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住宅の天井高の平均は?2階建ての高さは?天井高を高くするメリットとデメリットも解説

住宅の天井高の平均は?天井高を高くするメリットとデメリットも解説

注文住宅を建てる魅力の一つが、間取りを自由に決められること。部屋の数や広さはもちろん、天井の高さも自由に設定することができます。そこで今回は、標準的な天井高や、天井を高くするメリット・デメリット、部屋ごとの天井高の平均の目安などを一級建築士の飯塚豊さん(i+i設計事務所代表)に教えていただきました。

目次

平均的な「天井高」とは?

普段の生活の中で天井高を気にする機会は少ないのですが、マイホームを手に入れるときに”天井高の平均はどれぐらいなのか“と疑問に思う方もいるでしょう。

「一般的な戸建て住宅の場合、標準的な天井高は2m20 cm~2m40 cmです。建築基準法では、天井高が2m10 cm以上あれば居室として使用できる決まりになっていますが、マンションでは2m40 cmが多いです。戸建て住宅は建物全体の高さにもよりますが、1階が2m40 cm、2階は2m20 cm前後が多くなっています」(飯塚豊さん、以下同)

リビングの写真

住宅の平均的な天井高は2m20cm~2m40 cmです(画像提供/PIXTA)

戸建て住宅には、木造軸組工法や2×4工法、RC造などさまざまな工法・構造がありますが、工法・構造により天井高に制約はあるのでしょうか。

「工法・構造によって天井高に制限が生じることはありません。ただ、天井を高くすると梁があらわになる工法・構造の場合、天井が高くても、梁が見えることで圧迫感が多少あるかもしれません」

また、独自工法を採用しているハウスメーカーの場合、標準天井高が複数設定されていたり、オプションで低く・高くしたりできるようです。例えば、A社は標準天井高が約2m70 cmで、オプションにより最大約3m20 cmまで高くできます。B社は4つの標準天井高と2つのオプションから選択することが可能です。

「戸建て住宅の設計時に、『天井はなるべく高くしたい』という要望をいただくことが多いのですが、どの空間も一律で高くすればよいという訳ではありません。建物全体の高さを考慮したうえで、高くする場所は思い切って高くし、低く抑える場所も設けるなど、天井高にメリハリをつけることが豊かな住空間をつくる秘訣と言えます」

吹き抜けのあるリビングの写真

吹抜けや勾配天井などで天井高にメリハリをつけると、空間に変化が生まれます(画像提供/PIXTA)

天井を高くするメリットとデメリットは?

住宅の平均的な天井高は2m20 cm~2m40 cmですが、これよりも天井を高くするメリットとデメリットはどのような点でしょうか。

「天井を高くする一番のメリットは、開放感が得られる点です。天井高が3m程度あれば、視界から天井が消えて圧迫感がなくなります。圧迫感がなくなると、実際よりも広く感じられる効果もあります。

また、天井が高いと、壁の高い位置に窓を設けることができます。太陽の光を効率よく部屋に取り入れたい場合、高い位置に窓(ハイサイドライト)を設けるとよいでしょう。さらに、高い位置の窓からは温められた空気を逃がしやすいため、室内の風通しを良くできる利点もあります。

天井を高くするデメリットは、室内の体積が大きくなるため、部屋が温まりにくくなる点です。ただ、断熱性と気密性の高い住宅なら、エアコン1台で部屋を十分に暖かくできます。足元をより温めたい方は、床暖房を入れるとよいでしょう。

あとは、音が響きやすくなる点もデメリットかもしれません。吹抜けのリビングで過ごしていると、残響音が気になるという方もいるようです。吹抜けを設けるなら、カーテンやカーペットを用いたりすることである程度防ぐことができます」

天井が高い部屋の写真

天井が高いと高窓を設けられます。窓を設ける方角によっては、太陽光が降り注ぐ明るい空間になるでしょう(画像提供/PIXTA)

一方、天井を低くすることのメリットやデメリットは、どのようなことでしょうか。

「天井を低くするメリットは、落ち着いた空間がつくりやすい点です。座ったり横になることで視線が低くなる和室と寝室は、広さにもよりますが、ある程度天井高を抑えることで、落ち着き感やくつろぎ感のある空間をつくれるでしょう。
また、天井を低くして窓上の下がり壁が不要になるプランにすれば、窓から入る太陽光が天井に拡がりやすくなり明るい空間がつくれます。さらに、窓を横長に取ると視線が水平方向に誘導されるため、実際より広く感じさせることもできます。
デメリットは、背の高い家具が使いにくい点です。あとは、天井からつり下げるペンダントやシャンデリアの照明を使う場合、長さや位置によっては邪魔になるかもしれません」

天井高が低めの和室の写真

天井を低くするなら、照明は天井に埋め込むタイプを用いるとよいでしょう(画像提供/PIXTA)

最適な天井高はどれくらい?

天井を高くする/低くすることのメリットとデメリットがわかったところで、部屋ごとに最適な天井高について考えてみましょう。

■リビング

家族が長い時間を過ごし、来客を招き入れるスペースでもあるリビング。むやみに天井を低く抑えることは避けて、2m40 cmは確保したいところです。

「大人が立ったときの目線の高さは約1m50 cmなので、その倍の3m程度の天井高にすれば開放感がぐっとアップします。一部分を吹抜けや勾配天井にして、空間のボリュームに変化を出すのも良いでしょう」

■ダイニング

ダイニングは、基本的にダイニングチェアに座り、テーブルを囲んで過ごす場所です。座ったときの目線が約1m10 cmなので、その倍の2m20 cmあれば低いとは感じません。

「リビングとダイニングを一体にするプランが多いのですが、その場合、リビングの天井は高くしてダイニングを低くするなど、部屋ごとに天井高を変えると緩やかに空間が区切られ、メリハリも生まれます」

リビングとダイニングの天井高のイラスト

リビングとダイニングを1つの空間にする場合、天井高を変えると緩やかに空間を区切ることができます(イラスト/長岡伸行)

■キッチン

キッチンの天井高は、キッチンの高さと、つり戸棚やレンジフードの高さを考慮して決める必要があります。

「既製品のキッチンの高さは、JIS規格で80、85、90、95cmと定められていますが、85cmを選択するケースが多いですね。つり戸棚は60~80 cm、レンジフードの長さは50~60 cmが一般的で、手元の作業スペースも勘案すると天井高は2m30 cm程度が望ましいでしょう。
キッチンに収納がたくさん欲しいという理由で、長いつり戸棚を設ける方がいます。しかし、高い位置は手が届きにくいためデッドスペースになりがちです。天井高はできるだけ低く抑え、つり戸棚も手が届く範囲に設けることをオススメします」

キッチンの天井高のイラスト

キッチンの高さやつり戸棚の長さなどを踏まえたうえで、天井高を決めましょう(イラスト/長岡伸行)

■主寝室

就寝のための場所である主寝室は、リラックスできるように天井を低めに設定するケースが一般的です。

「ベッドの上で起きたときに頭をぶつけないためには、ベッドの高さにプラスして1mは必要です。勾配天井で低い方を頭側にする場合でも、天井高は1m70 cm程度確保したいですね」

寝室の天井高のイラスト

寝室を勾配天井にするときは、ベッドの高さを把握しておくことが大事です(イラスト/長岡伸行)

■玄関

玄関の天井高は、玄関ドアのサイズを基準にして決めるケースが一般的です。既製品の玄関ドアの高さは2m20 cm~2m30 cm、玄関框の高さを20㎝とすると、2m40 cm~2m50 cm程度を確保すれば問題ないでしょう。

「玄関は長居する場所ではありませんし、温熱的な無駄を考えても、天井をむやみに高くする必要はないでしょう。むしろ低めに抑えて、居室の天井を高くした方が“広い家”と感じるはずです」

玄関の天井高のイラスト

さほど広くない玄関であれば、天井高は2m40cm程度あれば良いでしょう(イラスト/長岡伸行)

■和室

床に座って過ごす和室は、天井を低く抑えやすい空間です。座ったときの目線の高さは90cmなので、4.5畳程度の広さであれば天井高は2.2mあれば十分でしょう。

最近ではリビングの一角に畳コーナーや小上がりの和室を設けるのが人気です。リビングに隣接させて小上がりの和室を設ける場合、リビングと和室の天井高の兼ね合いも考慮しましょう。小上がりの高さは40 cm程度なので、リビングの天井高を2m40 cmにすれば、小上がり部のの天井高は2m。これが3畳程度の小規模な小上がりの天井高の一つの目安です。

天井高2m40 cmの広いリビングの部分的なコーナーであれば、平均天井高は2m10cm以上にできるので建築基準法上も問題ありません。

小上がりの畳コーナーを設けたリビングの写真

小上がりの和室にする場合、隣接する空間の天井高との兼ね合いも考えましょう(画像/PIXTA)

ここまで、部屋ごとに天井高の決め方と目安をご紹介しましたが、飯塚さんは「天井高は居室ごとに分けて考えず、家全体で考えるべき」とお話されます。

「天井高は、家の広さに対する印象を左右します。例えば、玄関と廊下は低く抑え、リビングやダイニングを高くすると、家をより広く感じさせることができます。また、人間は体積で広さを感じるので、床面積があまりとれない部屋は、天井高を上げて空間体積を大きくすると広く感じさせることも可能です。

さらに、天井高は人間の心理にも作用します。開放感を味わいたい空間は高く、リラックスしたい空間は低くするなど、どのように過ごしたいかという目的に応じて決めることが重要です。

家の広さへの印象に与える効果と、人間の心理に与える効果を考えると、どの空間も同じ天井高にすることは避けるべきです。この2つの効果を踏まえたうえで天井高にメリハリをつけたプランをつくり、家族も来客も居心地が良いと感じる住まいを実現してください」

取材協力/飯塚 豊さん

一級建築士。i+i設計事務所代表。暮らしが愉しくなる間取り、高い居住性能、オリジナリティあふれるデザインを三位一体でまとめ上げる設計手法に定評がある。著書に『間取りの方程式』『新米建築士の教科書』など。

スーモカウンターでできること

せっかく注文住宅を建てるなら、家族全員が居心地よく感じる住まいをつくりたいものです。そのためには、自分たちのライフスタイルや好みを的確に汲み取り、設計に反映してくれる依頼先を選ぶことがとても重要になります。

スーモカウンターでは、新居でどのような暮らしを送りたいか、間取りや広さに対する要望などを聞いたうえで、それらを実現してくれそうな依頼先を紹介しています。ここからは、スーモカウンターから紹介された依頼先と一緒に、希望どおりの家を建てた2つの実例をご紹介しましょう。

【実例1】おしゃれなだけでなく、今も未来も快適に暮らせる家

広いLDK+小上がりの和室でくつろぐSさんのご家族。リビングには吹抜けを設けて、小上がりの和室の天井高を抑えることで、広いながらもメリハリのある空間を実現しています(写真/河原大輔)

Sさんは「生活感のないおしゃれな家をつくりたい、でも暮らしやすくないとダメ」をテーマに家づくりを始めました。スーモカウンターから希望する立地やスタイルに合う3社を紹介してもらった後、その3社に対して自分たちの要望をまとめた“プレゼン”を行いました。

「ここで『面倒な客だな』と思われるようならそこはやめておこうと思って。『楽しい家づくりができそうですね』『こういうとんがった家は暮らしにくいですよ』など、各社の営業担当者の反応はさまざまでした」。プレゼン後、営業担当者の対応力や、自分たちが希望する家づくりができそうかなどを見て1社に決定しました。

理学療法士の妻は、家はおしゃれなだけでなく「年をとっても安全で快適に暮らせる場所」でありたいと考え、公道から玄関まで階段をつくらずに済む土地を探し、1階だけでも生活できる間取りに。また、現在は育児休職中ですが仕事に復帰するときのために、家事が楽になる工夫を採り入れました。

インテリアは、インスタグラムで見つけた最新のおしゃれな実例を参考にして、好みにあうものを採用。家づくりを思い立ってから約1年で、理想の住まいと暮らしを手に入れました。

この実例をもっと詳しく→
デザイン性は当然重視!その上で、ずっと先まで暮らしやすい家に

【実例2】ハードルの高かった「二世帯+平屋」を実現した住まい

夢だったアメリカンハウスをイメージした新居は、首都圏ではぜいたくなフラットハウス。リビングは勾配天井にして、空間に拡がりと開放感を与えています(写真/山出高士)

そろそろ家を購入したいと考えはじめたOさんは、妻の両親との同居も視野に入れてインターネットで住まい探しを始めました。遊びに出かけた場所で見つけたスーモカウンターに相談して5~6社を紹介してもらい、すべての会社を見て回った後、予算内でも相談に乗ってくれそうな2社に絞りました。

「2社から1社に決めた理由は、平屋というこだわりを理解してくれたからです。その他にも、勾配天井にしたいとか、洗面所に実験用シンクを使いたいとか、いろいろな私たちの要望に応えてくれた会社でした」

家づくりを予算内で収めるために、プロに任せることとOさん自身がDIYでできることを分けたそう。外壁の素材や色、リビングのサッシなどは多少予算がかかっても採用し、庭のウッドデッキや、キッチンと玄関の収納棚はOさん自身がつくりました。

「平屋の家で二世帯住宅」というこだわりは、スーモカウンターに足を運んだために実現したと話されるOさん。親世帯とはドア1つでつながっているので、子どもが成長して走り回るようになっても、親世帯・子世帯両方の目が届き安心。平屋ならではのメリットを思いきり満喫できるライフスタイルを送られています。

この実例をもっと詳しく→
「平屋の家で二世帯住宅」をかなえるために、DIYを採り入れて上手にコストダウン

【実例3】スキップフロアのような構造にして部屋数と開放感を確保

Sさん宅の注文住宅実例

リビング部分だけ天井を少し高くした「ハーフ吹抜け」により視界が広がり、開放感のある空間に(写真/杉浦幹雄)

Sさん夫妻は、妻の弟が建てた一戸建てを見てマイホームづくりを決心。建売住宅の見学や資料請求により情報が集まり過ぎて迷ってしまい、スーモカウンターを訪問。

スーモカウンターで紹介された4社と、電話営業を受けた1社を比較検討。最終的に間取りの提案が面白く、「どこか特別なところのある家」を建ててくれそうな会社を選びました。

間取りは、部屋ごとに天井高を変える、スキップフロアのような構造を採用、中2階に書斎、小屋裏にはシアタールームを設けました。また、リビングの上の主寝室の天井高を少し低くし、その分リビングの天井高を広げることで、部屋数を減らすことなくリビングの開放感がアップ。Sさん夫妻は、暮らしやすくて楽しい間取りの住まいをつくれてとても満足しているそうです。

この実例をもっと詳しく→
ハーフ吹抜けやシアタールームなど「特別なところのある家」に

【実例4】憧れていたデザインやアイテムを取り入れたカフェ風の住まい

Iさん宅の注文住宅実例

リビングに設けた勾配天井が、広々としたLDKをさらに広く見せて。窓際には天井高を活かして、夫のトレーニング用の雲梯を取り付けた(写真/河原大輔)

離れた土地でひとり暮らしている夫の母が、いつでも来られる場所をつくってあげたいと家を建てようと決心したIさん夫妻。資金計画について不安もあったことから、スーモカウンターへ行って話を聞いてみることにしたそう。

スーモカウンターで、今の家賃支払額をベースに資金計画のシミュレーションをしてもらったうえで、好みも価格帯も条件に合致する4社の提案を受けました。その中の1社の担当者がフレンドリーで話しやすく、疑問にも丁寧に応えてくれたため、信頼できると思い契約を決めました。

新居は、憧れていたアーチデザインやステンドグラスを取り入れた、明るくてぬくもりを感じるカフェ風のテイスト。2階リビングには、シミュレーション画像を見ながら選んだ勾配天井を取り入れました。ステンドグラスなど自分たちで購入したものも取り付けてもらい、ご夫妻のお気に入りの住まいが完成しました。

この実例をもっと詳しく→
テーマは「ぬくもりを感じる居心地の良いカフェ風の住まい」

スーモカウンターでは、要望に合う依頼先をご紹介する他に、土地が無い、家づくりの進め方がわからないという悩みにも対応してくれます。自分たちのこだわりが詰まった家を建てたい人は、スーモカウンターを上手に活用して会社選びを進めるのもよいでしょう。

取材・文/山南アオ