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断熱性の高い家ってどんな家?高気密・高断熱にこだわった実例やポイントを紹介

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冬は暖かく、夏は涼しい家に住むにはどんな工夫をすればいい? 室内の冷暖房効率を高めて快適な気温を保ち、冷暖房費用も抑えて省エネ&エコな家づくりのために知っておきたい基礎知識を、建築家の佐川旭さんに話を伺った。併せて先輩たちの事例も紹介しよう。

家づくりの先輩たちが「こだわった」ポイントの上位に断熱・省エネ性

家を建てた先輩たちへのアンケートで「注文住宅でこだわった点」を聞いたところ、結果は以下のとおり。「断熱・気密」(4位)、「省エネ、太陽光など機能」(6位)と、断熱性・省エネ性に関する項目が上位にランクインしている。

家づくりで「こだわった」点として「断熱・気密」「省エネ、太陽光など機能」が上位にランクイン

そもそも断熱性・省エネ性の高い家ってどんな家?

では、断熱性・省エネ性の高い家とはそもそもどんな家なのだろう。「小さなエネルギーで、高い冷暖房効率を発揮する家。そのような家にするには、夏は屋外の熱を中に入れず、冬は室内の熱を外に出さないための工夫が必要です」と建築家の佐川旭さん。

家のどこから熱が出ていき、どこから入るのか、その割合は下図のとおり。「夏に家に入ってくる熱も、冬に家から出ていく熱も、その割合が大きいのが窓。つまり、外壁・屋根はもちろん、『窓』の断熱性アップにも工夫することが、家の断熱性を高める最大のポイントです」(佐川さん)

「例えば南側に大きな窓を設けたいなら、複層ガラスは必須。大きな窓の手前にインナーサッシや断熱性の高いカーテンや障子などを設けると、さらに効果的です。また、間取りの工夫によっても断熱性は変わります。吹抜けやリビング階段など、熱が上の階に逃げやすい間取りにする場合は、シーリングファンを設けるなど、さまざまなアイデアがあるので、設計士に相談しましょう」

断熱性・省エネ性の高い住宅をつくるには、窓などの建材の選び方も重要。上で紹介したアンケートでも9位にランクインし、関心の高さがうかがえる結果となった。

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一般的な住宅の場合、夏に家に入ってくる熱も、冬に家から出ていく熱も、圧倒的に「窓」の割合が大きい(佐川旭さん著書「住まいの思考図鑑」より)

実例紹介*断熱性・省エネ性にこだわって高断熱住宅をかなえた先輩たちの家を見ていこう

高断熱住宅を建てるということは、冷暖房のロスを抑えることで経済的な暮らしをかなえつつ、家族にとっても季節を問わず快適に過ごせる家を建てることにつながる。そんな高断熱住宅を建てた先輩の事例を紹介しよう。

●実例1:耐震と断熱にこだわり、老後の将来を見据えた家

住んでいた建売住宅の断熱性が低く、「エアコンを切るとあっという間に暑くなってしまう」などと困っていたNさん。断熱性が高く、地震に強い家を建てたいと希望し、スーモカウンターで6社を紹介してもらうことに。相見積もり後、要望に対して、率直に意見を言ってくれた会社に依頼しました。

完成した家に住んで1年。複層ガラスの樹脂サッシのおかげで結露もまったくなく、冬場は暖かく、夏場は涼しく、冷暖房効率がいいためエコにも役立ち、快適に暮らしています。

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断熱性も耐震性も高い家に建て替え、居心地のよい家でゆったりと過ごすNさん。「暑さや寒さでストレスを感じずに過ごせるのは本当に幸せですね」(写真/河原大輔)

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耐震と断熱にこだわり、老後の将来を見据えた家

●実例2:ずっと住みやすい、住宅性能の高い家を。注文住宅でかなえた思いどおりの住まい

カビに悩まされるアパートを出たいと思い、家づくりを決心したYさん。高気密・高断熱で、体に優しい家を建てたいと、スーモカウンターに相談しました。紹介された5社すべてに会い、「同じ予算内で、ほかより性能の高い家を建てられる会社を選びました」。

高気密・高断熱、24時間換気システムと、こだわり満載のわが家が完成。「エアコン1台で大丈夫と言われ、最初は半信半疑でしたが本当でした」。24時間換気システムが常にきれいな空気環境を保ってくれるため、カビの悩みとは無縁の毎日を送っています。

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高気密・高断熱、24時間換気システムのおかげで、カビと無縁の生活に。「以前のような結露はまったく見なくなり、快適に暮らせてありがたいですね」(写真/山出高士)

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ずっと住みやすい、住宅性能の高い家を。注文住宅でかなえた思いどおりの住まい

●実例3:1階から3階まで、すべて異なる雰囲気の家で理想的な家事動線を実現

子どもの成長に伴い、住んでいたマンションに手狭さを感じるようになったというIさん。子育てをするにあたって、明るくてナチュラルな家にしたいと考えていたそう。スーモカウンターに相談し、紹介された建築会社のうち、知識が豊富な会社に依頼することにしました。

完成した家のポイントは、理想的な生活動線、風通しと採光にこだわった窓、そして1階から3階まですべて異なる雰囲気の内装。外壁に寒冷地でも通用する断熱材を採用したこともあり、高断熱・高気密の快適な住まいに。「息子が毎日家の中を楽しそうに走り回っています」

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開放的なリビングながらも、階段に引き戸を付けたのもポイント。エアコンの冷暖房効率が高まります(写真/相馬ミナ)

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1階から3階まで、すべて異なる雰囲気の家で理想的な家事動線を実現

高断熱住宅を建てると、夏も冬も快適に過ごせるうえ、冷暖房コストを抑えることができて経済的。また、家中の室温が均一に近づくため、体への負担が少なくなるなどのメリットも。断熱性・省エネ性にこだわって、快適でエコな暮らしをスタートさせよう。

<調査概要>

「注文住宅3年以内建築者調査」(リクルート調べ)

・調査協力:楽天インサイト

・調査実施:2022年8月

・調査方法:インターネット調査

・対象者:3年以内に注文住宅を建築した25歳~44歳の全国の男女

・有効回答数: 400名(うち、男性191名・女性209名)

取材協力/佐川旭さん
佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける
取材・執筆/前川ミチコ