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位置指定道路とは?私道に面した土地を購入する場合のトラブル、注意すべきポイントは?

位置指定道路とは?私道に面した土地を購入する場合のトラブル、注意するポイントは?

購入しようと思った土地が位置指定道路だった場合、一般に私道負担になります。マイホームの新築をする際、土地から選ぶ場合は、選ぶ土地がどのような道路に面しているかを事前に確認しておきたいところ。
今回は、位置指定道路とは何か、購入後に後悔しないために押さえておきたいポイントなどを不動産コンサルタントの田中歩さんに教えてもらいました。

位置指定道路とは?

SUUMO住宅用語大辞典では、位置指定道路は以下のように解説されています。

”位置指定道路とは、特定行政庁(都道府県知事や市町村長等)から「土地のこの部分が道路である」という指定(道路位置指定)を受けた幅員4m以上の私道のこと。
建築物の敷地は道路に2m以上接しなければならないという接道要件があり、それを満たすための道路として私道を指定する場合がある。”
引用:住宅用語大辞典(位置指定道路)

要するに、行政から「私道」として認定を受けた道路のことをさします。道路の種類は、以下のとおりです。

【道路の種類】
●    公道:国や市区町村が管理する道路
●    私道:個人や民間の団体が管理する道路

公道か私道かは、管理者が国か個人かによって異なります。位置指定道路の場合は一般に私道なので、個人や民間団体が管理しています。

位置指定道路の目的

位置指定道路の目的は、建築基準法の要件を満たすことに大きく関連しています。都市計画法における、都市計画区域や準都市計画区域に該当する建物を建築する場合、接道義務が発生します。

建築基準法では、以下のように定められています。

「建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。」
引用:e-GOV(建築基準法第43条) 

「建物を建てる場合、建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。例えば大きな土地を分けて、建物を複数建てる場合、道路に面していない、敷地の奥の方では接道義務を果たせないケースが出てきます。そのような場合、敷地内に位置指定道路を設けるという方法を取ることがあります」(田中さん、以下同)

下図のように広い土地を4つに分割した場合、道路に面していない部分は接道義務の条件を満たせません。

位置指定道路を設けていない場合

この際、土地に位置指定道路を設けることで、すべての土地で接道義務の条件を満たせます。

位置指定道路を設けた場合

公道に面している「土地【あ】」と「土地【う】」は位置指定道路がなくても建物を建てられるが、公道に面していない「土地【い】」と「土地【え】」には建物を建てられない。位置指定道路を図のように設けることで、公道に面していない土地にも建物が建てられるようになる。尚、位置指定道路の場合、隅切り(すみ切り)といって、角地の土地の一角を切り取って道路にするケースが多い(図/SUUMO編集部作成)

位置指定道路は私道

位置指定道路は、国や市区町村が管理する道路ではなく、個人や民間団体が管理する道路です。
そのため、誰かが土地を所有しなければなりません。(詳しくは後述)
また、位置指定道路にするためには、以下の条件が必要です。

【位置指定道路の条件】
●    幅員4m以上
●    側溝を設ける
●    路面に塗装する

これらの要件を満たす場合、位置指定道路として認定されますが、おもに土地の所有者が維持管理を行わなければなりません。さらに、位置指定道路内には、通行の邪魔になるものは置けません。(例:プランター、自転車など)

分譲地で位置指定道路を作る場合、土地の所有者全員が合意しないと申請はできない仕組みです。しかし、不動産会社から土地を購入してマイホームを新築する場合、宅地を開発するのは不動産会社なので、位置指定道路に該当する土地も当初は不動産会社が所有者であり、ユーザーが購入するとユーザー所有になることが一般的です。

位置指定道路は誰のもの?

位置指定道路は私道なので、所有者がいます。
位置指定道路の所有者は、3パターンに分類されます。

【位置指定道路の所有者について】
●    地主(宅地を開発した不動産会社の場合も含む)
●    土地を購入した人の共有名義
●    土地を購入した人が私道を分筆して持ち合う

一般的によくあるのは、その位置指定道路に面する土地の所有者で共有しているケースです。例えば、建売住宅など、新しく分譲された一戸建ての接面する道路が位置指定道路の場合、その位置指定道路は共有名義になっていることが多く、この共有名義という所有形態が一番スタンダードだそうです。

しかし、位置指定道路は地主個人や土地を分譲した業者が所有しているという場合もありますし、ほかにも、その道路に面している各敷地の所有者が自分の敷地と共に、分割(分筆)した道路を所有しているということもあります。

「共有名義であることがスタンダードではありますが、建売住宅などの場合でも、古い位置指定道路があるエリアで建売をするケースなどでは、共有名義ではないケースもあります。共有名義であれば、道路全体に対して、それぞれの所有者が利用する権利を持っているので、利用に関するトラブルも起こりにくいものですが、自分の敷地に面する位置指定道路を分筆して持ち合っている場合、自分が所有していない部分の道路の通行や掘削工事などを妨害されるリスクがありますし、地主など、自分以外の人が道路全体を所有している場合も同様です」

位置指定道路を分筆してそれぞれが持ち合っている場合

私道に面する土地を購入した人々で私道を分筆する場合のイメージ

「土地【い】」の所有者が所有しているのは位置指定道路の「イ」の部分だけの場合でも、「ア、ウ、エ」の部分も日常的に使用せざるを得ない。そのため、「ア、ウ、エ」の通行を妨害されるなどトラブルが生じると、生活に支障がでる可能性もある(図/SUUMO編集部作成)

位置指定道路の固定資産税は所有者が払う?

固定資産税は所有者が支払う必要があります。土地を購入者で共有している場合は、持ち分に応じて固定資産税を支払わなければなりません。
位置指定道路は通常、課税対象ですが、公衆用道路としての条件を満たしている場合は非課税となります。東京都を例に挙げると、公衆用道路は以下の条件を満たす必要があります。

東京都が公衆用道路として認める条件】
●    植木や室外機、自動車が置かれていない道路
●    一般の通行を禁止する表示物や門扉などの障害物がない
●    不特定多数の人に利用されて共有されている
●    客観的に見て道路として認定できる形態
(例:道路補整されている)
●    通り抜け私道の場合は道路全体が幅員1.8m以上ある
●    行き止まり私道・コの字型私道の場合は2軒以上の家屋に共有されており通行のために使用されている(道路の幅員が4.0m以上ある)

位置指定道路近くの土地や物件を購入する際のポイント

位置指定道路近くの土地や物件を購入する場合は、いくつか押さえておきたいポイントがあります。具体的には、以下のとおりです。

【位置指定道路近くの土地や物件を購入する際のポイント】
●    所有者による通行トラブル等がないか確認しておく
●    所有者に私道通行・掘削に関する許諾を取っておく

特に分譲地を購入しようと思っている人は、しっかり押さえておきましょう。

所有者による通行トラブル等がないか確認しておく

位置指定道路は、建築基準法で通行の妨害となるものを置くことが禁止されています。共有の土地とはいえ、位置指定道路は個人の所有物ということもあって、自分の共有部に物を置く人も少なくありません。

しかし、法律上で禁止されているため、万が一通行を妨害するような行為があれば、排除の請求が可能です。(最高裁で排除請求が認められた事例あり)
万が一のことに備えて、土地や分譲住宅を購入する際、事前に以下のようなことを確認しておくことをおすすめします。


【土地や分譲住宅を購入する前に確認しておくこと】
●    位置指定道路に障害物がないか
●    車で通行できる十分なスペースがあるか

購入してからトラブルに気づいては遅いので、内見する際に確認しておきましょう。

所有者に私道通行・掘削に関する承諾を取っておく

位置指定道路が共有名義ではない場合、道路の通行や掘削工事などを妨害されるリスクがあると前述しましたが、そのようなリスクを回避するために、位置指定道路に面する土地を購入する場合は、“私道通行・掘削に関する承諾”を事前に取っておくのが重要だそうです。

「トラブルを避けるために、位置指定道路が共有名義ではない場合は、事前に所有者に対して私道通行・掘削に関する承諾書を取っておくのが一般的です。この承諾書の有無については、仲介会社を通して売主に確認をしますが、承諾書がない場合は、少なくとも決済までには承諾書を取ってもらうようにしましょう。承諾書を事前に取ることが難しいという場合は、そのリスクを承知した上で、その土地を購入するかどうか判断をしてください」

私道通行・掘削に関する承諾書のイメージ

私道通行・掘削に関する承諾書のイメージ

位置指定道路を分筆して持ち合っている場合、知らない内に持ち合っている所有者が変更される可能性もある。しかし、所有者が変わる場合は、新たに私道通行・掘削に関する承諾を取りにくることが多いので、その際に所有者が変わるということを知るケースが多いそう

このような承諾書があれば、万が一トラブルに発展した際にも、スムーズに対応できます。

位置指定道路でのトラブル例

位置指定道路では、トラブルが発生することもあります。位置指定道路で起こりうるトラブルには次のようなものがあります。

【位置指定道路でのトラブル例】
●    共有名義で全員の賛成が得られず、工事車両を止める許可等が下りない
●    古くなった道路でも補修ができない
●    掘削の際に金銭の見返りを求められる

共有名義で全員の賛成が得られず、工事車両を止める許可等が下りない

位置指定道路は、共有名義で土地を所有していることがあります。その際、前述の通り土地に関することは全員で協議した上で進めなければなりません。この場合、全員の賛成が得られないと進められませんし、トラブルに発展します。具体例を挙げると、以下のとおりです。

【共有名義で全員の賛成が得られない例】

●    土地の使用方法に対する意見の不一致
→車両の通行で使用したい人としたくない人で意見が分かれる
●    維持費や改修費用の折半に対する意見の不一致
→改修・拡張をする場合は共有者の同意が必要

快適に暮らすために必要な改修工事でも、共有者の一人でも反対すれば、協議が難航します。これらを避ける意味でも、購入前に過去に分譲地や住宅地でトラブルがなかったかを聞いておくとよいでしょう。

古くなった道路でも、補修ができない

位置指定道路は、道路補整をする際でも許可が必要です。補正にかかる費用は、共有者全員で折半する必要があり、人によってはもったいないと感じることもあります。
例えば、地割れによって道路に補修が必要な場合、補修が必要だという人と必要がないという人で意見が割れます。意見が割れる理由はさまざまですが、以下が挙げられます。

【補修・改修で意見が割れる理由】
●    自分が通行する分には問題ないから
●    費用がもったいないから
●    補修しなくても使えるから

一人が合意したところで、ほかの共有者が合意しないと補修工事ができないため、ボロボロの道路のまま放置されることも少なくありません。

掘削の際に金銭の見返りを求められる

位置指定道路が共有名義ではない場合、道路の通行や掘削工事などを妨害されるリスクがあると前述しました。

「例えば、位置指定道路に面した土地に新しく家を建てることになった場合、配管の整備などでその私道を掘削したり、工事車両を私道に止めたりする必要があります。そのようなときに、もし、位置指定道路を分割して持ち合っている場合は、掘削する部分の所有者に許可を取る必要があり、勝手に工事を進めたりするとトラブルになりかねません。また、許可を取る際に、金銭を要求される可能性もゼロではありませんし、住みはじめてからも、日常的に通行する場所に対して通行料を要求されるという可能性もあります」

これらの金銭トラブルを避ける意味でも、事前に許可を取っておくことが大切です。

通行権が保護されるケースは?

位置指定道路とはいえ私人が所有している以上、第三者の通行を拒否する権利は持っているので、かつてトラブルがなかったか、無償掘削・通行承諾書をもらっているかを事前に確認しましょう。万が一、トラブルになった場合、公道に至るためのほかの土地の通行権などを主張することになるものの、裁判で争って自由に行き来できるようになったとしても、ご近所付き合いは残るのですから、事前に過去の経緯などを調べた上で購入しましょう。

位置指定道路にまつわる注意ポイントは?

所有者の確認はもちろん、道路や埋められた水道管の状態についても理解しておく

住んでからの近隣トラブルを回避するためにも、土地購入前に位置指定道路の所有者を確認するのはもちろんですが、将来的に起こりうるトラブルをある程度想定し、理解した上で土地購入を検討するということが必要になります。

「売買契約の際には重要事項説明があり、土地に面している道路が位置指定道路であることや、その所有権について、売主は説明をする義務があります。しかし、将来起こる可能性のあるすべての問題に対しての調査説明義務まではないので、買主の方が、十分にリスクを理解した上で購入を検討する必要があります。

例えば、通常、土地の売買が行われる際に、位置指定道路とその道路に面する建物の土地はセットで取引されるものですが、まれに(一般的には仲介会社のミスなどで)、道路の所有者はそのままで、土地だけが売買されることもあります。位置指定道路の所有者はそのまま、土地の所有権だけが何度か変わった後に、その土地を購入し、自分の持っている土地に建物を建てようとした場合、土地に面した道路の持ち主に道路の使用料などを請求されるということも考えられますし、道路部分を買い取ろうとした場合に、高額を提示される可能性もあります」

私道に面した家のイメージ

土地に面した私道が誰のものかは、購入時に要確認(画像/PIXTA)

「また、古い位置指定道路の場合、補修の問題もあります。公道であれば道路の補修や整備は各自治体の事業者が行いますが、位置指定道路は私道のため、費用は所有者が持つことになります。

さらに、道路だけでなく、位置指定道路に“私設”の水道管が通っている場合、その補修の際は水道管の補修費用も負担することになり、この補修費用については、位置指定道路を持ち合っている所有者同士で話し合って捻出することになります。

その土地を購入して間もなく、補修が必要になるということもありえるので、位置指定道路の場合、埋まっている水道管が公設か私設か、私設管であればどの程度古いものなのかは事前に調べておいた方がいいでしょう。ただし、公設管であれば各自治体の役所で誰でも確認できますが、私設管の場合、仲介業者を通して売主に確認することになります。売主もその私設管を引いた当時から住んでいるとは限らないため、把握していないこともあり、私設管の場合は特に注意が必要です。

位置指定道路には水道管のほかにも、下水管やガス管などが埋められていることがあり、売買の際、その点については重要事項説明書に記載され、仲介業者から説明があります。しかし、それらの設備の劣化具合や補修履歴まで詳細な説明があるとは限りません。補修工事が行われたことがあるかなどについては、各事業者が持つ台帳で確認できますが、台帳はその私設管の所有者しか確認ができないため、購入前に確認したい場合は、仲介会社を通して売主から委任状を取得し、役所で確認をすることになります」

手間のかかる作業になるため、実際はそこまできちんと把握してから購入している人ばかりではないそうですが、購入後の後悔を防ぐためには、事前にきちんとリスクを把握しておくことが重要だといえるでしょう。

スーモカウンターでできること

多くのケースでは近所付き合いをうまく行いながら、位置指定道路の管理などを行っているそうですが、地縁のない場所に新しく移り住む場合、その土地が位置指定道路に面しているのであれば、特に注意して選びたいものです。

注文住宅の新築・建て替えをサポートしているスーモカウンターは、土地選びについての無料講座や、不安や悩みをアドバイザーに相談できる個別相談などを行っています。個別相談では、気になるエリアに詳しい工務店やハウスメーカーなども紹介してくれますし、無料で何度でも相談することができます。

位置指定道路に面する土地の購入について相談したいことがあれば、スーモカウンターでアドバイザーに相談してみるのも手。土地選びで後悔しないためにも、スーモカウンターを活用して、家づくりを進めてみてはいかがでしょうか。

取材協力/不動産コンサルタント 田中歩さん

取材・文/島田美那子