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断熱性とは?どんな基準があるのかを簡単に解説!家の断熱性を高める方法と高気密・高断熱な実例7選も紹介

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「断熱性」は、住宅の快適さを大きく左右する。この記事では、断熱性の基本的な意味から、具体的な断熱性能を高める方法、そして高断熱住宅のメリット・デメリットまでを建築家の佐川旭さんに伺った話とともに、詳しく解説していく。

また、UA値やηAC値といった専門用語も分かりやすく説明し、断熱性能等級についても紹介。さらに、実際に高断熱住宅を建てた先輩たちの実例も掲載しているので、これから家づくりを考えている方は、ぜひこの記事を参考にして、快適な住まいを実現しよう。

断熱性とは?読み方は「だんねつせい」

断熱性は「だんねつせい」と読む。読んで字のごとく、熱を遮断する性質のことだ。具体的には、建物や部屋において、外の暑さや寒さが室内に伝わりにくくする性能のこと。この断熱性が高いと、夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間を保ちやすくなる。

住宅の快適さを大きく左右する要素のため、家づくりを考える際には、断熱性について理解を深めることが大切だ。

断熱性の最新情報について、もっと詳しく→法律改正! 断熱基準を下回る新築住宅はもう建てられない。「断熱の鬼」に聞く「夏は涼しく、冬は暖かい」家づくりの極意とは

家づくりの先輩たちが「こだわった」ポイントの上位に断熱・省エネ性

家を建てた先輩たちへのアンケートで「注文住宅でこだわった点」を聞いたところ、結果は以下のとおり。「断熱・気密」(4位)、「省エネ、太陽光など機能」(6位)と、断熱性・省エネ性に関する項目が上位にランクインしている。

家づくりで「こだわった」点として「断熱・気密」「省エネ、太陽光など機能」が上位にランクイン

断熱性能を表す指標と断熱性能等級

住宅の断熱性能を測るには、いくつかの指標がある。その中でも特に重要なのが「UA値(外皮平均熱貫流率)」と「ηAC値(平均日射熱取得率)」だ。これらの指標を理解することで、自身の家に必要な断熱性能をより具体的に把握できるだろう。

断熱性能を表す「UA値」「ηAC値」とは

「UA値」とは、家全体の断熱性能を表す数値だ。具体的には、家の中から外へ逃げる熱の量を、家の外皮(外壁、屋根、窓など)の面積で割った値で、この数値が小さいほど断熱性能が高いことを示している。

一方で「ηAC値」は、冷房を使う時期に、太陽の熱がどれだけ室内に侵入するかを示す値だ。こちらも値が小さいほど、日射熱の影響を受けにくく、冷房効率が良いといえる。

断熱性能等級とは

断熱性能等級とは、住宅の断熱性能を分かりやすく等級で表したものだ。2022年4月には最高等級である等級5が、同年10月には等級6と7が新設された。等級は1から7まであり、数字が大きいほど断熱性能が高いことを示している。

断熱等級が高いほど、より少ないエネルギーで快適な室温を保つことができる。2025年以降は、新築住宅に断熱等級4以上、2030年には等級5以上の適合が義務化される予定だ。

断熱性の高い家にする方法

では、断熱性・省エネ性の高い家とはそもそもどんな家なのだろう。

「小さなエネルギーで、高い冷暖房効率を発揮する家。そのような家にするには、夏は屋外の熱を中に入れず、冬は室内の熱を外に出さないための工夫が必要です」と建築家の佐川旭さん。

ここでは、家の断熱性を高める具体的な方法を解説していく。

断熱性の高い窓を選ぶ

窓は、住宅の中でも特に熱が逃げやすい場所だ。そのため、断熱性能の高い窓を選ぶことは、住宅全体の断熱性能を高める上で有効な一手となる。

具体的には、複層ガラスやLow-Eガラス、樹脂サッシなど、断熱性の高い素材を使った窓を選ぶといいだろう。これらの窓は、熱の移動を抑え、室内の温度を快適に保つだけでなく、結露の発生を抑える効果も期待できる。

家のどこから熱が出ていき、どこから入るのか、その割合は下図の通り。

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一般的な住宅の場合、夏に家に入ってくる熱も、冬に家から出ていく熱も、圧倒的に「窓」の割合が大きい(佐川旭さん著書「住まいの思考図鑑」より)

「夏に家に入ってくる熱も、冬に家から出ていく熱も、その割合が大きいのが窓。つまり、外壁・屋根はもちろん、『窓』の断熱性アップにも工夫することが、家の断熱性を高める最大のポイントです」(佐川さん)

「例えば南側に大きな窓を設けたいなら、複層ガラスは必須。大きな窓の手前にインナーサッシや断熱性の高いカーテンや障子などを設けると、さらに効果的です」

窓ガラスの種類についてもっと詳しく→
窓ガラスの種類とそれぞれの特徴は? どう選べばいい?

断熱工法を確認する

断熱工法には、大きく分けて「充填(じゅうてん)断熱工法」と「外断熱工法」の2種類がある。どちらの工法を選ぶかによって、家の断熱性能やコスト、施工方法などが異なるので、それぞれの特徴を理解し、自身の住まいに最適な工法を選ぶことが大切だ。

充填断熱工法

充填断熱工法とは、柱と柱の間や天井裏などに断熱材を充填する工法だ。比較的安価で施工しやすいというメリットがあるが、断熱材が入っていない部分から熱が逃げやすいというデメリットもある。

また、施工の品質によっては結露の原因となることもある。この工法を選ぶ場合は、しっかりと施工管理ができる業者を選ぼう。

外断熱工法

外断熱工法とは、建物の外側全体を断熱材で覆う工法だ。柱など構造体を含めて断熱材で包み込むため、気密性が高く、熱が逃げにくいというメリットがある。また、壁内結露のリスクを低減する効果も期待できるだろう。

ただし、施工には専門的な技術が必要で、充填断熱工法に比べてコストが高くなる傾向があることも覚えておこう。

気密性を重視する

断熱性能を向上させる上で、気密性の確保は極めて重要な要素だ。気密性とは、具体的には建物に存在する隙間の少なさを示す尺度であり、この気密性が高いほど、外部の空気が建物内部へ侵入しにくく、逆に室内の空気が外部へ漏れにくい状態を意味する。

従って、断熱材による断熱効果を最大限に引き出すためには、この気密性の向上が不可欠だ。断熱材と気密性を両立させることによって、室内温度をより効果的に調整することが可能となり、一年を通して快適な居住空間を実現できるだろう。

間取りを工夫する

間取りを工夫するという視点もまた、住宅の断熱性能を高める上で見過ごせない、非常に効果的な手段の1つとして挙げられる。例えば、開放感を演出するのに効果的な吹き抜けや、採光に優れた大きな窓などは、魅力的な要素ではあるが、同時に熱が逃げやすいという看過できないデメリットも抱えている。

従って、住宅の断熱性を重視するのであれば、できる限りシンプルな間取りを選択したり、窓の配置を慎重に検討したりすることが、重要なポイントだ。

ただ、間取りに合わせて熱暖房効率を高める工夫によっても断熱性は変わる。「吹き抜けやリビング階段など、熱が上の階に逃げやすい間取りにする場合は、シーリングファンを設けるなど、さまざまなアイデアがあるので、設計士に相談しましょう」

断熱性の高い家のデメリットはある?

断熱性能を向上させるためには、高性能な断熱材や断熱サッシといった高品質な建材を導入する必要があるため、どうしても建築費用が割高になる傾向が見られる。

これらの高性能な建材は、初期投資としては費用がかさむものの、長期的に見れば光熱費の削減効果も期待できるため、費用対効果を考慮した上で選択することが重要である。

加えて、気密性が高い住宅は、外部からの空気の侵入を防ぎ、室内の温度を一定に保つ上で有効だ。しかし、同時に換気計画を怠ると、空気の入れ替えがされにくく、においがこもりやすくなったり、結露が発生しやすくなるという問題も抱えている。

これらのデメリットを十分に理解し、対策を取ることが大切だ。

高断熱住宅をかなえた先輩たちの実例7選!

高断熱住宅を建てるということは、冷暖房のロスを抑えることで経済的な暮らしをかなえつつ、家族にとっても季節を問わず快適に過ごせる家を建てることにつながる。そんな高断熱住宅を建てた先輩の事例を紹介しよう。

【Case1】耐震と断熱にこだわり、老後の将来を見据えた家

住んでいた建売住宅の断熱性が低く、「エアコンを切るとあっという間に暑くなってしまう」などと困っていたNさん。断熱性が高く、地震に強い家を建てたいと希望し、スーモカウンターで6社を紹介してもらうことに。相見積もり後、要望に対して、率直に意見を言ってくれた会社に依頼しました。

完成した家に住んで1年。複層ガラスの樹脂サッシのおかげで結露もまったくなく、冬場は暖かく、夏場は涼しく、冷暖房効率がいいためエコにも役立ち、快適に暮らしています。

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断熱性も耐震性も高い家に建て替え、居心地のよい家でゆったりと過ごすNさん。「暑さや寒さでストレスを感じずに過ごせるのは本当に幸せですね」(写真/河原大輔)

この実例をもっと詳しく→
耐震と断熱にこだわり、老後の将来を見据えた家

【Case2】ずっと住みやすい、住宅性能の高い家を。注文住宅でかなえた思いどおりの住まい

カビに悩まされるアパートを出たいと思い、家づくりを決心したYさん。高気密・高断熱で、体に優しい家を建てたいと、スーモカウンターに相談しました。紹介された5社すべてに会い、「同じ予算内で、ほかより性能の高い家を建てられる会社を選びました」。

高気密・高断熱、24時間換気システムと、こだわり満載のわが家が完成。「エアコン1台で大丈夫と言われ、最初は半信半疑でしたが本当でした」。24時間換気システムが常にきれいな空気環境を保ってくれるため、カビの悩みとは無縁の毎日を送っています。

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高気密・高断熱、24時間換気システムのおかげで、カビと無縁の生活に。「以前のような結露はまったく見なくなり、快適に暮らせてありがたいですね」(写真/山出高士)

この実例をもっと詳しく→
ずっと住みやすい、住宅性能の高い家を。注文住宅でかなえた思いどおりの住まい

【Case3】1階から3階まで、すべて異なる雰囲気の家で理想的な家事動線を実現

子どもの成長に伴い、住んでいたマンションに手狭さを感じるようになったというIさん。子育てをするにあたって、明るくてナチュラルな家にしたいと考えていたそう。スーモカウンターに相談し、紹介された建築会社のうち、知識が豊富な会社に依頼することにしました。

完成した家のポイントは、理想的な生活動線、風通しと採光にこだわった窓、そして1階から3階まですべて異なる雰囲気の内装。外壁に寒冷地でも通用する断熱材を採用したこともあり、高断熱・高気密の快適な住まいに。「息子が毎日家の中を楽しそうに走り回っています」

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開放的なリビングながらも、階段に引き戸を付けたのもポイント。エアコンの冷暖房効率が高まります(写真/相馬ミナ)

この実例をもっと詳しく→
1階から3階まで、すべて異なる雰囲気の家で理想的な家事動線を実現

【Case4】断熱性にこだわって手に入れた、静かで快適な家

以前住んでいた賃貸住宅の交通の便や収納の不満から、マイホームを検討し始めたHさん夫妻。駅近の土地を見つけたものの、家づくりの進め方が分からず、スーモカウンターに相談。過去にハウスメーカーのモデルハウスを訪れて熱心すぎる営業に困った経験から、まとめて相談できる場所を求めていたそう。

Hさん宅のこだわりは、高性能で家事がラクになる家。光熱費を抑えながら全館空調を導入できると考え、断熱性の高い家づくりができる建築会社を選びました。家事動線を考慮して、キッチンを中心とした回遊性のある間取りや、必要な場所に収納を確保することにもこだわりました。

Hさん宅の注文住宅実例

キッチンの奥にはパントリーを設け、壁を隔てた廊下にも収納を確保(写真/ご本人)

この実例をもっと詳しく→
線路沿いの便利な立地でも静かに暮らせる断熱性能と動線のいい家

【Case5】空調の効きが良い高断熱の住まい

中古マンションの管理費の値上げと、妻の妊娠を機に住み替えを考え始めたNさん夫妻。自分たちで探した4社と、知人から紹介された2社のモデルハウスを見学したところ、どの会社も良い点しか言わず、何が正しいか分からなくなったそう。そこで、高断熱や省エネ性能、耐震性などの住宅性能の希望をもとに、スーモカウンターに相談しました。

Nさんご夫妻は、高断熱でZEH基準を満たす省エネ住宅にこだわり、太陽光発電や蓄電池も導入しました。その結果、以前のマンションよりも広い家に住み替えたにもかかわらず、光熱費が安くなったのだとか。また、家事動線を考慮した間取りや、収納スペースを多く設けたことで、住みやすさも向上しました。

Nさん宅の注文住宅実例

高断熱仕様で、空調効率が良く、家計にも優しい住まい(写真/Nさんご本人)

この実例をもっと詳しく→
マンションを売却し、高断熱・ZEH基準の住宅に住み替えるまで

【Case6】高い性能で冷暖房効率アップ

以前の住まいの湿気や結露に悩んでいたAさん夫妻は、長く安心して暮らせる家を求めて家づくりをスタート。住宅展示場を回る中で、性能面でひかれた会社はあったものの予算的に難しいと感じ、スーモカウンターに相談しました。

Aさんご夫妻は、住宅性能を重視し、特に気密性・断熱性の高さにこだわりました。その結果、C値0.5以下、UA値0.47という高い数値を実現。トリプルガラスや太陽光発電も導入し、長期優良住宅の認定も取得しました。以前の住まいと比較して光熱費が半分以下になった上、結露も全くなく、エアコン1台で家全体が快適な温度に保てるようになったそうです。

Aさん宅の注文住宅実例

高気密・高断熱を実現し、冷暖房費を抑えることに成功した住まい(写真/本美安浩)

この実例をもっと詳しく→
安心で快適に暮らせる性能を追求。高気密・高断熱の長期優良住宅

【Case7】断熱性を考慮して窓を小さめに

築28年の自宅の結露問題に悩んでいたSさん。リフォームでは根本的な解決にならないと考え、建て替えを決意。どの会社に依頼すればいいか分からず、プロに相談した方が効率的だと思い、スーモカウンターに相談しました。予算や断熱性能などの希望を伝えたところ、5社を紹介してもらい、その中から、性能が高く、コストパフォーマンスの良い会社を選びました。担当者のレスポンスの速さも決め手になったそうです。

その結果、念願の高気密・高断熱な家が完成。窓を小さく設計したことで、外からの視線も気にならず、家具の配置もしやすくなりました。

Sさん宅の注文住宅実例

南側に大きな窓、東側には高い位置に小さめの窓を設けたLDK。明るく、窓のお手入れが少ない住まいに(写真/相馬ミナ)

この実例をもっと詳しく→
築28年の自宅を高気密・高断熱の家に建て替えて快適なわが家に

スーモカウンターに相談しよう!

家づくりを始めるに当たって、まず何から手をつければよいのか見当がつかない、あるいは、どの建築会社に相談するのが最善なのか判断に迷う、といった悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

特に、断熱性能のような専門的な知識が必要となる要素については、早めの段階から考慮しておくことで、その後の暮らしの満足度に大きく影響する。そんなときは、ぜひスーモカウンターに相談してください。

スーモカウンターでは、専門的な知識を持ったアドバイザーが、お客さまのライフスタイルや価値観、そして予算といった、多岐にわたる要望を詳細にヒアリング。断熱性・省エネ性にもこだわって、エコな暮らしをスタートさせましょう。

<調査概要>

「注文住宅3年以内建築者調査」(リクルート調べ)

・調査協力:楽天インサイト

・調査実施:2022年8月

・調査方法:インターネット調査

・対象者:3年以内に注文住宅を建築した25歳~44歳の全国の男女

・有効回答数: 400名(うち、男性191名・女性209名)

監修/SUUMO編集部(断熱性とは?読み方は「だんねつせい」断熱性能を表す指標と断熱性能等級断熱性の高い家にする方法断熱性の高い家のデメリットはある?

取材協力/佐川旭さん
佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける
取材・執筆/前川ミチコ