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注文住宅の家づくり、何から始めた?流れ、必要な期間、まずやるべきことを経験者に聞いた

憧れのマイホーム。理想の住まいを求めて注文住宅を検討する人は多いでしょう。注文住宅は自由度が高く、内装や間取りなどを自分の好みに合わせてカスタマイズできるのが魅力です。

しかし、建売住宅と比べて引き渡しまでの期間が長く、契約手続きや打ち合わせが多いため、計画的に進めることが重要となります。注文住宅を建てたいけれど、どこから始めたらよいのかわからない場合は、経験者の意見を参考にするとよいでしょう。

そこで今回は、注文住宅を建てた経験者からのアドバイス、注文住宅の流れや必要な期間、注意すべきポイントを紹介します。満足のいく注文住宅を手に入れるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

目次

注文住宅はどのような流れで進めるの?

効率よく注文住宅を建てるためには、全体の流れを把握しておくことが重要です。注文住宅のプロセスは大きく9つの段階に分けられます。各段階ごとの期間の目安は以下のとおりです。

  • 1. 予算を設定する(自己資金/住宅ローンの活用)
    2. 情報収集、家を建てる場所や間取りなど希望条件をまとめる
    3. 土地探し・建築会社探し
    4. 間取りプランの設計・見積依頼・見積比較
    5. 住宅ローンの借入先を検討・選択する
    6. 工事請負契約を結ぶ
    7. 建築会社、ハウスメーカーと建築プランの打ち合わせ・決定
    8. 新築工事の着工
    9. 完成・引き渡し・入居

まず、注文住宅の検討から引き渡しまでの期間は、注文内容によりますが、一般的には約1年~1年半程度かかります。

事前準備から建築会社探し、見積もりまでには約2~3カ月がかかります。次に、契約締結から建築プランの詳細打合せ・決定までには3~4カ月ほど、工事着工から引き渡しまでには約4~6カ月程度が必要です。

土地から探す場合は、希望する土地がすぐに見つからないこともあるため、さらに時間がかかることもあります。

注文住宅の建築を思い立ってから契約までの期間は?

では、家づくりを思い立ってから請負契約を結ぶまで、どのぐらいの期間がかかるのでしょうか。調査結果によると、先輩たちは思い立ってから「3カ月以内」に65.5%が家づくりの活動をスタートしています。多くの人が、住宅展示場に行ったり、不動産会社に土地探しの相談に行ったりと、スピーディーに行動していることがわかります。

思い立ってから活動を始めるまでの期間

思い立ってから活動を始めるまでの期間は「1カ月以内」の33.5%が最も多いです。次いで「2~3カ月以内」32.0%と、多くの人が3カ月以内に活動を始めていることがわかります。

しかし、思い立ってから契約するまでの期間は「半年以内」が51.3%、「半年以上~1年以内」が26.3%で、スピーディーに動き始めたものの、それなりに期間はかかっているという結果に。さらに「1年~2年以内」が17.8%、「3年以上」は4.8%と、かなり長い期間かかってしまった人もいるようです。

思い立ってから契約するまでの期間

思い立ってから契約するまでの期間は「4~6カ月以内」が27.8%、「7~12カ月以内」が26.3%。「1年以上」は22.6%と、長く期間がかかった人も多く見られます。
前述した家づくりの流れの中で、自分たちの努力だけではスムーズに進めにくいのが「土地探し」と「建築会社選び」です。調査結果を見ても、土地がすぐには見つからなかったり、建築会社選びに迷ったりしたことにより、スムーズに家づくりが進められなかったことがうかがえます。

注文住宅の建築の流れは土地あり・土地なしで違う?

注文住宅を建てる際には、土地をすでに持っている場合とこれから土地を購入する場合で、建築までの流れや手続きが異なります。また、ローンの組み方など資金計画にも影響が出るため、事前に情報を整理しておくことが重要です。ここでは、土地がある場合とない場合の家を建てる流れについて説明します。

土地なしの場合の家を建てる流れ

まず、土地探しには、自分で探す方法と注文住宅を依頼する建築会社にお願いする方法の2つがあります。理想の土地を見つけるには、時間や労力だけでなく専門知識も必要です。先に土地を決めると、その土地に合わせた家しか建てられないリスクもあります。自信がない場合は、建築会社にサポートしてもらうと安心です。

土地なしで建てる場合の流れは、土地・建築会社選定から始まり、希望の土地が決まったら現地調査を行います。問題がなければ住宅ローンの事前審査を受け、土地売買契約を締結します。具体的には、以下の手順の流れです。

  • 土地・建築会社選定
  • 希望の土地決定
  • 現地調査
  • 土地購入・住宅ローンの事前審査
  • 土地売買契約の締結

土地ありの場合の家を建てる流れ

土地がある状態で家を建てる場合、土地がない場合に比べて手続きがシンプルです。基本的な流れは同じですが、まずは所有している土地に建物が建てられるかどうか地盤調査を行います。注文住宅を建てたいと思っても、地盤が適していない土地では建てることができないためです。

その後、「注文住宅はどんな流れで進めるの?」で紹介したプロセスに沿って進めます。とくに4の間取りプランの設計・見積依頼・見積比較の段階で、土地の状態や法令の制限を確認することが重要です。この段階で希望する住宅が建築可能かどうかを明確にしておくとよいでしょう。

注文住宅を建てるときは何から始める?まず考えるべき3つのこと

注文住宅を建てるには、多くの工程が必要です。計画なしに始めると、計画が狂ったり、予算が足りなくなったりして後悔する可能性があります。ここでは、注文住宅を建てる前に必要な準備を3つ紹介します。

予算や住宅ローンの借入額を考える

注文住宅を建てる際に最も重要なのは、予算をしっかりと設定することです。予算を決めるためにも、自己資金としてどのくらいの額を用意できるかを確認しておきましょう。ただし、すべての預貯金を使い切るのはおすすめできません。新しい生活や予期せぬ事態に備えるための生活防衛費を確保したうえで、予算を組むようにしましょう。

自己資金だけでは足りない場合、住宅ローンの利用を考える必要があります。しかし、借入額が多すぎると月々の返済が困難になり、最悪の場合は家を手放さなければならないリスクもあります。したがって、毎月の生活費や予備費を試算し、無理のない資金計画を立てることが重要です。

一般的には、年間の返済額が年収の25~35%になる金額が借入額の目安とされています。もし資金計画に無理がある場合は、内装のグレードを下げるなど、建築プランの条件を見直すことで対応しましょう。

理想の家のイメージを家族と話し合う

理想の家といっても、こだわるポイントは人それぞれです。建築会社によっても雰囲気や特徴が異なるため、家族で方向性を決めておかないと会社選びに時間がかかってしまうでしょう。まずは、家族全員でどのような家を建てたいのか、理想の家について話し合っておくことが大切です。

例えば、畳がある落ち着いた和風の家が良いのか、北欧風のシンプルな家が良いのか、イメージを共有することが大切です。すべてのこだわりを取り入れるのは難しいため、どうしても譲れないポイントに優先順位をつけておくと、希望する会社を絞りやすくなります。

さらに、ライフスタイルによって間取りや住む地域の選択も変わってきます。大まかなイメージを家族で話し合った後は、住む場所や地域についても確認しておきましょう。

工務店やハウスメーカーの情報収集を行う

満足のいく注文住宅を建てるためには、工務店やハウスメーカーの選定も重要です。工務店は、一般的に地元に根ざした企業が多く、木造建築を得意とするなど独自の技術を持っています。一方、ハウスメーカーは全国展開していることが多く、自社ブランドを持っており、工期を短縮して住宅を建築できる傾向があります。

情報収集には、住宅展示場や完成見学会に足を運ぶのが効果的です。直接見ることで、外観だけでなく内装や設備も直接確認できるため、イメージがつかみやすくなります。さらに、各社の特徴や強みを一度に比較できることも利点です。

また、短時間で多くの情報を収集したい場合は、SNSやインターネットを活用することも有効でしょう。不動産情報サイトでは、地域に対応した建築会社を一覧で確認できるため、まずはSNSやインターネットを活用して調査をしてみてください。

【編集部が解説】注文住宅建築の際に気をつけることとは?

人生に一度といっても過言ではない大きな買い物で失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここからは、注文住宅を建てる際に注意すべき点について解説します。

家づくりの建築会社や担当者との相性

まずは建てたい家の希望にかなう会社かどうかを確認することが大切です。自分たちが希望するプランを提案してくれる会社を選びましょう。また、担当者との相性も重要です。担当者と連絡が取りにくかったり、話をきちんと聞いてもらえなかったり、質問への返事が遅かったりすると、後々トラブルに発展する可能性があります。

そのためまずは、初めからひとつの会社に絞り込むのではなく、複数の会社に問い合わせてみましょう。自分たちが希望するプランを提案してくれる、親身に対応してくれる担当者がいる会社であれば、安心して任せられます。また、失敗を避けるためには、実績豊富な建築会社や名の知れた会社から選ぶのも良い方法です。

土地選び

土地を選ぶ際は、まずエリアを絞り込むことが重要です。通勤や通学のしやすさ、周囲の環境、子育てのしやすさなど、個々のニーズに応じて選びましょう。

エリアが大まかに決まったら、その土地の用途地域やハザードマップを確認することも重要です。

さらに、図面だけではわからない情報もあるので、現地を訪れて、物件の調査を行いましょう。例えば、治安の良さ、日照条件、近隣住宅の雰囲気などを確認することが大切です。

エリアを絞りきれない場合は、希望する条件に優先順位をつけてみてください。例えば、駅からの徒歩時間、日当たりの良さ、公園の多さなど、条件を明確にすることで、理想の物件を見つけやすくなります。

住宅性能

住宅の性能について理解しておくことも、快適な生活を送るために重要です。ここでは、注文住宅における「断熱性」「気密性」「耐震性」について説明します。

断熱性

断熱性とは、住宅の内部と外部との間で熱が移動してしまうことを防ぐ能力のことです。断熱性が高いと、エアコンの効率が良くなり、省エネ効果が期待できます。

気密性

気密性は、住宅の隙間を少なくして、室内と外部の空気の出入りを抑える性能です。隙間が多い住宅では、外からの空気が入り込み、室内の熱が逃げてしまいやすくなります。反対に気密性が高い住宅は、外気の影響を受けにくく、室内の温度を快適に保てます。

耐震性

耐震性は、地震に対する強さを示す性能です。耐震性の高い住宅は、家の耐久性が高く、地震による倒壊を防いでくれます。

これらの性能は、快適で安心な住まいを実現するために欠かせない要素です。

住宅ローンの返済計画

住宅ローンを組む際は、無理のない返済計画を立てることが重要です。現実的な支払い計画を立てないと、住宅ローンの支払いが滞り家を手放さざるを得なくなったり、老後の生活が苦しくなったりするリスクがあります。

一般的に、住宅ローンを組む金額は世帯年収の15~20%であれば、ゆとりのある生活が送れるとされています。さらに、住宅購入費の全額をローンでまかなうのではなく、購入資金の80%ほどをローンでまかなえれば理想でしょう。実際、国土交通省が発表したデータでは、土地を購入した注文住宅新築世帯の自己資金率は30.6%となっています。

また、住宅ローンの金利プランには、変動金利、固定金利、全期間固定金利の3種類があるため、自分に合ったプランを選ぶようにしましょう。ただし、住宅ローンの目安だけで返済額を決めるのはおすすめできません。自分に合った借入先やライフプランを考慮して、無理のない返済計画を立てることが重要です。

【実例紹介】注文住宅のスムーズな建て方は?

調査結果からわかった、期間がかかりがちな「土地探し」と「建築会社選び」。そこで、この2つをスムーズに進めたことで、思い立ってから約1年でマイホームを建てた先輩の実例を紹介します。

【case1】土地探しもサポートしてもらえる会社と、こだわりの家を建てた

Oさんは家を買おうと思い立ち建売住宅の見学に行ったものの、“理想の家”には出合えなかったそう。注文住宅なら間取りもデザインも自分たちのこだわりを活かせるのでは?と考え、アドバイザーが客観的な立場から、要望に合う建築会社を紹介してくれるスーモカウンターへ相談に行きました。

スーモカウンターで紹介された建築会社のうち、概算費用が予算内だった2社にプラン提案を依頼。そのうちの1社から希望条件にぴったり合う土地を提案され、土地と建築会社を決定しました。インテリアや間取りなど細部までこだわった家を、家づくりを始めてから約1年で手に入れた実例です。

ナチュラルモダンのインテリアが印象的なお住まい

ナチュラルモダンのインテリアが印象的なお住まい。建築会社の担当者のアドバイスにより気密・断熱性も充実、快適な住み心地にもとても満足している(写真/相馬ミナ)

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憧れのナチュラルモダンな家がスムーズに完成!

【case2】アドバイザーのアドバイスを参考にして、信頼できる会社を素早く選べた

Hさんは子どもの入学前にはマイホームを建てたいと思い、建築会社探しをスタート。2~3カ月かけて近所の住宅展示場や工事現場にも足を運びましたが、自分たちだけではどの会社が良いか判断できず、家づくりが一旦止まってしまったそうです。

そんなとき、買い物に出かけた先でスーモカウンターを見つけて相談。紹介を受けた4社のうち、ガレージのある間取りを提案してくれた建築会社を気に入り、決定しました。その建築会社が見つけてくれた土地を購入し、間取りの詳細プラン決めをスタート。スーモカウンターに相談してから約8カ月で家を建てることができた実例です。

LDKとバイクガレージの写真

南面に大きな掃き出し窓を設けた明るいLDKは、外断熱の効果で冷暖房の効率が良く、家族みんなで快適に過ごせる。1階には念願のバイクガレージも実現した(写真/河波隆博)

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明るい室内とバイクガレージ、外断熱で快適な家

【case3】募る不安をアドバイザーが解消してくれた

Nさんは、長年の夢であったマイホームを建てるために、たくさんの情報を集め、週末には住宅展示場を訪れ、多くのカタログを手に入れていました。しかし、失敗したくないという思いから不安とストレスが募り、どのような家が良いのかわからなくなってしまったそうです。

そんな中、プロの意見を聞いてみようと思い立ち、Nさんはスーモカウンターを訪れました。そして、Nさんの希望を聞き取って建築会社を紹介してもらい、自分の希望が明確になったうえ、プロの意見を取り入れた間取りに大満足したそうです。その後、間取りの詳細も次々と決まりました。

開放的なリビングの写真

天井を高くして開放的なリビングに。茶色の木材塗装はインテリアに合わせて雰囲気も変えやすい(写真/古石真由弥)
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増えていく見積もりに対する不信感にサヨウナラ。スーモカウンターで新たな出会い

【case4】共働きで忙しくてもアドバイザーが冷静なアドバイスを

Mさん夫妻は共働きのため、家を買うことを決めていましたが、忙しくて話し合う時間が取れず、計画が思うように進んでいませんでした。建築会社や土地選びには時間が必要で、焦っていたところ、スーモカウンターを見つけて相談することに。

資金計画や希望条件について夫婦の意見がまとまっていなかったものの、アドバイザーが客観的な立場から大まかな流れやプランを提案してくれました。その提案をもとに夫婦で意見を出し合い、予算の範囲内で3社の建築会社を紹介してもらうことに。

その後、担当者とともに提案された間取りを確認し、気に入ったため契約しました。これにより、止まっていたマイホームの計画が一気に進み、スーモカウンターを利用して効率的に注文住宅を建てることができた実例です。

飾り棚の写真

木材とアイアンを組み合わせた飾り棚は施工会社が取り付けてくれたもの。あえて食器棚を置かないことで、圧迫感の出ない空間に(写真/本美安浩)
この実例をもっと詳しく→
忙しい共働きだけれど、慎重に会社選びを進めることができた!

注文住宅の建築でお悩みの方はスーモカウンターにご相談を

家づくりを自分たちだけで進められるか不安な人はもちろん、土地探しから始める人、建築会社選びでつまずいた人、こだわりを実現したい人や入居時期に希望がある人も、スーモカウンターのようなサポートサービスを活用するのもひとつの方法です。サービスを上手に活用して、スムーズかつ満足できる注文住宅を建てましょう。

<調査概要>
「注文住宅3年以内建築者調査」(リクルート調べ)
調査協力:楽天インサイト
調査実施:2022年8月
調査方法:インターネット調査 対象者:3年以内に注文住宅を建築した25歳~44歳の全国の男女
有効回答数: 400名(うち、男性191名・女性209名)

取材・文/山南アオ、SUUMO編集部

取材・執筆/山南アオ