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【実例あり】ガレージハウスの魅力とは? クルマ好きが憧れる住まいのポイント

【実例あり】ガレージハウスの魅力とは? クルマ好きが憧れる住まいのポイント

住宅の中にガレージを組み込んだガレージハウスは、クルマ好きの憧れである一方、狭小地における駐車場確保の奥の手でもあります。そんなガレージハウスにはどんなメリット・デメリットがあるのか、計画する際はどんな点に気をつければいいのか、ガレージハウスをはじめとする住宅の建築設計を手がける秦野浩司建築設計事務所の秦野浩司さんに話を聞きました。

ガレージハウスとは?

自宅の敷地内に駐車スペースを確保する場合、いくつか方法があります。ガレージハウスもその一つですが、そもそもガレージハウスとはどのようなもので、どんな特徴があるのでしょうか?

ガレージとは? カーポートとの違い

まず、ガレージハウスの「ガレージ」とはどのようなものなのでしょうか。また、クルマを停める場所として「カーポート」というものもあります。ガレージとカーポートはどこが違うのでしょうか?

「カーポートというのは、柱と屋根だけの駐車スペースです。一方、ガレージは屋根と壁に囲われた駐車スペースのことを言います」(秦野さん、以下同様)

ガレージの例

ガレージは屋根と壁に囲われている(画像/PIXTA)

カーポートの例

カーポートは柱と屋根だけ(画像/PIXTA)

ガレージハウスとは?

「住宅の中にガレージを組み込んだものがガレージハウスです。同じ意味で、ビルトインガレージとかインナーガレージと言うこともあります」

ガレージハウスのタイプ

住宅の中にガレージを組み込む場合、さまざまな組み込み方があります。ここでは、ガレージハウスのタイプをいくつか紹介します。

狭小地のガレージハウス

都心などの狭小地では、1階にガレージを組み込んで駐車スペースを確保したガレージハウスをよく見かけます。中には、クルマの半分しか屋根がないケースもあります。

屋根が半分しかないガレージハウスの例

狭小地では、屋根が半分しかないガレージハウスも(画像/PIXTA)

クルマを複数台停められるガレージハウス

クルマを複数台停められる広めのガレージハウスもあります。

車を複数台停められるガレージハウスの例

複数台所有している場合は、台数分のクルマが停められると理想的(イラスト/タイマタカシ)

室内から愛車を鑑賞できるガレージハウス

車庫部分と居室部分をガラスで仕切って、室内から愛車を鑑賞できるショールームのようなガレージハウスもあります。

ガレージハウスに停めた車をリビングから眺める男性

室内で愛車を眺めながらくつろげるガレージハウスは、クルマ好きの憧れ(イラスト/タイマタカシ)

車庫部分が半地下になっているガレージハウス

地下を利用したガレージハウスもあります。より土地を有効活用したい場合に適しています。

半地下のガレージハウスの例

車庫が半地下のガレージハウスは土地を有効活用できる(イラスト/タイマタカシ)

ガレージハウスのメリット

狭小地でも駐車スペースを確保できる

敷地に余裕がなくても駐車スペースを確保できるのは、ガレージハウスの大きなメリットです。

「ただし、1階には構造上、多くの耐力壁が必要なので、耐力壁の幅を計算した上でクルマが出入りする開口部を確保しなければなりません」

愛車を風雨から守ることができる

屋根のない青空駐車場や、壁のないカーポートに比べると、屋根と壁で囲われているガレージハウスの方が、愛車を風雨から守ることができます。

「ただし、狭小地などの屋根が半分しかないガレージハウスの場合、半分だけクルマが汚れてしまうので、逆に汚れが目立ちます。完全に風雨からクルマを守りたい場合は、屋根と壁がクルマ全体を覆うようにした上で、開口部には隙間のないシャッターを設置するといいでしょう」

ガレージハウスに停めている車が風雨から守られている様子

屋根と壁に囲われたガレージハウスは風雨に強い(イラスト/タイマタカシ)

防犯性が高い

完全にクルマを建物の中に格納できるタイプのガレージハウスなら、クルマの盗難や車上荒らしを防止する効果が期待できます。

「最近は、防犯意識の高まりから、ガレージのまわりに防犯カメラを設置する人も増えています」

ガレージハウスのライトやカメラによって盗難から車が守られている

ガレージハウスなら、盗難や車上荒らしの被害にあうリスクは少ない(イラスト/タイマタカシ)

荷物の出し入れがラク

「ガレージの中に居室内につながるドアがあると、天気が悪い日も雨に濡れずに荷物の出し入れができます。クルマで帰宅したときに、メインの玄関ではなく、ガレージ内のドアから帰宅できるような動線にすると、なお便利です」

ガレージハウスに設けたドアと隣接した室内

向かって右側、黄色いクルマの横に室内につながるドアがある(左)。室内から見ると、メインの玄関と、ガレージへ出るドアの2つの動線があるのがわかる(右)(画像/秦野浩司建築設計事務所)

愛車を見て楽しむことができる

ガレージと室内をガラスで仕切るなどすれば、インテリアやオブジェのように、室内からクルマを見て楽しむこともできます。

固定資産税が安くなる

ガレージハウスの駐車場部分は、ガレージを含めた家全体の床面積の合計の1/5までは延床面積に算入しなくてもいい決まりがあります。これを「容積率の緩和措置」と言いますが、この「容積率の緩和措置」によって不動産としての評価額が下がるため、ガレージハウスは固定資産税が安くなります。
なお、ガレージ内の収納スペースや玄関から外に出る通路部分は、床面積に参入されるので注意が必要です。

ガレージハウスの有無による床面積の比較

ガレージハウスの駐車場部分の床面積が家全体の床面積の1/5までなら、その分は「容積率の緩和措置」が受けられるため、評価額が下がり固定資産税が安くなる(図/SUUMO編集部作成)

玄関までの通路と収納のあるガレージハウス

玄関からの通路とガレージ奥の収納部分は床面積に含まれるので注意(画像/秦野浩司建築設計事務所)

ガレージハウスのデメリット

1階の居住スペースが減る

半地下のガレージなど例外はありますが、一般的にガレージハウスのガレージは1階に設けることになります。前述の通りガレージハウスには「容積率の緩和措置」がありますが、建ぺい率には緩和措置がないため、ガレージの分だけ1階の居住スペースは減ることになります。

耐力を得るために工夫が必要

「ガレージハウスでも構造計算をしっかり行えば、構造が弱くなることはありませんが、スペースを確保しながら耐力を得るためには工夫が必要です。例えば通常の耐力壁の幅は600mm~910mm必要ですが、門型フレーム(特殊な接合金物を用いて柱と梁を剛接合した強固なフレーム構造。耐力壁を減らすことができる)を採用すれば、片側240mm×2(両側)で済むため、開口部を広く取れます」

門型フレームを使用したガレージハウス

門型フレームを採用したガレージハウス。門型フレームなら、必要な耐力を得ながら開口部を広く取れる(画像/秦野浩司建築設計事務所)

排気ガスや騒音が気になる

「ガレージ内でエンジンをかければ、当然排気ガスや騒音は気になります。換気のために窓や換気扇をつけることをオススメします。また、クルマの後ろの壁は排気ガスで汚れるため、濃い色を塗るなどして目立たなくした方がいいでしょう」

排気ガスで汚れた壁

白い壁だと排気ガスの汚れが目立つことも(イラスト/タイマタカシ)

コストが高い

「カーポートに比べると基礎工事なども必要なのでコストは高くなります。また、電動シャッターをつけたり、ガレージ用の設備を追加すればその分コストは上がります。なお、クルマ1台分のカーポート設置にかかるコストは、カーポート本体と施工費で40万円~50万円程度です」

半地下タイプは排水対策が必要、高さ制限もある

「低層で高さ制限のある敷地条件なら、半地下タイプのガレージハウスも有効ですが、より容積率の緩和が可能な地下扱いにするには、天井高も地盤面から1m以下と低く制限されます。そのため、どれだけ深く地下を掘るかによりますが、駐車可能な車種に制限があります。
また、床が道路面よりも下がることで、ポンプアップ設備の導入など排水処理対策が必要です」

大雨などによる浸水被害の恐れもあるため、自治体などでハザードマップや過去の被害について確認しておくといいでしょう。

ハザードマップを確認する家族

ハザードマップなどで浸水被害の可能性もチェックしておきたい(イラスト/タイマタカシ)

ガレージハウスを計画する際に気をつけることは?

実際に自宅をガレージハウスにしようと計画する際には、どのような点に気をつければいいのでしょうか?

広さ

「乗り降りする際に両脇のスペース、荷物の出し入れがしやすいように背後にもスペースがあるといいでしょう。駐車場としては幅2.5m×奥行き5.0mで足りますが、理想的には1台分で幅3.5m×奥行き6.0mの広さが欲しいですね。さらに、シャッターを下ろしても車の前を通れるスペースがあればベストです」

駐車スペースの広さ

理想としてはクルマ1台で、幅3.5m×奥行き6.0mの広さが欲しい(図/SUUMO編集部作成)

スペースに余裕のあるガレージハウスのイメージ

大型車をとめても左右に空きのあるゆったりとしたガレージ(画像/秦野浩司建築設計事務所)

電源などの設備

「クルマの整備や掃除のためにガレージ内に電源コンセントや水道があると便利です。クルマいじりが好きな人は、作業台やタイヤ置場、収納棚等があればなおいいですね」

動線

「雨に当たらずに玄関に入れる動線が理想的です。ガレージ内部から出入りできない場合は、ガレージの出口から玄関までの間に屋根を設けるといいでしょう」

前面道路との関係

「前面道路の幅が4mだと旋回しての駐車がしづらいため、できれば建物を後ろに下げて敷地内に旋回のためのスペースを設けた方がいいでしょう」

前面道路とガレージハウスの位置関係

前面道路が狭い場合は、右図のように建物を後ろに下げて旋回用のスペースを確保したい(イラスト/タイマタカシ)

隣家との協定

「隣地を踏まないとクルマの出入りができない場合は、トラブルにならないよう隣家と協定を結んでおきましょう。建築計画時に建築会社などを介して結ぶのが一般的です」

隣家との協定範囲

隣地を踏まないと出入りできない場合は隣家と協定を結ぶ(イラスト/タイマタカシ)

シャッターの種類

「シャッターは予算に余裕があればリモコンで開閉できる電動式が便利です。また、近隣対策として静音式のものがいいでしょう。隙間のないタイプ(スラットシャッター)のほか、通気性の高いパイプ式のシャッター(グリルシャッター)もありますが、スラットシャッターの方が防犯性能は高いです。なお、防火地域、準防火地域に建てる場合は、条件によっては防火仕様のシャッターにしなければなりません」

車内からリモコンでシャッターを開閉している様子

シャッターは車内からリモコンで開閉できると便利(イラスト/タイマタカシ)

照明の有無

「暗いと駐車時にぶつけたりこすったりする危険があるので、センサー式の照明はあった方がいいですね」

勾配が必要

「床は土間コンクリートにして、水はけをよくするために水勾配を1/50~1/100程度はとった方がいいでしょう」

ガレージハウス内の勾配

水はけをよくするために勾配をとった方がいい(イラスト/タイマタカシ)

屋根(天井)や壁

「自動車の車庫には内装制限があり、壁、天井には準不燃材料以上の仕様が求められます。また、ガレージを外部として扱う場合は、室内を快適に保つため、ガレージ上部(天井)に断熱材を入れることは必須です。ガレージを囲む壁には断熱材は不要ですが、室内に面する壁には断熱材が必要です」

憧れのガレージハウスを建てた先輩たちの事例を紹介!

スーモカウンターで憧れのガレージハウスを建てた先輩たちがいます。その人たちが、どんな点にこだわり、どんな住まいを実現したのか、実例を参考に学んでいきましょう。

【case1】洗車ができるインナーガレージは、雨の日でも快適!

Yさん夫妻の夢は屋上バルコニーやガレージのある家です。妻の友人からスーモカウンターの評判を聞いて早速出かけてみることにしました。

スーモカウンターでは、自分たちの希望を話し、屋上バルコニーとガレージの両方が得意な5社を紹介されました。最終的には2社に絞り、担当者やスタッフの人柄に惹かれた1社に決定。

夫の希望だったガレージは、内壁の素材を外壁と同一のものにした中で洗車ができるインナーガレージです。ガレージと玄関がつながっているため、雨の日でもストレスなくクルマに乗れる点も気に入っているとのこと。屋上バルコニーも実現し、理想の住まいに大変満足しています。

建築会社の社長がデザインしたきれいな箱形の外観/注文住宅実例

2台駐車ができるインナーガレージ。内壁にも茶色い外壁と同じ素材を採用した(写真/アラキシン)

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屋上バルコニーとガレージが得意な建築会社と出会えて大満足!

【case2】一度は諦めかけたものの、コストダウンによって広いガレージのある家を実現!

一戸建てを建てることにしたIさん。フリーペーパーで知ったスーモカウンターを訪れ、キッチンとガレージが広い家という希望と予算を伝えると、その場で3社紹介されました。その後、2社に絞って話を進めていましたが、一度はコスト面から家づくりを諦めたそうです。

家づくりを再開したのは、断った2社の内の1社から「一緒にコストダウンを考えましょう」というメールがあったから。家づくりの夢を諦め切れなかったIさんは、ガレージのシャッターをオーバースライダータイプから普通の電動シャッターにするなどしてコストダウンを実現。その結果、多少の妥協はありましたが、予算内で広いガレージのある家を手に入れました。

コストダウンを工夫した広々としたガレージハウス

普通の電動シャッターにしてコストダウンを図り、広いガレージを実現した(写真/長澤力)

この実例をもっと詳しく→
40代後半で思い立った家づくり。広いガレージとキッチンを実現

【case3】建築会社のセンスが光る、リビングから愛車を鑑賞できるガレージハウス

家を建てることにしたDさん夫妻。夫のこだわりは、「家の中からも愛車が眺められるような、ガレージとつながる間取り」。さらに、夫婦ともに平屋を希望しました。

ショッピングモール内にあるスーモカウンターを訪れ、予算と希望を伝えて紹介された会社の中から、平屋にしても予算内で済み、家づくりに対する考え方が合った3社に絞りました。

最終的に依頼先として決定した1社は、初回の提案時からセンスの良さが光っていました。リビングから愛車が眺められるインナーガレージと、玄関からガレージへ直通できる点が特に気に入ったそうです。

理想のプランで新居が完成。休日にはガレージで洗車をして、リフレッシュしているといいます。

玄関から直通のガレージ

玄関から直通のガレージ。リビングからは愛車が鑑賞できる(写真/本美安浩)

この実例をもっと詳しく→
自慢のインナーガレージ付き!外観にもこだわった、三角屋根が連なる平屋の家

【case4】雰囲気抜群! バイクのためのインナーガレージがある家

「子どもが小学校に入る前にはマイホームを建てたい」と思い一念発起したHさん。いくつもの展示場へ行きましたが、信頼できる会社には出合えなかったと言います。

家づくりを諦めかけたとき、たまたまスーモカウンターを見かけて訪問し、自分たちの希望と予算を伝えたところ、依頼先候補として4社を紹介されました。後日、紹介された会社と打ち合わせを行った際、1社が提案したガレージのある間取りの雰囲気が気に入り、その会社に依頼することを決定。

完成した住まいには、念願だったバイクのためのインナーガレージや、南面に大きな掃き出し窓を設けた明るいLDKなど、家族の希望がかなえられています。

バイクのためのインナーガレージ

念願だったバイクのためのインナーガレージで、思う存分バイクいじりができる(写真/河波隆博)

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明るい室内とバイクガレージ、外断熱で快適な家

【case5】室内から中が見えて直行できる、広々としたインナーガレージ

家づくりをスタートすると決めたUさん夫妻。雑誌で知ったスーモカウンターへ行き、依頼先候補を3社紹介されました。3社ともイメージにピッタリでしたが、その中から1社に決めて家づくりを進め、念願の新居が完成。

特に、趣味のバイクを2台置いても、メンテナンス用品などをゆったり置ける広いガレージはお気に入りの場所。室内からガレージ内部が見えるように設計したほか、いったん外に出ることなく、土間からガレージに直行できるところも便利です。

自分たちのイメージにぴったりの建築会社に出合え、細部まで妥協せずに、こだわりを詰め込むことができた新居に、Uさん夫妻は大満足しているそうです。

バイクを2台置いても広々としたインナーガレージ

インナーガレージは、バイクを2台置いても余裕の広さ(写真/加藤淳史)

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家族が伸びやかに暮らせる、つながりのある住まい

理想のガレージハウスを実現するためのポイント

最後にあらためて秦野さんに、理想のガレージハウスを実現するためのポイントを聞きました。

「構造や排気対策、使いやすい動線などの基本は抑えつつ、用途によってもガレージハウスに必要な設備が変わります。予算や敷地の条件の中で、自分がガレージハウスに何を求めるのか、その目的を明確にして家づくりに取り組んでほしいですね」

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「どうやって進めたらいいのかわからない」「ガレージハウスが得意な建築会社はどうやって選べばいいの?」住まいづくりにあたって、このような思いを抱いているなら、ぜひスーモカウンターに相談を。スーモカウンターでは、お客さまのご要望をお聞きして、そのご要望をかなえてくれそうな依頼先を提案、紹介します。

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取材協力/秦野 浩司さん
秦野浩司建築設計事務所 代表建築家、一級建築士

取材・文/福富大介(スパルタデザイン) イラスト/タイマタカシ