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家の中に蟻が出るときの対処法は?家を建てるとき・建てたあとにできることも解説

家の中に蟻がいると、たとえ数匹であっても気になる人は多いでしょう。小さい蟻であっても、頻繁に見かけたり大量に発生したりする場合には、放置しているとさまざまなリスクが考えられます。この記事では、家の中の蟻を放置するとどうなるのか、蟻が出たときにはどのように対処すればよいのかなどを、蟻が出ない家にするための工夫とあわせて株式会社ダスキン ターミニックス事業部の齋藤祐輔さんに伺いました。

家の中に蟻が出るのはなぜ? 放置したらどうなるの?

通常は家の外にいることが多い蟻が家の中に出るのはなぜなのでしょうか? 放置するとどうなるのか?あわせて紹介します。

家の中に蟻が出る理由は?

「蟻はエサを求めて常に広い範囲を移動しており、その過程で家の中に侵入してくることがあります。家の中にエサとなるものを発見すると、『道しるべフェロモン』というニオイ物質を腹部から分泌し、それを頼りに行列をつくるのです。

また、蟻は地面の下に巣をつくるイメージがありますが、壁の板と板の間など閉所空間に土を運んで巣をつくる種類も少なくありません。そのような蟻が家に巣をつくってしまうと、家の中で大量の蟻が現れるようになってしまいます」(齋藤さん/以下同)

蟻はどこから入ってくるの?

「蟻は体長が小さいため、配管で開けたような大きな穴からだけでなく、サッシや玄関の小さな隙間、床下とつながるわずかな隙間などからでも侵入してきます。また家に持ち込んだ植木鉢にもともと蟻の巣があり、そこから生息範囲を広げることもあります」

植木鉢の上を歩く蟻

家の中に持ち込んだ植木鉢に蟻が巣をつくっている場合もある(画像/PIXTA)

家の中の蟻を放置するとどうなるの?

「蟻はシロアリのように木材を食害することはないので、放置したからといって家自体に被害が出ることはありません。ただ、家の中に巣をつくられてしまうと目に入る機会が増えます。とくに食材に群がっているような様子は、見ていて気持ちがいいものではないでしょう。

家電に入り込んで基盤に影響が出たり、場合によっては皮膚をかまれたりすることもあるので、できるだけ早めの駆除をおすすめしています」

家の中に出る蟻の種類は?

家の中に出る蟻の、主な種類を紹介します。

蟻の種類

特徴

ヒメアリ

体長:約2〜2.5mm

食性:吸蜜性

イエヒメアリ

体長:約2〜2.5mm

食性:雑食性

ルリアリ

体長:約2mm

食性:雑食性

トビイロケアリ

体長:約3〜4mm

食性:吸蜜性

ムネアカオオアリ

体長:約10mm

食性:吸蜜性

蟻は種類によって食性が異なります。駆除したい蟻がどの種類かを見分けられると対策しやすくなります。

家の中に蟻が出たときの「対処法」は?

実際に家の中に蟻が出たときには、どのように対処すればいいのか伺いました。

蟻を追跡して巣の場所を確認する

「家の中に蟻が出たときには、蟻を追跡して巣の場所を確認します。家の外から入ってきている、つまり家の外に巣があるのか、それとも家の中に巣があるのかを把握しておくと、駆除する際に役立ちます」

蟻が集まる原因を取り除く

「テーブルに放置されたお菓子やゴミ箱に捨てられた食材などに蟻が集まっている場合は、その原因を取り除き、それ以上蟻が集まらないようにします」

食べ物に集まる蟻

蟻が集まっている場合は、まずはその原因を取り除こう(画像/PIXTA)

家の中の蟻を退治する

「蟻が集まっている場所や通り道に沿ってウエットティッシュや雑巾などで拭き取ると、道しるべフェロモンを消せるので、それ以上行動範囲が広がることを防ぎやすくなります。その際、特別な薬剤は不要です」

蟻の巣ごと駆除する

「目に見える蟻だけを退治しても、巣からまた蟻が出てきてしまうので、家の中の蟻を根絶させるには巣ごと駆除することが大切です。蟻の巣の駆除には、蟻が巣に持ち帰るタイプのベイト剤(駆除剤)を置くと効果的です。ベイト剤は効果が出るのに数日から1週間程度かかることがあるので、できるだけ巣や進入口の近くで隅のほうに置くようにすると生活の邪魔になりません。

巣を見つけた場合に直接殺虫剤を噴霧する方もいますが、一般に市販されている殺虫剤は忌避性がある成分(ピレスロイド系)のものが多いので避けるのが無難です。そういった殺虫剤は、薬剤に直接触れた蟻は駆除できても、触れなかった蟻は分散して別の場所に移動してしまうので、結果的に範囲が広がる可能性があるためです」

プロに駆除を依頼する

「蟻は甘いエサを好む種類、油分を好む種類があるので、ベイト剤を置いて2週間程度たっても効果がなければ別のタイプを試してみましょう。その間ベイト剤は動かさないことが大切です。市販のベイト剤を試してみても効果がない場合は、プロに駆除を依頼するのも方法の一つです。プロは蟻の種類によって適切な駆除方法を見極め駆除するので、安心して任せてよいでしょう」

蟻を駆除する男性

自力での蟻駆除が難しい場合は、プロに依頼するのも方法の一つ(画像/PIXTA)

家の中に蟻が出ないようにするための「予防策」は?

家の中に蟻が出ないよう、予防する方法はあるのでしょうか?

家を建てるときにできる対策

「家を新築するときには、シロアリ対策として床下に防蟻処理(ぼうぎしょり)を行うことが建築基準法で義務付けられています。防蟻処理を行うと、床下から侵入してくる蟻に対しては一定の効果を得られます。ただしそれ以外、例えば玄関やサッシの隙間からなどの侵入を防ぐことはできません。

なおシロアリが食害した木材は空洞が多く、蟻にとって格好のすみかとなり得ます。家を守り、さらに蟻が住み着くのを防ぐためにも、防蟻処理は定期的に行うことをおすすめします」

木材に防虫防腐剤を塗装する大工

新築時の防蟻処理は、結果的に蟻の繁殖予防にもつながる(画像/PIXTA)

家を建てたあとにできる対策

「家を建てたあとの蟻対策としてもっとも重要なのは『清掃』です。蟻は動植物の死骸や昆虫類、甘いものなど、さまざまなものをエサにします。蟻のエサになるものが家屋外周にあると、フェロモンを頼りに蟻が集まり、結果として巣をつくられることにつながります。そうならないよう家屋の周辺は常に掃除し、蟻が巣をつくりにくい状態にしておきましょう。

屋内においても、食べ物をそのままにしていると蟻を呼び寄せてしまいます。食品類は容器に入れたり、冷蔵庫の中に入れたりして保管する。ゴミ箱は蓋付きにするなど工夫しましょう」

蟻以外の害虫の浸入や被害を防ぐ対策は?

家の中には蟻以外にもさまざまな害虫が入ってきます。ここでは主な害虫の侵入や被害を防ぐ方法を伺いました。

シロアリ対策

新築時に施した防蟻処理は、5年程度で効果が切れるのが一般的です。効果が切れる前に再散布すると、シロアリの侵入を防ぎやすくなります。

「シロアリの薬の再散布は、施工いただいた業者や建築会社に依頼するのが一般的です。施工業者が不明な場合や対応が難しい場合には、弊社でも施工を承っております。

シロアリは日の当たらない場所や風通しの悪い床下など、人目につかないところの湿った木材を食害します。家の周囲に地面に接する形で木材を放置しないことも大切です。万一シロアリを見つけた場合は、業者に依頼し薬剤の散布やベイト剤で駆除してもらうとよいでしょう」

ゴキブリ対策

「ゴキブリも蟻と同様、窓のサッシなどのわずかな隙間から侵入してくるので、隙間がある箇所にテープなどを貼り塞ぐことが肝心です。家の中や周囲は清掃して乾燥させ、さらに生息場所となりやすいキッチンなどの水まわり、電化製品の周辺、家具の中などにベイト剤を置いておくとよいでしょう」

ムカデ対策

「ムカデにかまれると、腫れが長期間引きません。そうならないためにも、普段から徹底した対策が不可欠です。ムカデは乾燥に弱く湿った場所を好むので、床下換気扇を設置するなどして床下に湿気がこもらないようにしておきましょう。また家の周りの落ち葉や雑草をそのままにしていると住み着いてしまうので、掃除・お手入れをすることも大切です」

庭掃除のイメージ

家の周りの落ち葉や雑草を片付けることもムカデなどの害虫対策には有効(画像/PIXTA)

蚊対策

「蚊については、まずは発生を防ぐことを考えましょう。蚊の幼虫(ボウフラ)は、わずかな水たまりで発生・繁殖します。空きビンや容器類など水たまりになりやすいものは片付けるか、日の当たらない場所に置きましょう。植木鉢の受け皿はこまめに水を入れ替えると安心です」

クモ対策

「クモはハエ、ゴキブリ、飛翔性昆虫(飛ぶことにより移動する昆虫)を捕食するので、まずはエサとなる虫の侵入や発生を防ぐことが重要です。蛍光灯は虫が寄りつきやすい紫外線を発するので、LEDに替えると一定の効果が期待できます」

蛍光灯をLEDに交換しているイメージ

照明をLEDに替えると小さな虫が集まりにくくなり結果的にクモを減らせる(画像/PIXTA)

掃除が一番の予防策! 手に負えない場合はプロに駆除を依頼しよう

最後にあらためて齋藤さんに、蟻を含む不快な害虫に対処する際の心構えを伺いました。

「蟻を含む不快な害虫はあらゆる場所に住んでおり、100%予防する方法というのは残念ながらありません。しかし小さな心掛けや早めの対処で、被害を最小限に抑えられます。まずは家の中や周りのお掃除をこまめに行うことが、虫を家に寄せ付けず、被害を防ぐ一番の予防につながります。

それでも害虫が発生してしまい自分では手に負えない場合は、それ以上被害を広げないためにもプロに駆除を依頼することを検討しましょう。プロに依頼する場合は、事前に見積もりを取ったうえで、事前説明がきちんとしている業者を選ぶのがおすすめです」

取材協力/齋藤祐輔さん

株式会社ダスキン ターミニックス事業部

取材・文/佐藤カイ(りんかく)