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玄関にある「土間」の魅力 収納や趣味スペースにもなる!

玄関にある「土間」の魅力 収納や趣味スペースにもなる!

薪ストーブがある土間(写真/西川公朗、設計/松本直子建築設計事務所)

日本家屋の玄関にある土間。もともとは家に上がるためのスペースであった土間が、近年では家全体の印象を決定づける顔となりつつあります。面積を広くとっておしゃれな空間を演出する場所として、また便利な収納スペースとして、役割が見直されている土間について建築士の松本直子さんにお話を聞きました。

広い土間のある玄関が注目されています!

土間は外から家の中に入ってそのまま土足で歩けるスペースで、主に玄関に置かれています。古くから日本家屋では広い土間が設けられ、かまどがある調理の場、農具を手入れする場、商売をする場、近隣者とのコミュニケーションの場など多様な使われ方がされてきました。

戦後は都市化に伴う住宅事情の変化で、玄関の土間は小さくなっていきました。靴を脱いで家に上がる場として最低限の機能があればいいという、やや脇役的な存在になっていきました。

ところが近年、土間のある広い玄関が家の“顔”として見直されてきています。広い土間のある玄関は見栄えがしますし、素材によって家族の好みに合った雰囲気を演出することができます。土間によく使われる素材には、次のようなものがあります。

土間素材のバリエーション

・三和土(たたき)

古くから日本家屋の土間に使われる素材。「敲き土(たたきつち)」の略と言われ、赤土、砂利などに消石灰とにがりなどをまぜて練って塗り、たたいて固めた素材。三種類の材料を使用することから「三和土」という。

・コンクリート

セメントに骨材として砂や砂利を混ぜたもの。骨材に砂利が入るため、塗る際に厚みが10cm程度必要になる。

・モルタル

コンクリートとよく似ているが、セメントに骨材として砂をまぜたもの。砂利がない分、コンクリートほどの厚みは不要。

・タイル

大きさや色、デザインのバリエーションが豊富で空間イメージに合わせていろいろ選べる。割れや目地の減りに対するメンテナンスが必要。

・天然石

高級感があり見た目が美しい。濡れると滑りやすくなるためすべり止め塗装が必要。

三和土の土間がある注文住宅

三和土の土間。叩いて締め固める作業が必要のためタイルなどに比べてコストは高くなる(写真/小川重雄、設計/松本直子建築設計事務所)

メリットいっぱいの土間はこんなに機能的で便利!

土間の「家の中にありながら床材を張らず土足で歩ける」特性を活かして、収納など実用面でもさまざまな用途で活用するケースが増えてきています。広い土間がある玄関は、どうして人気なのでしょうか。松本さんはこう分析します。

「そもそも日本家屋は昔から挨拶の場として玄関が広く、特に年齢が高い人にとって玄関は住まいの格式を表すものと捉えられてきました。また、日本は靴を脱ぐ文化で、玄関の土間は“外”と“内”との気持ちを切り替える場所です。そんな住まいの顔のようなスペースが窮屈な状態は避けたいという心理が働くのでしょう」(松本さん、以下同)

土間が広いと、その活用範囲も広くなります。松本さんは、室内における畳と同様に、土間はいろんな活用方法が楽しめる「多用途」の場所だ、といいます。

 ・「ガサ置き」(ストック)の場所

最近は共働きの家庭が多いので、掃除や片づけを頻繁に行えない場合があります。そのようなときに、すぐには使わない非常食やペットボトルなどの食品を土間スペースに「ガサ置き(ガサっと置けるという意)」できる場所、つまり当座のストックの保管場所として使うことができると松本さんは言います。

「比較的涼しい土間での保存は長持ちしますし、玄関にある土間から使う分だけ生活ゾーンに持っていくなどの区分けも楽です」

荷物を置いて置けるスペースがある土間

土間なら花粉や土埃がついた上着も気兼ねなく“ガサ置き”できる(画像/PIXTA)

・日常的な備品の仮置き場

「食品類に限らず、日常的な備品の場所としても重宝します。小さいお子さんがいるご家庭ではベビーカーを置くケースも多いです」

・ペットが出入りする場所

「犬などの活動的なペットを飼う家庭では、散歩などで出入りする際に汚れを落とす中間領域になりえます。室内で飼うウサギなどであれば、土間自体を飼育場所としたり、庭へ通じる遊び場にしたりして、活用することができます」

犬の写真

散歩から帰った後も足は拭かないまま土間に入れる(画像/PIXTA)

・家庭菜園の収穫場所

「ガーデニングに興味がある家庭にとっては、庭からハーブなどを収穫したり、土で汚れた野菜を持ち込んで置いておく場所として便利です。土や草がつきやすいガーデニング用具を収納するにも土間は便利に使えるでしょう」

家庭菜園のイメージ写真

家庭菜園の野菜も土がついたまま土間に(画像/PIXTA)

・上着類の収納場所

「毎日使うような上着類を玄関口に収納できるスペースがあれば便利です。特に花粉症の時期や梅雨時は、上着を家の中に持ち込みたくないものです。ほこりや水滴を払い、上着をかける玄関収納があればとても便利です。扉でスペースを区切れば来客時も気になりません」

玄関で上着の脱ぎ着をする子どもの写真

雨や雪で濡れている上着も土間なら気を使わないで脱げる(画像/PIXTA)

・スポーツ系の趣味道具の置き場所

「アウトドアグッズなども含め、スポーツ系の道具はかさばって置き場に困るシーンがあります。土間であればガサ置きができるので、子どもの野球道具やサッカー道具はもちろん、自転車などもそのまま置いておけます。防犯面でも、屋外に置いておくより安心です」

玄関の土間に自転車を壁掛けにした注文住宅

軽いサイクリング自転車なら壁掛け収納も楽々(写真/小川重雄、設計/松本直子建築設計事務所)

・DIYの場所

「近年、DIYに注目が集まっていますが、土間は工作や大工作業をするのにとても便利な場所です。多少汚れても洗い流せますし、掃除も楽です。靴を履いて作業できるので、けがの心配も少なくなります」

玄関の土間が収納兼作業場に

スポーツやアウトドア関連の道具類は土間で“見せる収納”を(画像/PIXTA)

・家のサブリビング的な場所

「来客の際、『玄関口での応対は失礼だけれど、リビングまで上がってもらうのはどうかな?』といったときに広い土間があればそこが接客の場所として活用できます。簡易なテーブルやいすを置くスペースがあれば、急な来客でも慌てずに済みます」

小上がりのある土間

土間は「玄関の扉を開けたご近所さんが、すぐに小上がりに座って話し込むような」場所(写真/アラキシン)

この実例をもっと詳しく→
「わが家に帰ってきたな」とホッとする、土間のある平屋

ほかにも、展示場的なスペースを土間につくり、家族の作品や趣味の収集物を置いておく場所として使ったり、土間の奥にキッチンやガレージなどとつながる動線をつくって収納スペースとして活用するなど、土間には土足で動けるメリットを活かした幅広い活用方法があります。

大きな窓から射し込む光が美しい土間

飾り棚を設けて好みのコレクションを飾るスペースにした土間(写真/小川重雄、設計/松本直子建築設計事務所)

パブリックな土間・プライベートな土間

これまで機能面を見てきましたが、広い土間が人気の理由はそれだけではないようです。

「私は土間について、その“機能”や“種類”よりも“性質”に着目しています。玄関は、住人にとっては『パブリックスペース』への出口、訪問者にとっては『プライベートスペース』への入口です。玄関の土間はその中間の位置にあります。

土間を広くとって、そこをパブリックな開いた場所にするか、それともプライベートな閉じた場所にするかで、家そのものの印象が大きく変わってきます」

そこでについて、そのコンセプトや工夫点を聞きました。

パブリックな土間の例

・カフェのような土間

「交友が広い施主のリビングは居心地がよいようで、いつの間にか友人たちも集まっておしゃべりが弾むスペースになっています」

土間にテーブルを置き、カフェのような雰囲気の注文住宅実例

ダイニングテーブルを置いた、カフェのような土間ダイニングには友人や隣人がよく集まる(写真/小林浩志、設計/松本直子建築設計事務所)

プライベートコンサートが開ける土間

「音楽が趣味のご家族の土間は奥に広い畳敷きの客間エリアがあります。2階は原則、プライベートな領域にしています」

土間から続く小上がりの畳スペースにかけられた3本のギター

板張りの土間でギターの演奏を。続きの畳のスペースで家族や友人たちがくつろぎながら聞くことができる(写真/小川重雄、設計/松本直子建築設計事務所)

プライベートな土間の例

・リビングの暖炉を楽しむ土間

「玄関の土間が室内のリビングまでつながっている、いわゆる『通り土間』です。暖炉の火を楽しみ、ペットの犬の面倒もみやすい構造にしました」

吹抜けと大きな窓が開放感を生む土間

室内と庭の中間という空間が土間の魅力(写真/西川公朗、設計/松本直子建築設計事務所)

囲炉裏のある土間

「囲炉裏代わりの造り付けダイニングテーブルを設えて、近しい人が集まるサロンのようなプライベートな場所です」

まるで料理店のような、ダイニングテーブルが置かれた土間のある注文住宅実例

料理やお酒を嗜むことのできる土間(写真/小林浩志、設計/松本直子建築設計事務所)

・文机や書斎がある土間

「土間に机や本棚を置いて、子どもの学習スペースや書斎、アトリエにするようなケースもあります」

土間に置かれた机で作業ができる

土間に机を設ける場合も。居室とは異なる空間で集中できる(写真/アトリエあふろ)

土間のデメリットとその解決策は?

玄関の土間を広くとると、その分、外部からの影響を家の中にも受けやすくなります。また、玄関は外部との接点になるため、土などの汚れを持ち込みやすく、雨や雪の日は濡れてすべりやすくなります。そこで、土間の素材や設備を工夫することで、より快適に活用できる方法を紹介します。

・雨などの影響(濡れる、滑る、湿気)と対策

雨や雪の日、濡れた土足で歩くため、土間の床が濡れてしまいます。雨や特に雪が多い地域の場合は、床面を滑りにくいタイル仕上げにするなどで対策をすることができます。また、材質によっては湿気が残りやすいので、土間から直接リビングなどの居住空間につながるつくりの場合は、壁の左官材を珪藻土など湿気の吸いやすいものにするなども楽です。収納として活用する場合は、換気扇を設ける場合や除湿器を設置するなどの方法があります。

・汚れなどの影響と対策

土間が直接庭やガレージなどにつながる動線等で汚れを残しやすい場合なども含め、掃き掃除しやすいよう、造り付けの棚やベンチなどは床から浮かせてつくるようにします。また土間に流しがあると非常に便利です。

ベンチとテーブルが置かれた土間のある注文住宅実例

広い土間の掃除がしやすいように工夫されたテーブルとベンチ。テーブルはスチール製の1本脚、ベンチは壁に固定されている(写真/小川重雄、設計/松本直子建築設計事務所)

・寒さの影響と対策

「玄関のドアや窓など開口部が多い土間において、特に土間を第二のリビング的に活用したり、パブリックに開いた形態での活用を考えた場合は、寒さ対策が重要なポイントになります。床の断熱材を忘れないことに加え、寒い地方の場合は床暖房を導入してもいでしょう。エアコンや温水のルームヒーター、オイルヒーターなどの活用もオススメです」

玄関の土間を使いこなす先輩たちの実例を紹介!

【case1】自作の靴棚をそなえた自慢の土間玄関

アメリカンスタイルのフラットハウスにあこがれて、親世帯とは別々の玄関を持つ平屋の二世帯住宅を建てた首都圏のOさん。玄関の広い土間部分はタイル張りで、自転車やベビーカーもおける広さを確保しました。靴が並ぶ棚も自作、というこだわりの土間玄関です。

自転車も置ける土間

一望できる靴箱に加えて自転車も置くことができる広い土間(写真/山出高士)

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「平屋の家で二世帯住宅」をかなえるために、DIYを採り入れて上手に

【case2】玄関には土間収納のスペースをたっぷりと

埼玉県のIさんのお宅は、玄関ドアを入ってすぐ右手に広い土間スペースを設けています。靴や傘のほかにも外で使う道具を気軽にしまえ、玄関ホールにはコートなどが掛けられるクロークの機能もあります。「以前の家は収納が足りなくて困っていたので、この家では、客間はなくてもいいから収納を重視した」そうです。

玄関ドアの横に収納スペースを設けた土間

濡れた衣類も「ガサ置き」できる便利な土間(写真/相馬ミナ)

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スキップフロアのあるオリジナリティあふれる家に収納を充実させてすっきりと暮らす

最後に土間を設計するときのポイントを松本さんに聞いたところ、「極力❝明るい❞空間にしたほうがいいと思う」とのことです。

「玄関の土間は、内と外がつながる特別な場所ですから、素敵な空間にしたいですよね。私は土間には“土間らしい風景”が必要だと考えています。土間から庭が眺められたり、家族や友人たちと気兼ねなく過ごせる空間がある……そんな土間のある風景が素敵だと思います」

よく「玄関は家の顔」といいます。広くて大きな土間がある玄関は、生活に欠かせない品々の「ガサ置き」の場所にも、趣味のスペースにも活用でき、パブリックな場にもプライベートな場にもなります。土間は家族の毎日を鮮やかに彩る変幻自在の場所と言っていいかもしれません。

スーモカウンターでできること

玄関に土間の設置を検討している場合は、まず、どのような生活をしたいかをじっくり考え、それを実現するために土間にどんな役割や機能をもたせたいのかを、プロに相談できるといいでしょう。

注文住宅の新築・建て替えをサポートしているスーモカウンターでは、土地購入や家づくりの不安を解決できる無料講座や、アドバイザーに悩みを相談できる無料の個別相談などを実施しています。個別相談では土地選び以外にも、予算や希望条件の整理、建築会社の紹介など、注文住宅を建てる際のあらゆる不安について、知識と経験のある専任アドバイザーに無料で何度でも相談できます。

玄関に土間をつくりたいと思いながら、どのようにすれば自分に合った使い方ができるのかわからない場合は、スーモカウンターに相談してみてはいかがでしょうか。

取材協力/松本直子さん

一級建築士。株式会社松本直子建築設計事務所を1997年に設立。シンプルで実用性や利便性があり、「日本の気候・風土に合った気持ちの和む場所つくりをコンセプト」に数多くの建築を手掛ける。

取材・文/櫻井とおる(スパルタデザイン)