「そろそろ持ち家を考えたいけれど、何から始めればいい?」
40代になると、収入が安定し、家族のライフステージを見据えてマイホームを検討する方が増えてきます。40代での住宅購入は決して遅過ぎることはありません。ライフスタイルや将来の暮らし方が明確になっていることも多く、家族にとって快適な住まいを選びやすいタイミングでもあります。
本記事では、40代だからこそかなえられる家づくりに焦点を当て、資金計画のポイントや将来を見据えた間取りの工夫、成功事例まで詳しく紹介します。
目次
40代で家を建てる人の割合は?
「40代で家を建てるのは遅過ぎる」と考える方も多いかもしれません。しかし、国土交通省の最新調査によれば、注文住宅(新築)購入者の年齢層では30代が42.1%と最も多く、続いて40代が22.8%を占めています。注文住宅購入者の平均年齢は42.1歳となっています。
さらに、既存(中古)戸建住宅の購入者では、30代と40代がともに29.8%と同率でトップを占めており、平均年齢は46.7歳です。つまり、住宅購入者のおよそ3、4人に1人が40代ということになります。
これらの数字が示すように、40代で家を建てることは珍しいことではありません。
出典:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
40代で家を建てるメリット
40代で家を建てることには、多くのメリットがあります。家族構成が固まり、生活スタイルも安定している時期だからこそ、より確実な住宅計画を立てられます。ここでは、40代で家を建てるメリットを詳しく見ていきましょう。
家族構成が決まっているため見通しが立てられる
40代になると、家族構成や生活スタイルがすでに確立している方も少なくありません。子どもの成長段階や将来の進学、家族の趣味や習い事など、生活のニーズが明確になっているため、自分たちの家族に合った間取りを検討できます。
例えば、子ども部屋の有無や家事動線の効率化、収納スペースの場所など、具体的な要望を設計に反映させやすいのが利点です。また、家族それぞれの生活リズムも把握できていることが多いため、プライバシーに配慮した空間づくりも実現しやすくなります。
頭金を多めに支払えばローンの返済期間を短縮できる
40代は、20代や30代と比較して貯蓄額が多い傾向にあります。資金的な余裕を生かし、頭金を多めに支払うことで、住宅ローンの借入額を抑えることが可能になるでしょう。借入額が少なければ、月々の返済負担も軽減され、返済期間を短くできます。
また、返済期間を短くすることで、支払う利息の総額も抑えられるのもメリットです。若い頃にためた貯金や、増えた収入を活用して頭金を充実させることで、無理のない返済計画が立てられます。
40代で家を建てるときのコツ
40代での家づくりでは、ライフプランやライフステージを考慮し、長期的な視点での資金計画が重要です。住宅ローンの返済計画はもちろん、子どもの教育費や老後の生活費、住宅の維持管理費用まで、将来発生するさまざまな支出を総合的に考慮した計画を立ててください。
住宅ローンの返済期間は完済時の年齢を考慮する
住宅ローンの返済期間を設定する際は、完済時の年齢に注意を払う必要があります。40代で住宅を購入する場合、一般的な35年返済では完済時の年齢が75歳以上となることも珍しくありません。
そのため、退職後の収入減少を考慮し、返済期間は20〜25年程度に設定するのも方法の1つです。返済期間を短く設定すると、支払う利息の総額も抑えられます。
教育費や老後資金がかかることも見込む
40代での住宅購入では、子どもの教育費と老後の生活資金を見据えた計画が欠かせません。特に、教育費は高校や大学へ進学する年には、まとまった資金が必要になります。
また、退職後の生活を見据え、年金受給までのつなぎ資金や医療費なども考慮すべきでしょう。住宅ローンの返済と並行してその他の支出が必要になるため、長期的な視点で資金計画を立てることが重要です。
メンテナンスにかかる費用も考慮する
住宅の維持管理には、定期的なメンテナンス費用が発生します。例えば、外壁や屋根の塗装は約10年に1度の周期で必要になるケースが多く、住宅ローンの返済とは別に準備しなくてはなりません。また、設備機器の経年劣化による修理・交換費用やリフォームなども考えておくことも大切でしょう。
メンテナンスを怠ると、家の外壁や屋根、窓などが劣化して耐久性が低下することもあるため注意してください。維持管理を続けていくことで、快適な住環境を保つことができ、住宅の資産価値の維持にもつながります。家を建てる時点で、メンテナンス費用も含めた資金計画を立てておくことがオススメです。
40代で家を建てた先輩たちの実例9選
40代で家づくりを実現した方々の体験談から、資金計画や間取りの工夫、こだわりのポイントなど、具体的なヒントを見つけられます。ここからは、先輩方の実際のエピソードを見ていきましょう。
【Case1】40代の家づくりはスピード勝負。旗竿地の提案がカギに
賃貸住宅で暮らしていたSさん一家。家賃と光熱費があわせて10万円かかり「もったいない」と感じていたころ、年齢を重ねるほどに住宅ローンを組みにくくなる現実に直面し、45歳を目前に急いで家づくりをスタート。助けになったのは、妻の姉から教えてもらったスーモカウンターだった。「自分であれこれ探している時間がないと思っていたので、頼りになる相談相手がほしかったんです」とSさん。
さっそく、給与明細などを持参して相談したところ、注文住宅が建てられることが判明。「コストを抑えつつ、高性能な家」がいいと伝えたところ、希望条件に合致する会社を4社紹介され、そのうち2社と面談。スーモカウンターで話した情報がしっかりと引き継がれていたので、効率のよい打ち合わせができ、時間をロスすることがなかった。
また、低価格で高品質の住まいを実現するために、土地の価格を抑えたいと考えていたところ、建築会社が「旗竿地」を提案してくれた。最初は目を向けていなかったが、建物のプランを工夫したことで、気になっていた「日当たり」「採光」もまったく問題なし。時間のロスを最小限に抑えたい40代だからこそ、プロのアドバイスが有効だったようだ。
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道路まで距離のある旗竿地を活かして、静かな環境に明るく開放的な家を
【Case2】夫は40代後半。転職直後でも家づくりの夢をかなえる
40代の夫と30代の妻が、新婚生活を送るのはゼロ・エネルギー・ハウスの注文住宅。新居が注文住宅とは驚くが、47歳という夫の年齢を考えたときに、賃貸マンションで暮らしてから住宅を購入し、それから長いローンを組むのは厳しいと判断。どうせ同じくらいの金額なら、ということで「家を建てる」ことを決めたそう。
実はずっと実家暮らしだった夫、築40年になる実家を建て替えて二世帯住宅にするにしても、かなりの金額が必要になることも考慮したのだとか。ただ、年齢だけでなく、転職直後だったことも不安材料だった。
そんなときに訪れたのがスーモカウンター。参考として「家づくりの流れ」を聞くつもりだったというが、希望エリア・予算・竣工時期、住宅ローンを組めるかを確認しているうちに、建築会社も紹介してもらえたという。また、気になっていた住宅ローンは【フラット35】を使うことでクリアできることがわかり、得意な会社に建築を任せることになった。新居は断熱性能、環境性能が高いだけでなく、将来を考えてバリアフリーにも配慮してある。この場所で夫妻はひとつずつ、家族の思い出を刻んでいくことだろう。
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各部屋にウォークインクロゼットを設置、多趣味の新婚夫婦が暮らすマイホーム
【Case3】こだわりたい40代。10社を比較検討したからこそ決断できた


仕事でも家庭でも、さまざまな経験をしてきた40代。独自のこだわり・ライフスタイルがあり、予算がないからといって安易に妥協したくないという人も多いだろう。Kさん夫妻もこだわりと予算の折り合いがつかず、気がつけば建築会社選びをはじめて3年が経過していたという。
そんなときに、友人のすすめでスーモカウンターへ。アドバイザーにこだわりを話したところ、「予算がないから仕方がない」というのではなく、「諦めなくても大丈夫」と言われたことを覚えているそう。その言葉どおりに、自分たちでは出合えなかった条件を満たす建築会社を紹介され、10社以上と面談。会社数は多かったものの、アドバイザーに面談のスケジューリングや断りの連絡を任せることができたため、自分たちは理想の建築会社選びに専念できたという。
また、徹底して複数の会社を比較検討したことで、「ここしかない」1社がクリアに。デザインとコストに強みがあり、地元密着の相談しやすいところが気に入ったという。時間・予算がないなかでも、自分たちのこだわりを貫くことで、納得の家づくりができたKさんだった。
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予算内でこだわり全てを実現できる会社、見つけた!
【Case4】老後資金を念頭に。デザインとコストダウンを両立
40代後半になると、住宅ローンが組めるのかという心配に加えて、老後資金も気になるという人も多いはずだ。ずっと賃貸でいいと考えてきたIさん夫妻も、資金面で悩むことが多かった。家づくりの前に住宅ローンについての勉強と家計の見直し、銀行のWEBサイトで返済額のシミュレーションをして、予算決めに1カ月かけたという。
そうして捻出した予算で家が建てられるのか、スーモカウンターで相談すると、すぐに条件の合う会社を複数、紹介してもらえた。2社に絞ってプランの提案をしてもらい、トントン拍子に話が進むかと思いきや、いったんは家づくりを諦め、建築会社に断りの連絡を入れたのだとか。
「40代後半で建てるとなると、退職するころに外壁の塗り替えなどのコストがかかります。ただ、メンテナンスの回数が少なくて済む設備や外壁材、屋根材は価格が高めで建築費がオーバー。50歳近い私たちにはプレッシャーだったんです」と心境をあかす。
そうはいったものの、家づくりの夢は絶ち難く、「いっしょにコストダウンを考えていきませんか」というメールをくれた会社と家づくりを再開。以前よりも、こだわるところとそうでないところを明確にしてコストダウンを徹底し、予算オーバーしないように留意。不安を少しずつ払拭し、喜びいっぱいの住まいが完成した。
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40代後半で思い立った家づくり。広いガレージとキッチンを実現
【Case5】予算も相談。人を招きたくなるわが家が完成
夫妻でコンビニを経営するNさん。店を始めて3年、経営も軌道に乗り、年齢も40代に。「今が家づくりのラストチャンス」と考えて、妻一人でスーモカウンターを訪問したそう。当初は予算のこともわからず、資金計画の相談からスタートしたという。
「スーモカウンターへは、買えるかなあ、買えないかなあ、と考えている段階で相談しても大丈夫。担当者と話しているうちに、自分の希望が整理されるうえに、予算の目標が立てられますから」とNさん。予算面と同じくらい気にしたのが建築会社との相性についても、アドバイザーに「Nさんに合いそうな人をご紹介しますから」と話してもらえ、安心したそう。
40代の家づくりで心強かったのは子どもが大学生となり、教育資金にめどがついている点だ。Nさんも子どもの大学卒業後の学費が浮く分を住宅ローンに注ぎ込む予定だという。40代はライフイベントがある程度、明確なので、資金計画を立てやすい世代でもある。仕事に子育てにと夫妻でがんばってきたご褒美、それが人を招きたくなる「わが家」なのかもしれない。
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夫が仕事仲間を、息子がバイト友達を招くようになった三角形の家
【Case6】40代でかなえた“ときめき”の住まいづくり
この実例をもっと詳しく→40代で祖母の家を建て替え、日々の暮らしにときめきを感じるプランを取り入れた遊び心溢れる家
40代での住宅ローンを組む上で、耐震性や気密性などの性能面を重視しながらも、コストを抑えたいと考えていたYさん。住宅展示場で検討したのち、どの会社を選べばよいのか迷い、より客観的な視点を求めてスーモカウンターへ相談した。紹介された5社の中から、要望を理解し、話しやすい雰囲気を持つ営業担当者の人柄を重視して建築会社を決めた。
Yさんは、遊び心とホテルライクな洗練さを兼ね備えた住まいを目指し、随所にこだわりのポイントを盛り込んだ。1階LDKはモノトーンで統一し、トイレや室内ドアには犬のモチーフを取り入れて遊び心をプラス。玄関には大容量のシューズクロゼットとロフト収納を設置し、2階の主寝室は床高を上げて隠れ家のような空間に仕上げた。家族それぞれの要望を盛り込みながら、快適で心地よい住まいを実現している。
【Case7】収納もデザインも日当たりも!妥協なしの心地よい暮らし
この実例をもっと詳しく→サーフボードは玄関に収納、猫たちのトイレは壁の中の小部屋に。3人と3匹が心地よく暮らせる吹抜けの家
マンションの収納不足やペットの飼育制限が変更になったことをきっかけに、一戸建てを検討し始めたMさん家族。建売住宅では収納スペースや猫のトイレの問題が解決できないと感じていたとき、スーモカウンターのネット広告を見つけて相談した。注文住宅の費用が想像していたよりも手頃だと知り、SUUMOの実例サイトも参考に、3社と面談しながら土地探しを並行。最終的に、自分たちで選んだ土地をもとに間取りを各社から出してもらい、細かな要望に柔軟に対応してくれた建築会社に決定した。
日当たりの良さと、猫との快適な暮らしを重視したMさん家族の住まいが完成。玄関奥にはサーフボード置き場、階段下には猫専用トイレを設置し、クローズドキッチンで調理中の猫の侵入も防止した。リビングの床には猫の爪痕が目立ちにくいモミ材を採用し、吹き抜けや両開きのガラス扉で開放感も演出。レトロな電気スイッチや植物標本の壁紙など、随所にこだわりのデザインを取り入れた理想の住まいとなった。
【Case8】デザインよりも性能を重視したコスパのよい家
この実例をもっと詳しく→62㎡、3LDKの中古分譲マンションから家族全員の個室が持てる広い注文住宅へ
マンションに暮らしていた5人家族のAさん一家は、双子の兄妹の中学入学を機に一戸建て住宅への住み替えを検討。希望のエリアで積極的に土地を探した結果、今の80坪の土地が決まった。土地探しと並行してママ友の紹介でスーモカウンターにも家づくりを相談した。6社の建築会社の紹介を受け、さらに自分たちでも複数社と面談。性能とコストのバランスを重視し、提案力や対応力も考慮して建築会社に決定した。
Aさん宅は、家族それぞれの個室と広いLDKを確保しながら、部屋干し用のランドリースペース、庭、高気密・高断熱を実現。子どもたちは自分の部屋のクロスとフローリングを選び、個性的な空間に。ミニマリストの妻の希望で収納は必要最小限に抑え、回遊動線で家事効率を向上させた。スリット窓で自然光を取り入れながらプライバシーも確保した、家族思いの住まいが完成した。
【Case9】要望のインナーガレージを備えた快適な平屋の住まい
この実例をもっと詳しく→ビルトインガレージのある平屋でのびのび。末永く快適な長期優良住宅
妻の両親と二世帯住宅で住んでいたHさんは、妻の他界後、マイホームを建てることを決意。2階建ては使わない部屋が出ると考え、憧れのビルトインガレージ付き平屋を建てた。何から始めたらよいか分からず、まずはスーモカウンターを訪問。個別相談で完成までのスケジュールや土地の相場を把握し、紹介された4社全てと面談した上で、標準仕様が充実し、理想的な土地も提案してくれた建築会社に決定した。
Hさんの住まいは、ZEH対応の長期優良住宅として、高い断熱性能と充実した設備を標準装備。2台分の柱のないビルトインガレージや、回遊動線による家事効率の良い間取り、子どもの成長に合わせて変化できる空間設計など、将来を見据えた工夫を随所に凝らしている。ランドリールームと洗面所の分離や11.5畳の小屋裏収納など、長く快適に暮らせる住まいが完成した。
40代で家を建てるならスーモカウンターに相談しよう
40代での家づくりは、生活スタイルが安定し、家族構成も明確になっている時期だからこそ、理想の住まいづくりが実現できます。しかし、住宅ローンの組み方や性能・コストのバランス、将来を見据えた間取りなど、考慮すべきポイントは数多くあります。
スーモカウンターでは、豊富な経験を持つアドバイザーが、あなたの希望や予算に合わせて最適な建築プランを提案してくれます。複数の建築会社の比較検討ができ、言い出しにくい断りの連絡も代行してくれるため、効率的に家づくりを進められるのも魅力です。まずは気軽にスーモカウンターへ相談してみませんか。
文/嘉屋恭子、SUUMO編集部