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施主検査とは?チェックするべきポイントや持ち物を紹介【PDFチェックリスト付き】

施主検査とは?チェックするべきポイントや持ち物を紹介【PDFチェックリスト付き】

注文住宅の完成が近づくと、いよいよ「施主検査」の時期を迎えます。施主検査は、引き渡し前に建物の仕上がりを自分の目で確認する大切な機会です。しかし、具体的にどこを見ればいいの?」「もし見落としたら後悔しそう」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、施主検査をスムーズに進めるために、当日の持ち物や確認すべきポイントについて、さくら事務所のホームインスペクター・友田雄俊さんにお話を伺いました。万全の準備を整えて、大切な住まいの最終チェックに臨みましょう。

目次

施主検査とは?

施主検査とは、完成したマイホームが契約通りに仕上がっているかを、自らの目で確認する大切な工程です。マイホームの引き渡しを受ける前に、傷や汚れがないか、設備が正常に作動するかなどを一つひとつ丁寧にチェックしていきます。

ここでは、どんなことをチェックすればよいのか、どのような準備が必要なのかを見ていきましょう。

施主検査とは

「施主検査」は、完成した家が設計図や約束通りにきちんとできているか、建築会社に依頼した「施主」が自身の目で確かめる検査のことです。

具体的には、完成した建物の施工品質は保たれているか、打ち合わせ内容や契約内容と相違がないかをチェックしていきます。
施主検査が終わると、「建物に問題がないことに同意した」とみなされることが一般的です。そのため、後になって不具合に気付いても、すぐに修正してもらえない可能性があります。

こうしたトラブルを防ぐためにも、施主検査の際には気になる点がないかを丁寧に確認することがとても大切です。

施主検査はいつおこなわれる?

「万一不具合が発覚したときに補修する日数を確保するため、施主検査は最終的な引き渡し日の2週間以上前におこなわれるのが一般的です」(友田さん/以下同)

施主検査にかかる時間

「施主検査にかかる時間は家の広さなどにもよりますが、一般的には1〜2時間程度です」

施主検査にかかる時間を説明するイラスト

施主検査は引き渡し日の2週間以上前に、1〜2時間かけておこなわれるのが一般的(イラスト/杉崎アチャ)

竣工検査との違いは何?

竣工検査とは、工事がほぼ完了したタイミングで工務店やハウスメーカーの検査員や担当者がおこなう検査のことです。一方、施主検査は竣工検査の後に実施するもので、施主が主体となって検査します。いずれも住宅の品質や安全性を確保するために、必要なステップといえます。

竣工検査では、契約書や設計書通りに完成しているか、また設備機器が問題なく作動するか、傷や不具合がないかなど仕上がりの状態もチェックします。

状態によっては補修や器具の交換が必要になることもあるため、遅くとも引き渡しの2週間までにおこなわれることが一般的です。

竣工検査に施主が立ち会う場合は、内覧会と呼ばれることがありますが、ほぼ同じ意味で使われています。

▼注文住宅購入後のトラブル防止に向けて、「図面通りに施工されているか」「傷や不具合はないか」などをチェックする施主検査は非常に重要です。「スーモカウンター個別相談」では、アドバイザーが1対1で注文住宅に関するさまざまな疑問にお応えしております。ぜひお気軽にご相談ください。

スーモカウンター個別相談

施主検査でチェックすべきポイント

施主検査では、住まいの完成状況を自分の目で確認する大切な機会です。工事の不備や契約との違いがないかをしっかり見ておくことで、安心して新生活をスタートできます。

ここでは、施主がチェックしておきたい6つのポイントをご紹介します。

図面通りに施工されているか

施主検査では、計画通りに施工されているか、図面を見ながら確認していきます。具体的には選んだ壁紙や天井・床材の柄や色、材質はあっているか、ドアや建具、キッチンやトイレ、お風呂、洗面化粧台などの設備機器は間違っていないかなどをチェックします。

とくに工事中に計画を変更した箇所があれば、反映されているか確認しましょう。

傷やひび割れなどはないか

内外装や付帯設備などに汚れや傷、ひび割れなどが発生していないかもチェックします。

建具や設備などの動作に問題はないか

ドアや引き戸はもちろん、キッチンの扉や引き出しなど開閉できるものはすべて実際に開閉して確認します。

「棚や手すりなど固定されているものについても、ぐらつきがないかもチェックしましょう。食洗機や換気扇などの設備については、実際にスイッチを入れ動かしてみます」

お風呂や洗面所、キッチンなどで水がしっかり流れるか

お風呂や洗面所、キッチンの水を流して確認します。水量や水圧をチェックし、少ないもしくは弱いと感じたら、その旨を伝えます。

洗面所やキッチンの下部の開き戸を開けて、パッキンや配管から水漏れしていないかも確認しましょう。

懐中電灯やスマートフォンで明るくするとチェックしやすくなりますが、目視が難しい場合は、実際に手で触れてぬれていないか確認するとよいでしょう。

階段や床できしむ音がしないか

階段や床を踏み込むように歩き、「ミシミシ」「キシキシ」と木がきしむような音がしないか確認します。

「床鳴り」がする場合は、フローリングなど床材の下地やその下の構造部分に、施工不良や調整不足の箇所があると考えられます。

下地の調整や施工を仕直す場合、時間がかかる可能性があります。少しでも気になるようであれば後回しにせず、早めに相談しましょう。

屋外に問題はないか

屋内だけでなく、屋外も確認するのを忘れないようにしましょう。一戸建ての新築であれば、チェックすべき箇所は多岐にわたります。

確認すべきポイントをリストアップしておくことをおすすめします。特に重要なポイントは、以下の通りです。

  • 基礎のコンクリート部分にひび割れや欠け、表面に砂利が露出している箇所がないか
  • 外壁にひび割れや欠け、タイルの施工不良がないか
  • 隣地との境界に境界標があるか
  • 隣地へ越境している部分がないか、もしくは隣家から越境している箇所がないか
  • 外構工事が契約通り完了しているか
  • 雨どいがきちんと固定されているか

施主検査でのチェックポイントについてのイラスト

後悔しない施主検査にするためには隅々までチェックすることが大切(イラスト/杉崎アチャ)

施主検査当日におすすめの持ち物

施主検査当日に持って行くと良いものを紹介します。

図面

「設計時に工務店やハウスメーカーから提出された図面は必ず持参しましょう。気になる箇所を直接図面に書き込めるよう、コピーしたものを持って行くのがおすすめです」

筆記用具

図面に書き込むための筆記用具も必要です。

「図面やチェックシートに書き込む筆記用具は、0.5mmのシャープペンシルを1本用意しておくのがおすすめです。基礎や外壁などにひび割れがあったときに芯を差し込んでみて、基本的に修繕が必要とされる0.5mm以上あるかを確認する際に役立ちます。

なお、ひび割れが0.5mm未満の場合、どの程度なら修繕対象とみなすかは施工会社によって異なります。気になる場合は、施工会社に修繕してもらえるか相談してみるとよいでしょう」

スケール(メジャー・巻き尺)

図面通りの寸法になっているかチェックするときに利用します。5m程度のものを用意しましょう。100円ショップなどでも購入できます。

水平器

床などの水平が取れているかは水平器で確認します。100円ショップなどでも購入できますが、スマホアプリもあるのでそちらでも代用できます。

「ただしスマホアプリの場合、あくまでもスマホの大きさの範囲でしか水平を確認できない点には注意が必要です」

マスキングテープ

気になる箇所には、壁紙などの表面を傷めないような、粘着が弱いタイプのマスキングテープを貼ると跡が残りにくいので便利です。壁紙の色と同化しない目立つ色を選びましょう。

「粘着力が強いものもあるので、あらかじめ施工会社に依頼して適切なタイプを用意してもらってもよいでしょう」

スマートフォンと充電器

マスキングテープで印を付けた箇所を撮影するのに使います。充電器もセットで持って行くと、コンセントに電気が来ているかを確認するのに役立ちます。

手鏡

屋根裏や床下を奥までのぞき込むときに使用します。スマートフォンのカメラで代用してもいいでしょう。

懐中電灯

暗い床下や屋根裏を、奥までのぞき込むときに使用します。スマートフォンでも代用できます。

飲みものや防寒着(季節による)・スリッパ

「施主検査をするときにはまだ冷暖房器具は付いていないため、季節によっては暑さ寒さ対策を考えておくことも大切です。夏なら飲みものを、冬なら上着などを用意しておくと、快適に施主検査を進められます」

施主検査では、工務店やハウスメーカーがスリッパを用意していることが多いものの、小さな子どもにとっては歩きにくい可能性があります。階段の上り下りがあり、所要時間が1〜2時間程度になることを考えると、履きなれたものを用意しておくと安心でしょう。

施主検査当日の持ち物チェックリストのイラスト

当日慌てないよう、事前に用意しておこう(イラスト/杉崎アチャ)

見落としを防ぐための施主検査チェックリストと議事録【ダウンロードできるPDF付き】

施主検査でチェックすべき項目を場所別に紹介します。施主検査当日にプリントアウトしてそのまま使えるチェックリストと議事録も用意したので、ぜひ活用してください。

施主検査チェックリストと議事録(PDF)のダウンロードはこちらから

リビング・ダイニング・個室・廊下

箇所 チェックポイント
傷やへこみ、汚れはないか
歩いたときに床鳴りや沈みはないか
傾きはないか(立ったときに違和感はないか
床暖房は正常に動作するか
傷やへこみ、剥がれ、浮き、汚れ、しみはないか
壁紙同士の継ぎ目に隙間はないか
巾木は取り付けられているか
天井 傷やへこみ、剥がれ、浮き、汚れ、しみはないか
壁紙同士の継ぎ目に隙間はないか
ドア・建具 正しく取り付けられ、開閉はスムーズか
窓・サッシ 開閉はスムーズか(異音がしないか)
鍵・防犯ロックはスムーズに動作するか
コンセント・スイッチ 位置や数は正しいか
照明 点灯するか
位置や数は正しいか
インターネット回線 設置場所は正しいか
火災報知器 図面通りに取り付けられているか

キッチン・お風呂・洗面所・トイレ

傷やへこみ、汚れはないか
歩いたときに床鳴りや沈みはないか
傾きはないか
傷やへこみ、剥がれ、浮き、汚れ、しみはないか
壁紙同士の継ぎ目に隙間はないか
巾木は取り付けられているか
天井 傷やへこみ、汚れはないか
ドア・建具 正しく取り付けられ、開閉はスムーズか
キッチン 水は流れるか
排水は正常か
扉や引き出しはスムーズに開閉するか
観音開きの扉は左右にずれがないか
食洗機など付属設備は正常に動作するか
換気扇は正常に動くか、異音はしないか

化粧洗面台

水は流れるか
排水は正常か
扉や引き出しはスムーズに開閉するか
観音開きの扉は左右にずれがないか
お風呂 水は流れるか
排水は正常か
浴室乾燥機は正常に動くか、異音はしないか
換気扇は正常に動くか、異音はしないか
トイレ 水は流れるか
排水は正常か
換気扇は正常に動くか、異音はしないか
窓・サッシ 開閉はスムーズか
異音がしないか
鍵・防犯ロックはスムーズに動作するか
コンセント・スイッチ 位置や数は正しいか
照明 点灯するか
その他 タオルリングやペーパーホルダーは付いているか
火災報知器が付いているか

廊下・階段

廊下 床に傷やへこみ、汚れはないか
歩いたときに床鳴りや沈みはないか
壁や天井に傷やへこみ、汚れはないか
手すりは正しい位置に取り付けられ、しっかり固定されているか
階段 踏み板や蹴上げに傷やへこみ、汚れはないか
歩いたときにきしまないか
手すりは正しい位置に取り付けられ、しっかり固定されているか

テラス・バルコニー

ひび割れや欠けはないか
防水はされているか
排水はスムーズか(施工会社に確認)
カビは発生していないか(カビくさくないか)
ひび割れや欠けはないか
手すりはきちんと固定されているか
物干し金物は固定され、スムーズに動作するか

屋根裏・床下

屋根裏 見える範囲で水漏れやしみはないか
断熱材に剥がれや隙間はないか
配線・配管に異常はないか
カビは発生していないか(カビくさくないか)
床下 見える範囲で水漏れやしみはないか
床下の基礎にひび割れはないか
配線・配管に異常はないか
木くずやゴミは散乱していないか
カビは発生していないか(カビくさくないか)

外装

基礎 0.5mm以上の大きなひび割れはないか
外壁 ひび割れや欠け、ずれはないか
継ぎ目はすべてシーリングされているか、隙間はないか
屋根材 ひび割れや欠け、ずれはないか
軒天 傷や汚れ、ひび割れはないか
雨どい 図面通りに設置され固定されているか
割れていないか
玄関 ドアは正しく取り付けられ、開閉はスムーズか
玄関ポーチのタイルや目地に浮きや割れ、欠けはないか
コンセント・スイッチ 位置や数は正しいか
照明 点灯するか
立水栓 水は出るか

外構

門扉 開閉の向きは正しいか、スムーズに開くか
門灯・庭灯 正しい位置に取り付けられているか、点灯するか
ポスト・郵便受け 正しい位置に取り付けられているか
ウッドデッキ 傷や汚れ、ひび割れはないか
図面通りに設置され固定されているか
境界標 見える位置にあるか
排水ます 詰まりはないか

※外構を別の施工会社に依頼している場合は施主検査には含まれません。

議事録

チェックシートとあわせ、当日の担当者の名前や取り決めを記録して残す議事録も用意しましょう。建築会社の承諾を得たうえで、当日の様子を録画・録音しておくと、いざというときに証拠として提出できるので安心です。

「施主検査後に『言った、言わない』でもめないよう、修繕完了日や施主検査当日のやりとりについて書面に残しておくことが大切です。

工務店やハウスメーカーが書類を準備してくれることもありますが、ない場合には施主が作成し提出しておくとトラブルを防ぎやすくなります」

チェックリストをダウンロードする(PDF)

新築の施主検査で後悔しないためのポイントと注意点

施主検査を安心して迎えるためには、事前に知っておきたいポイントがいくつかあります。
なんとなく当日を迎えるのではなく、あらかじめ準備をしておくことで、確認すべき点が明確になり、見落としを防ぐことにもつながります。

当日の流れやチェックの仕方を把握しておきましょう。

施主検査の立ち会い者が誰なのか事前に確認しておく

施主検査に立ち会う人が誰になるのか、事前に確認しておきましょう。今まで打ち合わせをしてきた担当者が立ち会う場合もあれば、今まで会ったことがない検査員が同行することもあります。

当日チェックした内容がきちんと伝わらないと、引き渡し時までに修繕してもらえないことがあります。担当者の同行や建築士の立ち会いを希望する場合は、施主検査の日取りを決める際に伝えておくようにします。

明るい時間帯におこなう

施主検査の日程は、できるだけ日が出ている明るい時間、できれば天気の良い日に依頼するのがよいでしょう。

なぜなら、検査のときにはまだ部屋の照明がないことがほとんどで、室内が思ったより暗いことがあるからです。仮にライトがあったとしても、自然の光で見た方が、壁紙の小さな傷や床の色の違いなども見つけやすいでしょう。

また、家の外回りをチェックすることも重要です。外壁や基礎の状態、庭や駐車場などをしっかり見るためにも、明るい日差しは欠かせません。暗くなると、外はほとんど見えなくなってしまいます。時間に余裕を持って午前中から始められると、焦らずじっくり隅々まで見ることができるでしょう。

家族で参加する

もし家族の都合が合うなら、施主検査には全員で参加するのがオススメです。一人で全部を見るのは結構大変ですが、何人かの目で見れば、一人だと気付かなかったところも見つけやすくなります。

家の中で「ここが大事」と思うポイントは、人によって違います。例えばキッチンは、いつも料理する人が見ると、コンセントの位置や棚の扉の具合など、実際に使う人の目線で「これで問題なく使えるか?」「正しく施工されているか?」などに気付きやすいでしょう。

家具が置かれた状況をイメージしてチェックする

施主検査では、がらんとした部屋をただ歩いて見るだけでなく「ここにソファを置く」などのように、実際に暮らしている自分たちの姿を想像しながら見て回ることが、大事なポイントです。

「施主検査を行うときには、実際に暮らしている視点でチェックすることも大切です。

例えば寝室ではベッドに横になるので、実際に生活を始めると天井が気になるものです。リビングでもソファや椅子に座ることが多いため、立ったままだけではなく低い姿勢もとってチェックするのがオススメです」

ソファに座るつもりの場所に腰掛けてみると「テレビを置く壁のコンセントはここで使いやすいかな?」など、細かい点に気付くことができます。また、ベッドに横になれば、照明が直接目に入ってまぶしくないかということも確かめられるでしょう。

このように、普段の暮らしを想定した姿勢で空間を体験してみると、図面だけでは分からなかった「本当に快適に過ごせるかどうか」といった実感が得られます。

気になる箇所は写真を撮影しておく

部屋をチェックしていて傷や汚れなど気になる場所を見つけたら、マスキングテープなどで印を付けると同時に、スマートフォンなどで写真を撮っておくのがオススメです。写真は、後から「どこにどんなことがあったか」を正確に思い出せる、一番確かな記録になります。

建築会社の方に直してほしいと依頼するときも、口で説明するだけではなく写真を見せればどの部分のことかがすぐに伝わり、話がスムーズに進むでしょう。

写真を撮るときには、1つコツがあります。

「後で見たときにどこだか分からなくなってしまわないよう、アップだけでなく、少し引いてどの部屋のどの場所か分かる写真も撮りましょう」

そうすることで、たくさんの写真を撮った後でも「この傷、どこだったかな?」と迷わずに済みます。

気になる箇所を写真で撮影しているイラスト

引いた写真を撮るときにはどの部屋か分かるものが一緒に映り込むようにするといい(イラスト/杉崎アチャ)

気になることはその場で建設会社に伝える

施主検査の最中に少しでも疑問に思ったことは、どんなに小さなことでも、その場で立ち会いの担当者に聞いてみることが大切です。「こんなこと聞いたら、細かい人だと思われるかな」と心配する必要はありません。

後でまとめて聞こうと思っていると、検査が終わる頃には忘れてしまったり、改めて連絡するのが少し面倒になったりするものです。その場で聞けば、それが直すべきものなのか、それとも元々そういう仕様なのかということがすぐに分かります。

修繕がある場合には施主検査のやり直し(再検査・再内覧)を要望する

もし修正してほしい場所なら「ここは直してもらえますか?」とはっきり依頼しましょう。ひとつひとつその場でスッキリさせていくことが、後悔のない家づくりのためには欠かせません。

修繕箇所はリストアップしておく

施主検査で見つけて指摘したことは、口約束だけで済ませないことが大切です。直してほしい場所とその内容を一覧にしたリストとして、必ず紙やデータで残しておくことが大切です。これは、後になって「言った、言わない」の残念なすれ違いが起きるのを防ぐ、一番確実な方法です。

指摘した場所、どんな状態だったか、そしてどう直してほしいのかを書き出して、建築会社の担当者に見てもらうといいでしょう。一般的には建築会社の方が用意してくれますが、もしなければこちらから依頼したり、自分で書いたメモを渡して確認してもらったりして、必ず「記録」として形に残すようにすると安心です。

指摘箇所の修繕完了日を確認する

先述した修繕箇所のリストについて、それが「いつまでに直るのか」という具体的な日にちを、その場で必ず約束してもらうようにしてください。「後でやっておきますね」のような、ふんわりした返事で終わらせずに「〇月〇日までには大丈夫ですか?」とはっきりと互いに確認することが大切です。

そうすることで、家の引き渡しまでに全部の修理がきちんと終わるのかどうか、これからの予定が明確になります。もし直す場所が多かったり、部品を取り寄せるのに時間がかかるようなら、本当に引き渡しに間に合うのかも一緒に聞いておくとよいでしょう。

不安な場合はホームインスペクターに同行を依頼する

「自分たちで施主検査をするのが不安」「プロの視点で見てほしい」といったときには、ホームインスペクターに同行を依頼するのもおすすめです。

ホームインスペクターとは、住宅の欠陥などを見極める、住宅に精通した専門家を指します。施主検査に立ち会ってもらうと、第三者として中立的な立場でチェックしてもらえるので安心感を得られます。

「ホームインスペクターの同行を希望するときには、施主検査の日程が決まるまでに工務店やハウスメーカーに伝えておきましょう」

修繕工事は引き渡し前に対応してもらう

指摘した場所を直してもらうのは、原則として「家の引き渡しより前」に全部終わらせてもらうよう、建築会社に依頼することが重要です。一度家の鍵を受け取って引き渡しが終わってしまうと「この家の状態で納得しました」と認めたことになりかねないからです。

そうなると、修繕の対応が漏れてしまったり、後回しにされたりする心配が出てくる可能性もあります。工事のスケジュールによっては「引き渡しの後でも、しっかりやりますから」と言われることもあるかもしれません。

しかし、後々の心配事をなくすためには、基本的には全部の修繕が終わったことを自身の目で確かめてから、最後に家の引き渡しに進むほうが無難です。

施主検査のよくあるトラブルとは?

しっかりと準備をして臨みたい施主検査ですが、残念ながらトラブルが起こることもあります。しかし、あらかじめ「こんなことが起こるかも」と知っておくだけで、いざというときに慌てずに、落ち着いて話ができるようになるでしょう。

工事が遅れて施主検査ができない

楽しみにしていた施主検査の日に行ってみたら、まだ工事の途中だったというトラブルは、実は珍しいことではありません。雨の日が長引いたり、必要な部品が届くのが遅れたりして、全体の工事が遅れてしまうことがあるからです。

もちろん、家がまだ完成していない状態では、全部の場所をしっかりとチェックすることはできません。工事の進み具合によっては、担当者から「見られる範囲だけでも」と提案されることもあるかもしれませんが、それでは本当のチェックにならない可能性も。

そのため、工事がすべて終わってから、改めて検査の日を設定してもらうよう、その場ではっきりと依頼することが大切です。焦って不完全な状態でOKしてしまわないように気をつけましょう。

図面や仕様書と異なる

施主検査でよくあるトラブルとして、「打ち合わせで決めたものと違う」「図面と違う」という食い違いがあります。例えば、コンセントの位置が少しずれていたり、窓の種類やドアの開く向きが反対だったり、というケースです。

たくさんの人が関わる家づくりでは、ちょっとした認識のズレが生まれてしまったり、工事途中の変更がうまく伝わりきらなかったりして、このようなことが起こる場合があります。このようなすれ違いは、ただ見た目が違うだけではなく、実際に暮らしてみると「ここにコンセントがないと不便だった」と暮らしやすさに大きく関わってくることもあるでしょう。

もし図面と違うところに気付いたら、すぐに担当者に伝えて、なぜそうなったのか、そしてどう直してもらえるのかを、その場でしっかり話し合うことが重要です。

仕上がりが雑で傷や不具合が気になる

家の性能に直接影響はないけど「壁紙のつなぎ目が開いていて気になる」「床に細かい傷がたくさんある」といった、仕上がりの見た目に関するトラブルもよくあります。せっかくの新しい家なので、できるだけきれいな状態で住み始めたい、と思うのは自然な気持ちです。

しかし、こうした見た目のことを指摘すると、担当者から「手作業なので、これくらいは……」と説明されることがあるかもしれません。しかし「ちょっと気になるな」と感じるような仕上がりであれば、直してもらえるか相談してみることが大切です。

電気やガス、水道などの配線・配管や工事に問題がある

部屋の見た目はとてもきれいなのに、実際に電気や水道を使ってみたら問題が見つかった、という設備に関するトラブルもあります。例えば「この部屋のスイッチを押しても電気がつかない」「蛇口をひねってもお湯の出が悪い」「換気扇から変な音がする」といったようなケースです。

これらは毎日の暮らしに直接関わる大事な部分なので、施主検査のときには必ず1つひとつ動かしてみて、使える状態かどうかを確かめる「動作確認」が欠かせません。全部のコンセントに電気が供給されているか、全部の蛇口から水とお湯が出るか、エアコンは冷房も暖房もきちんと動くかなど、実際に使ってみることで初めて気付く不具合もあります。

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施主検査をおこなうときのポイントは?

最後に友田さんに施主検査を受けるときのポイントを聞きました。

「注文住宅の引き渡しを受けることは『この工事にすべて納得しました』と宣言するに等しい行為です。原則として、施主検査後に発覚したものは無償で変更してもらえないものと考えてしっかり確認し、施主検査の時点で疑問や問題はすべて解消しておくことが大切です。工務店や担当者が気分を害さないか、クレームと思われるのではないかなどと気にせず、気になることはきちんと質問し、納得できずに修繕してほしいことはその場できちんと伝えましょう。

また、家は完成して終わりではなく、その後何十年も長く住み続けるものです。今の状況をチェックするのとあわせ、今後どのようにメンテナンスしていけばいいのかも、施主検査の際に確認することをおすすめします」

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スーモカウンターはめんどくさいという評判は本当?実際の評判やメリット、デメリットを紹介

イラスト/杉崎アチャ

取材協力/友田雄俊さん
さくら事務所・ホームインスペクター
取材・執筆/佐藤カイ(りんかく)、SUUMO編集部