
縦に並んだ羽根が特徴的なバーチカルブラインドは、おしゃれな雰囲気を演出できるアイテムです。機能面でも優れているブラインドですが、デメリットもあるので、知らずに選ぶと後悔してしまう可能性があります。後悔しないためにも、バーチカルブラインドの特徴を理解して、設置を検討することが大切です。
そこで今回は、インテリアコーディネーターとしての経験があるカラーリストで、一般社団法人国際カラープロフェッショナル協会の理事を務めるとおみねきよみさんの話をもとに、バーチカルブラインドの特徴やメリット・デメリット、おしゃれに見せるコツ、注意点などについて紹介します。
バーチカルブラインドとは?
はじめに、バーチカルブラインドの特徴や種類などについて解説していきます。
特徴
「バーチカルとは縦型を意味する言葉であり、ルーバー(羽板)が縦に並んだブラインドのことをバーチカルブラインドといいます。縦型ブラインドと呼ばれることもあります。オフィス等でよく見られる横型のブラインドは上下に開閉しますが、バーチカルブラインドは左右に開閉するのが特徴です」(とおみねさん、以下同)

バーチカルブラインドの種類
バーチカルブラインドは、シングルスタイル・アンサンブルスタイル・モアラップスタイル・ツーウェイスタイルの4種類に分けられます。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
シングルスタイル
シングルスタイルは、不透過のドレープ生地のルーバーのみを使っているのが特徴で、最もスタンダードなバーチカルブラインドです。シンプルな構造であるために、どんなテイストのインテリアとも相性がよくなじみやすいです。ルーバーの色や素材の選択肢が多く、内装やライフスタイル、間取りに合わせた仕様のバーチカルブラインドを取り入れることができます。
シングルスタイルは、ルーバーを回転させて角度を調節し、採光をとることが可能です。ルーバーを斜めにすると外の光が入ってきますが、一方で外からはその隙間から室内が見えてしまいます。そのため、1階で道路に面する窓や隣家の窓とバッティングする場所など、外からの視線が気になる部分には不向きです。
アンサンブルスタイル
アンサンブルスタイルは、不透過のドレープ生地と透過性のあるレース生地のルーバーを交互に並べたスタイルです。センターレーススタイルと呼ばれることもあります。ドレープ生地のルーバーを回転させるとレース生地のルーバーが現れ、そこから柔らかい日差しを室内に取り入れることが可能です。
シングルスタイルと違ってレース生地があることで、外からの視線を遮りながら採光をとれるメリットがあります。レース生地がミラーレースであれば、光を反射することでさらに目隠し効果が高まります。
モアラップスタイル
モアラップスタイルは、不透過のドレープ生地のルーバーのみを使用したバーチカルブラインドです。シングルスタイルとの違いは、ルーバーの重なり幅が大きくなっていることです。重なり幅が大きいことで、閉じたときの光漏れを最小限に抑えられます。
また、室内の断熱性を高められるので、省エネ性に優れていることもメリットです。夏は外からの熱の侵入を抑え、冬は暖かい空気が逃げにくくなるので安定した温度を維持でき、室内の快適性を保てます。直射日光が当たりやすい窓や快適性が求められる寝室などにオススメのスタイルです。
ツーウェイスタイル
ツーウェイスタイルは、不透過のドレープ生地と透過性のあるレースのルーバーを1つにつなげたバーチカルブラインドです。カーテンのような感覚でドレープ生地とレース生地を切り替えることができます。
日中はレースのルーバーにすることで、外からの日差しを取り込むことが可能です。夜はドレープ生地のルーバーに切り替えてプライバシーを確保できます。カーテンと似ているので、使い勝手の良さも魅力です。
平均的な価格
「バーチカルブラインドの価格は仕様やサイズによって大幅に異なるため、平均価格をお伝えすることはできません。手動タイプと自動タイプ、日本製と海外製といった違いによっても数万円〜数十万円の金額幅があります。価格の幅が大きいため購入時に迷ってしまうかもしれませんが、どういう機能が必要かをよく考えた上で、複数のメーカーに見積もりをとることをオススメします」

取り付け方
「バーチカルブラインドの主な取り付け方は、天井付けと正面付けの2種類です。天井付けは天井、もしくは窓枠の内側にブラインドを収める方法で、コンパクトに仕上がります。正面付けはバーチカルブラインド用のレールを窓枠の外側に設ける方法で、大きな窓が映えます」
また、カーテンレールに取り付ける方法もありますが、レールに負荷がかかるため一般的に推奨はされていません。

メンテナンス方法
「バーチカルブラインドはルーバーが縦に並んでいるため、横型のブラインドよりもほこりがたまりにくいという特徴があります。そのため日常的な手入れはハンディモップや布でほこりを払い落とす程度で大丈夫です。どうしても落ちない汚れがあるときや破損してしまったときは、ルーバー交換をすることも可能です。仕様によっては洗濯できるタイプもあるため、頻繁に手入れをしたい場合はウォッシャブル機能付きのものを選ぶのがオススメです」
手入れの方法は素材ごとに異なります。布製の場合は中性洗剤を使い、手洗いで汚れを落とします。商品によっては洗濯機洗いも可能です。
木製は静電気が発生しにくくほこりが付着しにくいので、ハンディモップなどで軽く払う程度でOKです。反りやねじれの原因となるため、水拭きは避けましょう。
アルミ製はスラットを閉じた状態でほこりを払う程度でよいでしょう。油分の汚れがついた場合は、柔らかい布に中性洗剤などを薄めたものを含ませ、軽くふき取った後水拭きします。
紙製は撥水加工のものであれば、かたく絞った布で拭きましょう。
掃除や洗い方などは商品ごとに異なるため、商品説明をよく確認してからメンテナンスしましょう。

バーチカルブラインドを設けるメリットは?
バーチカルブラインドを設けることには、おしゃれな空間になったり、横型ブラインドよりも開閉が楽だったりとさまざまなメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
スタイリッシュでおしゃれな空間になる
「ルーバーの縦のラインが並ぶことで空間がスタイリッシュで開放的な雰囲気になります。空間をシャープ、クール、モダンといった印象にしたい場合は、バーチカルブラインドを取り入れるのが適しています」

開閉が楽
「上下に開閉する横型ブラインドと比較すると、バーチカルブラインドは左右に開くため重みを感じることなく開閉できます。大きな窓や高い位置に設置する際は、電動式を選ぶとより開閉が簡単になります」

変形窓にも対応している
「三角や台形、カーブした窓など変形窓に対応するバーチカルブラインドもあります。ラインナップが幅広いので、デザイン性の高い窓にマッチしたブラインドを見つけやすいというメリットがあります」

開放感を演出できる
開放感のある部屋を演出したいときに、バーチカルブラインドはオススメです。縦長のルーバーで構成されるバーチカルブラインドは、縦のラインを強調する視覚効果があり、天井が高く見えます。天井の低い部屋でも天井から床までつるす天井置きにすれば、より広い空間に見せられます。
また、バーチカルブラインドはルーバーが規則的に美しく並んでいるので、すっきりした印象になります。
ほこりがたまりにくい
横型のブラインドと比べてお手入れに手間がかからないこともバーチカルブラインドのメリットです。横型のブラインドは、横長のルーバーで構成される構造上、ほこりがたまりやすいのでこまめな掃除が必要です。
しかし、縦型のルーバーが並ぶバーチカルブラインドは、どの角度で使ってもほこりがたまりにくいので、きれいさを保ちやすく、お手入れの頻度を減らすことができます。天井置きにすれば、レールにほこりがたまるのも防げます。
バーチカルブラインドの基本的なお手入れは、ハンディモップなどで軽くほこりを払うだけなので、お掃除が苦手でも清潔を保ちやすいです。また、ウォッシャブルタイプであれば、ルーバーを取り外して洗濯もできるので、よりきれいな状態を維持しできます。
後悔しがちなバーチカルブラインドを設けるデメリットは?
バーチカルブラインドを設けたことで後悔してしまったというケースも少なくありません。ここでは、事前に知っておきたいバーチカルブラインドのデメリットを紹介します。
ルーバーの音がうるさい
「風にあおられた際にルーバーの音がパタパタと鳴ってしまうのはバーチカルブラインドのデメリットといえます。音の問題が気になる場合は、頻繁に開閉する窓に設置するのは避けたほうがよいでしょう」

高額なものが多い
「一般的な布製のカーテンと比較するとバーチカルブラインドは高額なものが多いです。予算内でバーチカルブラインドを取り入れたい場合、設置場所を厳選したほうがよいでしょう」

外から見えてしまう
「バーチカルブラインドの性質上、閉めていても隙間が生まれます。そのため屋外からの視線が気になってしまうという人も。屋外からの視線が気になる場所ではバーチカルブラインドの使用を避けるのが無難です。または、ミラーレースがついたペアスタイルやルーバーの重なり幅が大きなモアラップスタイルを採用するとよいでしょう」

洗濯ができない
カーテンであれば汚れたら洗濯してきれいにできるケースが多いですが、バーチカルブラインドは洗濯できないものが一般的です。これはブラインド全般のデメリットです。
しかし、最近はルーバーを取り外して洗濯できるウォッシャブルタイプも登場しているので、お手入れしやすくなっています。バーチカルブラインドは構造上、ほこりがたまりにくいです。普段からハンディモップなどで拭き掃除をしていればきれいな状態に保てるので、洗濯はしっかりお手入れしたいときにやるぐらいに考えるとよいでしょう。
バーチカルブラインドで部屋をおしゃれに見せるコツ
バーチカルブラインドにはさまざまな種類があります。インテリアとの統一感を意識してルーバーのカラーやデザインを選ぶとおしゃれな空間をつくることができます。
「カラールーバーをミックスして、ストライプ模様やグラデーションをつくると綺麗です。部屋のアクセントにもなり、オリジナリティを演出できます。ルーバーはつけ外しができるので、柄のあるルーバーやデザインカットが施されたおしゃれなルーバーを一部分に取り入れることも可能です。多様なカラーやデザインの中から好みのルーバーを選べる点も、バーチカルブラインドが人気の理由といえます」

後悔しないために知っておくべきバーチカルブラインドの選び方のポイント
バーチカルブラインドを設ける際には、部屋の雰囲気に合ったものを選ぶことが大切です。ここでは、後悔しないために知っておきたいバーチカルブラインドの選び方のポイントを紹介します。
素材
「布製、木製、アルミ製、紙製などがあります。住まいに取り入れやすく最もスタンダードなのは布製です。布製はほかの素材に比べて手入れがしやすいというメリットがあります。木のぬくもりや高級感を演出したい場合は木製、クールな雰囲気を演出したい場合はアルミ製、和風の部屋には紙製といったように、空間の雰囲気に合わせて使い分けができます」
バーチカルブラインドはカラーやデザインも豊富です。手入れのしやすさにもデザインにもこだわりたい場合は、プリントされた布製のルーバーを選ぶという選択肢も。ルーバーの素材感やデザインによって、ナチュラルなウッド調、温かみのある北欧風、おしゃれな和モダンなどのテーマ性を演出できます。
スタイル
前述のとおりバーチカルブラインドには、シングルスタイル・アンサンブルスタイル・モアラップスタイル・ツーウェイスタイルの4種類に分類されます。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、どのスタイルのバーチカルブラインドを設置するのか考えることが大切です。
開き方
「バーチカルブラインドは左右に開くという特徴がありますが、その開き方にも片開きタイプと両開きタイプの2種類があります。窓の片側にルーバーを寄せる形でブラインドを開くのが片開き、中央から左右両方にルーバーを寄せる形でブラインドを開くのが両開きです」
操作方法
「操作方法には、バトン式、コード式、ワンチェーン式、電動式の4種類があります。1本のバトン(ポール)を動かして開閉や角度調整するのがバトン式、コードを引っ張って開閉、バトンで角度調整するのがコード式、ループ状のチェーンだけで開閉や角度調整するのがワンチェーン式です。リモコンを使って操作するのが電動式です」

バーチカルブラインドで後悔しないための注意点
バーチカルブラインドの設置で後悔しないためにも、いくつか気をつけたいことがあります。その注意点は以下のとおりです。
設置する場所をよく考える
「音やプライバシーの問題を考慮し、バーチカルブラインドを設置する場所はよく考えたほうがよいでしょう。開閉が多い窓や道路に面した窓にバーチカルブラインドを設置し後悔するケースもあります。機能によってデメリットをカバーできることもあるので、仕様や金額などをトータルで考えて選ぶことをオススメします」

高機能な商品は使いやすく長持ちする
「遮熱、遮光、抗菌など高機能な商品は値段が高くなるものの、使いやすく長持ちします。メンテナンスコストや暮らしやすさの観点から、高機能なバーチカルブラインドを選ぶ人も多いです」

バーチカルブラインドがマッチしない空間もある
「バーチカルブラインドは空間をスタイリッシュに見せてくれますが、エレガント系、クラシック系などのインテリアとは調和しにくく、デザインの統一感を損なう可能性があります。住まいをどんな印象にしたいかイメージしてからカーテンやブラインドを選ぶことが大切です」

ペットや子どもがいる家では扱いに注意
「ペットや子どもがいる場合、ルーバーにまとわりついて遊ぶと怪我をするおそれがあります。また、ルーバーに引っ掻き傷や噛み跡がついてしまう可能性も。バーチカルブラインドを取り入れるときはペットや子どもの背よりも高い窓に設置したほうがよいでしょう」

バーチカルブラインドを取り入れた先輩の実例
築年数の古い賃貸マンションで生活していたSさん夫妻は、住宅設備の性能と、壁が薄く隣人の生活音が聞こえる空間に不満を感じており、持ち家がほしいと考えていました。働きながら住宅ローンを完済するなら今のタイミングだと思い、スーモカウンターに相談しました。
「駅近で帰り道が暗くない土地」「和モダンな内装」「家庭菜園用の庭と洗濯物が干せるバルコニー」などの希望を伝え、その希望をかなえてくれる中堅の建築会社4社を紹介してもらいました。4社の面談を通じて、こちらの要望や質問に対して親身に対応してくれて、楽しく打ち合わせができたという1社を選びました。
広さにこだわったリビングにはバーチカルブラインドを設置。スタイリッシュなバーチカルブラインドによって、より開放的な雰囲気に仕上がりました。

この実例をもっと詳しく→
内装のコンセプトは“和モダン”。キッチンの近くにワークコーナーを配し、仕事をしながらの料理も可能に
バーチカルブラインドを住まいに上手に取り入れるには?
最後に、バーチカルブラインドを住まいに上手に取り入れるコツについて、とおみねさんに伺いました。
「ご紹介したように、バーチカルブラインドは種類が豊富で価格にも幅があります。デザインや機能性、価格などを十分に比較検討し、家の中のどこにどんなバーチカルブラインドを取り入れたいか、イメージを膨らませてみてください。選択肢が多いので、好みや予算に合った商品も見つけやすいと思います。バーチカルブラインドは空間のおしゃれなアクセントにもなるので、ぜひ楽しんで選んでくださいね」
スーモカウンターに相談してみよう
「バーチカルブラインドが似合うスタイリッシュな家をつくりたい」、「家具やインテリアのことも相談できる建築会社を知りたい」など、住まいづくりについて疑問や悩みがある人は、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご希望を伺った上で、かなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。
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イラスト/石山好宏
監修/SUUMO編集部(バーチカルブラインドの種類、開放感を演出できる、ほこりがたまりにくい、洗濯ができない)
一般社団法人国際カラープロフェッショナル協会理事