フリーコール
0120-070-091
携帯・PHSからも通話料無料
9:00〜21:00
毎日受付

スーモカウンター注文住宅のサービスをご利用いただいて建てたお住まいの
実例を中心に、注文住宅のノウハウをご紹介します。

家を建てる方法は?費用や依頼先、建築前の注意点を解説

初めて家を建てるときには、まず何をしたらよいか悩む人が多いと思います。依頼先や費用のこと、後悔しないための建築前の注意点などを一級建築士の越野かおるさんのお話をもとにまとめました。「注文住宅を建てるときに何をしたらいいの?」という人は、ぜひ家づくりのヒントにしてください。

家を建てる前に考えておいたほうがよいことは?

現在の暮らしで改善したいこと

「どんな家を建てたいかと問われても、すぐに考えはまとまらないものだと思います。まずは現在の暮らしに目を向けてみましょう。もう少し広いキッチンが欲しいとか収納が足りないとか、テレワークが増えたのに作業をする場所がないといったように、現在の暮らしの中で改善したい点を整理し、そこからどんな家で暮らしたいかを考えていきます。
もしかすると家を新築せずリフォームだけで理想の暮らしが手に入る可能性だってあります。本当に家を建てる必要があるのかも含め、家族と相談しじっくりと検討することをおすすめします」(越野さん、以下同)

考えている人の写真

現在の暮らしに目を向けることで、未来に住みたい家のイメージが明確になる(画像/PIXTA)

どれくらい時間をかけるか

注文住宅を建てたいと思ってから家が完成するまで、多くの場合は1年ほどといわれていますが、家を建てるタイミングや、家づくりにどれくらい時間をかけるかは人それぞれです。入居の時期が決まっている場合は、そこから逆算してスケジュールを立てる必要があります。建築会社選びや建築前の打ち合わせにどれくらい時間をかけられるかを把握しましょう。

「時間をかけただけ満足度の高い家ができるとは限りません。しかし、時間をかけて情報収集するほど上手にコストカットして理想の家を建てられる可能性が高くなります。余裕を持って情報収集をしたほうがお得といえます」

引っ越しのイメージ写真

引越したい時期が決まっていれば、建築会社に最初に伝えておくことが大切(画像/PIXTA)

予算と優先順位

家を建てる際には建築費以外にもさまざまな費用がかかります。そのため予算に基づいて上手にコスト配分をする必要があります。何にお金をかけたいのか優先順位を明確にしましょう。

「予算を明確にするのは大切なことですが、予算ありきで計画すると現実的なことばかりに目がいってしまい、本当に望んでいる暮らしから遠ざかってしまう場合もあります。そういった際は、一度現実的なことから離れて『もしも宝くじが当たったらどんな家を建てたい?』という前提で理想の家について考えてみるのもおすすめです。そうすることで、自分がどんな暮らしをしたいのか、何にお金をかけたいと思っているのか、優先順位が見えてきます」

電卓と家の模型の写真

土地や設備優先など、優先順位を明確にすることで家づくりがスムーズに(画像/PIXTA)

どこに住みたいか

家を建てる土地や建築会社を探す際に、どこに住みたいかも明確にしておく必要があります。通勤場所や子どもの学区、実家との距離などの条件がある場合は、家を建てるエリアもおのずと決まってくるでしょう。
自然が多い場所、駅まで徒歩圏内など漠然とした立地条件しか決めていない場合は、不動産ポータルサイトや地元の不動産会社などに相談して理想のエリアを探すという選択肢もあります。
人気の土地はすぐに買い手がつくため、土地選びにはスピード感が必要です。一般的に土地探しから購入までは2〜3カ月ほどといわれていますが、条件に合う土地がなかなか見つからない場合、土地探しの期間が年単位に及ぶケースもあります。

街の写真

土地探しから始める場合は期間に余裕を持ったほうがよい(画像/PIXTA)

誰に家づくりを任せたいか

「家の設計、建築を誰に任せるのかは重要なポイントです。信頼できる建築会社や建築家に依頼することで、満足度の高い家づくりが可能になります」

家づくりの依頼先は、ハウスメーカー、工務店、建築家など複数の選択肢があります。それぞれの特徴については後述します。

家について相談する家族の写真

注文住宅は大きな買い物。信頼できる建築会社や担当者選びが重要(画像/PIXTA)

家を建てるために必要な費用は?

主な費用の内訳

家を建てるために必要な費用は、主に土地購入費、建築費、諸費用の3つに分けられます。

土地購入費

土地代に加え、不動産売買契約書への印紙代、不動産仲介手数料がかかります。また、土地の購入の際は頭金を用意するのが一般的です。すでに土地を所有している場合はこれらの費用はかかりません。

建築・設計費

建物の本体工事費に加え、電気工事や外構工事費、ガスや水道などの工事費が発生します。土地購入と同様、頭金を用意するのが一般的です。
また、必要に応じて地盤調査や地盤改良をする際もコストがかかります。最近は行わない人もいますが、工事の安全祈願をする地鎮祭にも数万円ほどの費用が必要です。

また、設計料が別途発生するケースもあります。依頼先により設計費には金額幅がありますが、ハウスメーカーや工務店で全体工事費の5%前後、設計事務所では10〜20%が相場といわれています。

その他、諸費用

土地や建物にかかる費用以外に、住宅ローン関連の費用(手数料や印紙代、保険料等)や、税金の支払い(不動産取得税、固定資産税、都市計画税)が発生します。また、司法書士に登記手続き等を依頼した場合は報酬を支払う必要があります。

注文住宅を建てるために必要な費用のイラスト

家を建てるときにかかるのは建築費用だけではないので要注意(イラスト/伊藤美樹)

平均費用

注文住宅を建てる際、土地の有無によって費用が異なります。住宅金融支援機構が発表した2021年度の調査結果データをもとに、注文住宅にかかった費用の平均値を土地の有無ごとに紹介します。

土地付き注文住宅の平均費用(土地あり)

土地付き注文住宅とは、建築会社や施工期間などが決まっている「建築条件付き」の土地で建てる注文住宅のことをいいます。土地付き注文住宅、つまり土地と注文住宅をセットで購入した場合にかかる全国の平均費用は4455万円、首都圏が5133万円です。

注文住宅のみの平均費用(土地なし)

土地と注文住宅を別々に購入した場合、もしくはすでに土地を所有している場合、住宅にかかる費用は、全国平均が3572万円、首都圏が3899万円です。

家の模型の写真

土地あり、土地なしいずれの場合の平均費用も近年は全国的に上昇傾向にある(画像/PIXTA)

補助金および税金の軽減・優遇措置

新築の家を建てる・購入する際は、補助金や助成金、税金の優遇制度などはチェックしておいたほうがよいでしょう。

2023年7月現在、子育て世帯や若い夫婦を対象とした「こどもエコすまい支援事業」やZEH住宅など高性能住宅を補助対象とする「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業」および「LCCM住宅整備推進事業」、地域の指定の工務店が建てた省エネ・耐久性に優れた木造住宅を対象とした「地域型住宅グリーン化事業」など、条件を満たした場合に適用される国の補助金や助成金があります。住宅購入者ではなく建築会社が申請・受け取りを行うタイプもあるので、依頼する会社に確認をしてみましょう。

また、住宅ローン控除(減税)や不動産取得税、登録免許税、固定資産税など各種税金の軽減・優遇措置も存在します。こちらも建築会社や自治体の窓口に確認してみるとよいでしょう。

税金軽減のイメージ写真

家を建てるときには税金の支払いも発生する。税金の軽減・優遇措置を利用し、少しでも負担を軽く(画像/PIXTA)

家を建てるならどこに依頼する?

家を建てるときにどこに依頼したらよいか悩む人も多いでしょう。主な3つの選択肢を紹介します。

ハウスメーカー

規格化された住宅を大量生産することを得意とするハウスメーカー。全国展開している大企業が多く、商品プランも充実しています。規格化された間取りや設備から選択するため設計には制限がありますが、展示場やモデルハウスで実際の建物を見ることができるため、完成後のイメージが湧きやすいのがハウスメーカーで家を建てる魅力です。

モデルハウス見学のイラスト

モデルハウスを見学すると、新生活をイメージしやすくなる(イラスト/伊藤美樹)

工務店

建設工事ができる中小の建築会社を工務店といいます。社内に設計士や大工、営業などを抱える大規模な工務店もあれば、建築家や設計事務所と組んで施工のみ行う地域密着型の小規模な工務店もあります。ハウスメーカーと比較すると設計の自由度が高く、価格も抑えられる傾向にあります。
ただし、企業規模が小さい場合は倒産のリスクもあります。住宅保証機構が運営する「住宅完成保証制度」に加入している工務店であれば、もしも家が完成する前に工務店が倒産した場合でも施主の負担を最低限にとどめることができます。

工務店で働く人のイラスト

工務店は地域密着型の会社が多い。土地探しを柔軟にサポートしてくれる場合もある(イラスト/伊藤美樹)

設計事務所(建築家)

設計事務所とは建築家が建物の企画、設計、監理を行う独立した組織のこと。設計と監理の部分を設計事務所が担当し、施工は工務店に依頼するのが一般的です。設計をして終わりではなく、施主に代わり工事の状況をチェックする監理も行います。家の完成までには時間がかかる傾向がありますが、施主の希望に沿った柔軟な家づくりができるところが魅力です。

設計事務所で働く人のイラスト

施主の希望を細やかにヒアリングし、オリジナルの家をつくることができるのが設計事務所の強み(イラスト/伊藤美樹)

家を建てるときの流れは?

一般的な家づくりの流れ

家を建てようと思ったら最初に情報収集から始めましょう。住みたいエリアのリサーチや依頼する建築会社の比較・検討を行います。土地を自分で探す場合は、建築会社選びと並行して土地探しも進めていきます。
家を建てる土地と依頼する建築会社が決まったら、土地を購入し、建築会社と工事請負契約を締結します。その後、建築会社と何度か打ち合わせを重ね、間取りや設備仕様を決定し、着工という流れです。 
一般的には3〜6カ月ほどで住まいが完成し、竣工検査にて施主が建物を確認した上で引き渡し、登記手続きへと進みます。ここまで無事に終了した時点で、引越しを行い入居となります。

家づくりのおおまかな流れのイラスト

家づくりのおおまかな流れ。余裕を持って計画することが大切(イラスト/伊藤美樹)

住宅ローンを利用する際の流れ

住宅ローンを利用する際の流れについても説明しましょう。住宅ローンは事前審査と本審査があります。事前審査を通過しないと本審査を受けることはできません。一般的には、購入したい物件が決まった時点で住宅ローンの事前審査を申し込み、承認後に正式な購入申込を行います。その後、不動産の売買契約書を締結し、住宅ローンの本審査へと進み、承認後に融資が始まり物件の引き渡しが完了します。

住宅ローンを利用するときの流れのイラスト

住宅ローンの事前審査には2日〜1週間、本審査には1〜2週間ほど時間がかかるのが一般的(イラスト/伊藤美樹)

後悔しない家を建てるには? 建築前に検討するべきポイントを紹介

家を建てた後も余力を持って生活できるか考える

「家を建てることに全力投球し、貯蓄が0円になってしまうのは避けたほうがよいでしょう。特に子育て中の家族であれば、子どもが巣立つまでにたくさんのお金がかかります。家を建てた後の生活をシミュレーションした上で、資金計画をしましょう」

資金計画を考える人のイラスト

家を建てた後も無理なく生活できるように資金計画を立てることが重要(イラスト/伊藤美樹)

将来の暮らしを想定して家を建てる

「家族の形や暮らしの在り方は時間と共に変化していきます。赤ちゃんに合わせた間取りや設備を取り入れても、子どもはあっという間に小学生、中学生と成長するので、赤ちゃん時代を想定してつくった家がしっくりこなくなる可能性も。また、子どもが大きくなって一人暮らしをするタイミングで、子ども部屋を別の用途で使う家族もいます。居室や収納の使い方など、将来を見越して設計できるとよいでしょう」

家族構成の変化のイラスト

家族が変化しても暮らしやすい住まいづくりをすることが大切(イラスト/伊藤美樹)

家族のライフスタイルに合った間取りや動線

「間取りや動線を決めるときには、ぜひ自分の暮らしをイメージしてみてください。例えば我が家では1階と2階にそれぞれ洗面所を設けています。2階を掃除したときやちょっと手を洗いたいときに、1階まで下りずに済むのでとても便利です。このように、一般的な間取りでなくても自分の暮らしに合っていることはあります。打ち合わせの際に設計担当者とよく話し合いをすることをおすすめします」

家族の写真

家事のしやすさや家族とのコミュニケーションの取りやすさをイメージしながら動線計画を(画像/PIXTA)

自分だけの空間を家の中につくる

「家の中に自分だけの空間をつくることもおすすめです。夫用、妻用、子ども用と小さくてもいいのでほかの家族に干渉されない書斎コーナーや趣味スペースなどを取り入れてください。そうすることで、家族みんなにとって居心地のよい住まいになり、家族間の関係も良好になるはずです」

調べ物をする人の写真

自分だけの空間があると、家に対してより愛着が湧く(画像/PIXTA)

本音で話せる担当者に出会うこと

「私の場合、家づくりは施主様と設計者、そしてビルダー(施工会社)とのワンチームで行うものだと思っています。家づくり成功のポイントは、なんといってもチームの相性です。チームの相性さえよければ家づくりはほぼ成功すると確信しています。そのためには、施主様が本音で話すことができる建築家や建築会社の担当者と出会うことが重要です。担当者は自分のいいたいことを代弁してくれそうか、同じ目線になって家づくりを考えてくれそうかなど見極めた上で契約をしてください」

打ち合わせする人の写真

信頼できる建築会社に任せることで、理想の住まいに近く(画像/PIXTA)

家を建てた後も長く付き合いたいと思える会社に依頼する

「家は建てて終わりではありません。入居後1〜2年後の点検から始まり、5〜10年後には外壁や屋根の点検、ベランダの防水工事、木材の再塗装といった小規模リフォーム、20年後には水まわり設備や壁紙の交換、外壁の再塗装などの大規模リフォームをする方が多いです。アフターケアに責任を持ち、しっかりと対応してくれる建築家や建築会社を選ぶようにしましょう。建築会社とは長い付き合いになるため、気軽に相談できる点もポイントになると思います」

家を建てた後も長く付き合いたいと思える会社のイラスト

長く付き合いたいと思える建築家や建築会社に依頼することで、家を建てた後も安心して暮らすことができる(イラスト/伊藤美樹)

スーモカウンターを利用して理想の家を建てた先輩たちの実例を紹介

スーモカウンターを通して建築会社を選び、理想の家を建てた先輩たちの実例を紹介します。

【Case1】建築家やインテリア担当者と何度も話し合い完成したこだわりの家

築40年を超える家に祖父母と同居していたEさんは、祖父母の他界を機に注文住宅を建てることに。白と黒とグレーを基調としたスタイリッシュな家にするため、居室やキッチン、浴室などのデザインを決めました。建築家やインテリア担当者と何度も話し合いを重ね、自分でも間取りを描いたそうです。建築中も大工さんと話し合いをしながらとことん理想の家を追求しました。完成した家を「作品」と語り、マイホームでの暮らしを楽しんでいます。

この実例をもっと詳しく→
建築会社と話し合いを重ね完成したスタイリッシュな“白黒”の家

Eさん宅の注文住宅実例

家具や家電もモノトーンで統一。色のバランスを熟慮して空間をつくった(写真/片山貴博)

【Case2】遠隔地の家づくり。飽きのこない住み心地のよいマイホームが完成

大阪に住みながら九州に家を建てることになったYさん一家。遠隔地の家づくりは相談から完成まで11カ月というハイスピードで完成しました。スーモカウンターを利用して希望エリアに分譲地を持つハウスメーカーとマッチング。現地の動画や具体的なプランを送ってもらい、大阪まで出張してきてくれた担当者と集中して打ち合わせを行いました。完成したのは飽きのこないスタンダードな家。収納たっぷりで家族が心地よく暮らせる住まいになりました。

この実例をもっと詳しく→
大阪にいながら九州に家を建てる。相談開始~入居を11カ月で実現

Yさん宅の注文住宅実例

広くて明るいリビングは家族みんなのお気に入り(写真/photo office forte(河波 隆博))

暮らしに合った理想の家を建てるには?

暮らしに合った理想の家を建てるにはどんなことを大切にしたらよいでしょうか。最後に、越野さんに伺いました。

「家づくりには大きなお金が動くので、建てた家によってどれだけの満足感が得られるかがポイントになります。そのためには、無理のない適切な資金計画や家族が心地よく暮らせる設計の工夫が必要です。なぜ家を建てようと思ったのかという地点から丁寧にヒアリングしてくれる担当者との出会いも鍵となります。信頼して家づくりを任せられるプロを探し、心地よい暮らしを手に入れましょう」

スーモカウンターに相談してみよう

「家を建てるにはどうしたらいいの?」、「費用や手順は?」など、住まいづくりについて疑問や悩みがある人は、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客様のご希望を伺った上で、かなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

無料の個別相談のほか、「はじめての注文住宅講座」や「ハウスメーカー・工務店 選び方講座」など、家づくりの段取りや会社選びのポイントなどを学べる無料の家づくり講座も利用できます。ぜひお問い合わせください。

取材協力/越野かおるさん

kao一級建築士事務所 代表 一級建築士

取材・文/佐藤愛美(りんかく) イラスト/伊藤美樹