毎日の疲れをとり、翌日の活力源となる睡眠。質の良い眠りに欠かせないのが心地よく快適な「寝室」だ。では、しっかりと眠れる寝室はどのような部屋なのだろうか。洋室がいいのか、それとも和室なのか。今回は寝室の取り入れたいアイデアを実例からご紹介しよう。
目次
【実例1】落ち着いた色のアクセントクロスで、よりくつろげる空間に
木を活かした、やさしげでぬくもりあふれるTさんの住まい。床はむく材、壁・建具は白でコーディネートしたことで、全体にナチュラルな仕上がりとなっている。主寝室は2階にあり、壁の一面にシックなアクセントクロスを採用。より落ち着き、くつろげる空間となった。
また、大きな窓のほかに、2連の横長の窓を設けたことで、プライバシーを守りつつ、自然光を取り込む工夫も。これなら光が自然と差し込み、朝の目覚めも心地よいことだろう。また、窓辺に雑貨を飾れるのも楽しげだ。あわせて、主寝室には大型のウォークインクローゼットを設けたことで、部屋が散らかりにくくなり、気持ちの余裕にもつながっている。
「理想どおり、明るく広々とした住まいが完成しました。収納もたっぷりあるので、部屋をより広く使えるのが心のゆとりになっています」(妻)
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【実例2】寝室は「大人のテイスト」で仕上げ、ホテルライクな雰囲気に
1歳になった長男の成長に伴い、賃貸の住まいが手狭になり、新居を探し始めたIさん夫妻。マンションか一戸建てかで迷ったが、注文住宅を選択した。完成した住まいは3階建てで1階、2階、3階がそれぞれ異なる雰囲気となっている。主寝室があるのは1階で、ベッドの両脇にはベッドサイドテーブルを置き、照明をシンメトリーに配置。アクセントクロスに落ち着いた色合いのフローリングを組み合わせ、まるでホテルのような佇まいだ。
「子育てをするにあたって、明るくてナチュラルな家にしたかったんです。でも、一方で大人っぽいテイストも欲しいと思っていたので、フロアごとに雰囲気を変えました」とその狙いを話す。
子育て中は何かと子ども優先になりがちだが、寝室に「大人の好きなテイスト」を取り入れるのは真似したいアイデア。子どもと別に眠るようになったらプロジェクターを設置し、夫婦の共通の趣味である映画を見られるようにするのだとか。これからの変化も楽しみだ。
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【実例3】「将来までずっと住みやすい」ことを考え、和室を寝室に
「将来までずっと住みやすい間取りの家を、最新の技術で建てたい」と考え、注文住宅にしたYさん。
熟慮のすえ、たどりついたのは平屋がよいということ。間取りはキッチン、リビング、ダイニング、和室をひと続きにし、夜は和室を寝室として使っているそう。和室は、昼はリビングの延長として使えるほか、夜は寝室になるなど、昼夜で使い分けられる柔軟さが魅力だ。また、部屋の出入口は基本的に引き戸なので、デッドスペースができない工夫もなされている。
加えて、住まいの性能にもこだわったため、高気密高断熱で、室内の空調はなんとエアコン1台で足りているという。
「最初は半信半疑でしたが、本当にエアコン1台で十分でした。結露などもなくなり快適です」とYさん。畳のい草には調湿効果が期待できることから、夏も冬も心地よく眠れることだろう。お子さんが小さいうちはもちろん、年齢を重ねてもきっと快適に暮らしていけるはずだ。
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【実例4】洋室に畳ベッドで、愛犬との距離もぐっと近く
Iさんのお住まいは、1階にご両親が、2階にIさんと愛犬が生活する二世帯住宅。玄関は一つにし、台所やお風呂は別々という間取りだ。2階にあるIさんの寝室はフローリングに畳ベッド。洋室でありながらも、ベッドよりも床に近く、愛犬も上りやすい。これならIさん自身も愛犬も寝起きもしやすいことだろう。
Iさんが建築会社を選ぶにあたって、決定打となったのは窓の「トリプルサッシ」だった。
「二重サッシは普通じゃないですか。それが三重という。前の建売住宅では空き巣被害に遭っていたこともあり、防寒、防音に加えて、防犯にもなるというのが魅力でした」とその理由を話す。
窓の性能は見落とされがちだが、防音がしっかりしていると、住宅密集地でも夜間も静かで、しっかりと眠れる。また、冬も寒くなく、結露なども気にならないという。親とのほどよい距離感を保ちながら、愛犬との暮らしを満喫しているIさんだった。
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【実例5】大型収納&夫婦別室で、いつもきれいな寝室に
北海道にお住まいのIさん夫妻。ずっと賃貸でよいと考えていたが、広いガレージとキッチンのある住まいを実現したいと考え、家づくりをスタート。ネックになったのはコストだった。年齢を考え、予算オーバーが不安になったからだ。そのため、予算にメリハリをつける工夫をした。例えば、リビングと玄関の床はむく材にしたが、寝室は合板のフローリングに。それでも、壁紙選びが楽しく、満足度の高い仕上がりになったという。
夫婦それぞれの寝室は5畳程度。それとは別に浴室、洗面室、洗濯機置場、ウォークインクローゼットを一つの空間とし、着替えや洗濯、洗面台でアイロンがけができる工夫がされている。そのため、服などが散らからず、寝室はいつもきれいな状態をキープ。
「出勤前に夫はお風呂掃除を、私は掃除と洗濯をしてしまいます。せっかく頑張って建てた家なのだから大切にしたいし、帰宅したときにきれいだと気持ちがいいですから」(妻)とうれしそうだ。
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文/嘉屋恭子