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古い二世帯住宅をリフォームでごまかしながら住んできた
「古い二世帯住宅をリフォームでごまかしながら住んできましたが、手入れにかけるお金が無駄に思えてきたんです。1階は日が当たらないし、光熱費もバカみたいに高かったんです」そう振り返るのは介護職で働く娘さん。
2017年1月、「老朽化した家を建て替える」という夢をかなえるためにスーモカウンターを訪れたそうです。数組と並んで話を聞く“講座”を受けるつもりで出向きましたが、始まったのはアドバイザーとの1対1の対面による個人相談。「どんなお家を建てたいんですか?」といった質問に答えていくうちに、あっという間に1時間近くが経過していたといいます。
「相談が終わるころには建てたい家のイメージが湧いていました。『そのイメージに合う工務店を探してみましょう』と言われて、こんなにテキパキと進むものかとびっくりしたのを覚えています。建築予算は2000万円ぐらいかなと言っていたら、あとでそれでは済まないこともわかるんですが」じつは、娘さんには建築家や工務店経営者の知人も何人かいて、「家を建てるときは任せてよ」と言われていたそうです。
しかし、なんとなく調べてみると費用も高いし、自分たちのイメージと違うものができたときに文句を言いづらい。「そんな理由から最終的に選んだのはスーモカウンターで紹介された工務店。費用も抑えられたうえに、自分たちのこだわりも反映できて大満足です。知人にはあとで『ごめんね、どうしてもしがらみがあって』と謝っておきました」
できるだけ自然素材で建てたいという思い
スーモカウンターを訪れた2カ月後、自然素材の注文住宅を得意とする工務店に決めました。
「当初、一緒に住む予定だった息子を含めて家族にアレルギーもちが多かったので、できるだけ自然素材で建てたいという思いがあったんです。集成材を使わない国産のむく材にこだわりました。あとは、漆喰の壁。調べたらものすごく費用がかかるんですが、そこを工務店は安く抑えてくれました」
外壁は予算内で漆喰かパワーボードかを選べましたが、住宅密集地なので耐火性が高く冬は暖かいパワーボードを選択。一方で、屋内の壁と天井はすべて漆喰です。
お母さまの部屋は1階にあり、生活のすべてがこのフロアで完結
「もちろん、あきらめたこともあります。玄関が暗いのが難点ですが、明かり取りのあるドアにすると予算オーバー。3階建ても無理でしたね。最も、長女はすでに家を出ていて、いっしょに暮らしていた息子も就職で北海道に移住しちゃったから、結果的にこれで十分です」
お母さまの部屋は1階にあり、入浴やトイレ、食事まで、生活がすべてこのフロアで完結。万一の救急搬送時にもストレッチャーが入れる設計になっています。
娘さんは言います。
「新居の一番のポイントは、母娘の部屋をつなぐ小窓。下を覗けば母の様子がわかるし、会話ができます。もちろん、明かり取りの役目も果たしていて、工務店さんによる細かな配慮には本当に感謝していますね」
お母さまはこう言います。
「建設中は同じ町内の古い一軒家を借りて暮らしていたんですが、洗面所がなくてお風呂もバランス釜。そこでの生活がストレスだったので、この新しい家は本当に念願のお家なんです」
ちなみに、一番大変だったのは旧宅の荷物の処理だったそうです。娘さんは古い家具が大好きなので、それらは極力残したいと思っていました。
「リビングに置いてあるアンティークの桐タンスは、母の叔母の遺品。でも、そういう思い出の品を全部持ち出すのはどう考えても無理なので、ずいぶん処分しました」
お母さまも「ダンボールを持つと腰にくるでしょ。捨てるのもお金かかるし、娘とは毎日のようにケンカしてました」と笑います。
なお、お二人が口をそろえて言うのは、いい工務店との出会いも嬉しいが、いい大工さんたちに担当してもらって安心したということ。
「工務店からは最初に、『うちは大工さんが自慢です』って言われたんです。たしかに、ちょっとした角とかもきれいに仕上げてくれました。1日置きぐらいにお茶を出しに行っていたので、細かい部分でコミュニケーションが取れたのもよかったですね」
大手の建築会社もいいけれど、信頼の置ける工務店を紹介してもらえたことが後悔のない家づくりにつながったようです。
- DATA
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土地面積 約80m2 延床面積 約91m2 建築費 2400万円 間取り 5LDK 世帯構成 母、娘
- スーモカウンターで受けたサービス
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カウンター店舗 スーモカウンター 有楽町東京交通会館店 紹介された建築会社数 5社 受けたサービス 個別相談
取材・文:石原たきび 写真:一井りょう