できるほか、収納面でも便利な土間。自転車やベビーカーなど屋外で使用しているけど家の中で管理したいものをしまっておくのにぴったりです。

入口に土間を設けた住宅の写真

入口に土間を設けたモダンな住宅。開放感があり出入りもしやすい(画像/PIXTA)

店舗や事務所併用の家にする

「住宅の一部を店舗にしたり、家の外に小屋を設置して事務所にしたりすることも可能です。雑貨店やエステサロンなどを家の敷地内で営む人もいます」

自家用車の駐車場とは別にお客さま専用の駐車場を設ける場合、建築段階から計画しておくと良いでしょう。車1台あたりおよそ5坪の面積が必要です。

住宅内に作ったアトリエの写真

住宅の1階部分や屋外のスペースを利用して店舗やアトリエを併設することもできる(画像/PIXTA)

参考記事→
便利でおしゃれな小屋を設置したい!費用や使い方をプロが徹底解説

バリアフリーに配慮した設計にする

「親世帯と一緒に住んだり、小さなお子さんがいる家庭ではバリアフリーを取り入れた家が人気です。屋外から家に入る動線にスロープを設けたり、少し広めの玄関や水まわりにしたり、バリアフリー設計にするためには面積にゆとりが必要です」

面積に余裕があるなら、将来を見据えてバリアフリー設計にしようと考える人もいます。そういった背景から、広い土地を活かして段差のない大きめの平屋にするという選択肢もあります。

バリアフリー住宅で車いすで過ごす人の写真

バリアフリーにすることで、家族全員が快適に暮らすことができる。現在は必要なくても将来を見据えて取り入れる人も多い(画像/PIXTA)

100坪にどんな家を建てた?先輩たちの実例紹介

100坪の土地に注文住宅を建てた先輩たちの家づくりもヒントにしてみましょう。ライフスタイルに合わせたさまざまなこだわりや工夫を取り入れた素敵なマイホームの実例を紹介します。

【case1】車椅子もスムーズに移動できるバリアフリーの平屋

長男の小学校入学を控え、家づくりをスタートしたAさん。約328㎡の土地に、バリアフリーの平屋を建築しました。バリアフリーにした理由は、車椅子を使用している長男と夫婦の将来を見据えてのこと。家の中はすべて引き戸にし、車椅子でもスムーズに移動できるようにしました。廊下や浴室、トイレも広めに設計し、家族全員がのびのびと快適に過ごせる家が完成。設備も最新のものを揃え、住み心地は抜群です。

動線を意識した間取り図

家族みんなが顔を合わせやすい動線を意識した間取り。玄関のすぐ横にキッチンを設け、家族の出入りがあればすぐに分かるようにした(図/SUUMO編集部作成)

開口部の広いバスルームの写真

3枚引き戸にして開口部を広げたバスルーム。車椅子での乗り入れもスムーズ(撮影/和田真典)

この実例をもっと詳しく→
ランニングコストを抑え、将来を見据えたバリアフリーの平屋暮らし

【case2】猫と共に暮らす動線が便利な平屋

猫を家族に迎えたことをきっかけに家づくりに踏み切ったKさん。約120坪の土地を購入し、3LDKの平屋をつくりました。平屋を建てるために広い土地を探したものの、すぐには予算内でちょうど良い土地が見つからず土地探しに1カ月半ほど時間がかかったそうです。中庭を囲むように部屋を配置して家事動線にもこだわったほか、来客と家族の動線を分けるなど家族のプライバシーを守る工夫をしました。さらに、猫と人間の動線も分け、猫が入れないエリアもつくりました。家族もペットも快適に暮らせるこだわりの一軒家が生まれました。

中庭を家の中央に配置した間取り図

外から見えないプライベートな中庭を家の中央に配置。バーベキューも楽しめる(図/SUUMO編集部作成)

幅の広い廊下の写真

廊下の幅は90cm以上に設計。家の中をぐるりと周る動線のため、廊下にもゆとりを持たせた(撮影/ご本人)

この実例をもっと詳しく→
中庭を囲んで一周できる動線が快適な暮らしをかなえた平屋の住まい

【case3】将来を見据えて建てられた総レンガ造りの邸宅

377㎡の土地に4LDKの一戸建てを新築したMさんファミリー。どこに建てるかよりも、広さを含め、建物自体にお金をかけたいと考えて家づくりをスタートしたそうです。こだわったのは総レンガの外壁。メンテナンスがほぼいらず、年数が経つほどに味わい深くなるのが魅力です。
将来的に家族が増えることを見据えて部屋数も多めに用意しました。そのうちの一つは、間仕切りを設けて2部屋に分けられるよう工夫した設計になっています。家族が長く住める理想の家は、Mさんたちの笑顔で溢れています。

庭に広く設けた駐車場の写真

庭に広く設けた駐車場では、休日に洗車を楽しんでいるというMさん。家の裏にも広いスペースがあり、キャッチボールや自転車の練習もできる(撮影/加藤淳史)

この実例をもっと詳しく→
星がきれいな街で、家族仲良くのんびり暮らしたい

【case4】家族の暮らしやすさを重視した4LDKの平屋

結婚を機に注文住宅を建てたYさんご夫婦。約307㎡の土地に、木のぬくもり溢れる4LDKの平屋をつくりました。階段がなく上下移動がないため移動もスムーズ。どの部屋にも行きやすくストレスフリーで生活できます。夫婦で調理ができる広めのキッチンスペースや、客間として重宝している和室など、ゆとりのある間取りを実現しました。ダイニングのカウンターは将来的には子どものスタディーコーナーにするなど、家族のライフスタイルの変化に柔軟に対応できる住まいになっています。

キッチンで料理をする夫婦の写真

夫婦で一緒に調理ができるキッチン。台の高さも夫婦の身長に合わせて差を設けた(撮影/池田大輔)

この実例をもっと詳しく→
体に優しく豊かな暮らしをかなえる、自然素材の家

スーモカウンターに相談してみよう

100坪以上の土地があれば、間取りの自由度が高く、ライフスタイルに合った家を建てやすくなります。しかし、選択肢が多いことにより悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。スーモカウンターでは注文住宅の新築や建て替えについてのご相談を随時受け付けています。
お客さまのご要望をお聞きして、依頼先を提案、紹介します。家づくりの基本からお金のことまで専門知識を持ったスタッフがアドバイスするので不安や疑問があれば何でも聞いてください。注文住宅に関する知識を深めるための無料の講座も開催中です。家族が暮らしやすい理想の家にするため、一緒に考えていきましょう。

取材協力

広島建設 - セナリオハウス -
木本誠也さん

取材・文/佐藤 愛美(りんかく)