注文住宅を建てる際、複数のハウスメーカーや工務店から見積もりを取り、そのなかから1社を選ぶことが一般的な流れです。しかし、選ばなかった他の業者にはお断りの連絡をしなければなりません。何度も打ち合わせを重ねた業者を断るのは、心苦しく感じることもあるでしょう。
そこで今回は、ハウスメーカーや工務店に断りを入れる際のコツや注意点、具体的な断り方の例文を紹介します。また、断るのが苦手な方のために、代行サービスについても紹介しています。上手にお断りを入れる方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
選ばなかったハウスメーカーや工務店の「お断り」にみんな苦労している!
建築会社は選ぶのも断るのも難しい、という声をよく聞きます。実際、注文住宅を建てた先輩たちへのアンケートで「建築会社との見積もりや設計・契約段階で感じたこと」を聞いたところ、「検討する会社でなくなったとき、断わるのが苦痛だった」が4位という結果になりました。
【編集部が解説】ハウスメーカーや工務店への断り方のコツは?
ハウスメーカーや工務店への断りの連絡を入れる際、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 断ることに負い目を感じないようにする
- 断りを入れる場合は、早めに連絡を入れる
- 断りやすいタイミングを把握しておく
- 感謝の気持ちを伝える
- 今後の連絡は不要であることを明確に伝える
それぞれのポイントについて解説していきます。
断る理由を伝える
営業担当者に対して断りの連絡を入れる際に、負い目を感じてしまう人もいるでしょう。とくに、何度も打ち合わせを重ねたり、たくさん質問をした後で断るのは申し訳なく感じることがあります。しかし、断ることに必要以上に負い目を感じることはありません。
営業担当者は断られることに慣れており、注文住宅では実際に成約できるのはごく一部です。そのため、断る側が負い目を感じる必要はないといえるでしょう。
断りを入れる場合は、早めに連絡を入れる
複数の会社から見積もりを取っていることを知っていても、本契約直前まで進んでから断られると、やはり残念に思うものです。また、断りの連絡を先延ばしにしている間にも、営業担当者は資料作成や提案内容の準備を続けています。そのため、断ると決めたらできるだけ早めに連絡を入れるようにしましょう。
また、前回提案してもらったプランだけを断りたい場合も同様です。希望と異なる点を伝えた時点で、営業担当者は新しいプランを提案するために準備を進めます。話が進んで後戻りできない状況になる前に、早めに断ることが重要です。
断りやすいタイミングを把握しておく
断ることは気持ちの負担にもなりますので、適したタイミングを把握しておくことも重要です。とくに断りやすいのは、相見積もりを取ったタイミングです。見積もりを見て、その会社に依頼する決意を固めたら、他の会社には早めにその旨を伝えるようにしましょう。
また、見積もりを出してもらう前に決まった場合は、見積もりの提案前に断った方が良いでしょう。見積もりの提出には1週間程度かかることが多く、その間には設計担当者などの関係者も並行してプラン作成などの仕事を進めています。余計な手間をかけさせないためにも、見積もり前に早めに連絡を入れるようにしましょう。
感謝の気持ちも伝える
建築会社は、自社で家を建ててもらうために時間と手間をかけて提案を行っています。そのため、設計プランや見積書を一生懸命作成してくれたことに対して、感謝の気持ちを伝えることは非常に重要です。断る際に、これまでの労力に対してのお礼をしっかり伝えましょう。
今後の連絡は不要であることを明確に伝える
他社で話が進んでいる場合、断る際に今後の連絡が不要であることを明確に伝えることも大切です。これを伝えないと、連絡が来る可能性があります。お互いの貴重な時間を無駄にしないためにも、今後の連絡は不要とはっきり伝えた方が良いでしょう。
ハウスメーカーや工務店へ断りを入れるときに注意しておきたいポイント
断りを入れるときはいくつか注意すべきポイントもあります。ここでは、その注意点について解説します。
放置はしない
断るのが気まずいからといって、営業担当者に連絡を一切せずに放置するのは避けましょう。電話やメールが来ているのに無視するのは、営業に関係なく相手に対して失礼な行動です。また、連絡しなかったことでマイホームが完成した後もモヤモヤが残る可能性もありますので、清々しく新居に入居するためにもきちんと断りの連絡を入れるようにしましょう。
断ることが確定している場合は会わないようにする
対面の方が誠実さを伝えられると考える人もいますが、わざわざ会うためにスケジュールを調整し、貴重な時間を使うことになります。相手も同様に時間を割くことになるため、断る際は直接会わずに電話やメールを利用しましょう。
お詫びの品の準備は必要ない
申し訳ない気持ちから菓子折りなどのお詫びの品を用意しようと考える人もいますが、実際にはお詫びの品を準備する必要はありません。むしろ、直接事務所にお詫びの品を届けたり、郵便で配達したりすると、双方にとって余計なやり取りが発生するため、電話やメールでの連絡が最適です。
仮契約をしている場合は解約に関する内容を必ず確認する
仮契約は、具体的なプランを提示し、前向きに検討している意思を確認するために交わされる契約です。仮契約時には10万円程度の申し込み金が発生することもありますが、断りを入れた際に申し込み金が返却されない可能性もあります。このようなトラブルを回避するためにも、仮契約時に、解約に関する内容を必ず確認しておくことが重要です。
SNSでの断りの連絡は避ける
LINEなどのSNSを利用して営業担当者と連絡を取っている人もいるでしょう。断る際にはSNSを使った方がスムーズに感じるかもしれませんが、マナーの観点からは電話またはメールで行うのが望ましいです。営業担当者の名刺には連絡先の電話番号やメールアドレスが記載されていますので、いずれかで断りの連絡を入れるようにしましょう。
ハウスメーカーや工務店へ断りを入れる際に使える理由をタイミング別に紹介
断りを入れる際、「なぜ断ろうと思ったのか」という理由を問われるケースもあります。そこで、見積もり前後や仮契約後、本契約後のタイミング別に使える理由をご紹介します。
見積もり前の断り方
見積もり前は初期段階にあたります。さまざまな話を聞いた結果、家づくりの方針が決まり、断りを入れる会社ではその方針を実現するのが難しいという理由が多いです。
たとえば、鉄骨造の家を希望する場合、木造の家づくりを得意とする会社は断ることになります。その場合は、正直に希望の建築方法があることを伝え、断ると良いでしょう。
見積もり後の断り方
設計プランなどがある程度決まり、見積もりを提案してもらった後で断る場合、見積額や提案内容を比較した結果、他社の方が良かったという理由で断ることが多いです。
断り方としては、「見積もりや提案内容を比較した結果、他社を選んだ」と伝えると相手も納得しやすいでしょう。
仮契約後の断り方
仮契約後に断る場合は、正直にその理由を説明することが重要です。仮契約は本契約を前向きに検討している意思表示でもあるため、仮契約後に断るケースはあまり多くありません。
ほとんどの場合、プランや金額に納得した上で仮契約を結びます。それでも断る理由としては、同時進行で話を進めていた他の会社から値引きの提案を受けた場合や、夫婦が納得していたが、資金援助を受けている親から別の建築会社を勧められた場合などが考えられます。これらの理由を正直に伝えるようにしましょう。
本契約後の断り方
本契約時には、物件価格の5~10%にあたる契約金(手付金)を支払うことになります。買主側が契約を破棄した場合、契約金は戻ってきません。たとえば、物件価格が1,000万円の場合、契約金として100万円を支払うことになります。
しかし、住宅ローンの審査に通らなかった場合は話が変わってきます。契約時に「住宅ローン特約」を付けることで、審査に通らなかった場合に契約を解除できます。また、住宅ローン特約があれば、万が一ローン審査に落ちた場合でも契約金を返してもらえるでしょう。
ハウスメーカーや工務店への断り方は主に2種類!例文も紹介
コツや注意点などは把握できたものの、いざ断ろうとすると、どのように断っていいか迷ってしまう人もいるでしょう。基本的にはシンプルでわかりやすく、明確に断ることが重要です。ここでは、メールやLINEで断る場合と電話で断る場合に分けて、例文も交えつつ紹介します。
メールやLINEでお断りする場合の例文
メールやLINEで断る場合、声で気持ちを伝えられない分、電話よりも丁寧な言葉を使うことが重要です。また、前述のとおり、基本的には電話またはメールでの連絡が望ましいですが、どうしてもLINEで連絡をする必要がある場合はとくに丁寧な対応を心がけましょう。
【例文】
いつもお世話になっております。○○(氏名)です。
先日ご提案をいただいておりました家の件について、見積もりを比較した結果、同じ料金でも設計プランでより希望をかなえてくれた他社と契約することにいたしました。△△様にはこれまで親身に相談に乗っていただいたこと、心より感謝しております。
本当にありがとうございました。なお、今後のご提案やご連絡は不要とさせていただきますので、ご了承いただけますと幸いです。
この例文では、他社を選んだ理由を明確にし、営業担当者への感謝の言葉も述べています。もしメールやLINEで断った後、担当者から詳細な話を聞かせてほしいと連絡があった場合も、再度お断りの旨を丁寧に伝えましょう。
電話でお断りする場合の例文
電話で断る際も、メールやLINEと同様に、営業担当者へこれまでの対応に対する感謝の気持ちを伝えることが大切です。
【例文】
お世話になっております。実は家のことで家族と話し合った結果、今回は他社と契約することになりました。
これまで親身に相談に乗っていただいた△△様には心から感謝しています。この度は本当にありがとうございました。
今後の連絡についてはご遠慮いただければと思いますので、よろしくお願いします。
実際の電話では担当者との会話になるため、一方的に話すわけではありません。しかし、断る理由、営業担当者への感謝、そして今後の連絡についてをはっきりと伝えれば、トラブルなく断ることができるでしょう。
自分で断りを入れることに抵抗がある人必見! お断りの「代行」サービスの利用も検討してみよう
ここまで断り方を紹介してきましたが、それでも気が重くなるのは仕方ないことです。だからといって曖昧なまま話を進めてしまうと、営業担当者をより困らせてしまうことになります。そうならないためにも、はっきりと断ることが重要です。
もし自分だけで断るのが難しいのであれば、お断りの代行サービスを活用することも検討してみてください。実際に代行サービスとしてスーモカウンターを利用した先輩たちの声を聞いてみましょう。
● いい会社で断りにくかった3社に連絡を入れてくれた
「スーモカウンターには一度相談に行っただけなのに、後々まで連絡をもらえて心強く感じました。4社ともいい会社だったので決定以外の3社に対して断りにくかったのですが、断りの連絡をしていただけたのは助かりました」(兵庫県・40代)
● 建築会社への要望も、断りも、間に入って伝えてくれた
「スーモカウンターに紹介してもらった会社とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、提案プランが希望に沿っていなかったりした時はすぐに動いてくれた。断りも代わりにやってくれて、施工会社からの営業もなくてよかった」(愛知県・20代)
● 自分で断った会社から連絡が来たとき、対応してくれた
「最終検討で外れた建築会社へのお断りは、土地の関係もあって自分で連絡を入れましたが、その後も連絡が。スーモカウンターに相談し、対応してもらえたので助かりました」(三重県・30代)
● 自分で断らないため気持ち的にラクだった
「合わないと判断した会社のお断りも、スーモカウンターがしてくれるので助かりました。どの会社も親身になって提案してくれるので、自分で断らなくて済むのは気持ち的にラクでした」(埼玉県・40代)
● 自分で断った会社から連絡が来たとき、対応してくれた
「アドバイザーさんが、お断りする建築会社さんへの連絡を代行してくれるので助かりました。申し訳なさから、なかなか気が進まなかったと思うので……」(愛知県・30代)
実例紹介*複数社を比較検討し、納得の家づくりができた先輩たちの家を見てみよう
お断りの連絡を一任できれば、複数社でも安心して検討できます。スーモカウンターを利用して大満足の家づくりをかなえたケースを紹介します。
実例1:2社で迷って相談し、1社へのお断りも一任
自然素材を使ったナチュラルな家に、と思っていたMさん。スーモカウンターからナチュラルな家づくりを得意とする建築会社を4社紹介してもらうことに。そして各社からプランと見積もりを出してもらって検討しました。
最終的に2社で迷ったときも、アドバイザーが親身になって一緒に考えてくれて「頼もしかった」とMさんは語っています。お断りもアドバイザーに一任し、気兼ねなく比較検討できた事例です。
「私たちの好みを理解し、それに合った提案をしてくれる営業担当と出会えたことで、想像していた以上のプランが生まれたと思っています」
実例2:依頼しない3社にお断りの連絡を依頼
何から始めれば良いいのかわからず、スーモカウンターに行ったHさん。「アドバイスのおかげで、無駄に動かず、自分たちの希望に合った会社をスムーズに決められました」
その後、土地の紹介もしてくれて、耐震性の高い住まいづくりをしている会社にお願いすることに。依頼先を絞り込んだ後、依頼しなかった他の3社にお断りの連絡をしてもらえるのも、心の負担が減り、とても良いサービスだと思ったそうです。
クロスなど内装に関しては、後からDIYでなんとでもできると思っていたので、最小限にしました。大好きなビビットカラーのクロスは、住宅用のカタログからはなかなか思うようなものが見つからず、店舗用のクロスなども見せてもらい、夢が実現した事例です。
実例3:断りづらかった会社にお断り代行を利用
理想を詰め込んだ家を建てたいと、家づくりを思い立ったSさん。「家づくりってまず何から始めればいいんだろうと、何もわからなくて……」と、よく行くショッピングモール内にあるスーモカウンターに相談することに。
建てたい家のイメージや予算を伝え、紹介された10社から5社に絞って相見積もりを依頼し、比較検討した結果、予算内で希望どおりの家を建てられそうで、営業担当の印象も良かった会社に依頼することにしたそうです。
相見積もりを依頼した会社が多かったため、「お断りの連絡を代行してくれる、お断りサービスがあるのも助かりました」
バーカウンター風のキッチン、吹抜けリビングに鉄骨階段などの希望をかなえた、こだわりのつまった家が完成しました。スーモカウンターを利用したことで、自分たちに合いそうな会社に最短でたどり着くことができたそうです。
実例4:2社へのお断り連絡も代行の利用で安心
駅前の賃貸マンションに住んでいたKさん家族。子育て環境を改善するため、一戸建ての購入を検討していました。買い物中に見かけたスーモカウンターに相談し、予算や希望エリア、住まいのテイストを伝えると、希望に合いそうな3社を紹介され、その3社から話を聞いた結果、名前は知らなかったものの、イメージが明確に膨らみ、依頼を決定。
また、他の2社への対応についてもスーモカウンターに相談したところ、代わりにお断りの連絡を入れてもらえることになり、Kさんはホッとしたそうです。前居よりもゆとりのある新居で暮らし始め、スーモカウンターに行かなければ、依頼した工務店を知ることもなかったので、とても良い家づくりができたと感じているそうです。
実例5:ハウスメーカーや工務店の紹介からお断りまで一貫して代行を利用
家づくりを検討していたHさん夫妻は、最初は展示場に行ってみたもののどの会社も良い部分しか紹介せず違和感を覚え、CMで見かけたスーモカウンターに相談することにしたそう。
スーモカウンターからは、タイプの異なるハウスメーカーや工務店を4社提案され、それぞれと面談することにしました。相性やタイミングが合わなかった会社には、アドバイザーが代わりに断りの連絡を入れてもらえて安心したそうです。
1社に絞り込んでからも、スーモカウンターから進捗状況の確認があり、気になることがあればその都度相談できました。Hさんは家づくりを振り返り、スーモカウンターについて「フォロー体制に安心感がありました。的確な会社紹介で依頼先もすぐに決まったので、順調に家づくりが進みました」と話しています。
実例6:打ち合わせのアポイントからお断りの連絡まで代行に依頼
分譲マンションに暮らしていたKさんファミリー。しかし、ステイホーム期間を経て、庭のある戸建てでマスクを外して子どもが遊べる環境を求めるようになりました。
家づくりに関してわからないことが多かったため、妻の友人から聞いてスーモカウンターに相談。分譲マンションのローンが残っていたため、新築戸建てに住むのは難しいと考えていましたが、スーモカウンターのアドバイザーから紹介された4社は、すべて物件の売却から土地探しまでサポート可能な会社でした。
各社とのアポイントはすべてアドバイザーが行い、打ち合わせもスタート。また、アドバイザーの提案でファイナンシャルプランナーとも相談し、資金計画について話し合い、住み替えのハードルがクリアになったことで、本腰を入れて家づくりに取り組むことができました。
最終的には宿泊体験をして長所を実感した建築会社に依頼。打ち合わせの調整からお断りの連絡もすべてアドバイザーが引き受けてくれたことで、大変助かったとKさん夫妻は語っています。
気が重い「お断り」も、後悔のない会社選びをするためには必要なこと。誠意を持ってもって伝えれば理解してくれますし、スーモカウンターのアドバイザーに一任すればスムーズです。お断りのストレスから解放され、複数社をじっくり比較検討して、後悔のない家づくりを実現しましょう。
監修/SUUMO編集部(【編集部が解説】ハウスメーカーや工務店への断り方のコツは?/ハウスメーカーや工務店へ断りを入れるときに注意しておきたいポイント/ハウスメーカーや工務店へ断りを入れる際に使える理由をタイミング別に紹介/ハウスメーカーへの断り方は主に2種類!例文も紹介/自分で断りを入れることに抵抗がある人必見! お断りの「代行」サービスの利用も検討してみよう)
<調査概要>
「注文住宅3年以内建築者調査」(リクルート調べ)
調査協力:楽天インサイト
調査実施:2022年8月
調査方法:インターネット調査
対象者:3年以内に注文住宅を建築した25歳~44歳の全国の男女
有効回答数: 400名(うち、男性191名・女性209名)
取材・文/前川ミチコ