大工だった夫の祖父が建てた築45年の戸建てで暮らしていたKさん夫妻は、建物の老朽化に伴いリノベーションを検討しましたが、プランの制約があったため建て替えを決意。家のあちこちに祖父の思い出を散りばめながら、和テイストを取り入れた明るく気持ちのいい住まいを完成させました。
建物の老朽化によって、祖父の家を建て替えることに
結婚してからずっと夫の祖父が住んでいた戸建てで暮らしていたというKさん夫妻。大工だった祖父が建てた思い出が詰まった住まいでしたが、築45年で建物の老朽化が進んできたことを受けて、リノベーションを検討し始めました。イメージを膨らませようと住宅展示場を訪れ、リフォーム会社と話を進めていくうちに、リノベーションではプランに制約が出てしまうことがわかり、建て替えも視野に入れるように。
「金額的にはリノベーションも建て替えもほぼ同じくらいだとわかりました。愛着のある家だったのでなるべく残したいと考えていたのですが、大きなシューズインクローゼットなどの自分たちが思い描いていた希望のプランが間取りの制約上実現できないことも多いとわかり、それなら建て替えた方がいいなと思い、家を建てることにしました」(夫)。
情報収集をしていくなかで、雑誌の『SUUMO注文住宅』を購入。そこでスーモカウンターのサービスを知り、一度話を聞いてみようと、近くのスーモカウンターに足を運びました。障子や欄間など、今住んでいる家にある祖父の思い出の品を取り入れた住まいにしたいことや予算と併せて、打ち合わせのしやすい近場の会社にしたいことなど要望を伝えたところ、アドバイザーから「それなら、自社大工(その会社で専門で働いている大工さん)がいる近隣エリアの工務店がいいですね」と言われ、条件を満たしている3社を紹介されたといいます。
「各社と面談してみたのですが、プランに大きな差はなく見積もり金額もほぼ同じだったので、なかなか決めきれず迷ってしまって…。アドバイザーさんに電話してそのことを相談したら、『最後は一緒に家づくりがしたいと思える会社や担当者さんかどうかが大事だと思います』とアドバイスをもらい、提案のタイミングやテンポが良く、コミュニケーションが取りやすかった会社に決めました」(妻)。
「自分たちだけでは探すことができないような会社を紹介してもらえたのはとても良かったですね。2人とも断るのが苦手なタイプなので(笑)、アドバイザーさんからお断りの連絡を入れてもらえるのも心強かったです。結局自分たちでお断りの連絡を入れましたが、面談後もこまめにフォローしてもらえて助かりました」(夫)。
以前の住まいのパーツを取り入れながら、明るく暖かい住まいを実現
Kさん夫妻が家づくりでこだわったのは、「明るさ」と「暖かさ」。以前の住まいは南側に水まわり、北側に居間があったため、晴れの日でも室内が薄暗く、夏は湿気によりカビが生えやすく、冬は底冷えする寒さだったそう。
「以前のキッチンは独立型で、暖房がなかったので冬は料理や後片付けをするのが億劫でした。ダイニングキッチンだったのでダイニングテーブルを置いていましたが、結局使わず居間で食事をしていました。家の中で居る場所が限られていましたね」(妻)。
建て替えるにあたり、南側にリビングを配置し、リビングの一部に吹抜けを設けて明るさを確保。明るさを重視して2階リビングにする選択肢もあったそうですが、ゲストを呼ぶことも多く、庭でBBQができるようにしたかったので、1階にリビングを設けました。リビングの隣には畳スペースを設け、そこに建て替え前の家でも使用していた祖父の匠の技が光る障子と欄間を取り入れ、空間のアクセントに。畳スペースには琉球畳を採用し、和のテイストを活かしたナチュラルな雰囲気にまとめています。
「以前の住まいは、居室は基本的に畳だったので、畳のある空間はつくりたかったんです。キッチン〜ダイニング〜リビング〜畳スペースと、細長いレイアウトになっていますが、空間ごとに緩やかにゾーニングされて奥行きが生まれたので、それぞれの場所の役割が明確になりました」(妻)。
また、収納計画にもこだわり、すっきりとした空間にするために、各空間にたっぷりと収納スペースを設けました。
夫は多趣味でコレクション好きのため、アウトドアやファッションなどのアイテムが溢れないよう収納スペースをしっかり確保。大容量のウォークインクローゼットやシューズインクローゼットにすっぽり収まっています。
空間ごとに過ごし方の幅が広がり、居心地のいい場所が増えた
以前住んでいた家のイメージを踏襲し、大工だった祖父が手掛けたパーツを上手に取り入れながら和の雰囲気漂う家をつくり上げたKさん夫妻。明るく開放的で、暖かい住まいになったことで、毎日気持ちよく過ごせるようになったそう。
「特に冬に快適さを実感しました。以前は冬場にスリッパを履かずに家の中を歩くと、あまりに寒くて足が痛くなるほどでしたが、今の住まいは暖かくて全然違いますね。LDKが一つの空間になったことで冬場の食器洗いも寒くなくなったので、こまめにやるようになりました」(妻)。
以前の住まいでは、居心地のいい場所が限られてしまい、「開かずの間」になっている部屋が多かったそうですが、それぞれの空間ごとに過ごし方の役割が分けられて、快適な場所が増えたと言います。
「新居になってからスピーカーを新調したので、今はリビングで映画や音楽を楽しむことが多いですね。今後は寝室にプロジェクターを付けたりと、もっと充実させていけたらいいなと思っています」(夫)。
祖父の思い出を受け継ぎ、新しさの中にもどこか懐かしさ感じる住まいでの暮らしに大満足のKさん夫妻。明るさと暖かさを叶えた家で、これからも居心地のいい場所が増えていきそうです。
取材・文/金井さとこ 写真/相馬ミナ
- DATA
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土地面積 112.05㎡ 延床面積 108.17㎡ 建築費 1800万円台 間取り 3LDK+S 世帯構成 夫(40代)妻(30代)
- スーモカウンターで受けたサービス
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カウンター店舗 スーモカウンター上大岡店 紹介された建築会社数 3社 受けたサービス 個別相談