50坪の土地は広過ぎず狭過ぎないので、設計の工夫で希望する間取りを実現できる可能性も高いです。
「50坪の土地を生かした間取りの家を建てたい」「50坪の土地なら、平屋や駐車場に車を2台おけるのか知りたい」という人もいるでしょう。
本記事では、50坪の土地に建てられる間取りのアイデアや設計時のポイント、費用相場を解説します。話を伺ったのは専門家であるシグマ建設株式会社の山田さんと株式会社 優建築工房の蓮実さんです。
50坪の土地を上手に使って、快適なマイホームを完成させましょう。
- 「50坪の家」が建てられる土地ってどれくらい広い?
- 50坪台の土地なら「二世帯住宅」「中庭」「車3台」も
- 50坪台の土地にオススメの間取り
- 【編集部が紹介!】50坪の土地にどんな家を建てた?先輩たちの実例9選
- 【case1】こだわりの屋上バルコニーやガレージがある約52坪の家
- 【case2】ペットと暮らす二世帯住宅兼オフィス 約50坪の土地での家づくり
- 【case3】アイデア満載の空間 子育てと仕事が両立する約50坪台の土地に建てた家
- 【Case4】車椅子の利用を想定しゆとりある廊下幅にした和モダンの住宅
- 【Case5】約50坪の土地に建てた家はバーカウンター付き。暮らしを楽しめる家
- 【Case6】コストやメンテナンスを考え設備の採否を決定!ふんだんな収納ですっきり片付く2階建て
- 【case7】ガレージ付き・4LDKの約50坪のマイホーム
- 【Case8】50坪の土地に3階建て!屋上リビングと吹抜けのある家
- 【Case9】夫の書斎×妻の書道部屋!お互いの時間を大切にする二人の理想の住まい
- 【編集部が厳選】50坪の土地で取り入れたいアイデア
- 50坪の土地に家を建てる際の費用相場
- スーモカウンターでできること
「50坪の家」が建てられる土地ってどれくらい広い?
50坪の土地には、どれくらいの大きさの家を建てられるのでしょうか。当然のことながら敷地の境界線ぎりぎりまで使って家を建てることはできず、そもそも「50坪」という広さのイメージがつかない人もいるかもしれません。
そこで、50坪の土地や建てられる家の大きさについて解説します。
50坪の土地の広さ
まず、50坪の土地はどれくらいの広さなのでしょうか?
1坪は約3.3㎡の広さなので、50坪は、㎡数に変換すると165㎡の土地になります。数字でイメージしづらい場合は、バレーボールコートの面積よりも少し広いくらいをイメージするとよいでしょう。
また、1坪は畳の広さで換算すると約2畳にあたるため、50坪の土地の全面に畳を敷いた場合は、だいたい100畳分くらいの広さになります。
この広さの敷地に家を建てるわけですが、建物を敷地面積いっぱいに建てられるわけではありません。「建ぺい率」や「容積率」によって、土地の広さに対して建てられる建物の規模は制約されます。
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50坪の土地に建てられる家の坪数
50坪(165㎡)の土地に対して、建てられる家の坪数は、用途地域によって違います。
用途地域によって建築制限が異なるので、同じ土地の広さ(敷地面積)であっても、以下の建物の広さを表す値はさまざまです。
- 建築面積:建築物を真上から見たときの面積
- 延べ床面積:各階の床面積の合計(2階建ての場合、1階の床面積+2階の床面積)
建築制限の中で家の広さを考える場合、以下2つの項目に着目してください。
- 建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合(建築面積÷敷地面積×100)
- 容積率:敷地面積に対する延べ面積の割合(延べ床面積÷敷地面積×100)
例えば、50坪の敷地面積に対して、比較的大きい家が建てられる条件と小さい家しか建てられない条件を比較してみましょう。
大きい家が建てられる条件として、建ぺい率60%で容積率200%の場合、建築面積が30坪で延床面積が100坪になります。一方、小さい家しか建てられない条件として、建ぺい率30%で容積率50%の場合、建築面積が15坪で延床面積が25坪です。
しかし、建築制限は他にも複数あるので、該当の用途地域で確認する必要があります。
50坪台の土地なら「二世帯住宅」「中庭」「車3台」も
それでは50坪台の土地に家を建てる場合、どのような間取りが可能なのかを建築士の2人に聞いてみましょう。
「50坪台の土地の広さがあると、二世帯住宅や車3台分の駐車場を検討する人が多いですね。平家にしたり、中庭などの空間をつくったりする余裕が敷地に出てきますので、デザインにかなり自由度を持たせることができます」(山田さん)
「家族のさまざまなニーズ、例えば『広く開放感のあるキッチンにしたい』『室内干しができるスペースがほしい』といった希望にも応えやすくなります。また各所に収納を設けるなど、『暮らしやすさ』をとことん追求できるのも50坪台の土地ならではでしょう」(蓮実さん)
他にも完全分離型の二世帯住宅を検討したり、接道の向きに限定されずに玄関の位置や向きを検討したりする余裕があるのも、50坪台の広さがあればこそ、といえそうです。
そのうえで、2人に50坪の家を建てる際の間取りの工夫のポイントを聞きました。
「分散収納」を心掛ける
「空間に余裕があるので、いろいろなところに少しずつ収納を設ける「分散収納」が有効です。例えば、キッチンにパントリーを設け、サニタリーは壁面収納の可動棚を設ける。個室や寝室にウォークインクロゼットを設置し、ベッドルームはお子さんの成長に合わせて収納をつくるといった考え方です」(山田さん)
二世帯住宅は完全分離型にする
50坪台の土地に家を建てる場合、完全分離型の二世代住宅へのニーズは多いようです。
「例えば2階建ての家に親世代と子世代が暮らす場合、玄関口は1つですが、生活リズムが違う2世帯の動線を分けることを意識して、1階にも2階にも風呂、洗面所、キッチン、トイレを各々設けたりします」(蓮実さん)
平屋の二世帯住宅も建てられる
一方で、同じ二世帯住宅でも平屋の家を建てるケースもあります。高齢者には階段での移動が大変ですから、移動にストレスがない平屋のニーズも少なくありません。とはいえ50坪の土地ではスペース上、完全に世帯を分けるのは難しいかもしれません。
「親世帯と子世帯のプライベート空間を築きにくいため、例えば中庭を設けて部屋を近接させないなどの間取りの工夫が考えられます」(蓮実さん)
家族の「こだわり」を実現する
50坪の広さがあれば、生活の機能面だけでなく、施主さんのこだわりを存分に活かした設計を依頼されることも多いといいます。
「家族の趣味がボルダリングというお宅では、開放的な吹抜けスペースの壁一面をボルダリングスペースにしました。ボルダリングホールドと呼ばれるさまざまな色や形の石の選択や配置にはこだわりました」(蓮実さん)
「スポーツにこだわるご夫婦の依頼で、眺望のいいトレーニングルームをつくり、そこに2台のサイクリングマシーンを並列に設置しました。ご夫婦で外の景色を楽しみながら運動されています」(蓮実さん)
50坪台の土地にオススメの間取り
それでは蓮実さんと山田さんが実際に手掛けた50坪台の土地に建てた家の間取りプランとこだわりのポイントを聞いてみましょう。
家事動線を意識した、子育て世帯の57坪の家
「共働きでともに料理が得意な夫婦の約57坪の間取りプランです。育児・家事を分担して行うので、家事動線を特に意識しました。ポイントは、料理がしやすいこと、子どもが小さいので1階に育児室をつくること、2階に寝室と子ども部屋を設けたこと、室内干しができるスペースを設けたことの4つです」(蓮実さん)
ボルダリングのできる吹抜けがある、開放的なLDK
山田さんにも子育て世帯向けのプランを1つ紹介してもらいました。
「子どもを見ながら家事をしたいというご希望があり、アイランドキッチンにして開放的なLDKにしたプランです。アイランドキッチンはキッチンまわりにスペース的なゆとりがないとできない形状なので、50坪台ならではの設備といえるでしょう。リビングの脇にはボルダリングができる吹抜けのスペースも設けるなど、その家庭らしさを出しやすい設計ができるのもポイントです」(山田さん)
縦長の敷地に中庭を設けたユニークな家
続いて紹介してもらったのは前述のよくあるニーズにも出てきた中庭のある間取りプランです。
「もう1つ、約55坪の敷地に中庭を設けたプランです。縦長の敷地ですが、50坪台の広さがあれば、設計に自由が利くので、長いアプローチを設けたり、L字型のLDKにしたりと工夫次第でユニークな家を造ることができます。4LDKに縁側やウォークインクロゼット、広めのガレージも備えています」(山田さん)
【編集部が紹介!】50坪の土地にどんな家を建てた?先輩たちの実例9選
50坪の土地に建てられた注文住宅には、参考になるアイデアがたくさん盛り込まれています。家庭によって生活スタイルは異なるので、さまざまな事例をチェックして参考になるアイデアを見つけましょう。
ここでは、スーモカウンターの実例から、50坪前後の土地に建てた一戸建て9選を紹介します。
さらに、SUUMOカウンターを通して実際に約50坪の土地に家を建てた施主さんの事例を見て見ましょう。
【case1】こだわりの屋上バルコニーやガレージがある約52坪の家
愛知県のYさん夫妻(夫、妻、2歳と0歳の子ども2人)が暮らす、3LDK+小屋裏収納のある新居。吹抜けが開放感を演出し、キッチンにはこだわりのパントリーが置かれています。屋上バルコニーやガレージなど、当初のこだわりを実現した思い通りの家になりました。
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屋上バルコニーとガレージが得意な建築会社と出会えて大満足!
【case2】ペットと暮らす二世帯住宅兼オフィス 約50坪の土地での家づくり
ペットとの生活も大事にしている名古屋市のSさん夫妻(夫、妻、夫の両親)。台風を機に建て替え、それぞれ2LDKを確保した二世帯住宅はSさんの職場もかねてそれぞれ書斎やワークスペースを備えています。不要な間仕切りを排除し、デッドスペースのない真四角な間取りにすることで、スペースを有効活用しています。
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夫妻の世界観が詰まった、オフィス兼二世帯住
【case3】アイデア満載の空間 子育てと仕事が両立する約50坪台の土地に建てた家
愛知県一宮市のIさん夫妻(夫、妻、2歳と1歳の子ども2人)が建てた家は、子育てにもワークスペースにも居心地がいい空間です。空間をうまく区切り、リビングイン階段やスキップフロア、パントリー、そして書斎も備えるなど、アイデアが満載です。
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空間をうまく区切った、アイデアたっぷりの楽しい家
【Case4】車椅子の利用を想定しゆとりある廊下幅にした和モダンの住宅
空き家になっていた祖母の家を建て替え、約51坪の土地に延床面積約42坪の広々とした2階建てを建てたIさんご家族。近くに住む車椅子を利用している母が気軽に遊びに来られるよう、廊下や階段の幅をゆったりと取りました。50坪程度の広さの土地を確保できれば、このような余裕を持たせた設計もできるようになります。
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庭の紅葉を眺めながらゆったりくつろげる和モダンリビングのある住まい
【Case5】約50坪の土地に建てた家はバーカウンター付き。暮らしを楽しめる家
約50坪の土地に建てられた2階建ては、1階の約27畳のリビングに加え、2階にもセカンドリビングが設けられたゆとりある空間設計。体格のいい夫にあわせ、天井高やトイレの奥行きなども窮屈にならないよう計画されています。キッチンのすぐ隣にはバーカウンターを設置し、理想の暮らしを満喫できる家づくりに成功しました。
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趣味を存分に楽しめる自分らしさが詰まった住まいづくり
【Case6】コストやメンテナンスを考え設備の採否を決定!ふんだんな収納ですっきり片付く2階建て
2人が生まれ育った馴染みの深い地元の街で一戸建てを建てたDさん夫妻。限りある予算を有効活用するために、キッチンや電動シャッターなど取り入れたい設備機器については、コストはもちろんメンテナンスまで考えて採否を決めました。玄関にはシューズクローク、主寝室には広々としたウォークインクロゼットを設けるなど収納にもこだわったおかげで、すっきりした空間になっています。
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生まれ育った街で、家族や仲間が笑顔で集える住まいを実現
【case7】ガレージ付き・4LDKの約50坪のマイホーム
結婚後、夫の実家の敷地内にある土地に家を建てることを決めたDさん夫妻。まずは住宅展示場を訪れたものの、比較検討がしづらいと感じ、スーモカウンターを訪問。「おしゃれな平屋に住みたい」という希望と予算を伝え、初回の間取り提案からセンスが感じられた会社に依頼。
家事動線が考え抜かれた広いキッチンとリビングのある家が完成しました。夫は大の車好きということもあり、家の中から愛車が眺められるガレージも付けています。「やはり平屋はいい!」と住み心地も大満足の仕上がりとなりました。
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自慢のインナーガレージ付き!外観にもこだわった、三角屋根が連なる平屋の家
【Case8】50坪の土地に3階建て!屋上リビングと吹抜けのある家
結婚3年目で3階建ての注文住宅を完成させた20代のご夫妻。家づくりのきっかけは、「このまま賃貸の家賃を払い続けるなら、一戸建てのローンも返済できるのではないか」と思い始めたこと。土地探しをしているうちに、無料で相談できるスーモカウンターを知り、オンラインで面談を開始。効率よく建築会社を決められ、理想的なマイホームが出来上がりました。
50坪の土地に建てたのは3LDKの3階建て。延床面積は131㎡(39坪)で、1台分のインナーガレージや大きなバルコニーもつくりました。2人そろってアウトドアが趣味なため大容量の収納スペースを設け、大型犬がゆったり暮らせる間取りになっているので、大満足しているといいます。
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【Case9】夫の書斎×妻の書道部屋!お互いの時間を大切にする二人の理想の住まい
結婚後の生活に向けてマイホームづくりを始めた40代のご夫妻。知人から勧められたスーモカウンターを訪れて具体的に家探しを開始しました。アドバイザーと一緒に資金計画を立て、希望条件に合う建築会社4社をピックアップ。さまざまな見学会に足を運び、シンプルな注文住宅を完成させました。
約50坪の土地に建てた家は、延べ床面積96㎡(28坪)の3LDK。日当たりのいい立地で、自家発電設備を備えているのがポイントです。その他のデザインや間取りにはこだわり過ぎず、2人で家事ができる動線とそれぞれの個室を用意しました。結婚と同時に一緒に住み始めたマイホームでは、コロナ禍も経験し、お互いを尊重し合いながら暮らしているといいます。
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【編集部が厳選】50坪の土地で取り入れたいアイデア
50坪のスペースがあればかなり広く活用できるため、理想を詰め込んだり、こだわりの趣味スペースをプラスしたり、自由度が高くなるでしょう。そこで50坪の土地に対してオリジナリティーの高い要素を取り入れる際の参考に、次の6つのアイデアについて紹介します。
ビルトインガレージ
ビルトインガレージとは、建物の中に駐車スペースを取り入れたガレージのことです。大切な車を雨風から守ることができるだけではなく、住宅の一部に設計することで個性的なデザインの家に仕上げることができます。
また、車庫から家の中にそのまま入れる設計にしておくことで、雨でも濡れずに出入りできるため、機能性にも優れています。50坪のスペースがあれば自分だけの作業場としても使えるビルトインガレージがつくれるでしょう。
ビルトインガレージについてもっと詳しく
>>インナーガレージのある家を建てたい!建築時のポイントを徹底解説
家事室
日々の家事をスムーズに行うため、家事室を設けるのも1つの手です。家事室とは、ユーティリティースペースとも呼ばれており、洗濯・アイロンがけ・裁縫・事務作業など幅広い用途に使われる部屋です。
専用の部屋を用意することで作業効率が上がり、生活スペースに置く荷物なども収納できるため、リビングやキッチンの生活感をなくしやすくなります。
家事室についてもっと詳しく
>>家事室のメリットは?家事ラクをかなえるアイデアや注意するポイントを解説
ランドリールーム
ランドリールームとは、その名の通り洗濯から収納までを行うスペースのことです。洗濯機を置き、洗剤・タオル類の収納やアイロンがけなどもまとめてこのスペースで行います。
ランドリールームは一般的に3〜4畳ほどの広さが必要です。あまりにも狭いと作業しにくくなるので注意しましょう。
ランドリールームについてもっと詳しく
>>実例紹介!ランドリールーム、室内物干しスペースで家事効率をアップさせるコツ
シューズクローク
玄関にシューズクロークがあれば家族の靴をすっきり収納することができ便利です。靴の他にも傘やベビーカーなど、玄関にそのまま置いておくと場所をとるアイテムも片付けやすくなります。
玄関を整頓された状態にしておくためにも、シューズクロークを設置することはおすすめです。
シューズクロークについてもっと詳しく
>>シューズクロークって必要?ライフスタイルに合ったオススメのタイプを解説
パティオ・中庭
パティオとは、スペイン語で「中庭」という意味です。家の中に壁で仕切られた中庭があるイメージです。家の中に外空間ができることで家全体の風通しをよくする効果もあります。植物を育てたり、砂利を敷いて和風な雰囲気にしたり、思い思いの小庭を作ることができます。
50坪ほどのスペースがあれば、注文住宅の設計時にパティオを作ることも可能です。家の外から見られる心配もないため、子どもが遊ぶスペースとしても危険性が少ないなどのメリットがあります。
パティオについてもっと詳しく
>>パティオとは?メリット・デメリットは?外空間を楽しく過ごせるアイデアを解説
スキップフロア
50坪の土地に建てる家はスペースに余裕があるため、高さを少し変えた空間を設けるスキップフロアを自由につくることも可能です。
例えば、リビングの一部を1段下げたり、書斎やキッズスペースのコンパクトな空間を中2階に配置したりするアイデアがオススメです。スキップフロアなら、縦の空間を有効活用しながら緩やかなゾーニングができ、メリハリのある暮らしができます。
フロアを変えたり個室にしたりするのとは異なり、完全には空間を分けないので、視線が抜けて開放感も得られやすいです。そのため、別のことをしている家族の気配を感じながらも、自分の時間を満喫できるでしょう。
また、スキップフロア下の空間を活用すれば、収納スペースを増やすこともできます。
アウトドアリビング
アウトドアリビングは、リビングと一体感のあるデッキやテラスを設置するので、50坪の土地にオススメのアイデアです。
外に出かけることなく、屋外の開放感を楽しめるので人気が高まっています。アウトドアリビングに屋根があれば、雨の日でもバーベキューや読書ができ、夏は涼しく、冬は陽だまりスペースになります。そのため、屋内リビングでくつろぐのとは異なるリフレッシュ感を味わえるでしょう。
また、アウトドアリビングに欠かせない屋外用の家具を充実させるのもポイントです。方角や天候を考慮して耐久性のあるアイテムを設置しましょう。
近年では特に、外からの視界を考慮した中庭やバルコニーなど、プライバシーを確保しつつも開放的なアウトドアリビングを実現できる物件が多いです。
ファミリーライブラリー
50坪の余裕がある土地なら、1〜2畳程度のファミリーライブラリーのある家を建てられます。ファミリーライブラリーは、家族で使える本棚とデスクやチェアなどを配置した空間です。
書籍を収納するのと同時に、その場で読書に没頭できる空間をつくり上げることがポイントです。そのため、照明やソファ、クッションなどをレイアウトするのをオススメします。
また、玄関ホールやリビングの一角など、家族の共用スペースに設置すると、生活に溶け込んで読書の習慣を持ちやすくなります。
さらに、書斎をつくるほどではなくても、ファミリーライブラリーで軽く作業できる仕様にすると、より活用しやすくなるでしょう。在宅ワークや趣味の創作活動、子どもの学習スペースなど活用の幅が広がります。
リビング階段
50坪の土地では広々としたリビングのある家を建てられるので、リビング階段を採用できます。家族の集まるリビングを起点にした生活になりやすく、家族間のコミュニケーションが増えるでしょう。廊下をつくる必要もなくなるため、その分スペースを他の空間に使え、生活動線もコンパクトになります。
また、リビングの中央にデザイン性の高い階段を配置すると、印象的なリビング空間になるでしょう。特に、リビング階段を吹抜けと組み合わせたり、スケルトン階段にしたりすると、開放的で自然光を取り入れやすい明るいリビングに仕上がります。
しかし、音や臭いが伝わりやすくなったり、大空間の冷暖房の調整が難しくなったりすることもあるので、注意してください。
パントリー
料理好きな人のいる家庭では、パントリーがあると大活躍します。
パントリーは、調理器具や食材、冷蔵庫などを、まとめて収納できて便利です。それだけでなく、キッチンが散らかりにくいすてきな空間にキープしてくれます。パントリーは、リビングやダイニングから中が見えないように考慮しつつ、キッチンからのアクセスがいい間取りをつくるのがオススメです。
さらに、玄関からパントリーへ直結する動線を確保するのもポイントです。買い物から帰ったら荷物を別の場所に置くことなく、そのままパントリーに収納できると、無駄がなく、より快適に家事がはかどります。また、パントリーと玄関が直結していれば、ごみ出し動線もコンパクトにできます。キッチンで出たごみをパントリーに仮置きし、ごみ出しの際にパントリーから取り出しやすいです。
パントリーを活用すれば、家事が楽になり、キッチンやリビングダイニングをきれいに保てるでしょう。
ゲストルームにもなる和室
50坪の広い土地に建てる家なら、ゲストルームにもなる大きさの和室をつくるのをオススメします。
近年では全面フローリングの住宅がほとんどですが、和室や畳コーナーも取り入れたいという要望は少なくありません。そのため、リビングの一角に小上がりの和室を設けた間取りは人気があります。リビングの床より一段上がっていて畳なので、温かさや柔らかさ、清潔感があります。小さな子どもから年配の方まで、家族で自由に座ったり寝転がったりしながら、団らんを楽しめるでしょう。
また、小上がり部分は収納スペースにもなります。和室を客間にする場合の布団や、リビングで使用する雑貨などを大容量に収納できます。その際、リビング側から引き出せると使い勝手がいいでしょう。
50坪の土地に家を建てる際の費用相場
50坪の土地に家を建てるときにかかる費用相場は、「建てたい家の延床面積×坪単価(家の建築にかかる1坪当たりの費用)」で概算できます。注文住宅を建てるときの坪単価の全国平均は、住宅金融支援機構が公表している「2023年度 フラット35利用者調査」をもとに算出すると約107万円。これは地域によって大きな差はなく、例えば50坪の土地に延床面積50坪(約165㎡)のゆとりある注文住宅を建てるとしたら、約5,350万円かかる計算です。
なお坪単価は建てる家のグレードや建築会社によって異なります。家にかけられる予算と建てたい家の広さを大まかに決めた上で、予算内で希望をかなえてくれそうな建築会社を探しましょう。
土地と家の費用バランスに注意しよう
50坪の土地を購入して新築住宅を建てる場合、土地と家のバランスをよく検討してください。
利便性の高い駅近のエリアでは、土地代が高くなるので住宅部分に費用をかけられなくなり、満足のいく間取りや設備を採用できないかもしれません。反対に、高いグレードの家に費用を注ぎ込むと、立地条件があまりよくない土地しか購入できなくなる可能性もあるでしょう。
「2023年度 【フラット35】利用者調査」(住宅金融支援機構)によると、土地付き注文住宅の場合、土地取得費の1坪当たりの全国平均は約23万8,400円です。地域別では、首都圏では約47万300円と全国平均の倍以上となるのに対し、近畿圏では37万6,600円、東海圏では19万8,400円と首都圏より金額が低くなり、その他の地域では約12万200円です。
地域 | 土地付き注文住宅の土地取得費(平均) |
---|---|
全国 | 約23万8,400円/坪 |
首都圏 | 約47万300円/坪 |
近畿圏 | 約37万6,600円/坪 |
東海圏 | 約19万8,400円/坪 |
その他の地域 | 約12万200円/坪 |
※「2023年度 フラット35利用者調査」を参考に土地取得費を敷地面積で割り、算出
同じ50坪の土地でも、三大都市圏ではない地域なら約600万円で購入できますが、首都圏では約2,350万円以上が必要となり、エリアによって大きな開きがあります。そのため、土地の購入と併せて注文住宅を考える場合、土地代も含めて総合的に予算を立て、購入する立地条件や家の仕様などを考えることが重要です。
また、土地探しからサポートしてくれる建築会社を選べば、土地と住宅の費用バランスを取りながら家づくりを進められるでしょう。
なお、全国の土地の坪単価は、土地購入情報サイトSUUMO(スーモ)で調べることができます。希望のエリアの土地の相場価格を知りたい方は、下記サイトからアクセスして価格をチェックしてみてください。
→都道府県の市区・駅別の土地相場価格をもっと詳しく
全国の土地価格相場情報
ハウスメーカーや工務店に土地探しを依頼するポイントなどについて詳しくは→
土地探しは、工務店やハウスメーカーに依頼できる?依頼時のポイントやメリット・デメリットを解説!
スーモカウンターでできること
50坪の土地に家を建てるなら、スーモカウンターに相談しましょう。
50坪の土地には、あらゆる間取りのアイデアを取り入れられるので、選択肢の幅が広く家づくりを楽しめます。しかし、家庭によって暮らし方はさまざまなので、自分たちにぴったりのマイホームを手に入れるには、情報収集と取捨選択の連続です。
スーモカウンターを利用すれば、考えることも選択することも客観的にアドバイスを得られて、家づくりがスムーズに進みます。もちろん、間取りに関することだけでなく、資金の計画や建築会社の選び方などもサポートします。個別相談も講座も無料なので、気軽に問い合わせてみてください。
坪単価の相場や希望条件での土地探しは、SUUMOで検索できるので、活用してみましょう。
監修/SUUMO編集部(【編集部が厳選】50坪の土地で取り入れたいアイデア)
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