駅から徒歩圏内。自慢の収納付き畳コーナー、物干し竿から近いファミリークローク。T夫妻は試行錯誤の末、99㎡とやや狭い土地に理想の家を建てた。本気で家づくりに乗り出したきっかけは、2DKの賃貸アパートに家族5人で住んでいた時期に見舞われたコロナ禍だった。
多少狭くても駅から徒歩圏内の土地の方がいい
埼玉県内の賃貸アパートに住んでいたTさん夫妻。2DKの間取りは夫妻で住むには十分な広さだが、子どもが1人、2人、3人と増えるにつれ、明らかに手狭になり、家族のプライベート空間も確保できない状態だった。
夫が言う。
「そこに追い打ちをかけたのが流行し始めの新型コロナ。長男、私、妻の順で立て続けに陽性になってしまったんです。他の2人の子どもはかかりませんでしたが、結果的に1カ月ぐらい家族全員で缶詰生活。以前から家づくりについては考えていたので、いい機会だと思って本格的に動き始めました。結婚8年目の出来事です」
ネットで検索したり、不動産会社に赴いたりするうちに、当時住んでいたアパートの近くに駅近の土地を見つけた。夫妻の通勤や子どもの通学を徒歩と自転車で済ませたいという希望から、駅から遠くて広い土地よりも、多少狭くても駅から徒歩圏内の土地がいいと考えたそうだ。
「家を建てる段階になって土地や建売住宅の情報はある程度集めていましたが、他からも情報を得ようと思って訪れたのが、ショッピングモール内のスーモカウンターです。購入を考えていた土地のこと、おおよその建築予算、狭い土地を広く使える間取りなどの希望を伝えたところ、4つの建築会社を紹介してくれたんです。
各社との面談では屋上と小屋裏収納がほしいことも伝えたが、じつは地区の条例で「1つの階段で2つの用途を成してはいけない」というややこしい制約があった。最終的にはそれについてもきちんと調べたうえで設計の提案をしてくれた会社に決めたという。
「屋上はその後の用途と維持のことを考えて実現しませんでしたが、その会社は唯一、代案として条例に則ったはしごで通じる小屋裏を提案してくれたんです」
畳の小上がりは家族が集う場所、かつ収納スペース
こうして完成したのが、やや狭いながらも家族がのびのびと暮らせる2階建ての家。玄関の脇には広めの収納スペースがある。
夫が気に入っているのはリビングと繋がっている畳の小上がりだ。
「設備メーカーの人気商品で、広さや形を自由に選べるというのがポイント。私も妻も片付けるのが苦手なので、あちこちに収納スペースを作ると悩んでしまうと考えて、あえて収納場所を絞って、その分、面積を広くしました。小上がりの下にある収納はとても重宝していますね。物を整理すれば布団なども収納できますから」
ソファーに夫妻が座って子どもたちが畳の小上がりで壁に寄りかかったり、その逆もまた然り。「家族がバラバラになりがちな生活サイクルの中で、お互いが顔を合わせられる場所がほしかった」というTさんの願いが叶った形だ。
一方、妻のお気に入りは1階のキッチンと2階のファミリークローク。
「以前のアパートは後ろに子どもたちがいる状態で料理をしていましたが、それがなんとなく落ち着かなかったんです。今の家は対面式キッチンにして、その悩みも解消されました」
子どもたちの寝室には2段ベッド+1段ベッド
階段を上がると、2階には夫妻の漫画コレクションを集めた本棚があった。
「下から次男、長女、長男用。次男は寝ている時によく動くので安全な一番下です。2つのベッドはセットの商品に見えますが、じつは家具量販店でバラバラに買った物を組み合わせました」
「ハンガーパイプと枕棚というつくりなので、家族全員の衣類をまとめて管理できるんです。収納面でも物が多い我が家にとって便利で、リビングや寝室を広く使うためにいろんな物をここに隠しています」
小屋裏とははしごで繋がっている。
「最初にも言ったように、条例によって屋上と小屋裏の両方に繋がる階段は作れないんです。建築会社と相談のうえで、このような対応になりました。小屋裏にはふだん使わない布団などを収納しています」
なお、トイレの壁紙は妻が選んだ。
夫いわく、「うちの親父は内装屋ですが、『階段下の目地の張り合わせとかはかなり面倒なので、俺は絶対やらない』と言っていました。こういう細かいところも、施工業者に感謝ですよ」
トイレの天井がL字型で4段という複雑な構造。さらに、壁紙が複数色のストライプカラーで、壁紙の継ぎ目の色合わせをしたり、段に対してのストライプの形状の確認しなくてはならないことが大変なんだそうだ。
スーモカウンターではライフプランの相談も
最後に夫が言った。
「スーモカウンターには軽い気持ちで行ったんですが、本当にきめ細やかなアドバイスをもらえて驚きました。2社に絞った段階でも、各社の良い点、悪い点を教えてくれたり、信用できるなと。さらに、子どもたちが成長して自分の部屋をほしがる時期も鑑みて、夫婦の寝室を小上がりの畳スペースにすることも想定しています。スーモカウンターでは、そうしたライフプランの相談にも乗ってくれました」
リビングに家族の笑い声が絶えない家。子どもたちが全員巣立ったあとは、彼らにとって小上がりの畳の下に様々な思い出が詰まった実家になるのだろう。
取材・文/石原たきび 写真/片山貴博
- DATA
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土地面積 約99㎡ 延床面積 約79㎡ 建築費 約2000万円 間取り 3LDK 世帯構成 夫(41歳)、妻(41歳)、長男(10歳)、長女(7歳)、次男(3歳)
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