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窓サッシの種類とそれぞれの特徴は? 材質によって違いはあるの?

窓サッシの種類とそれぞれの特徴は? 材質によって違いはあるの?

住まいのデザインや採光・通風などで大きな役割を担う「窓」。その窓を構成するサッシとは何なのか、どのような種類があるのか、それぞれのメリット・デメリットは? サッシの材質の違いによる種類と特徴について、YKK APの南雲歩さんと、一般社団法人 日本木製サッシ工業会の会長であるタミヤ株式会社の民谷浩二さんに話を聞きました。

窓サッシとは?

窓サッシとは、窓を建物に取り付けるための枠と、ガラスフレームです。

窓の構成

窓は、窓ガラスとサッシ=枠+ガラスフレームで構成されている(イラスト/杉崎アチャ)

窓の断面構造

ガラスにもいろいろな種類がある。上の画像の複層ガラスは、スペーサーによりガラスとガラスの間に一定の間隔を保つ中空層が設けられている。どんなガラスとどんな材質のガラスフレームを組み合わせるかで、窓の断熱性は大きく変わる(画像提供/YKK AP 画像作成/SUUMO編集部)

窓サッシの役割

窓自体には、光を通す役割(採光)、風を通す役割(通風)、視線を通す役割(透視)などがあります。また、建物の外観デザインでも大きな役割を果たします。
このように重要な役割を担う「窓」の中で、建物に取り付けるための枠と、ガラスフレームがサッシです。

「窓ガラスと同様、窓フレームによっても窓の機能性が変わってきます。特に材質や構造の違いが、断熱性に影響を与えています」(南雲さん)

窓サッシにはどんな種類がある?

素材による窓サッシの種類

窓サッシには、素材によって次のような種類があります。

●アルミサッシ:アルミ素材のサッシ
●樹脂サッシ:樹脂素材のサッシ
●アルミと樹脂の複合サッシ:室外側はアルミ、室内側は樹脂素材のサッシ
●木製サッシ:木製のサッシ

窓サッシの価格比較

「窓の素材の種類としては、アルミ→アルミ樹脂複合→樹脂の順に断熱性能が高くなり、それに比例して価格も高くなります」(南雲さん)

「木製サッシは、メーカーや商品にもよりますが、アルミサッシの約1.5~3倍程度の価格です」(民谷さん)

価格は窓種やサイズによっても異なるが、目安としてアルミサッシ→アルミ樹脂複合窓→樹脂窓→木製サッシの順に高くなる(画像提供/YKK AP、タミヤ株式会社 画像作成/SUUMO編集部)

素材による窓サッシの価格比較(画像提供/YKK AP 画像作成/SUUMO編集部)

窓サッシのデザインバリエーション

窓には、一般的な左右の障子(戸)をスライドして開閉する引違い窓や、室外側あるいは室内側にスイングして開閉する窓、開閉できないように固定されたFIX窓などさまざまなタイプがあり、サイズやデザインバリエーションも豊富です。

また、配置の仕方や組み合わせ方によって、デザイン性の高い外観や内観を設計することも可能です。

丸いFIX窓

樹脂窓の丸いFIX窓を曲線状に配置(画像/YKK AP)

正方形のFIX窓

樹脂窓のスクエアFIX窓を縦横に9つ配置して、箱型の外観を強調(画像/YKK AP)

樹脂製の横スリットすべり出し窓

樹脂窓の横スリットすべり出し窓を3つ並べて和モダンなイメージに(画像/YKK AP)

FIX窓・すべり出し窓・引違い窓を組み合わせたリビング

サイズの異なるFIX窓、すべり出し窓、引違い窓を組み合わせてスタイリッシュな内観に。窓は全てアルミ樹脂複合窓(画像/YKK AP)

木製サッシを使用した窓

木製サッシにもさまざまなバリエーションがある(画像/タミヤ株式会社)

アルミサッシのメリット・デメリットは?

アルミサッシのメリット

「アルミサッシのメリットは、加工しやすく、軽くて、サビにくい点です。これらのメリットにより、高度経済成長期に大量生産されました」(南雲さん)

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アルミサッシは、加工しやすく、軽くて、サビにくい(画像/YKK AP)

アルミサッシのデメリット

「樹脂よりも約1,400倍も熱を伝えやすく断熱性で劣る点、結露しやすい点がデメリットです」(南雲さん)

住まいの断熱性が低いと、ヒートショックの原因になります。また、結露は、カビやダニの温床になり、住宅の建物寿命を縮めたり、住む人の健康に悪影響を与えたりする可能性があります。

結露したアルミサッシ

アルミサッシは結露しやすい(画像/PIXTA)

樹脂サッシのメリット・デメリットは?

樹脂サッシのメリット

「断熱性能が高い点が大きなメリットです。素材として熱を伝えにくいだけではなく、枠やガラスフレームを複雑な構造にして空気の部屋をつくり、さらに断熱性を高めています。断熱性が高いため、結露しにくい点もメリットです」(南雲さん)

樹脂サッシに使用されている樹脂は塩化ビニル(PVC)で、劣化、変色しにくく、強くて長持ちという特徴があるそう。カラーバリエーションも豊富で、商品によっては木目調のものもあります。

樹脂サッシの断面

窓枠の構造を複雑にして中空層をつくり、断熱性を高めている(画像/YKK AP 画像作成SUUMO編集部)

樹脂サッシのデメリット

「アルミやアルミ樹脂複合に比べて価格が高い点があえて言うならデメリットでしょうか」(南雲さん)

アルミ樹脂複合サッシのメリット・デメリットは?

アルミ樹脂複合サッシのメリット

「アルミサッシよりは断熱性が高く、室内側が樹脂になっていて結露しにくい点がメリットです」(南雲さん)

アルミ樹脂複合サッシの断面

室内側が樹脂、室外側がアルミという複合構造になっている(画像/YKK AP)

アルミ樹脂複合サッシのデメリット

「価格はアルミに比べると高くなります。ただし、樹脂と比べると価格が抑えられるため、断熱性・機能性と価格のバランスは悪くありません」(南雲さん)

木製サッシのメリット・デメリットは?

木製サッシのメリット

「木製サッシには、天然素材ならではの温もりが感じられます。住宅の外観やインテリアと調和した高いデザイン性もメリットです。断熱性も高く、素材だけに注目すれば、樹脂サッシよりも高い断熱性を誇り、結露しにくいという特徴があります。

また、大量生産を前提としているアルミや樹脂のサッシと異なり、希望のサイズに柔軟に対応できるため、大開口の窓を実現できる点もメリットです。製造段階で放出される炭酸ガス量もきわめて小さく、地球環境に優しいサッシということができます」(民谷さん)

●材質による熱伝導率の比較

材種 熱伝導率(W/m・K)
木材 0.09~0.19
塩化ビニル 0.18
40
アルミニウム 175

熱伝導率が低いほど断熱性は高いため、木材の断熱性の高さがわかる。

出典:一般社団法人 日本木製サッシ工業会 Webサイト

木製サッシの窓の実例

木製サッシは、大開口へも対応できる(画像/タミヤ株式会社)

木製サッシのデメリット

「木製サッシは天然素材のため、どうしても風雨や紫外線に晒されると劣化します。そのため、塗料によって保護していますが、約3~5年ごとに塗装し直すなどの、メンテナンスは欠かせません。

また、アルミサッシや樹脂サッシよりも価格が高い点もデメリットといえるかもしれません」(民谷さん)

窓サッシにこだわった住まいを建てた先輩たちの事例を紹介!

スーモカウンターで、窓サッシにこだわって住まいを建てた先輩たちの事例を紹介します。その人たちが、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

【case1】グリーンの外壁にホワイトサッシ、可愛らしい外観が特徴的な家

老後も暮らしやすい理想の平屋を建てることを決意したKさんは、スーモカウンターに相談することにしました。Kさんの希望は「ローコスト住宅」と「できれば女性の担当者がいい」の2点。アトピーと喘息、アレルギーがあると話すと、自然素材を使った会社を紹介されました。最終的に、健康住宅というコンセプトを掲げ、誠実に対応してくれた会社に依頼を決定。

完成したのは、床はむく材、壁は漆喰を採用し、ウイルス不活性化の工夫を施した健康配慮住宅。ウッド調のグリーンの外壁にホワイトサッシ、二層の屋根が重なる外観も気に入っています。

Kさんが建てた注文住宅の外観

白いサッシが外観のアクセントになっている(写真/Kさんご本人)

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【case2】高気密・高断熱にこだわったオール樹脂サッシが標準仕様の家

住まいづくりをスタートしたKさんは、すぐに希望する性能とコストのバランスのとり方がわからなくなり、迷ってしまいます。そんなとき、スーモカウンターのことを知り、個別相談に行くことに。高気密・高断熱の家づくりにこだわりのある会社のうち、価格帯の違う2社を紹介してもらいました。

比較検討を重ね、最終的には性能面で少しだけ妥協して、予算に近いほうの会社を選択。オール樹脂サッシなど、高気密・高断熱仕様の建材が標準仕様であることも決め手になったと言います。

Kさんが建てた注文住宅の外観

オール樹脂サッシが標準仕様だったことも決め手の一つ(写真/Kさんご本人)

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【case3】断熱効果で光熱費を節約できる複層ガラスの樹脂サッシを採用

結婚を機に家を建てることにしたSさん夫妻。今後の流れを聞く軽い気持ちで訪れたスーモカウンターで、具体的な相談をすることになりました。そこで、自身の希望を伝え、条件に合う3社の建築会社を紹介してもらい、最終的には固定金利でローンが組める会社に依頼することに。

完成した家はいわゆるゼロエネルギーハウスで、屋根には約100万円をかけてソーラーパネルを設置。すべての窓には、防音性にすぐれ、結露も付かない複層ガラスの樹脂サッシを採用。断熱効果で光熱費がかなり節約できると大満足です。

樹脂サッシの実例

すべての窓は複層ガラスの樹脂サッシを採用している(写真/相馬ミナ)

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【case4】オール樹脂サッシのトリプルガラス、機能性の高さが自慢の家

息子さんの関西赴任を機に、近くで暮らす両親の実家を二世帯住宅に建て替えて一緒に暮らすことにしたIさん。早速、最寄りのスーモカウンターを訪問し、希望に合う建築会社を6社出してもらい、各社の特徴を聞きながら最終的には3社に絞り込みました。

最終的に依頼する1社の選定にあたっては、オール樹脂サッシのトリプルガラスを扱っていた点が決め手になりました。

複層ガラスは普通だと感じたが、トリプルガラスになるという点に魅力を感じたIさん。防寒、防音に加えて、防犯にもなる点がポイントだったと言います。完成した二世帯住宅は、冬も暖かく、結露がほぼ付かないそうです。

樹脂サッシの実例

オール樹脂サッシのトリプルガラスに魅力を感じた(写真/相馬ミナ)

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【case5】担当者のアドバイスで気密性の高いサッシを採用し、快適な住まいが完成

結婚が決まり建売住宅を見学したものの、イメージに合わず躊躇していたOさん。そんなとき、スーモカウンターを知り訪問することにしました。Oさんの希望は、プライベートな時間をゆったり過ごせる、広いリビングのあるナチュラルモダンな家。

複数の会社と打ち合わせを実施して、施工例が理想的だった会社のうち、費用の概算が予算内だった2社に絞り込みました。最終的には、その内の1社、希望エリアでスピーディに土地を見つけてくれた会社に依頼することに。

完成した新居は、担当者のアドバイスで気密・断熱性も充実し、冬場も過ごしやすい快適な住まいになりました。気密性の高いサッシと外断熱で室内は快適と、大満足です。

気密性の高いサッシの実例

気密性の高いサッシを採用。高気密・高断熱の理想の住まいが完成した(写真/相馬ミナ)

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窓サッシを選ぶときのポイント

最後にあらためて南雲さんと民谷さんに、窓サッシを選ぶときのポイントを聞きました。

「窓は、ガラスと窓フレーム、それぞれの特徴を考えて選ぶのがおすすめです。同じ樹脂窓でも、ガラスが2枚の複層ガラスや最も断熱性能の高いガラスが3枚のトリプルガラスがあります。断熱性能が高くなるほど、価格は高くなりますが、家の断熱性を確保することは健康で快適な生活をおくる上で重要な要素です。また、初期費用はかかっても、断熱性が高いと光熱費が節約できるのでランニングコストは抑えることができます。ご予算に応じて最適な組み合わせを選ぶといいでしょう」(南雲さん)

「窓サッシを検討する際に、断熱性や意匠性は重要なポイントとなります。また、大開口への対応など、住まいへのこだわりに応じて選ぶのがおすすめです。最近はSDGsが話題ですが、地球環境に優しいかどうかという視点で選ぶのも、いいのではないでしょうか」(民谷さん)

スーモカウンターに相談してみよう

「どうやって進めたらいいのかわからない」「窓や窓サッシはどうやって選べばいいの?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望を叶えてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりのダンドリや、会社選びのポイントなどが学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合せください。

取材協力/

YKK AP株式会社

一般社団法人 日本木製サッシ工業会

取材・文/福富大介(スパルタデザイン) イラスト/杉崎アチャ