せっかく住まいを建てるのであれば「自分だけの書斎が欲しい」「小さくてもワークスペースが欲しい」と願う人は多いことだろう。そんな憧れも注文住宅なら自由自在。リビングの脇に、小屋裏に、収納の奥に書斎・ワークスペースを設けた5つの実例を紹介しよう。
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【実例1】まさかそこに? 隠れ家のような書斎がある家
リビングに書斎/ワークスペースを隣接させていても、「一見、気がつかない」工夫がされている住まいもある。岡山市のIさん宅では、アイランドキッチンの壁にある鏡が書斎の入口だ。
「そこに部屋があるとはわからないような造りにしたかった」と話すIさん。注文住宅であれば、こうした遊び心あふれる隠れ家にするのも楽しそう。独立した書斎はどこかおこもり感があり、仕事や作業にもぴったりだ。
もともと、家を建てるなら注文住宅をと考えていたIさん夫妻。スーモカウンターで相談したところ、5社を紹介されたが、「予算重視」だったためか、よい会社と出会えず。もう一度、自分たちが大切にしたい価値観を整理、「予算についての優先順位は少し下げても、自分たちが納得できる家づくり」とお願いしたところ、今回、依頼した建築会社と出会えた。
コスト重視でもなく、生活感のないデザイナーズ住宅でもなく、「ちょっとだけおしゃれで暮らしやすい」が自分たちの欲しい家だと気がついたIさん夫妻。動線や設備にもこだわり、世界に一つだけのわが家が完成した。
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【実例2】扉の奥にはPCを設置。来客時には閉めることも可能に
書斎・ワークスペースに必要なのは広さではなく「工夫」、と教えてくれるのがNさんの事例だ。家族が集まるリビングは天井をできるだけ高くして梁(はり)を見せているが、そのコーナーの一角に造作のデスクをつくった。そこにパソコンや書類などがおける棚を設置し、「書斎スペース」としている。
デスクがあるのはわずか半畳程度だが、ダークなアクセントクロスを採用していることもあって、集中して作業できるに違いない。また、リビングには何かと家族の書類など「モノ」が集まってきてしまうが、これなら違和感なく置くことができ、「ファミリー収納」としての役割も果たしている。
また、引き戸と組み合わせているので、来客時などには「さっと隠せる」のもポイント。独立した部屋でなくとも、「自分の空間が欲しい」と考える人にとってはお手本にしたいワークスペースだ。
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【実例3】壁一面を本棚に。通風・採光に配慮し仕事も快適
1フロアの面積が限られる分だけ、間取りを工夫したいのが3階建てだ。Oさんはそんな3階建ての3階部分に書斎をつくった。夫が大学教授という仕事柄、自宅に書斎は必須だったため、壁一面を造り付けの本棚とし、ホコリがたまらないよう扉付きとした。
限られた床面積を有効活用できるよう、できるだけ壁を減らして扉はすべて引き戸に。3階は書斎と洋室が廊下でつながり、両方の窓を開けると風が抜けるなど、通風にもひと工夫。そのためか、家のどこにいても空気が循環して、温度が一定しているそう。
家づくりで大事にしたのは、「夏は風が通り、冬はヒンヤリしない家」。一年中、快適で冷えを感じない住まいがいいと考えていた。その希望を伝えたところ、スーモカウンターで紹介されたのは高気密・高断熱を得意とする会社。完成した住まいでは、寒い冬に帰宅しても寒さを感じることがないという。快適な書斎で、時間を忘れて仕事・研究に没頭できそうだ。
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【実例4】小屋裏を夫の書斎に。秘密基地のようで楽しい!
リビング・ダイニングの隣は家族の気配が気になって落ち着かない、個別の部屋にするには広さが足りないというのであれば、屋根裏部屋に書斎をつくる手もある。Nさんの書斎は、7.7畳ある屋根裏部屋だ。窓を2方面につけたので明るく風通しもよいほか、照明や階段、電源なども設け、大人がこもっていても楽しい「秘密基地」になっている。
もともと、屋上と畳のある暮らしを希望していたNさん。近隣は低層の住宅地が広がるエリアなため、「屋上」は見晴らしがよく開放感がいっぱいだ。反対に、この屋根裏部屋はこじんまりしていて心地よい。ハシゴではなく、階段としているので上り下りもラクだ。
子どもがいる家庭であれば、子どもにさわられたくないもの、大切なものなどをしまっておくのにもちょうどいいスペースといえるだろう。夏の暑さ、冬の寒さが気になる人は冷暖房をつけてもよさそうだ。
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【実例5】大好きなフィギュアをディスプレイ。今は物置でもいつかは書斎に
家づくりは理想と現実、予算とで折り合いをつけていく作業でもある。現実重視派のWさんは、書斎は今すぐつくらなくても、将来的につくる方向にシフトした。
「実は前から屋根裏部屋にあこがれていたんですが、早々に諦めたんです。これは設計担当者に『夏暑くて冬寒い、実際に住み始めるとほとんど使わないよ』と言われたから」とWさん。
見た目や憧れで家づくりをするのではなく、自分たちの生活に必要かで判断すると、屋根裏部屋だけでなく、吹抜け、天窓、スキップフロア、書斎などは必要ないという結論に。ただ、書斎だけは、ウォークインクローゼットの奥に「つくる余地」を残しておいたのだとか。今は物置となっているが、将来、机や棚、PCなどを置くことで書斎とすることができる。
建物完成時にすべての部屋が仕上がっているのもいいが、Wさんのようにスペースに余裕をもたせておき、家族や生活の変化に応じて、空間を変化させていくのも住まい方の楽しみといえそうだ。
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文/嘉屋恭子