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インテリアに植物を取り入れた住まいづくり。家の中で育てやすい植物の種類は?

家に植物を取り入れると、日々の暮らしの中で癒やしを感じることができます。インテリアとして飾ることができ、住まいをおしゃれな雰囲気にしてくれるのも植物のよいところ。NHK Eテレで放送中の「趣味の園芸」で講師を務める三上真史さんのお話をもとに、注文住宅の室内やベランダに植物を取り入れる際のポイントやおすすめの種類について紹介します。

注文住宅に取り入れることができる植物のタイプは?

住まいにはどのような植物を取り入れることができるでしょうか。5つのタイプに分類して解説します。

鉢植え

鉢に植物を植えて育てる方法です。日当たりや気候に合わせて置く場所を移動できるのがメリットです。

「複数の鉢植えを組み合わせる、『寄せ鉢』というアレンジも人気です。おしゃれな鉢カバーを採用すると、空間のアクセントにもなります」(三上さん、以下同)

植物の画像

置きたい場所の環境に合った性質を持つ植物を選ぶとよい(画像/PIXTA)

切り花

切り花とは、花や蕾(つぼみ)などを枝や茎、葉と共に切り取ったもの。生花(せいか、いけばな)とも呼ばれています。また、花ではなく、葉や枝だけのものを「葉もの」「枝もの」といい、グリーン系のアレンジメントによく採用されます。
水を入れた花瓶に生けるのが切り花の一般的な楽しみ方です。花瓶の形状に合わせて茎を切って調整すると、美しく飾ることができます。

切り花の写真

さまざまな種類の植物を気軽に組み合わせて飾ることができる切り花(画像/PIXTA)

ハンギング

ハンギングプランターで植物を吊るして育てるという方法もあります。天井や壁に植物を吊るすことで、植物がインテリアの一部となって印象的な空間になります。天井や壁にフックを取り付けたり、天井の梁(はり)を活用して植物を吊るす手法が人気です。

つるしている植物の写真

吊るすことで通気性がよくなり、虫やカビの発生を予防できるメリットも(画像/PIXTA)

ドライフラワー

花、葉、果実などを乾燥させてつくるドライフラワー。花瓶に生けたりリースにアレンジするなど、さまざまな楽しみ方があります。壁やドアなどに飾るスワッグにするのもおしゃれです。生花にはないアンティークな色味が魅力です。水やり不要で時間が経っても飾っておける点もドライフラワーのメリットといえます。

ドライフラワーの写真

ドライフラワー特有の雰囲気で空間をおしゃれに演出できる(画像/PIXTA)

地植え

屋外で植物を育てたい場合は、鉢植えか地植えの方法があります。地植えとは、地面に直接植物を植える手法のこと。庭付きの注文住宅であれば、地植えでガーデニングを楽しんだり、玄関のアプローチに植栽を取り入れることができます。また、中庭や玄関の前などにシンボルツリーを植えると日々の生活の中で木の成長を楽しむことができます。

地植えの写真

地植えにすると植物を大きく育てやすい(画像/PIXTA)

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注文住宅に植物を取り入れるメリット・デメリット

メリット

注文住宅の中に植物を取り入れると、植物の姿が空間のアクセントになったり、空気が綺麗になったりとさまざまなメリットがあります。

「住まいの中に取り入れる植物は『育つインテリア』とも捉えることができます。通常のインテリアは時間の経過と共に変化しませんが、植物は手をかけることで大きく育ち、姿を変えていきます。そして、植物がその環境に適応する馴化(じゅんか)を楽しむこともできます。本来は熱帯地域に生息する植物を寒冷地域に馴化させることもできます。そのためには後述する適切な世話が必要ですが、育てていくうちに植物が強くなっていく姿を見ると達成感を味わえます」

住まいの中でやすらぎを得られるだけでなく、喜びや面白さを感じることができるのも植物を育てることの魅力。植物には数多くの種類と育て方があり、一生かけて楽しめる趣味になるかもしれません。

植物のある部屋で伸びをする人の写真

植物を家の中に取り入れることで、より豊かで心地よい暮らしを実現できる(画像/PIXTA)

デメリット

住まいに植物を取り入れることにはたくさんのメリットがありますが、デメリットについても正しく知っておいたほうがよいでしょう。

「植物を元気に育てるためには適切な手入れが必要です。特に屋内で育てる植物の場合は、日光と水やり、通気性がポイントになります。植物の種類ごとに必要な水分や日光の量は異なるため、適切な環境と手入れをすることが大切です」

手入れをしたり適切な環境を用意するのが難しい場合は、植物を育てることが暮らしの上でマイナスになってしまう可能性もあるので気をつけましょう。
また、室内で植物を育てていると虫やカビが発生することもデメリットといえますが、それらは工夫次第で予防することができます。

植物に水やりをする人の写真

植物は人やペットと同じく生き物。いきいきと育てるためには適切なケアが必要(画像/PIXTA)

家の中で育てやすい植物は? おすすめの9種類を紹介

育てやすく、人気の高い「モンステラ」

熱帯アメリカ原産のモンステラはポピュラーな観葉植物。つる性の多年草で細かく分類すると数十種類のモンステラが存在します。葉に水孔(すいこう)という排水器官があるのも特徴です。

モンテスラの写真

葉に大きな切り込みがあるモンステラ。インテリアの一部としても映える(画像/PIXTA)

日陰でも育つ丈夫な「シェフレラ」

日陰気味でもよく育つシェフレラは熱帯から温帯に自生する丈夫な樹木。「カポック」とも呼ばれています。手のひらを広げたような葉の形が特徴です。

シェフレラの写真

丸い葉が可愛らしいシェフレラ(画像/PIXTA)

5~7枚1組の楕円の葉が特徴的な「パキラ」

中南米原産のパキラもまた人気の観葉植物の一つであり、日陰気味でもよく育ちます。本来は20m近くまで育つ大きな樹木で、成長スピードが速いという特性があります。

パキラの写真

パキラは海外で「マネーツリー」とも呼ばれ、幸運と富をもたらす木と信じられている(画像/PIXTA)

熱帯に生息する神秘的な「ガジュマル」

屋久島以南から東南アジアの熱帯地域に自生するガジュマル。温暖な地域では地植えで20mほどまで育ち、沖縄では「精霊の宿る木」ともいわれる神秘的な樹木です。ユニークな形状の太い幹が特徴です。

ガジュマルの写真

南国育ちのガジュマルは日光を好む(画像/PIXTA)

ハート型の葉が可愛らしい「フィカス・ウンベラータ」

フィカス・ウンベラータは熱帯アフリカ原産の樹木。イチジクやゴムの木の仲間で、枝を切ると白い樹液が出ます。葉がハート形で可愛らしい見た目も人気の理由です。

フィカス・ウンベラータの写真

観葉植物として育てられたものは50cmほどの大きさだが、原産地では10mほどの高さになることもある(画像/PIXTA)

大きくなると花が咲く「ストレリチア・ニコライ」

トロピカルな葉が印象的なストレリチア・ニコライは南アフリカ原産の多年草。「オーガスタ」とも呼ばれます。大株に育つと花を楽しむことができます。

ストレリチア・ニコライの写真

インパクトのある大きな葉は空間のアクセントになる(画像/PIXTA)

スタイリッシュな雰囲気の「ユッカ」

別名「青年の木」とも呼ばれるユッカ。スタイリッシュな細長い葉が特徴的です。寒さや乾燥に強く、寒冷地でも育てやすい観葉植物です。

ユッカの写真

観葉植物として人気なのはユッカ・エレファンティペスという種類(画像/PIXTA)

垂れ下がる葉を楽しめる「シュガーバイン」

シュガーバインはブドウ科の常緑つる性植物。垂れ下がる小さな葉が特徴的で、ハンギングバスケットなどに入れて飾ると部屋がおしゃれになります。

シュガーバインの写真

インテリアとの相性もよく人気の観葉植物(画像/PIXTA)

乾燥に強くおしゃれな「エアプランツ」

土がなくても育ち、乾燥にも強いエアプランツ(エアープランツ)。標高の高い場所に生息する植物で、夜間に葉の表面から霧を吸収して水分を蓄える性質があります。ガラスの容器に入れたりワイヤーで吊るしたり、おしゃれな飾り方を楽しむことができます。

エアプランツの写真

モダンな雰囲気を楽しめるエアプランツ。鉱物や木材とデザイン的な相性がよい(画像/PIXTA)

インテリアとして屋内でおしゃれに植物を楽しむコツは?

寄せ鉢は3つがおすすめ

「寄せ鉢をつくるときは、3種類の植物を三角形に並べるのがおすすめです。背の高さは均一ではなく高低差があったほうが立体的に仕上がります。背の高いもの、中ぐらいのもの、低めのものを組み合わせるとバランスがよくなり美しく見えます」

寄せ植えのイラスト

高さの異なる植物を組み合わせることでリズム感が生まれる(イラスト/山中玲奈)

デザイン性の高い鉢やカバーを使う

鉢やカバーのデザインによっても植物の雰囲気は変わります。アイアンやアートストーン、陶器など、さまざまな素材の鉢があるので好みのものを探してみましょう。ハンギングで育てる際も、デザイン性の高い紐やバスケットを使用すると印象が強まります。また、インテリアとの統一感を意識すると空間に調和します。

「受け皿のデザインもポイントです。鉢と一体になって見える受け皿は見た目もスマートでおしゃれです。しかし、水やりをすると水が溢れてしまう可能性が高いので、水やりのときだけは大きめの皿を使うことをおすすめします」

デザイン性の高い鉢やカバーの写真

鉢やカバーは植物の洋服のようなもの。イメージの決め手となる(画像/PIXTA)

植物が育つLEDライトを使う

「植物は日光を浴びて育ちますが、屋内で育てるときには植物育成LED照明を取り入れることもできます。日当たりを気にせず家の中のどこでも植物を栽培できる点がメリットです。電球タイプやマグネットバータイプなどさまざまな形状があるので、つくりたい空間の雰囲気に合わせて選んでみてはいかがでしょうか」

植物が育つLEDのイラスト

植物が育つLED。日光不足を解消できるアイテム(イラスト/山中玲奈)

挿し木で増やして楽しむ

「観葉植物を挿し木で増やすという楽しみ方もあります。植物の茎や枝を切って土や水に挿し、発根させて増やしていきます。サトイモ科のモンステラ、フィロデンドロン、ポトスなどは成功率が高くおすすめです。水挿しの場合はそのまま水を交換しながら育てられますが、大きく育てたい場合は土に植え替えて鉢栽培することもできます」

挿し木の写真

挿し木の花瓶を日当たりのよい窓辺やキッチンなどに置いておくと、空間のワンポイントになる(画像/PIXTA)

建築段階で植物の置き場所をつくる

植物を育てる場所をあらかじめ決めておき、家の建築時に壁にフックや棚を取り付けたり、ハンギングバスケットを吊るせる場所をつくっておくとよいでしょう。日当たりのよいサンルームの一角を植物コーナーにするのも人気です。

植物専用スペースの写真

植物専用のスペースを建築時に自由につくることができるのは、注文住宅ならでは(画像/PIXTA)

住まいに植物を取り入れる際に失敗しないためのポイント

適度な光と風通しが重要

「家の中で植物を育てるときに重要なのは光と風通しです。基本的には日当たりのよい場所で光に当てて育てますが、窓から離れると日光不足に陥る可能性もあります。また、直射日光に当てると葉が傷んでしまうことも。葉の色が黄色に変色したり茎が細くなっている場合は日光不足、葉が白や茶色に変色している場合は光が強すぎる可能性があるので置き場所を見直しましょう。また、風通しの悪さは病害虫やカビの発生の原因になるためサーキュレーターを使用して空気を循環させたり、こまめに窓を開けて換気を行うことがポイントです」

植物の写真

植物が元気に育つためには、適切な日光量と風通しが大切(画像/PIXTA)

置く場所を固定せずローテーションする

「置く場所を一カ所に固定せず、室内のいろいろな場所に移動させることで植物が環境に馴化して強くなっていきます。日陰で育てていた観葉植物にいきなり日光を当てると弱ってしまう可能性があるので、日光があまり入らない場所から明るい窓辺へといったように、段階を踏んで移動し、徐々に慣らしていくようにしましょう。複数の植物を育てている場合、設置場所をローテーションするのもおすすめです」

植物のある部屋のイラスト

同じ部屋の中でも場所によって日光の当たり方は異なる。植物の置き場を固定せず、定期的に入れ替えるとよい(イラスト/山中玲奈)

水やりは土が乾いてから行うのが基本

「根腐れを起こさないために、水やりは土が乾いてから行うのが基本です。植物は土が乾いたときに水を求めて根を伸ばす性質があるので、メリハリをつけて水やりをすることで根が育ちます」

また、乾燥に強いエアプランツの水やりにもコツがあります。

「エアプランツは夜霧を吸収して育つ植物です。そのため日本の屋内で育てる場合は水分不足で枯れてしまいがちです。おすすめの方法は、2〜3日に一度、夜間にバケツの水にくぐらせて水分を与えることです。くぐらせた後は水滴が滴るので、ほかの観葉植物の枝にかけておきます」

自然の中のエアプランツの写真

自然の中のエアプランツはほかの植物と接した状態で生息しているため、水やりの後にほかの植物にかけておくのは自然の姿に近いといえる(画像/PIXTA)

赤玉土でコバエ対策をする

「コバエは有機質の土を餌場にするため、無機質の赤玉土を使うことで発生を防ぐことができます。コバエが反応するのは土の表層だけなので、鉢植えの上の部分を5cmほど赤玉土にしてみてください」

赤玉土の写真

赤玉土は無機質のためコバエが寄り付かない(画像/PIXTA)

植物のある暮らしを楽しんでいる先輩たちのおしゃれなマイホームの実例

ここからは、植物を上手に取り入れた家づくりに成功した先輩たちの実例を紹介します。ぜひ参考にしてください。

【Case1】観葉植物をアメリカンな空間のアクセントに

アメリカンスタイルのフラットハウスに憧れて平屋を新築したOさん。70年代のアメリカングッズやDIYを取り入れたインテリアによって、夫婦のこだわりの詰まった新居になりました。リビングや玄関ホールにはさまざまな種類の観葉植物を置き、植物のグリーンがウッド調の空間に映える素敵な空間に仕上がっています。

Oさん宅の注文住宅実例

足場板を活用してつくられたおしゃれな棚にはアメリカングッズと共に植物を飾った(写真/山出高士)

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「平屋の家で二世帯住宅」をかなえるために、DIYを採り入れて上手にコストダウン

【Case2】グリーンを増やしてカフェのような空間にするのが夢

子どもが生まれて賃貸の住まいが手狭になり、注文住宅を建てることにしたHさん一家。仕事や宿題ができるカウンター机を設置したリビング・ダイニングは家族の憩いの場。天井からハンギングポットを吊るし、生活の中に緑を取り入れています。家を建てた後も、緑を増やしてカフェのような空間にしたいと夢が膨らみます。

注文住宅実例

DIY好きな夫婦は、これからも自分たちで手を加えて素敵な空間をつくっていきたいと語る(写真/河原大輔)

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完成してからも自分たちでDIYを続けられる環境づくりで、常に快適な家に

植物を上手に取り入れてグリーンライフを満喫しよう

最後に、グリーンライフを満喫するためのポイントを三上さんに伺いました。

「植物は人が育ててあげるものではなく、人と共に寄り添って生きていくものだと思います。植物の生命力は強く、原産地とは異なる環境にも馴化しながら生き続けます。そんな姿を見守ることができるのも楽しみの一つです。植物の楽しみ方に正解はありませんが、この記事の内容をヒントにして暮らしの中でグリーンライフを満喫してください」

スーモカウンターに相談してみよう

「植物のある素敵な家を建てたい」、「カフェのような家づくりが得意な建築会社は?」など、住まいづくりについて疑問や悩みがある人は、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご希望を伺った上で、かなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりの段取りや会社選びのポイントなどを学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。

取材協力/三上真史さん

園芸デザイナー、タレント

『三上真史の趣味の園芸のはじめかた 育てる&楽しむ50のヒント』
著者/三上真史
発行所/NHK出版 
発行日/2023年4月20日

取材・文/佐藤 愛美(りんかく) イラスト/山中玲奈