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リモートワークを機に「災害に強いエコな家」を建てた【エンジニア、家を建てる】

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」

埼玉県さいたま市に次世代ZEH+対応の「災害に強いエコな家」を建てた中山さん。

リモートワークをきっかけに注文住宅を選択。重量鉄骨、ソーラーパネルによる発電、省エネ、高断熱性能、高速ネットワーク環境など、こだわりがたくさん。

職業柄、「よりよいもの」や「よりよい環境」を求める方が多いエンジニアの家づくりを紹介する「エンジニア、家を建てる」第6回です。

はじめまして、中山桂一と申します。夫婦(私は40代前半、妻30代前半)と子ども2人(長男5歳、次男1歳)の4人家族です。

私は都内のキャラウェブという会社でソリューションアーキテクトとして働いていて、Amazonが提供するAWSを使い、お客様の課題解決を支援しています。

新型コロナをきっかけにリモートワークが定着しつつある中、私たちはマイホームを建てることに決めました。今回は、その経緯やこだわりについてご紹介させていただきます。

わが家の「スペック」

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」間取図 中山さん邸の間取図
※WSCは「ウォークインシューズクローク」
  • 竣工年月:2022年1月
  • 家族構成:4人(夫婦、長男、次男)
  • エリア:埼玉県さいたま市
  • 最寄り駅までの距離:徒歩25分
  • 土地、建物の広さ:土地132㎡(40坪)、建物(延床)112.4㎡(34坪)
  • 部屋数:3SLDK(2階建て)
  • 価格帯:約6500万円(土地・建物)
  • 住宅ローンの借り入れ先:信用金庫(変動金利型)

〜 私の家づくり3カ条 〜
🏠 「災害に強い家」にする
🏠 エコ、省エネ性能にこだわる
🏠 ネットワーク環境を快適にする

【目次】

リモートワークが家を建てるきっかけに

私たち夫婦は2016年に結婚してから、東京都荒川区の南千住に住んでいました。

職場がある上野まで10分ほどでアクセスできる利便性と子育て世代が多い点が魅力的で、将来は南千住にマンションを買って定住するつもりでした。

ですが、コロナ禍でリモートワークが主流になったことが大きな転機となりました。

今後も続くリモートワーク用のスペースが必要なこと、さらに2人目の子どもの誕生(2021年11月)、更新不可の賃貸マンションの退去期限(2023年3月)……さまざまなタイミングが重なりました。

もともと引越し先を探していましたが、南千住ではわが家の希望条件に合う物件はなかなか見つからず……。自分たちのこだわりを詰め込める戸建てを検討し始めたのです。

私たちは、どのような条件で自宅を選ぶべきか検討し始めました。最初に挙げた条件は以下の通りです。

  • 部屋数は4部屋以上+LDK
  • 地震などの災害に強い
  • 戸建てにするなら2階建て
  • 収納はできるだけたくさん
  • 交通量が穏やかな道路に面している
  • 毎月の住宅ローン返済額がこれまでの家賃と同等
  • 通勤時間が短く、乗り換え回数が少ない
  • 子育て支援に積極的に取り組んでいる自治体

などなど。夫婦で話し合っていくうちに条件は細かく増えていきました。

最初はエリアを決めるところからスタート。流山おおたかの森や横浜方面など、さまざまなエリアを検討しましたが、最終的に通勤の利便性や子育て支援策の充実、土地価格などから絞り込み、さいたま市に決めました。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」土地 最終的に決めたさいたま市の土地

コンセプトは「災害に強い家」。重量鉄骨を選択

より具体的に居住エリアを絞り込むため、まずは家族でさいたま市を訪れました。駅前はとてもにぎわっていて、子育てをするのに良さそうな街だなと感じました。

公園に行って子どもを遊ばせてみたり、街並みを見たりしていたら、住宅展示場があったので立ち寄ってみました。

その頃はまだ建売住宅か注文住宅か迷っていた時期。ハウスメーカーの担当者といろいろ話をする中で、現在の建売住宅・注文住宅は木造が主流であること、重量鉄骨という構造があることなどを知りました。

さらに、その担当者から「もしも立派な家を買われた直後に、大震災が発生してその家に住み続けることができなくなったらどうしますか」という問いかけをされました。

このときの会話で私たちの家の方向性が決まったように思います。

それまでも「一生に一度の大きな買い物なので、一生住み続けられるような家にしたい」と夫婦で話し合っていたこともあり、「災害に強い家」を最優先に設計することにしました。

さらに、モデルハウスを案内され、アウトドアリビング(リビングの延長上にウッドデッキなどを設けて屋外を楽しめるスペース)、デッドスペースをうまく活用している収納などを見学して、建売住宅ではなく、こだわりを実現しやすい注文住宅に決めたのです。

特にアウトドアリビングは、これまでの人生で見たことも住んだこともない「非日常的な空間」。こんな家に住めたら生活もランクアップしそう……理想的だと感じました。

その後は「災害に強く一生住み続けられる家」を前面に押し出しているハウスメーカーに決定。

また、家の基礎と同様に、家の構造は後からでは変更できないため、家族を守るために「これなら頑丈で大丈夫」と思った重量鉄骨を選択しました。

一般的に2階建ての鉄骨造の場合、コストや耐震性などから軽量鉄骨で十分とされており、2階建てに重量鉄骨を使用するのはまれなようです。

しかし、このハウスメーカーは、2階建てにも重量鉄骨を使用できるほか、火災や水害にも強い外壁構造、さらにオイルダンパー(油の粘性を利用して衝撃や振動をやわらげる)制振装置が標準装備という利点もありました。

軽量鉄骨と重量鉄骨の厚みなどを比較してみても明らかに大きな違いがあり、重量鉄骨には強い安心感を感じました。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」重量鉄骨の構造 住宅地にビルが建つかのような重量鉄骨の構造

最もこだわった22.2畳のLDKとアウトドアリビング

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」LDKとアウトドアリビング 広々としたLDKとアウトドアリビング(右奥)

わが家で最もこだわったのは2階のLDKです。頑丈な重量鉄骨造なので約6.5m×6.5mの22.2畳の広い無柱空間を実現できました

子どもたちは家の中でも走り回っています。楽しそうなその姿を見ているだけで、この柱がないLDKにして良かったと感じています。部屋のどこにいても全体を見渡せるのも便利です。

LDKは南向きで、晴れた日中は照明がなくても大丈夫なほど日が入ってきます。

LDKを一歩出た先には、私が展示場で一目ぼれしたアウトドアリビングを取り入れました。アウトドアリビングに出る窓は、わが家で一番大きく、LDKの開放感を高めています。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」アウトドアリビング アウトドアリビングでは朝食を食べたり、BBQをしたり

アウトドアリビングは4畳ほどの広さですが、十分ゆったり過ごせます。

ウッドデッキにはMINOの「彩木」を採用しました。天然木のような心地よい手触りの材質で、熱をためにくいという特徴があるので、夏ははだしでも過ごせます。

ルーバースクリーンにより、外からの目を気にすることもありません。見た目もとても良く、私のお気に入りポイントの一つです。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」ルーバースクリーン 夜の外観。ルーバースクリーンがアクセントになっている

妻のリクエストで、キッチンはペニンシュラタイプを採用。料理をしながらLDK全体を見渡せること、料理を運びやすいことなどが理由です。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」キッチン キッチンから料理を運びやすい

浴室やランドリースペース(洗濯機置き場と洗濯物を干す場所、下着・タオル類などの収納場所)、ベランダがひとまとめになった空間を確保したかったので、これらは2階に集中して配置しました。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」お風呂 肩や腰にお湯を当ててリラックスできる機能が搭載された「楽湯」を導入

妻は洗濯物を天日干しするのが好きなのですが、以前の賃貸マンションでは洗濯機置き場からベランダまで遠いのが悩みでした。それを解決するため、小さなベランダを洗濯機のすぐ横に設けたのです。西側ですが、2階なので風通しや日当たりも悪くありません。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」ランドリースペース ベランダに物干し、室内にも部屋干し用の物干し

ランドリースペースは、この家での妻のお気に入りポイント上位。「洗濯がとても楽になった」と話しています。

仕事場は1.7畳の書斎。ネットカフェの個室のよう

私は現在、月に1、2回程度の出社でそれ以外はリモートワークをしています。自宅での仕事部屋は1階にある1.7畳の書斎です。

もともと広さにあまりこだわりはなかったものの、1.7畳という数字を聞いたときは、さすがに「狭すぎないかな?」と不安でしたが、実際に使ってみたところ、ネットカフェの個室のようで、仕事に集中しやすい快適な空間だと感じています。

ほぼ全てのものが座ったまま手の届く範囲にあるため、作業効率も上がっています。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」仕事部屋の書斎 1.7畳の書斎にはエアコンも付いている

そのほか、1階には寝室や子ども部屋があります。

子ども部屋は最初から2部屋に区切らず、子ども2人が小さいうちは11畳の広い1部屋として使っています。各自の部屋を持ちたい時期になったら、可動式間仕切り収納で2部屋にすることができます。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」子ども部屋 子ども部屋の可動式間仕切り収納

有線LANを2本引いて快適なネットワーク環境

仕事の面を含めてこだわった点といえば、やはりネットワーク環境です。

新居ではNURO光を導入。家中どこにいても快適で安定したWi-Fi環境を実現したいと考えメッシュWi-Fiを構築しました。

ただ、家の構造が重量鉄骨造であることに加え、外壁や床などがALC(軽量気泡コンクリート)板なので、1階と2階の間で電波が届きにくくなる懸念がありました。

そのため、引き渡し日の1カ月ぐらい前に急きょ1階廊下に有線LANを2本引いてもらいました。

本来はアクセスポイント同士が中継を行って家中のネットワークを構成するわけですが、電波による中継ではなく有線LANによる中継を行う「Ethernet Backhaul(イーサネットバックホール)」という機能を使用できるようにしたのです。

有線LANを2本引いた

また、Wi-Fiだけではなく、さまざまなネットワーク接続機器が快適に通信を行えるようにするため、全部屋の各所から中継をせず、情報分電盤のスイッチングハブまで直接LANケーブルを配線してもらいました。

この結果、わが家ではスマホのWi-Fi環境で測った通信速度でも690Mbpsを記録するほどの快適なネットワーク環境を構築できました。

情報分電盤はウォークインシューズクローク(WSC)内に。iPhoneで計測した回線スピード(右)

豊富な収納。将来的に物が増えても困らない

妻の強い要望もあってこだわったのは収納です。これまでの賃貸マンションでの生活では、収納の少なさに悩まされていました。新居では将来物が増えても困ることがないように、充実した収納を設けようと考えました。

ウォークインクロゼット(WIC)やウォークインシューズクローク(WSC)はもちろん、階段下収納や階段上収納、リビングのつり戸棚、キッチンのパントリーなど、さまざまな収納を設けました。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」階段上収納とつり戸棚 階段上収納(左)とつり戸棚(右)
さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」キッチンのパントリー キッチンには十分な収納力をもったパントリー

ソーラーパネルで発電、「次世代ZEH+」で省エネ

妻がエコ志向なこともあり、マイホームを建てる際、ソーラーパネルを設置することを決めました。

フラットルーフの全面にソーラーパネルを敷き詰め、最大5.8kWもの出力が可能です。また、駅から徒歩25分の家では車中心の生活になると予想されたため、100%電気自動車(EV車)を購入し、EV用充電設備を追加しました。

さらに、断熱性能を向上させ、省エネ性能の高い「次世代ZEH+(ゼッチプラス)」の基準に合わせることを目指しました。

具体的には断熱材を標準仕様の45mmから60mmに変更し、UA値(住宅の熱の逃げやすさを数値化したもの。値が小さいほど断熱性が高い)0.5以下の基準を満たし、高断熱を実現。「次世代ZEH+」補助金114万円を受け取れました。

わが家はガスは使用していないので光熱費は電気代のみ。ソーラーパネルによる発電と省エネ性能の結果、電気代がほぼかかっていない月も。燃料費の高騰にも負けず、快適な生活を送っています。

さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」発電
さいたま市に建てた「災害に強いエコな家」売電 買電量(508kWh)(上)に対して売電量(532kWh)(下)が上回っている月もある

「災害に強いエコな家」にこだわったのですが、もう一歩踏み込んでおけば良かったかもしれない……と思っているのが「V2H(Vehicle to Home、電気自動車に蓄えた電力を住宅で使用できる仕組み)」です。

V2Hを導入すると、EV車のバッテリーを蓄電池代わりに使用し、日中は車のバッテリーから家庭の電力供給を行い、深夜帯の電気代が安い時間帯に車への充電を行う、といった使い方ができます。

今後、電気代がますます高くなっていくかもしれないことや、災害時などに電気が使用できない日があった際に、ソーラーパネルに加えてV2Hがあればとても心強いはず。将来、余裕ができたら導入したいと考えています。

「このおうちって最高だね!」の言葉に安堵(あんど)

人生で最も高額な買い物となるマイホームには、正直、いろいろな不安もありました。

夫婦ともに土地勘のない場所での新生活、マンション→戸建ての環境の変化、5歳の長男が新しい幼稚園になじめるか……。私たち夫婦だけでなく、子どもたちも新しい生活に適応できるか心配だったのです。たとえなじめなくても大きなローンを抱えることになる。

しかしあるとき、そんな風に心配していた長男が「このおうちって最高だね!」と言ってくれたのです。その後も楽しそうに過ごしている様子を見ると「家を建ててよかった!!!」と心から感動しています。

今後は生け垣をつくったり、野菜を育てたりして、子どもたちと一緒に楽しみたいと思っています。

庭で大型プール(左)やおうちキャンプ(右)を楽しむ

「災害に強い家」をコンセプトにしたこの家は、最長60年先までハウスメーカーのメンテナンスプログラムが受けられます。

これまでの大震災規模を想定した実験でもひび一つ入ることがなかったという重量鉄骨造の家を持てたことは、大きな安心であり、まさに「堅固な城」を手に入れたと感じています。

私個人の子どもの頃からの憧れは『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』に出てくるようなスマートホームで快適な生活をしたい! というものです。

まだ新居では実現できていませんが、将来的には音声操作だけではなく、センサーやAIなどを活用し、常に時代を先回りして快適な空間をつくれたらいいなと考えています。

さまざまなこだわりを詰め込んだわが家の詳細はブログにもまとめています。読んでいただけると幸いです。



🏠「エンジニア、家を建てる」アーカイブ🏠
●第1回:効率よく「時短」できる家
●第2回:仕事部屋もサウナも防音室もある家
●第3回:「川崎に住む」ことを最優先に建てた家
●第4回:戸建てで「何も考えない時間」を手に入れた
●第5回:「賃貸にはない家」キッチン付きの仕事部屋

🏠エコな注文住宅🏠
太陽光発電マニアの「ソーラーハウス」

著者:中山桂一

中山桂一

ソリューションアーキテクトとして、クラウドの活用支援を行っています。プライベートでは、さいたま市のパパサークルの運営に関わったりもしています。


Twitter:@k1nakayama ブログ:けーいちのマイホームジャーニー

編集:はてな編集部