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【実例付き】20坪・25坪の土地に家を建てるにはどんな間取りがいい?

【実例付き】20坪・25坪の土地に家を建てるにはどんな間取りがいい?

住宅金融支援機構の資料によると、2019年度の注文住宅の住宅面積(坪数)は全国平均で38.1坪となっています(【フラット35】利用者調査)。20坪・25坪の土地は平均よりもコンパクトな敷地なので、空間の活用の仕方がポイント。 またこのサイズ感の土地は建て込んでいる地域にあることが多いので、プライバシーを守って採光を得ることも大切です。

今回はシグマ建設の小野猛さんと伊藤朋実さん、充総合計画一級建築士事務所の杉浦充さんから20坪・25坪の土地に建てる家の間取りのアイデアを紹介してもらいます。

20坪・25坪の土地にはどんな家が建てられる?土地選びのポイントは?

20坪・25坪といっても一般的にはイメージが湧きにくいかもしれません。1坪は約3.31㎡の広さなので、20坪・25坪は、平米数に変換するとそれぞれ66.11㎡、82.64㎡の広さになります。また、1坪は畳の広さで換算すると約2.04畳にあたるため、20坪・25坪は、畳数で表すと約40畳・50畳の広さになります。

一般的な学校の教室の広さの基準が63㎡なので、教室よりも少し大きいくらいの広さと考えると、 イメージしやすいかもしれません。

教室の写真

土地選びのポイントは?

都心の人気の立地に土地を買うとなると、これくらいの広さになることも多いことでしょう。注意しておかなければいけないことは、この広さの土地を購入しても敷地いっぱいに家を建てるわけにはいかないことです。家を建てる土地の多くには「用途地域」という定めがあり、住宅や商業施設、工場などのなかで、建てて良い用途のものが決められています。

また建物の高さや、敷地のなかで建物を建てられる割合などが決まっています。「建ぺい率」や「容積率」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? それらは土地の広さに対して建てられる建物の規模を制約する割合を指します。取得する土地の建ぺい率や容積率はしっかりと頭に入れておきましょう。

建ぺい率の比較

例えば、建ぺい率が50%の土地と80%の土地とでは、建てられる面積に大きな差が出る(図/SUUMO編集部作成)

参考記事→
知ってると安心!建物の規制につかう「建蔽率(建ぺい率)」「容積率」ってなに?

どんな家が建てられる?

20坪・25坪の敷地を最大限活用して建物を建てられると想定すると、ゆとりのある2LDKや少しコンパクトな3LDKといった間取りが多くなるでしょう。家族構成は3~4人くらいのサイズといえそうです。平屋にしてコンパクトに住まうこともできる広さなので、例えば夫婦の2人暮らしなら、老後の住みやすさを考えて、バリアフリーの平屋の家にするのも良いですね。

20坪・25坪の土地に住宅を建てるメリット・デメリット

20坪・25坪の土地は、2階建てや3階建てにすればファミリーでも住むことができます。この広さの土地に住宅を建てることのメリット・デメリットを考えてみましょう。

メリット

同じエリアの広い土地に比べれば、相対的に土地代が低く抑えられますし、駅近や都市圏など人気の高い土地を取得しやすい点がこの広さの土地に家を建てるメリットです。また建物もコンパクトになる分、建設費用や、毎年自治体から徴収される固定資産税・都市計画税も抑えられるでしょう。

売りに出されている狭小の土地

都心の交通アクセスの良い場所などで、狭小の土地が売り出されているケースは多い(画像/PIXTA)

デメリット

一方でデメリットは、都心の建て込んでいる立地の場合、日当たりが悪かったり、道路や隣家に近く、騒音が気になったりする可能性があることです。家を建てる際はこれらのデメリットを軽減するような間取りや建て方になるよう、工夫する必要があるでしょう。

隣家と距離が近い家

都心の狭小な立地の場合、隣家との距離が近いことで生じる問題も(画像/PIXTA)

20坪・25坪の土地におしゃれな家をつくる にはどうしたらいい?

20坪・25坪の土地におしゃれな家を建てるための工夫を専門家に聞きました。

「都心で20坪・25坪ぐらいの家だと、家の中のスペースを確保しようとすると敷地いっぱいに建てることになり採光に工夫が必要です。私は隣家とのバランスを取りつつ、視線を避けられて光や借景を得られる位置に窓を設計しています。

その際注目しているのが近隣の敷地と敷地の境界線がどこにあるか。敷地の境界線から各50cmは建物を建てられない決まりがあるので、境界線のある場所は半永続的に片方50 cmずつ、合計1mの空間が開きます。その空間を上手く使いながら採光を設計すれば、たとえ隣家が建て替えなどをすることがあっても状況が変わり難いのです」(杉浦さん)

部屋の使い方にメリハリをつける

「コンパクトな空間を有効活用するには、階数を増やすことが最善の方法です。ただし土地ごとに容積率が決まっているので、建物の高さには限りがあります。そのなかで3階建てを建てるには各階の使い方にメリハリをつけることが必要です。私が設計する場合は、1階を水まわりやビルトインガレージ、玄関などに機能をしぼって、2階以降を居室としてゆったりと使うことを提案することが多いですね。その方が採光も得やすいですよ」(小野さん)

透明な壁で仕切られた階段

限られた空間だからこそ、フロアごとで機能を絞ることも重要(画像/PIXTA)

螺旋階段を活用する

「空間の効率を優先して単調に見えがちな20坪・25坪の家でオススメしたいのが、螺旋階段です。螺旋階段は吹抜けのような開放感を演出できますし、空間にアクセントを加えてくれます」(伊藤さん)

螺旋階段のあるリビング

螺旋階段はリビングに設けることが多いため、廊下や階段のスペースを省ける(画像/PIXTA)

スキップフロアを取り入れる

「20坪・25坪ぐらいの広さでも、スキップフロアを取り入れることができます。スキップフロアは見た目におしゃれなだけでなく、床面積を増やす効果もあります。建築基準法上、3階建て住宅を建てることが難しいケースでも、スキップフロアであれば取り入れられる場合が多いのもメリット。おしゃれに空間を有効活用できますよ」(小野さん)

スキップフロアのある空間

スキップフロアによって狭い空間もおしゃれに有効活用できる(画像/PIXTA)

20坪・25坪の土地にオススメの間取り

20坪・25坪の土地はそれ程広さがない分、間取りが周囲の環境に左右されます。立地が道路沿いなのか、3方に家が密集する地域なのか、などの条件によっても、適切な間取りが変わってきます。

旗竿地を逆手に取った都市型コートハウス

「20坪の旗竿敷地にある3階建て5LDKの家です。旗竿地とは、道に接している部分から奥まった場所にある敷地のこと。周囲は建て込んでいる場合がほとんどです。それを逆手に取って隣接する建物からの視線をかわしつつ借景をとり込み、プライバシーの確保と採光を両立した都市型のコートハウスとしました。接道部分から見える側面は家の”顔”として、また永続的に採光が確保できる箇所として、機能面と意匠面ともに充実させました」(杉浦さん)

3階建ての戸建ての間取り図

接道部分からポーチ、1階の地窓越しにつながる和室までがひとつながりになり、空間に抜けをつくる。2階3階も接道部分に向かって大きな開口部を設け、光を取り込む設計に(間取図/充総合計画一級建築士事務所)

3階建ての戸建ての外観

接道部から家に続くポーチ。ポーチは施主の私有地なので未来にわたって採光が約束される。外から唯一家が見える部分でもあるので、大きな窓にわざと不ぞろいな間隔に横木を渡して、個性的に(写真提供/充総合計画一級建築士事務所)

趣味のスペースをしっかり確保した3階建ての家

「コンパクトな3階建ての家は採光が損なわれがちな1階にビルトインガレージと水まわりを集約しました。吹抜けによって明るさを確保した2階は、リビング、ダイニング、キッチンと家族が集まるスペース。一番日当たりの良い3階には子どもたちのための11畳強の部屋と、ウォークインクロゼットがつながる夫婦の寝室を確保しました」(伊藤さん)

23坪の間取り

約23坪の敷地。1階は趣味のスペース、2階は家族が集まる場所、3階は個室と、目的を明確にした間取りになっている(写真提供/シグマ建設)

部屋のステップを収納としても活用した螺旋階段の家

「約25坪の敷地に計画した完全分離型の都市型二世帯住宅です。3階建ての民家が建て込んだ地域にありながら、天井高を調整して周囲の視線をかわす位置に窓をつくり、採光を確保しました。段差のあるステップフロアで緩やかに空間を仕切り、ステップ内部は床下収納として活用しています」(杉浦さん)

スケルトンの螺旋階段がある戸建ての間取り

スケルトンの螺旋階段は、吹抜けのように階上からの光を取り込む役割も。2階のリビングには吹抜けをつくって3階のバルコニーからの採光を得ている(間取図/充総合計画一級建築士事務所)

畳になっているスキップフロア

ステップフロアの畳部分は下が収納になっている(写真提供/充総合計画一級建築士事務所)

北側に道路がある利点を最大限に活かした家

「住宅地では隣家の南側からの日当たりを確保するために北側の建築物の高さを規制し、日が入るように斜めに空間を空けなければならない北側斜線制限という法律があります。しかし北側が民家ではなく道路であれば北側斜線制限の範囲ではなく、北側でも限度いっぱいに建物を建てることができるわけです。約25坪の敷地に設計したこの間取りは、北側を3階にし、逆に南側を2階建の低いつくりにして家全体に南からの日当たりを取り込んでいます」(杉浦さん)

北側に道路がある戸建ての間取り

北側には窓をつくらず、ガレージやクロゼットなど採光の必要が少ないスペースを集約。南側からの採光を有効活用するように、南側には開口部を多くし、バルコニーを2つ設けている(間取図/充総合計画一級建築士事務所)

窓のない北側の外観

開口部の多い南側の外観

2階建てと3階建てが接続したような形の家は、北側と南側の表情が全く違う。窓のない北側に対して南側には多くの開口部が設けられている(写真提供/充総合計画一級建築士事務所)

中庭を設けた回遊型の住まい

「27坪の敷地の中で、ご夫婦とお子さん2人の家族が、のびのびと過ごせるように住まいの中央に中庭を設けました。回遊できるように配置したそれぞれの部屋からは、緑を目にすることができますし、ある程度の採光を確保できます。家族が集まるリビング、ダイニング、キッチンや来客用の和室は日当たりのいい2階に。1階には3部屋と納戸を設け、子どもたちが大きくなったらそれぞれの部屋を持てるようにしました」(伊藤さん)

中庭を設けた戸建ての間取り

中庭を設けて木を植えることで、採光と緑を確保している(間取図/シグマ建設)

20坪・25坪にどんな家を建てた? 先輩たちの実例紹介

【case1】娘と自分が本当に欲しい機能をギュッと詰め込んだ、夢をかなえる家

夫婦2人暮らしのHさん。それまで 賃貸住宅に暮らしていましたが、夫の両親が住んでいた家を建て替えて、マイホームを持つことに。周囲に住宅が建て込んでいる立地だったので、そのなかでも「明るく広く暮らせる家にしたい」というのが、Hさんの希望でした。夫婦共働き故に効率的に家事ができる間取りや設備にもこだわったそうです。

Hさんが建てたのは、1階に和室、2階にLDK、3階に寝室と浴室・洗面室がある3階建ての家です。小さな部屋を1階と3階に集めた分、2階のリビングを広くとった間取りにして、メリハリをつけています。都心でも明るく、広く、開放的な住空間になりました。

Hさんが建てた注文住宅の間取り

採光条件のいい2階にリビングを設け、建て込んでいるなかでも採光が得られるように小さな窓を多く設けた(図/SUUMO編集部作成)

東京都の注文住宅実例

階段などの内装材は取り込んだ光を反射させる白を選んで、さらに明るく(撮影/相馬ミナ)

この実例をもっと詳しく→
周りを囲まれた敷地でも明るく広く 開放感いっぱいで家事のしやすい住まいが完成

【case2】階ごとにテイストを変えた、大人も子どもも居心地の良い家

子どもが生まれたばかりだったIさんご夫婦は、それまでの賃貸マンションが子育てには向いてないと感じ、家を建てることに。タワーマンションの購入も考えたそうですが、それよりも低予算で一戸建てを購入できると知り、家を建てることにしました。約20坪の土地は東京の品川にあります。都心の立地で車は必要ないと手放し、ガレージをつくらない間取りにしました。

東京都の注文住宅実例

1階は夫婦の寝室がある「大人の空間」、2階はリビングのある「家族の空間」、3階は「子どもの空間」として用途分け(写真/相馬ミナ)

この実例をもっと詳しく→
1階から3階まで、すべて異なる雰囲気の家で理想的な家事動線を実現

スーモカウンターに相談してみよう

これまで見てきたように、20坪・25坪の土地は平均よりもやや狭い土地です。どちらかというと、広さよりも立地の利便性を求める人がこのサイズの土地を選ぶ傾向にあります。人気の場所だけに周囲が建て込んでいることが多いので、採光を良くする工夫が必要になります。

注文住宅の新築・建て替えをサポートしているスーモカウンターでは、家づくりの不安を解決できる無料講座や、アドバイザーに悩みを相談できる無料の個別相談などを実施しています。個別相談では予算や希望条件の整理、建築会社の紹介など、注文住宅を建てる際のあらゆる不安について、知識と経験のある専任アドバイザーに無料で何度でも相談できます。

20坪・25坪の土地にどんな家を建てるか迷っている人は、スーモカウンターを活用して、家づくりの第一歩を踏み出してはみてはいかがでしょうか。

取材協力

シグマ建設
充総合計画一級建築士事務所 杉浦充さん

 取材・文/蜂谷智子(スパルタデザイン)

 

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